資金不足の調達に役立つのが融資。お金を借りることができる便利なものですが、借りたら必ず返済しましょう。
お金を返済するといえば毎月支払う方法が多いですが、できるなら一括返済で一気に全額返済する方がメリットが大きいです。
本記事では、融資の一括返済のメリット・デメリット・押さえておきたいポイントについて解説していきます。
INDEX
そもそも融資って何?
「融資」は普段あまり聞かないため、どんな意味なのか知らない人が多いと思いますが、融資とは金融機関がお金を借りることを言います。
つまり、借金です。
ですが、皆さんが想像する借金は恐らく、生活費・住宅・車・服などを購入する際に資金としてお金を借りる方をイメージするでしょう。
融資は、事業のために使う資金を借りることを言います。
事業で利益を生み向上させるにはお金を作る必要があるため、その助けとして金融機関からお金を借りることができます。
しかし、どちらにしても「お金を借りる」ということになるため、最終的には借りた分を返済する義務があります。
4種類の融資について
金融機関から融資には、以下の4種類に分けられています。
①当座貸越
②証書貸付
③手形貸付
④手形割引
次は、それぞれの違いを理解するために具体的に説明していきます。
1. 当座貸越
当座貸越とは、予め決められている限度額の範囲内なら、自由にお金を借りたり返すことができる方法です。
通常、融資を受けるには融資の審査を受ける必要があります。
しかし、当座貸越は限度額までなら自由にお金を借りることができるため、急遽今すぐ資金を借りたい場合でもすぐに資金調達ができます。
ただし、お金を貸す銀行側からすると、きちんと返済してくれるか明確ではないためリスクが高い融資で、審査が非常に厳しいです。
2. 証書貸付
証書貸付とは、借入契約を交わして融資を受ける方法です。
契約する際は「金銭消費者貸借契約書」に必要事項を書いて提出します。
金銭消費者貸借契約書には契約日・借入金額・利率・遅延の損害金・返済方法・返済期間など融資の基本情報が記載されており、融資を受ける人・連帯保証人の署名・押印をして金融機関に提出しましょう。
証書貸付は返済期間が1年以上で長期間なため、金融機関側からするとこちらもリスクが高い融資で、審査が厳しいです。
3. 手形貸付
手形貸付とは、約束手形を振り出して融資を受ける方法です。
約束手形とは、振出人が受取人に対して一定期間に一定の金額を支払うことを約束する有価証券です。
手形貸付を申し込むには、融資を申し込む銀行の当座預金口座を解説する必要があります。
手形貸付は短期間で借入をすることが多く、4種類の中では融資を受けやすいです。
しかし、返済期間には注意して、決められた日にきちんと返済しましょう。
返済をしなかったり遅れたりすると信用を無くしてしまう可能性があり、今後融資を受けることができなくなるなどペナルティを課せられてしまいます。
4. 手形割引
手形割引とは、取引先から受け取った手形を金融機関に買い取ってもらう方法です。
これから回収できるお金を担保にして、金融機関からお金を貸してもらうといったやり方です。
融資は受けやすいですが、手形を発行している取引先の業績などによっては、融資の審査が落ちてしまう可能性もあるので注意してください。
融資一括返済のメリット
急遽必要になった資金を調達する際の強い味方ですが、当然ながら必ずお金を返さなければなりません。
返済方法は一度に全額支払う「一括返済」や毎月少しずつ支払っていく方法などがあります。
事業向けの借金を一括返済をすると、「利息が抑えられる」と言ったメリットがあります。
融資・借金・ローンを返済する際は、借りた金額だけでなく手数料や利息分も支払わなければならないことをよく覚えておいてください。
実際にお金を借りた時に計算ミスで返済できないなんてこともあり得ますから。
次は、以上のメリットをもっと具体的に解説していきます。
一括返済で利息が抑えられる
一括返済の最大のメリットです。
返済期間が短ければ短いほど、利息は支払う必要がなくなります。
そのため、月々に支払う方法と比べると、支払うべき利息の総額を低く抑えることができます。
借入残高と利息を一度に返済すれば全額支払うことができてスッキリするため、この仕組みを覚えておいて損はないです。
もちろん、今後の利息が発生することはないです。
融資一括返済のデメリット
一括返済をすれば借りた金額・手数料・利息を全て支払うことができますが、それによって危険性が高まることもあります。
一括返済をすると以下のようなデメリットが考えられます。
①手続きが大変
②無理すると生活に支障が出る可能性も?
どういう事なのか?
