調剤薬局も受給できる「ものづくり補助金」の受給までの10のステップを解説

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調剤薬局が受給できる補助金制度に「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」があるのはご存じでしょうか?

サービス向上を目的として、調剤機械などを導入するということが認められれば、国が設備導入の費用の一部を補助金として支援してくれる可能性があります。

調剤薬局の設備は高額なものが多く、なかなか導入することに踏み切れないというのが現状だと思いますが、この補助金制度を利用すれば、高額な設備を導入することが叶うかもしれません。

もちろん、補助金を受給するためには必ず「審査」がありますので、しっかりと事業計画を立て、申請手続きなどを行う必要があります。

では、実際に補助金を受給するためには、どのようなことを考え、どのような手続きを行う必要があるのでしょうか。

この記事では、「ものづくり・商業・サービス生産性向上支援補助金」を受給するための方法や、受給までの流れ、補助金受給に関する注意点などを解説していきたいと思います。

それでは詳しく見ていきましょう。

ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金とは?

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まずはじめに、「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」は通称「ものづくり補助金」と言われています。(以下「ものづくり補助金」と記載)

「ものづくり補助金」は、平成27年度に公募が開始された制度で、サービス向上に取り組む中小企業を対象に、新しいシステムや機械の導入・試作をする費用の一部を、国が補助金として支援しようという制度です。

ものづくり補助金は「ものづくり」という名称のため、製造業のみが受給の対象だと思われがちですが、この制度は「調剤薬局」も対象となり、調剤薬局を利用される患者様へのサービス向上を目的として調剤機器を導入した場合など、その調剤機器の導入費用の2/3程度が補助される可能性があります。

もちろん、補助金を受給するにあたって審査があり、誰でも補助金を受給できるわけではありませんが、補助金として受け取ったお金は基本的に「返済不要なお金」ですので、一度検討してみる価値はあるかと思います。

無菌調剤室や自動分包機、監査支援システムの導入など、調剤薬局がものづくり補助金を活用できる状況はかなりある、と言えるでしょう。

補助金制度を活用して高額な設備投資をすることができれば、サービス向上や生産性の向上につながると思いますので、是非積極的に検討してみましょう。

ものづくり補助金の上限額は1000万円で、補助率が1/2程度であり、小規模事業者は一定の要件を満たせば補助率が2/3程度になる場合もあります。
調剤薬局の多くは小規模事業者にあたりますので、補助率が2/3程度になる可能性が高いといえるでしょう。

例えば、300万円の自動分包機の導入を行えば、200万円の補助金を受け取れる可能性がある、ということになります。
小規模事業者にとって、この金額の補助金はとても大きな価値があります。

では、「ものづくり補助金」を実際に申請するためにはどのような申請を行う必要があるのか解説していきます。

ものづくり補助金の申請方法を解説

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ものづくり補助金の申請手続きには期間が定められていますので、いつでも誰でも申請ができるというわけではありません。

・1次公募の申請期間
2月18日~5月8日

・2次公募の申請期間
例年8月頃に公募開始

・設備投資の実行期間
交付決定日~12月27日

つまり、秋頃に設備の導入を行うということを、その年の春頃に決定できる必要があるということになりますので、具体的な事業計画を立てれていなければなりません。
そして、設備の発注や入金がこの期間から1日でも外れてしまった場合、補助金は支給されませんので、十分に注意が必要です。

申請から交付までの具体的なスケジュールを紹介

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①情報収集
各地域の事務局やインターネットなどで、補助金公募に関する情報を集める。

②書類作成
必要な書類を作成する。
・公募申請書
・事業計画書
・経費明細書
・事業要請書

③応募申請
各地方の事務局、もしくは電子申請にて作成した申請書類を提出する。

④審査
事務局に申請書類を提出すると審査が始まります。
結果が出ると、申請をした事業者に採否結果を通知してくれます。

⑤交付申請
事務局の審査に通れば、交付申請書、経費見積書などを作成し、事務局に提出します。

⑥事業実施
応募申請をした時に提出した事業計画書に沿って、事業を実施します。

⑦実績報告
実施した事業内容などを事務局に報告するために、実績報告書、経費エビデンスなどを提出します。

⑧確定検査
提出した実績報告書を事務局が確認し、補助金額を決定します。

⑨請求
支給される補助金額が決定すれば、請求書を提出します。

⑩補助金支払い
事務局から補助金が送金されます。

ものづくり補助金の目的としては、企業の設備投資を促進する、という狙いがあるため、中小企業や小規模事業者のニーズに応える内容となっています。

そのため、多くの企業や事業者が補助金公募に応募するため、倍率がかなり高くなってしまっている現状があります。

国の補助金の予算もあらかじめ決まっていますので、申請書を提出した全ての事業者が補助金を受給できるわけではありませんので、しっかりとした事業計画を立てる必要があるでしょう。

