助成金や補助金を受けた後には忘れてはならない3つの注意点を確認

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助成金 受けた後 注意点

公的な機関から受け取れる返済の必要がない助成金や補助金は、企業にとって貴重な資金源となる存在です。
もしも、申請して助成金や補助金を受け取ることができれば、有効に活用することができるでしょう。

しかし、助成金や補助金を受けた後には、いろいろな注意点を前提に考えていかなければなりません。

こちらの記事では、助成金や補助金を受けた後の注意点を紹介しながら、会計処理、課税対象の有無について解説します。
助成金や補助金を検討している方や受給されている方は、ぜひチェックしておいてください。

助成金や補助金を受けた後の3つの注意点

助成金 受けた後 注意点

助成金や補助金は、地域活性化や貢献する事業に向けて交付される資金です。
融資と違って返済義務がないことが、最大の特徴だと言えるでしょう。

ただし、返済する必要がない部分は同じですが、助成金と補助金は意味合いは異なっているので、理解しておく必要があります。

◆補助金は、対象となっている事業の計画をアピールし書類を提出したのち、審査を受けます。
また、支給された補助金の使途について証明しなくてはなりません。

◆助成金は、該当する要件を満たしているのならば、受けられる制度です。
要件を満たしている書類などの提出が求められます。

このような助成金と補助金の違いをふまえながら、次に共通する3つの注意点についてみていきましょう。

注意点1:事務処理が増加する

助成金や補助金の資金が交付されると、その金額をきちんと事務処理しなければならなくなります。

経理処理の必要となりますので、見積書、納品書、請求書、領収書、通帳の控えをなくさないように保管しておきましょう。
またその他にも、会議報告書、出張報告書などの報告書が提出する必要があるために、きちんと書類を揃えた上で、応じた期間の保管が必要となります。
さらに、事業期間が終了したとしても、年次報告が義務となっている補助金もありますので、募集要項をきちんと確認しながら事務処理を行ってください。

注意点2:課税対象の有無を確認

助成金や補助金は、企業の支援として交付されますが、受け取った資金をすべて事業計画にあててしまうと、助成金や補助金は税金の対象になっているために、後になって苦慮してしまうことになります。

ただし、受け取ったすべての資金が課税対象になるわけではなく、法人税において課税の対象となり、消費税に関しては、課税の対象とはなりません。
助成金や補助金を受けた後には、課税対象の有無をきちんと確認しておくようにしましょう。

注意点3:会計検査院の検査に注意

助成金の場合は低いですが、補助金を受けた企業は会計検査院の検査を受ける可能性が高くなります。

国が間違いのない、適正な補助金を支出していたかをチェックするために行われています。
基本的には補助金を受け取ってから5年以内が対象となっていますが、5年間はしっかりと事務処理を行い、正当な目的での支出したことを証明できるようにしておきましょう。

助成金や補助金の会計処理方法を伝授

助成金 受けた後 注意点

助成金や補助金を受けた後には事務処理が必要となりますが、次に助成金と補助金の会計方法と、決算期をまたぐ場合について詳しく解説していきます。

補助金の会計処理の場合

補助金は、実質的にお金が入るので項目は収入となり、売上以外の収入となりますので、勘定は雑収入で仕分けを行います。

◆100万円の補助金が振り込まれた時には、借方に当座預金100万円、貸方に雑収入100万円と仕訳をすることになります。

助成金の会計処理の場合

助成金の会計処理の場合も、基本的には補助金と同じで雑収入の勘定科目を用いて仕訳をし行いますが、決算期を超えての支給となるときには、一時的に別勘定に移すことになります。

決算期をまたぐ場合

助成金 受けた後 注意点

助成金や補助金の仕訳を行う時期は、取り扱い機関からの支給決定通知書が到着したときです。

ただし、気をつけておきたいのは、支給決定通知書が到着したときと、実際に助成金や補助金が入金となる時期のずれです。

入金となるタイミングが決算期をまたいでしまうのであれば、未収入金の勘定で仕訳をして、取引を計上させておきます。

【100万円の支給決定通知書が到着したときの仕訳】
借方に未収入金(補助金)100万円、借方に雑収入100万円

【助成金や補助金が入金のしたときの仕訳】
借方に当座預金100万円、貸方に未収入金100万円

この場合、未収入金という勘定科目を使いますが、未収入金は売掛金と違う意味合いを持ち、営業活動ではない取引で発生した債権とみなされます。
また、未収入金は決算期後の1年以内に回収できるものを指します。

給付決定通知書が届いたときに、入金までの期間が1ヶ月以内であれば雑収入と預金で会計処理を行っても問題になることはありません。
しかし、決算期をまたぐ場合であれば、未収入金の勘定を用いて会計処理を行うようにしてください。

課税対象となる助成金と補助金

助成金 受けた後 注意点

助成金や補助金は雑収入の勘定となりますが、消費税の対象にはなりません。
国の規定で「資産の譲渡等の対価に該当しないこと」とされているからです。

ただし、法人税としての課税対象とされいますので、この点には注意が必要です。
補助金は、「経費補助金」と「施設補助金」の2つに分けられ、基本的にはどちらにも法人税が課税されることになります。

