スタートアップや中小との違いは?ベンチャー企業の定義と7つの特徴

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ベンチャー 定義

近年では特にスタートアップやベンチャー企業が展開するITサービスが我々の生活に大きな影響を与え、日本の経済活性化に置いても重要な役割を担うようになっています。ビジネスパーソンは創立年数が長い大企業よりも、新興であるベンチャー企業に興味を持つ人が増えているのが現状です。

成長著しいベンチャー企業ですが、一体どのような企業をベンチャーと呼ぶのか皆さんはご存知でしょうか。詳しい定義や特徴を知らずに何となくのイメージで覚えている方が多いかと思いますので、この記事でベンチャーと同じような意味で良く話されるスタートアップや中小との違い、ベンチャー企業の特徴や定義について分かりやすく解説していきたいと思います。

ベンチャー企業の定義とは

ベンチャー 定義

中小企業は中小企業基本法によって資本金額と従業員数を持って明確に定義されています。それに対してベンチャー企業の定義はどうなっているのか…最初に答えを言ってしまいますが、ベンチャー企業に定義はありません。

しかしそれぞれの観点からある程度の定義は決められています。ネット上の辞書で説明されているベンチャー企業の定義をまずは紹介したいと思います。

産業構造の転換期には、産業の主役が交代し、最先端の分野でそれまでなかった新しいビジネスが生まれ、そして新しい市場が作り出される。そんな時代のニーズを背景に、独自の技術や製品で急成長していく企業を「ベンチャー企業」と呼んでいる。

引用:コトバンク

経済的利益を得ることを目的に設立された新興企業であり、小規模事業者であり、多くのベンチャー企業や1人以上または小さいグループによって投資されている。

引用:BusinessDictionaly

ベンチャーとは、企業として新規の事業へ取り組むことをいう。このような事業をベンチャービジネスという。事業は新規に起業したベンチャー企業によって行われるものを指すことが多いが、既存の企業が新たに事業に取り組む場合も含む。

引用:ウィキペディア

産業構造の転換期には、産業の主役が交代し、最先端の分野でそれまでなかった新しいビジネスが生まれ、そして新しい市場が作り出される。そんな時代のニーズを背景に、独自の技術や製品で急成長していく企業を「ベンチャー企業」と呼んでいる。普通この呼び方は、新規に興され、創業からあまり時が経っていない企業に対して用いる。

引用:株式公開用語辞典

このようにベンチャー企業に対する明確な定義は存在していません。定義には様々な解釈があり、ウィキペディアでは『新規の事業へ取り組むこと』をベンチャーと呼ぶと明記していますが、コトバンクでは『独自の技術や製品で急成長していく企業』の事をベンチャーと呼ぶと定義しています。

中小企業との違い

事業規模や組織機能などの観点から、ベンチャー企業と中小企業を混同して考えてしまう事があるかもしれません。しかし上記で述べた様に、中小企業は中小企業基本法により厳密に定義化されています。

製造業 資本金の額又は出資の総額が3億円以下の会社、又は常時使用する従業員の数が300人以下の会社
卸売業 資本金の額又は出資の総額が1億円以下の会社、又は常時使用する従業員の数が100人以下の会社
小売業 資本金の額又は出資の総額が5000万円以下の会社、又は常時使用する従業員の数が50人以下の会社
サービス業 資本金の額又は出資の総額が5000万円以下の会社、又は常時使用する従業員の数が100人以下の会社

中小企業はその業種や分類により明確な基準が定められています。中小企業とベンチャーが混同されてしまうのは、財政や従業員数が小規模や中規模である事が多いので、中小企業に分類される事が多い企業であるという事が言えるかと思います。

ベンチャー企業と一般的な中小企業は会社規模が似ているだけで中身は全く違うものです。大手企業のような風格と長い歴史を持つ会社であっても規模が小さければ中小企業と分類されますが、ベンチャー企業は長い歴史はなく若い経営者が革新的なサービスで勝負をしようとしている訳ですから、会社規模が似ているだけで中身は中小企業とベンチャー企業では全く違うものになります。