過去に採択された5つの事業計画を紹介

①調剤薬局における対物業務の機械化と対人業務サービスの充実

②調剤業務の自動化による在宅患者訪問服薬管理、指導業務の高度化

③錠剤監査支援システム導入による調剤過誤防止および薬剤師の労働時間の削減

④分包時間の短縮と今日のお薬が一目でわかる新調剤システム

⑤自動機械の導入による漢方薬局の新サービス展開

「対物業務」を機械化することによって業務効率を上げて労働者の負担を減らし、生産性の向上を図るような事業計画や、「対人業務」によるサービス向上を図るような事業計画が採択されている傾向があるようです。

是非、実際に事業計画を立てる際の参考にしていただきたいと思います。

ものづくり補助金は単に設備投資をする、というだけでは採択されません。
最新の設備を導入しただけ、老朽化した設備を買い替えただけ、という理由では無理があるでしょう。
事業計画としては、3年~5年の計画で「付加価値額」年率3%及び「経常利益」年率1%の向上を達成できるもの、でなければなりません。

ですから、事業計画を立てる際には、設備投資を行う→従業員の対物業務の負担が減少→生産性の向上、などの筋書きを立てて考えるということが重要になるでしょう。

採択対象になりそうな調剤薬局の設備を紹介

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・無菌調剤室

・監査支援システム(一包化監査・錠剤監査)

・PTPシート全自動薬剤払出機

・散薬自動分包機

・UC型最新自動分包機

どの設備も高額ですので、大幅な事業拡大が見込みにくい中小規模である薬局ではなかなか手が届きにくいと思いますが、「ものづくり補助金」を活用すると手が出せます。

というのも、「ものづくり補助金」は他の補助金制度と比べると、補助金額が高いのが特徴です。
上記でも述べましたが、ものづくり補助金の上限額は1000万円で、補助率は1/2(条件を満たせば2/3)です。

無菌調剤室を導入した場合、補助金が採択されれば1000万円帰ってくるという可能性があります。

ものづくり補助金の審査内容について解説

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ものづくり補助金の審査は、提出する申請書に記載した「事業計画の内容」に応じて行われますが、「事業計画の内容」だけで審査結果が決定するわけではありません。
ものづくり補助金の公募要領(平成30年度補正予算)には「加点項目」が明記されており、この「加点項目」に該当していれば、加点ポイントが加算されるとされています。
つまり、「事業計画の内容」+「加点項目によるポイント」=「審査結果」ということになります。

ものづくり補助金は、中小企業や小規模事業者にとって人気の補助金であり、ものづくり補助金の公募に応募する人数は多いです。
補助金の採択確率を高めるためにも、「加点項目のポイント」を少しでも多く積み上げる必要があるでしょう。

では、その「加点項目」とはどのような項目なのか、解説していきたいと思います。

ものづくり補助金の5つの加点項目を紹介

①先端設備導入計画の認定企業
生産性向上特別措置法に基づき、固定資産ゼロの特例を措置した自治体において、当該特例措置の対象となる先端設備導入計画の認定を受けた企業が対象となります。
先端設備導入計画を自治体に提出して認定を受けることができると、固定資産税の軽減措置を3年間受けられます。

この項目は、ものづくり補助金の加点項目であり、さらに節税対策にもなる項目ですので、是非おさえておきましょう。

②経営革新計画等の認定
・経営革新計画
・経営力向上計画
・地域未来投資促進法の地域経済牽引事業計画

この3つの計画のうち、いずれか1つの認定を取得すれば、加点が認められます。
複数の計画の認定を取得したとしても、加点は1点ですので、注意が必要です。

③総賃金の1%、賃上げ等に取り組む企業
この項目は、従業員の総賃金の1%を賃上げすることが可能か、ということが要点になります。
ものづくり補助金の申請時に取り組んでいる状況を示すために、「賃金台帳」や「領収書」などの証拠資料の提出が必要です。