次の項目でそれぞれ解説していきますね。
手続きが大変
引き落とし口座に返済額を入金する他に所定の手続きが必要になります。
また、融資を契約する金融機関によっては、一括返済を選んだ際に別の手数料が発生することがあります。
専用のATMを使わなければならなかったり、直接窓口まで行かなければならないなど、作業や手間が多くなります。
資金を借りる際は、事前に一括返済の方法について調べておくと効率良く手続きをすることができます。
無理して一括返済すると生活に困る
一括返済ができる余裕のお金があれば良いのですが、生活費を削ってまで無理して返済してしまうと今後の生活が厳しくなる可能性があります。
本来違う目的として使うはずだったお金も使ってしまえば、他の支払いを滞納してしまったり、最悪の場合違反行為として今後融資・ローンが使えなくなってしまうこともあります。
一括返済は利息を減らすことができますが、無理するとせっかくのメリットの意味が無くなってしまうため、無理のない範囲で返済することが大切です。
一括返済するシミュレーション
一括返済をする時の流れを見ていきましょう。
事前にチェックしておくことで、後に起こり得るトラブルを防ぐことができます。
1. 借入残高をチェック
融資を受ける金融機関に連絡をとるか、サイト・アプリのマイページで、現在の正確な借入残高をチェックします。
利息は1日単位で加算されていくため、返済日によって利息を含めた一括返済額は変わっていきます。
そのため、余裕のある金額を用意できたらチェックしましょう。
2. 一括返済方法を選ぶ
返済する場所は金融機関の窓口・銀行やコンビニのATMで振り込むなど、契約する所によって返済方法が異なります。
ATMで返済する際は、振込手数料も忘れないようにしましょう。
また、利息分を含めると1円単位の支払いになることが殆どなため、ATMで返済する際は硬貨も取り扱っている所を利用することも覚えておきましょう。
中にはお札しか入金できないATMもあるため、注意してください。
3. 必要な金額を全額入金する
返済する場所に着いたら、残高を確認して即日入金すれば残高0円で完全に全額支払い完了になります。
もし、残高確認から入金まで日数が空いてしまうと、その分の利息が増えていってしまいます。
返済予定日を過ぎてしまう場合は、返済する金額が変わってしまうため、改めて返済する金額をチェックしておきましょう。
4. 完済証明書を発行してもらう
完済証明書は、融資を受ける時の必要書類になることもあるため、融資を受け付けている金融機関に連絡をして完済証明書を発行してもらいましょう。
一括返済するタイミングは?
メリットを知り、実際に一括返済を選ぶならばタイミングもよく考えて行動しましょう。
例えば、子供が独立して何千万円の貯金が残っているなら、繰り上げ返済で借入残高全てを支払っても良いでしょう。
ですが逆に、子供の進学などで出費が重なったりして収入が不安定になっている時期は、一括返済をするタイミングとして良くありません。
例え一括返済できる金額があったとしても、近い将来に高い出費がくる可能性がある場合は、慎重に考える必要があります。
融資を申し込む際に資金不足で厳しい状況だと、お金を貸す金融機関側は「返済してくれないかもしれない」ということで契約することをためらいます。
そのため融資を受けるなら、事業の資金が不足しそうな状況ではなく、事業の資金にまだ余裕がある状況がベストなタイミングです。
一括返済の2つのポイント
一括返済のメリットとデメリットを解説しましたが、続いては、必ず押さえておきたい2つのポイントについてお話していきます。
1. 一括返済は無理をしない
上記でもお話しましたが、「一気に全部済ませてスッキリしたいから」「ギリギリ支払えそうだし利息を減らすなら一括返済しよ」と言った考えは良くありません。
とくに子供がいる家庭の場合、手元に残ったお金が少額で生活費が厳しくなれば大きな問題となってしまいます。
大きな収入をもらったなどで、お金に余裕ができたタイミングに一括返済を選ぶのがおすすめです。
お金を借りる時は余裕を持った計画を立ててくださいね。
2. 返済完了の通知は届かない
借入金を全額返済しても、契約した場所によっては返済完了の通知が送られてくることがないこともあります。
なので本当に全額返済したのか分かりづらいため、心配な人は契約している金融機関に連絡をして確認をしましょう。
また、金融機関のサイト・アプリのマイページで借入残高を確認することもできます。
可能性は低いかもしれませんが、全額返済したつもりでも実はまだ残っていたなんてこともあり得るため、返済した後も念のためチェックしておくのが良いでしょう。
事業を発展に融資を受けるのは正解なのか?
誰でもお金を借りることに嫌悪感があると思います。
借金を背負っている人は浪費癖があって、仕事をしないで遊んでばかりいるイメージがありますよね。
なので、融資を受けてお金を借りるのは抵抗がある人が多いです。
ですが、事業のために資金の融資を申し込むことは、以上のような借金とは全く違い、事業の向上・発展させるために非常に重要な経営の一つです。
事業を向上・発展させるにはお金がかかりますし、投資できる資金を確保しておく状態にする必要があります。
借りた分を返済すれば、会社と金融機関がお互いに社会的信頼を得ることができます。
そのため、事業のために融資を受けるのは賢い方法と言えるでしょう。
まとめ
以上、融資の一括返済について解説してきました。
融資は事業発展の資金調達の強い味方になります。
さらに一括返済をすれば大きなメリットがあるため、無理のない範囲ならば一括返済がおすすめです。
これから融資を検討している事業者は、ぜひ一括返済も視野に入れてみてはいかがでしょうか?