スタートアップ企業との違い

スタートアップとは短期間で新たなビジネスモデルの構築や新たな市場の開拓を目指す動きや概念の事を指します。つまりスタートアップ企業とは簡単に説明すると、今までなかったサービスを提供する為に成長を続けている会社の事を指します。広い意味ではベンチャー企業と同じ意味で解釈される事もありますが、スタートアップは会社としての形がなく起業や新規事業の立ち上げといった解釈で使われるのが一般的です。企業としての実態がなく、アイディアだけがある状態でもスタートアップという訳です。

アメリカのシリコンバレーではスタートアップに多く投資する動きが積極的に見られてきましたが、近年では日本でもエンジェル投資家やVCの多くが積極的に投資をする対象としてスタートアップは注目を集めています。ベンチャー企業は中小規模の新興企業を指すビジネス用語ですから、起業前にも使われるスタートアップとは全く意味が異なるという訳です。

ベンチャー企業の特徴とは

ベンチャー 定義

中小企業とは違い明確な定義が定められていないベンチャー企業。それでは一体ベンチャー企業にはどのような特徴があるのでしょうか。以下の特徴が見られる会社はメディアなどでもベンチャー企業だとして紹介される傾向にあります。

  1. 経営者が若くてカリスマ性がある
  2. 独自のIT技術とサービスを持っている
  3. アイディアが豊富で常に新しい事をする
  4. 行動力と実行力がある
  5. 破壊的イノベーションを起こす
  6. 年齢は関係ない実力至上主義
  7. 財政基盤は不安定

明確な定義はないものの、上記7つの特徴を兼ね備えている設立の浅い会社はベンチャー企業と呼ばれます。以下で特に注目すべき特徴を紹介していきます。

経営者が若くてカリスマ性に溢れている

急成長を遂げるベンチャー企業の特徴の一つは、若くて才能溢れる経営者がいるという点です。革新的なサービスを提供して急成長を遂げるIT起業のトップは20代であるという事は珍しくなく、AbemaTVやアメーバブログだけでなくスマホゲームも数多くのヒット作を提供しているサイバーエージェントの藤田社長は26歳の若さで自社を上場させています。

他にも20代の社長は数多く誕生しており、急成長を遂げているベンチャー企業の社長が20代~30代であるという事は珍しくありません。社長が若いという事は重要ポストに就く部下も若くなっていくという事になりますので、勢いのあるベンチャー企業の重役が全員20代~30代であるというケースもベンチャー企業では珍しくありません。

時代を切り開く革新的サービスを提供している

ベンチャー企業は経済界の新しい風です。今までにない新しい価値を社会に発信できるという大きな魅力があります。例えばLINE株式会社は電話やメールでのコミュニケーションが常識だった日本社会にメッセンジャーアプリを定着させました。スタンプや無料電話などの革新的サービスで時代を切り開いたベンチャー企業です。

こうした事業は既存の業界であれば難しいかもしれませんが、ベンチャー企業であれば今まで誰もしていなかった道を切り開き、そこに新たな価値を定着させる事ができるかもしれないという楽しさがあります。また、既にそういうサービスを提供している会社こそがベンチャー企業と呼ばれます。常に変革していく時代に合わせて会社の仕組みや舵取りを柔軟にする事が求められます。

行動力と実行力の高さとスピード

若くて活気溢れるベンチャー企業の特徴はコミュニケーションが活発であるという事です。過去の知識や経験値、年齢などに囚われずに斬新かつ革新的なアイディアが優先されますので、年齢や性別に関係なくビジネス展開できる人材は貴重な経営資源と見なされて高い評価を受けます

柔軟なアイディアを尊重していて、活発に変動する時代に合わせた迅速な行動と実行力が求められますので、革新的アイディアは発案者が主体となって業務に当たる事がとても多いです。大企業であれば多くの役員の前でプレゼンをして、何日間も精査してから業務に当たる事が多いのですが、多くのベンチャー企業は無駄な会議時間を省く傾向にあります。業務時間も短期集中型を採用している所が多いので、短くて濃密な仕事をこなせる環境が整っていると言えるでしょう。

若くても出世して高い給料が貰える

昔からある安定した大企業よりも新興企業であるベンチャーが若者に人気の理由はココにあります。大企業では簡単に出世する事はできません。年功序列制度があり、派閥があり、年齢や経験で任される役職が完璧に決まっている事が少なくありません。大企業であればある程、出世して責任ある仕事を任されるのは時間がかかります。

