宿泊施設や観光業に携わっている方々は、2020年の年末から2021年の年始にかけてのコロナウイルス感染症拡大に伴う利用客の減少により、大きな影響を受けています。
鹿児島県では、このような状況を踏まえて、鹿児島県内の宿泊施設や貸切バス事業者が利用できる誘客取組等支援事業費補助金を設けました。
鹿児島の魅力発信やおもてなしを向上させ、観光業を回復につなげていく取組に対して支援している補助金となっていますので、ご活用ください。
こちらの記事では、誘客取組等支援事業費補助金の「誘客取組等支援・受入環境整備支援」
と「緊急対策支援」について、詳しく解説していきます。
誘客取組等支援事業費補助金(誘客取組等支援・受入環境整備支援)
誘客取組等支援事業費補助金(誘客取組等支援・受入環境整備支援)は、鹿児島市が実施している観光事業の回復につなげようとする新規性や継続性のある取組を支援している補助金です。
宿泊施設や貸切バス事業者が独自の個性を活かし、他の事業と連携することにより、鹿児島の魅力発信やおもてなしを向上させることにより、観光事業の回復を目指しています。
併せて、新型コロナウイルスの感染拡大等の影響により利用客の減少等に直面している宿泊施設が、コロナ禍に対応した宿泊需要を喚起し事業の回復につなげようとする取組に対しても支援を行っています。
補助対象者
誘客取組等支援事業費補助金(誘客取組等支援・受入環境整備支援)の補助対象となるものは、下記の通りとなります。
◆補助金の交付目的となる宿泊施設又は貸切バス事業者を経営するものであり、次のいずれにも該当するものとなります。
【宿泊施設】
旅館業法(昭和23年法律第138号)第3条第1項の許可を受けて行う同法第2条第2項から第3項の営業に係る施設であること。
【貸切バス事業者】
道路運送法(昭和26年法律第183号)第4条第1項の一般旅客自動車運送事業の許可を受け、同法第3条第1号ロの自動車による旅客の運送を行う事業者であること。
【共通】
① 鹿児島県内で経営する事業者であること。
② 法人又は個人が過去にこの補助金の交付を受けたことがないこと。
ただし、2つ以上の施設を営業している場合のみ、1施設毎に申請を行わなければいけない。
③ 代表者、役員又は従業員が、鹿児島県暴力団排除条例(平成26年鹿児島県条例第22号)第2条に規定する暴力団、暴力団員、暴力団員等及び暴力団関係者でないこと。
補助対象項目と経費
誘客取組等支援事業費補助金の誘客取組等支援と受入環境整備支援のそれぞれの項目と経費は下記の表の通りとなります。
【誘致取組支援】
・宿泊施設、貸切バス対象
対象分野 | 対象費目 |
①需要回復のための誘客促進・販売促進 | 101:インフルエンサー・メディア招請,在留外国人活用等によるファムトリップ等
102:他の民間事業者と連携したキャンペーン 103:PR・誘客のためのイベント開催 104:プロモーションツール(動画,パンフレット,WEBページ等)の新規作成 105:プロモーションツールの多言語化 106:商談会・イベント等への参加・出展 107:テレビ,新聞,雑誌等を活用した広告 108:WEB,SNSを活用した広告 109:その他需要回復のための誘客促進・販売促進に関するもの |
②観光振興に資する人材の育成 | 201:語学・外国人客の受入に関する研修の開催
202:接遇・おもてなしに関する研修の開催 203:効果的な情報発信やブランド構築に関する研修の開催 204:かごしま検定の合格をめざした研修の開催 205:地域の歴史・文化等に精通するための研修の開催 206:障害者の受入のための介助等の研修の開催 207:富裕層等への上質なサービス提供(オーダーメイド対応等)に向けた研修の開催 208:通訳ガイドと連携したツアー対応等の研修の開催 209:人材育成のためのマニュアル作成 210:の他観光振興に資する人材の育成に関するもの |
③地域の特徴を活かした体験メニューなどの企画構成 | 301:地域の文化や自然を活かした体験メニュー・アクティビティの企画・造成(環境整備等含む)
