オーガニックビジネスの資金調達|令和3年度持続的生産強化対策事業のうち有機農業推進総合対策の8つの取組を紹介

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令和3年度持続的生産強化対策事業のうち有機農業推進総合対策

有機野菜やオーガニックビジネスが注目を浴びており、「新たに有機農業に取り組んでみたい」と考えている農業者は少なくありません。

しかし、オーガニックビジネスを始めるとなると、技術取得や人材育成、有機農業のアドバイスなど、多くの取組が必要となるために躊躇する方は多いのではないでしょうか?

農林水産省では、このような状況を踏まえて、有機農業の推進、人材育成、拠点産地づくり、流通や小売り、加工などと連携して行う取り組みを支援する「令和3年度持続的生産強化対策事業のうち有機農業推進総合対策」を設けています。

有機野菜やオーガニックビジネス、連携事業など、8つの事業が設けられていますので、ご自身の状況に沿った事業を資金調達の一つとしてご活用ください。

こちらの記事では、「令和3年度持続的生産強化対策事業のうち有機農業推進総合対策」と8つの事業について、詳しく解説していきます。

令和3年度持続的生産強化対策事業のうち有機農業推進総合対策

令和3年度持続的生産強化対策事業のうち有機農業推進総合対策

令和3年度持続的生産強化対策事業のうち有機農業推進総合対策は、農林水産省が実施している国際水準の有機農業の取組を推進するために設けられた事業です。

有機農業指導員の育成、新たに有機農業に取り組む農業者の技術習得等による人材育成を推
進するとともに、実需ニーズも踏まえたオーガニックビジネスの拠点的な産地づくりによる有機農産物の安定供給体制の構築及び国産有機農産物等の流通、加工、小売等の事業者と連携して行う需要喚起の取組に支援を行っています。

補助対象となる事業に必要となる経費の一部に対して、補助金を交付しています。

事業内容

令和3年度持続的生産強化対策事業のうち有機農業推進総合対策の事業内容は、下記にあげる8つの事業によって構成されています。

◆有機農業新規参入者技術習得等支援事業のうち、
1.有機農業新規参入者技術習得支援事業
2.有機農地集約化試行支援事業

◆有機農産物安定供給体制構築事業のうち、
3.オーガニックビジネス実践拠点づくり事業
4.オーガニックビジネス拡大支援事業

◆産地間・自治体間連携支援事業のうち、
5.自治体間連携活動支援事業
6.生産技術課題対応実証支援事業
7.流通技術課題対応実証支援事業
8.国産有機農産物等バリューチェーン構築推進事業

補助額

令和3年度持続的生産強化対策事業のうち有機農業推進総合対策の8つの事業ごとの補助金の総額は、下記の通りとなります。

・範囲内で事業の実施に必要となる補助対象経費を補助します。
・提案のあった金額については、事業の提案内容や補助対象経費等の精査により減額する場合があります。

1.有機農業新規参入者技術習得支援事業
・15,100 千円以内(定額)
・「有機農地集約化試行支援事業」の取組に対し、11,250 千円以上の額を計上してください。

2.有機農地集約化試行支援事業
・6,000 千円以内(定額)
・1者当たりの補助金上限額は、2,000 千円以内とし、予算額の範囲内で複数の事業実施主体を選定する予定です。

3.オーガニックビジネス実践拠点づくり事業
・58,600 千円以内
・1者当たりの補助金上限額は、以下のとおりとし、予算額の範囲内で複数の事業実施主体を選定する予定です。
・販路確保型:3,000 千円以内(補助率:定額)
・供給拡大型(生産主導タイプ):1,800 千円以内(補助率:1/2以内)
・供給拡大型(実需ニーズ対応タイプ):5,000 千円以内(補助率:定額「事業推進に関する検討」「栽培技術力、経営力向上のための取組」(機械リースを除く)に限る)、その他1/2以内)

4.オーガニックビジネス拡大支援事業
・ 8,490 千円以内(定額)

5.産地間・自治体間連携支援事業のうち自治体間連携活動支援事業
・3,690 千円以内(定額)

6.産地間・自治体間連携支援事業のうち生産技術課題対応実証事業
・6,000 千円以内(1/2以内)
・1者当たりの補助金上限額は、3,000 千円以内とし、予算額の範囲内で複数の事業実施主体を選定する予定です。

7.産地間・自治体間連携支援事業のうち流通技術課題対応実証支援事業
・3,010 千円以内(1/2以内)
・1者当たりの補助金上限額は、3,010 千円以内とし、予算額の範囲内で複数の事業実施主体を選定する場合があります。

8.国産有機農産物バリューチェーン構築推進事業
・ 10,600 千円以内(定額)