④小規模型に応募する小規模企業者
ものづくり補助金の申請には3つの種類があります。
・「一般型」
・「小規模型」
・「企業間データ活用型」

小規模事業者が「小規模型」に申請すれば、それだけで加点対象になり、小規模事業者が少ない額の範疇でものづくり補助金に申請する場合は、少し優遇されます。
その他にも、小規模事業者が小規模型で申請する場合、補助率が2/3と認められるというメリットもあります。(ただし、この場合の補助上限額は500万円となります。)
それほど大きな額の補助金が必要ない小規模事業者の方であれば、「小規模型」を利用するのがお得だといえるでしょう。

また、小規模事業者の定義は、サービス業で5名以下、製造業を含むその他の業種で20名以下といわれています。

⑤購入型クラウドファンディングで資金調達した事業者
この項目は平成30年度から新しく設けられた加点項目になります。

「公募開始日1年前」~「応募申請日までの間」に、購入型クラウドファンディングで一定規模以上の支援金額を集めた企業に該当する場合に、加点の対象となります。

・設定した目標金額以上の支援金額を期間内に達成
・100万円以上の支援金額を期間内に達成

上記2点のいずれかに該当した場合に加点対象として認められます。

ものづくり補助金の注意点を紹介

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・設備投資を行う際の全ての費用が補助金支給の対象ではない。
ものづくり補助金の設備投資とは、事業の為に使用される、機械や装置、器具などを取得するための経費であり、設置場所の設備工事などにかかる費用については補助対象経費として認められていません。

・実際に補助金を受け取るまでには時間がかかる。
ものづくり補助金の交付が決定してから、すぐに補助金が支払われるわけではありません。
補助金の支払いには時間がかかります。
実際に支払われるまでの費用は事業者が負担することになりますので、十分に注意が必要です。

また、設備投資の全額が補助されるわけではありません。かかった費用の1/2もしくは1/3の金額は事業者の負担になるということを絶対に忘れないようにしましょう。

まとめ

ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金(通称:ものづくり補助金)は中小企業や小規模事業者を対象にした補助金制度であり、サービス向上を目的とした設備投資にかかった費用の一部を国が補助金として支援してくれる制度です。

「ものづくり」という名称から、製造業の為の補助金制度と捉えられがちですが、実際は製造業以外の事業も対象となっており、調剤薬局も「ものづくり補助金」の対象事業となっています。

ものづくり補助金の上限額は1000万円で補助率は1/2程度です。
小規模事業者が「小規模型」で申請をすると補助率が2/3になります。(その場合の補助上限額は500万円)

公募の申請時期は決まっており、一次公募は2月18日~5月8日が申請期間になります。
(ものづくり補助金はいつでもだれでも申請できるものではありません。)
ものづくり補助金に応募する場合は各地域の事務局やインターネットなどで、ものづくり補助金に関する情報収集を行う所から始めましょう。

実際に設備投資をする時期に関しても、具体的な期間が決まっているので、その期間内に行うようにしましょう。(一日でもずれがあると、補助金を受け取ることができません。)

ものづくり補助金は申請をしたからといって誰でも受給できるお金ではありません。
ものづくり補助金は中小企業や小規模事業者のニーズに応える内容になっているので、大勢の事業者の方が応募するため、倍率が非常に高いです。

審査に通るためには、サービス向上や生産性向上を目的とした事業計画を立てるだけではなく、採択確率を上げるためにも「加点項目」にも焦点をあて、他の応募者との差をつけれるように努力する必要があります。

※「事業計画」+「加点項目のポイント」=「審査結果」

審査に受かっても、実際に補助金を受け取るまでには時間がかかります。

その上での注意点は、実際に補助金を受け取るまでにかかった費用は事業者が負担することになるということ、補助金として受け取れるお金は設備投資にかかった費用全額が補助されるわけではないという点です。

事業計画を立てる際には、補助金を当てにした計画を立ててしまうと資金難に陥る危険があるので絶対にやめましょう。

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