302:健康・癒やし・長寿(鹿児島のウェルネス)等をテーマとした滞在型観光モデルの企画・造成 303:日帰り客を対象とした宿泊施設利用プランの企画・造成 304:体験メニュー等の紹介ツール整備(パンフレット・まち歩きマップ・WEB等) 305:体験メニュー等に関するモニターツアー等の企画・実施 306:地元商店・飲食店等と連携した宿泊者限定割引サービスの企画・実証 307:その他地域の特徴を活かした体験メニューなどの企画・造成に関するもの |
④夜間・早朝楽しめる観光コンテンツ(ナイトタイムコンテンツ)の企画・造成 | 401:ナイトタイムコンテンツの企画・造成(環境整備等含む)
402:ナイトタイムコンテンツの紹介ツール整備(パンフレット・マップ・WEB等) 403:ナイトタイムコンテンツに関するモニターツアー等の企画・実施 404:その他ナイトタイムコンテンツ企画・造成に関するもの |
・宿泊施設対象
⑤地元食材を活用したメニューの開発等の企画 | 501:地域食材を活用したメニュー、土産物の開発
502:新規メニュー・土産物の紹介ツール整備(パンフレット・WEB等) 503:評価を得るためのイベント開催等(試食会・モニター募集等) 504:地域食材を活用したメニュー等を取り扱うテナントの募集 505:地元食材を活用する飲食店等と連携した泊食分離の企画・実証 506:その他地元食材を活用したメニュー開発等の企画に関するもの |
⑩コロナ禍での需要取り込みのためのプランの企画・造成 | 1001:受験生が受験直前等に安心・集中して勉強できる環境としての宿泊又は日帰り利用プラン(学習室提供)の企画等
1002:県内在住者が宿泊施設でテレワーク勤務するための宿泊又は日帰り利用プランの企画等 1003:遠隔地の取引先とのWeb会議,離れて暮らす家族等との通信、リモート講座の配信などを支援するサービスの企画等 1004:客室等プライベートスペースにおける少人数向けの食事提供サービスの企画等 1005:地元特産品等のオリジナルお土産セットや将来利用できる宿泊クーポンの通信販売など,県外客等との絆をつなぐサービスの企画等 1006:その他、コロナ禍での需要取り込みを促進するためのプランの企画等(緊急対策支援に係る企画・造成を含む) |
【受入環境整備支援】
・宿泊施設対象
対象分野 | 対象項目 |
⑥無料公衆無線LAN環境の整備 | 601:館内共用部・客室の無料Wi-Fi設備の整備 |
⑦インバウンド受入環境 の整備 | 701:館内共用部・客室の便器の洋式化 702 館内共用部・客室の国際放送設備整備
703:宿泊予約機能を有する自社WEBサイトの多言語化 704:パンフレット・館内案内紙・まち歩きマップ・メニュー等の多言語化 705:館内共用部の案内表示の多言語化 706:外国語音声案内の整備 707:避難誘導サイン,災害対応リーフレット,防災マップ等の多言語化 (ピクトグラム表示含む) 708:キャッシュレス決済環境の整備 709:ハラルフード・ベジタリアンメニューの開発 710:ムスリム受入のための礼拝場所の整備(マット・キブラコンパス等含む) 711:その他インバウンド受入環境の整備に関するもの |
⑧新規需要取り込みの ための客室の 一部改装等 | 801:ワーケーションの受入環境整備(総務省が推進するふるさとテレワークの サテライトオフィスに該当する取組を含む)
802:客室の和洋室化(和室と洋室で構成される和洋折衷の客室整備) 803:富裕層向けの高級感・特別感のある客室への改装(40㎡以上等の 条件あり) 804:サイクリスト向け自転車の預かり・持ち込み環境の整備、レンタサイクル の導入 805:共用部・客室のバリアフリー環境整備 806:その他新規需要取り込みのための客室の一部改装に関するもの |
・貸切バス対象
⑨貸切バスの受入 環境整備等 | 901:車内の無料Wi-Fi設備等の整備
902:車内の案内表示・案内放送の多言語化 903:地域の観光PRに資する車体ラッピング 904:車内座席等への液晶モニター配備 905:その他貸切バスの受入環境整備に関するもの |