その点ベンチャー企業のほとんどは実力至上主義です。年功序列は重要視していませんので、仕事が出来れば新卒でも出世して大事なポストを任されますし、行動力や発信力があり実力が伴っていれば給料面でも優遇されます。ベンチャー企業は経営者が若く、それに伴い重役ポストに就いている人も若い傾向にありますので、年功序列がなく若い人でも能力が認められれば出世が出来る環境が整っています。会社の売上が上がれば給料も上がりポストも上がる…そういった働く楽しみを見つける事が出来るのもベンチャー企業の特徴です。

財政基盤は不安定である事が多い

サイバーエージェントやZOZO、LINE株式会社などの大企業になったベンチャー企業であれば財政基盤はしっかりしていますが、それ以外のほとんどのベンチャー企業は中小企業と同程度の会社規模であり、成長過程にある事がほとんどなので財政基盤が不安定である事がとても多いです。

エンジェル投資家やベンチャーキャピタル、金融機関やファクタリングなどで資金調達を受けていますので、財政基盤が不安定で提供しているサービスが不調な時期は労働環境や給料面での待遇が不利益である事もあります。勿論サービスが成功すれば給料面で大きなリターンはありますが、それまでにはリスクも伴うという事は理解しておきましょう。

代表的なメガベンチャー企業

元々はベンチャー企業として新しいビジネス開発に注力していた会社がサービスに成功して上場を果たし、現在では大企業へと発展している会社の事をメガベンチャー企業と呼びます。多くはIT企業であり、スマホ、SNS、ソーシャルゲームなどの我々の日々の生活に欠かせない幾つものサービスが以下の会社から提供されています。

1990年代に設立されて2000年代に上場を果たしたメガベンチャー企業はITバブルの影響もあり多数存在していますが、その中でも特に日本を代表する大企業にまで発展してベンチャー企業を紹介していきます。

サイバーエージェント

ベンチャー 定義

設立 1998年
上場 2000年
従業員 4988人
売上高 4195億円
代表者 藤田晋
事業内容
  • メディア事業
  • インターネット広告事業
  • ゲーム事業
  • 投資育成事業

1998年にITの革命児として誕生してから現在に至るまで一貫して増収を続けているサイバーエージェント。最近ではAbemaTVへの多額の先行投資により営業利益は減少しているものの、ネット広告事業とゲーム事業の2本柱で事業を支えることが出来るという企業の安定感は抜群です。

楽天

ベンチャー 定義

設立 1997年
上場 2000年
従業員 14845人
売上高 1兆1014億円
代表者 三木谷浩史
事業内容
  • インターネットサービス
  • インターネット金融

今やベンチャー企業ではなく日本国内でも有数の大手企業という認識を持っている方も多いでしょう。しかし創業当初は楽天は「楽天市場」や「楽天トラベル」といったサービスを提供するベンチャー企業でした。

現在ではインターネット事業だけでなく、楽天銀行などの金融事業も柱としていて営業利益も年々上昇しています。野球やサッカーなどのスポーツ事業にも積極的に取り組むなど、大企業としての基盤を着実に築きつつあります。

DeNA

ベンチャー 定義

設立 1999年
上場 2005年
従業員 4988人
売上高 1424億円
代表者 南場智子
事業内容
  • eコマース事業
  • ウェブサイトの企画・運営
  • ゲーム事業

ゲーム、スポーツ、ECなど数多くの事業を手がけています。新規事業にも積極的に参加しようとしている姿勢はまさにベンチャー企業ならではです。最近ではヘルスケア事業やライブストリーミング事業に取り組んでいて、AI研究開発を行い新規ビジネスの創出に積極的です。

まとめ

スタートアップ企業、中小企業、ベンチャー企業…定義や特徴がそれぞれ異なる3つの似ている企業を紹介させて頂きました。常に革新的なサービス提供を目的としているベンチャー企業は中小企業とは大きく異なり、スタートアップは起業前にも当てはまるのでこれも意味が違います。

年数の長い大企業よりも新興ベンチャー企業の方が新卒人気の高い理由は上記で述べた特徴が大きく影響していると思います。ベンチャー企業に勤める上で大切なのは、自分の力で新しい風を巻き起こすことが出来るか否かです。ベンチャーが求めている人材もまさにその点にあります。皆さんもベンチャー企業の特徴と定義はしっかりと理解しておきましょう。

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