申請方法

令和3年度持続的生産強化対策事業のうち有機農業推進総合対策

令和3年度持続的生産強化対策事業のうち有機農業推進総合対策に希望する団体は、下記の書類を作成し、提出期限までに提出します。

【提出書類】
①事業応募申請書

②事業実施計画書
・有機農業新規参入者技術習得支援事業(別紙様式第1-1号)
・有機農地集約化試行支援事業(別紙様式第1-2号)
・オーガニックビジネス実践拠点づくり事業(別紙様式第1-3号)
・オーガニックビジネス拡大支援事業(別紙様式第1-4号)
・自治体間連携支援事業(別紙様式第1-5号)
・生産技術課題対応実証事業(別紙様式第1-6号)
・流通技術課題対応実証支援事業(別紙様式第1-7号)
・国産有機農産物等バリューチェーン構築推進事業(別紙様式第1-8号)

③②に関する添付書類

令和3年度持続的生産強化対策事業のうち有機農業推進総合対策の公募について
【提出期限】
令和3年2月26日(金曜日)午後5時必着

1.有機農業新規参入者技術習得支援事業

令和3年度持続的生産強化対策事業のうち有機農業推進総合対策

有機農業新規参入者技術習得支援事業は、新たに有機農業に取組む農業者であって、営農を始めて5年以内の農業者です。

また、営農開始時から国際水準の有機農業に取り組んでいる、又は営農の一部若しくは全部を国際水準の有機農業に転換している(予定している場合を含む。)が、国際水準の有機農業に関する有機 JAS の制度や技術的基準等を習得するため、有機 JAS に関する研修や初回のほ場実地検査を受講・受検する機会を提供する取組を支援しています。

事業の取組内容

有機農業新規参入者技術習得支援事業の取組内容は、下記の①~③の通りとなります。

①事業リーフレットの作成及び支援希望者の募集

② 有機 JAS 制度に関する研修等の受講・受検の支援

③ 受講・受検の成果のフォローアップ

2.有機農地集約化試行支援事業

有機農地集約化試行支援事業は、有機農業への新規就農者及び慣行栽培等から有機農業への転換者です。

有機農業への新規就農者(自営農業就農者及び新規参入者のほか雇用就農者を含む。)及び慣行栽培等から有機農業への転換者が「営農しやすい環境を整備」するため、市町村等が、複数の耕作放棄地等をまとめて有機 JAS ほ場に転換する試行的取組を支援しています。

事業内容

有機農地集約化試行支援事業の事業内容は、下記の①~④の通りとなります。

① 事業計画の検討

② 地権者や関係者の合意形成を図る取組

③有機集約農地への転換・管理

④取組成果の概要の作成

3.オーガニックビジネス実践拠点づくり事業

令和3年度持続的生産強化対策事業のうち有機農業推進総合対策

オーガニックビジネス実践拠点づくり事業は、実需ニーズも踏まえたオーガニックビジネスの拠点的な産地づくりを推進するために設けられました。

技術研修会の開催、販路確保に向けた取組、生産・出荷拡大に必要な機械のリース導入等を支援しています。

取組内容

オーガニックビジネス実践拠点づくり事業の取組内容は、下記の通りとなります。

ア: 事業推進に関する検討
複数の有機農業者を始め、必要に応じ近隣の農業者、自治体・各種団体関係者、当該地域の有機農産物等の流通・加工・小売等に関わる事業者等を参集し、実践拠点づくりの推進に向け、事業計画の内容やその進め方の確認、会計処理のルール等の確認、その他本事業の目標達成に向けて必要な事項等について調整・検討を行う。

イ:栽培技術力・経営力向上のための取組
実践拠点の有機農業者の栽培技術や経営力の向上を図るため、以下の取組を一体的に実施する。

4.オーガニックビジネス拡大支援事業

オーガニックビジネス拡大支援事業では、国際水準の有機農業の面的拡大と有機農産物等の安定的な供給体制の構築によるオーガニックビジネスの拠点的な産地づくりを更に推進するために設けられました。

販売戦略(販路拡大等の課題への対応を含む。)を企画・提案するオーガニックプロデューサーの派遣や、実践拠点の農業者等と実需者との円滑なマッチングを促す取組を支援しています。

オーガニックプロデューサーの役割及び要件

オーガニックプロデューサーの役割及び要件は、下記の通りとなります。

◆オーガニックプロデューサーの役割
オーガニックプロデューサーは、実践拠点に対して、有機農産物等の販売戦略(販路拡大等の課題(農業技術、物流、販売先等)への対応を含む。)の提案や実践拠点の農業者と実需者との円滑なマッチングの促進を行い、実践拠点におけるビジネス拡大を促進する。