補助額
誘客取組等支援事業費補助金(誘客取組等支援・受入環境整備支援)の補助率と補助上限額は下記の通りとなります。
◆補助率 3分の2以内
◆補助上限額
・宿泊事業者 施設ごとの合計収容定員数に応じた額
10名につき10万円(上限100万円)
・貸切バス事業者 所有貸切バス台数に応じた額
1台につき10万円(上限100万円)
誘客取組等支援事業費補助金(緊急対策支援)
誘客取組等支援事業費補助金(緊急対策支援)は、鹿児島県が実施している観光業の回復につなげようとする取組を支援している補助金です。
新型コロナウイルスの感染拡大等の影響に伴い、利用客の減少等に直面している宿泊施設がコロナ禍に対応した宿泊需要を喚起し、事業の回復につなげようとする取組に対して支援することを目的としています。
補助対象者
誘客取組等支援事業費補助金(緊急対策支援)の補助対象となるものは、下記の通りとなります。
◆補助金の交付目的となる宿泊施設を経営するものであって、次のいずれにも該当するもの。
① 旅館業法(昭和23年法律第138号)第3条第1項の許可を受けて行う同法第2条第2項から第3項の営業に係る施設であること。
② 鹿児島県内で経営する事業者であること。
③ 法人又は個人が過去にこの補助金の交付を受けたことがないこと。
ただし、2つ以上の施設を営業している場合のみ、1施設毎に申請を行わなければいけない。
④ 代表者、役員又は従業員が、鹿児島県暴力団排除条例(平成26年鹿児島県条例第22 号)第2条に規定する暴力団、暴力団員、暴力団員等及び暴力団関係者でないこと。
補助対象項目と経費
誘客取組等支援事業費補助金(緊急対策支援)の補助対象の項目と経費は、下記の表の通りとなります。
◆令和3年1月23日から2月28日までの宿泊に係る宿泊料金
・消費税及び地方消費税に相当する額並びに入湯税を除いた額
・宿泊施設対象
対象分野
対象項目
⑳感染防止に資する宿泊プ ランの割引提供
2001:県外受験から鹿児島に戻った学生等(付添者含む)や県外出張等から戻った 県民が一時待機するための宿泊プランの割引提供
2002:受験直前に現地入りした学生等が安心・集中して勉強できる環境としての宿泊 プランの割引提供
2003:県内在住者が宿泊施設でテレワーク勤務するための宿泊プランの割引提供
補助額
誘客取組等支援事業費補助金(緊急対策支援)の補助率と補助上限額は、下記の通りとなります。
◆補助率 割引前の宿泊料金の2分の1以内
・実際の割引率が2分の1より低い場合は、実際の割引率
◆補助上限額
・施設ごとの収容定員数にかかわらず上限200万円
申請期間
誘客取組等支援事業費補助金(緊急対策支援)の申請期間は下記の通りとなります。
◆申請書
・令和3年1月26日(火)から令和3年2月28日(日)まで(消印有効)
◆実績報告書
・令和3年1月26日(火)から令和3年2月7日(日)まで(消印有効)
申請方法
誘客取組等支援事業費補助金(緊急対策支援)の申請方法は下記の通りとなります。
◆郵送
新型コロナウイルスの感染防止の観点から、持参による申請は受け付けていませんので、ご注意ください。
・簡易書留やレターパックなど申請者が郵便物の到達を確認できる方法で送付してください。
・封筒には差出人の住所及び氏名を必ずご記入し、送料は申請者による負担となります。
◆宛先
〒892-0828 鹿児島市金生町2-14
4階 鹿児島県誘客取組等支援事業事務局 宛て
まとめ
鹿児島県が実施している誘客取組等支援事業費補助金の「誘客取組等支援・受入環境整備支援」と「緊急対策支援」について、補助対象者、補助対象項目と経費、補助額などをご紹介してきました。
年末と年始に再び新型コロナウイルス感染症拡大したことにより、影響を受けた鹿児島県内の宿泊施設や貸切バス事業者は、ぜひこれらの補助金をご活用ください。
なお、申請期間が限られていますので、見逃さないように申請するようにしましょう。
資金調達の一つとしても活用できる補助金を、観光業の回復や継続にお役立てください。