◆オーガニックプロデューサーの要件
オーガニックプロデューサーは、次のア及びイに該当する者の中から、事業実施主体が選定する者とする。

ただし、事業実施主体は、暴力団員(暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成3年法律第77号)第2条第6号に規定する暴力団員をいう。)をオーガニックプロデューサーに選定することはできないものとする。

ア:実践拠点における有機農産物等の販売戦略(販路拡大等の課題への対応を含む。)を企画・提案できる者

イ:次の①から④までのうち1つ以上に該当する者
①地域や近隣の有機農業者が容易に意見や情報を交換することのできる関係を構築する意欲及び能力を有する者
②実践拠点において有機農業技術を指導する意欲及び能力を有する者
③実践拠点に新たな販路を提供する意欲及び能力を有する者
④その他事業実施主体がオーガニックプロデューサーに任命することが適当であると認めた者

5.自治体間連携活動支援事業

令和3年度持続的生産強化対策事業のうち有機農業推進総合対策

自治体間連携活動支援事業では、オーガニックビジネスの拠点的な産地づくりを推進するために設けられた事業です。

現在、オーガニックビジネス実践拠点づくり事業に取り組んでいる地域やこれまでに同様な取組を行ってきた地域、有機農業に関心を有する地方自治体、及びこれら地域における有機農業の取組拡大に関心を有する者・団体等の相互の連携を強化するために行われています。

事業内容

自治体間連携活動支援事業の事業内容は、下記の通りとなります。

①有機農業の推進に関心を持つ自治体を参集した会議の開催

②展示交流会の開催

6.生産技術課題対応実証支援事業

生産技術課題対応実証支援事業事業は、実践拠点や有機農業の産地に共通する生産技術課題の解決を図るために設けられました。

全国複数か所において、有機農業の生産性向上に資する農業機械や栽培管理機器の実証や、その成果の普及に係る取組を支援し、有機農業等に関係する産地間・自治体間の連携を強化する取組を行っています。

取組内容

生産技術課題対応実証支援事業の取組内容は、下記の通りとなります。

①事業推進に関する検討

②生産技術課題の解決に向けた実証の取組

③成果の普及
実証成果を普及するため、報告書を取りまとめるとともに、実証を行った地域又は実践拠点(令和2年度以前に同様の事業を実施した地域を含む。)の存する地域のうち、2か所以上において、農業者向け成果講習会を開催する。

7.流通技術課題対応実証支援事業

令和3年度持続的生産強化対策事業のうち有機農業推進総合対策

流通技術課題対応実証支援事業は、実践拠点や有機農業の産地に共通する流通技術課題(個々の産地だけではロットが小さく流通量が不安定で高コスト等)に対応する実証の取組を支援しています。

有機農業等に関係する産地間・自治体間の連携を強化する取組を行っています。

取組内容

流通技術課題対応実証支援事業の取組は、下記の通りとなります。

①事業推進に関する検討

②流通技術課題の実証

③成果の普及
②の成果を普及するための報告書を取りまとめるとともに、実践拠点や自治体職員等が参集するセミナー等の場を活用し、取組成果の普及を2回以上行う。

8.国産有機農産物等バリューチェーン構築推進事業

国産有機農産物等バリューチェーン構築推進事業は、国産有機農産物等に関わる新たな市場を創出していくために設けられました。

国産有機農産物等を取り扱う流通、加工、小売等の事業者と連携して行う、国産有機農産物の消費者の需要及び加工向け需要を喚起し、事業者間のマッチングを促進する取組を支援しています。

取組内容

国産有機農産物等バリューチェーン構築推進事業の取組内容は、下記の①~⑤となります。

①国産有機農産物等活用の取組事例集の作成

②国産有機農産物活用ワークショップの開催

③有機加工食品に関する講習会の開催

④有機農業及び有機食品表示制度に関する研修会の開催

⑤取り組みの情報発信
①~④までの取組、及び国産有機サポーターズ等、国産有機農産物を取り扱う小売・飲食事業者等の取組を、ホームページ、SNS 等を用いて広く情報発信する。

まとめ

令和3年度持続的生産強化対策事業のうち有機農業推進総合対策

農林水産省が実施している、令和3年度持続的生産強化対策事業のうち有機農業推進総合対策の事業内容、 補助額 、申請方法に加えて、それぞれの8つの事業内容や取組について解説してきました。

有機野菜やオーガニックビジネスを検討しているのであれば、有機農業新規参入者技術習得支援事業、有機農地集約化試行支援事業、オーガニックビジネス実践拠点づくり事業、オーガニックビジネス拡大支援事業、自治体間連携活動支援事業、生産技術課題対応実証支援事業など、多方面から支援しているこれらの事業を資金調達の一つとしてお役立てください。

健康志向が強くなるとともに、注目を集めている有機野菜やオーガニックビジネスの運営や発展に向けて、補助金を有効活用しましょう。

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