この場合、特に「施設補助金」の取り扱いに注意しなければなりません。
次に、「施設補助金」の会計処理となる圧縮記帳について解説していきます。

適用となる圧縮記帳

助成金や補助金で受け取った資金を利用して、設備機器や固定資産を購入した時には、「施設補助金」に分類されます。
「施設補助金」になれば圧縮記帳での処理が適用となり、年度内に一度に課税しなくてもよくなります。

圧縮記帳とは一度に課税をせず、繰り延べて処理を行い、税金を数年に分けることができる処理のことを言います。
繰り延べ処理をすることによって、単年度に税金が大きな負担とならずにすむのです。
助成金や補助金を受け取った年度の資金繰りが苦しいのなら、効果的な処理方法となるでしょう。

ただし、圧縮記帳をしても年度内の税金負担が減るだけで、税金が非課税になることではありません。
あくまでも、次の年度に分割して支払うこととなるので、その点はよく確認しておいてください。

圧縮記帳の方法

圧縮記帳の仕訳の方法について説明していきます。
補助金50万円をうけとり、それを後に施設の購入に当てた場合の圧縮記帳の方法は、次の通りとなります。

借方 金額 貸方 金額
預金(普通・当座) 50万円 雑収入 50万円
機械装置 100万円 預金(普通・当座) 50万円
圧縮損 50万円 機械装置 50万円

この他にも、「施設補助金」であれば、決算時に減価償却の取得額からの減額、または圧縮記帳ではなく直接減額法としても処理することができるので、ご検討してみてください。

会計検査院の検査

助成金 受けた後 注意点

助成金や補助金を受け取った場合、それで終わりではなく会計検査を受けることがあります。
基本的には、補助金受給5年以内が対象となっています。

ただし、補助金を受け取った全てが受けるわでではなく、税務調査のようにランダムに指名されて行われます。
補助金モードの税務調査と考えていてよいでしょう。

会計を監督する会計検査院

ここで出てくる会計検査院というのは、国会や裁判所に属することなく、さらに内閣からも独立した憲法上の機関です。

会計検査院の目的は、国や法律で定められた通りに実施しているかなど、機関の会計を検査し、会計経理などが正しく行われているか監督をしています。

会計検査院は、三権から独立した権限を持っている、補助金が適正に使われ処理されたかを調査しています。

『第90条 国の収入支出の決算は、すべて毎年会計検査院がこれを検査し、内閣は、次の年度に、その検査報告とともに、これを国会に提出しなければならない。
2 会計検査院の組織及び権限は、法律でこれを定める』

会計検査の中身

実際に会計検査を行われるのは、どのような感じなのでしょうか?
怖いというイメージを持つ方もいると思いますが、調査官は気さくで穏やかなイメージだったと言う方がほとんどだそうです。

会計調査の中身は、書類の整備を行い、不適切な支出がないかどうかの確認を行います。
また、補助金の目的についての質問なども受けることもあります。

【会計検査でのポイント】
・誰もがわかる書類を整備しておく
・内容がわかりにくい支出については、書面で理由を明記

使った経費の記録と管理を怠らない

助成金 受けた後 注意点

助成金や補助金を受けた後の3つの注意点を詳しく説明していきました。
最後に、使った経費の記録と管理の仕方について解説していきたいと思います。
記録や管理は、どの注意点にも共通のポイントとなるので、しっかりと抑えておいてください。

経費の記録と管理の重要性

補助金の受給金額は、そのほとんどが対象経費に対しての割合で決められています。
補助対象経費の2分の1、3分の2という値によって受給金額が計算されることになるのです。

補助金を受け取るのは、事業が終わり数ヶ月後となるために、その期間の経費は自身の資産で賄わなければなりません。
さらに、補助事業が計画通りに行っているかを確認しにくるので、実際にかかった経費を適切に記録して管理する必要がでてきます。

経費の記録と管理の仕方

実際に証拠書類として基本的な書類をあげると、下記の通りとなります。

・仕様書(控)、カタログ等
・見積書
・発注書(控)または契約書
・納品書
・請求書
・支払確認ができる資料
・写真等

これらの証拠書類を揃えるためには、補助対象経費にかかるものは、確実に揃えておくことを習慣にしなくてはなりません。
特に、金額が多額となる見積書などの場合、数社からの見積を取る必要もありえますので、多くの手間がかかることになります。

ポイントになるのは、利用した補助金の詳細をよく読み込んだ上で、補助対象費が発生したらその都度、経費の記録と管理をすることです。
経費が発生たものの記録をしない、証拠書類の保管を後でまとめて行うなど、先延ばしにしないで、すぐに記録と管理を行う習慣を身につけるようにしていきましょう。

書類に不備があれば、後から揃えられなくなってしまう可能性は高くなり、補助金を確実に受け取ることができなくなってしまいます。
そのようなことがないように、しっかりと経費の記録を保管をするようにしてください。

まとめ

助成金 受けた後 注意点

助成金や補助金を受けた後の3つの注意点として、事務処理の増加、課税対象の有無、会計検査院の検査をくわしく解説していきました。

助成金や補助金は、企業の資金源となる役割を持っていますが、受け取った後には、事務処理が増加し、課税の対象となっていきます。
また、ランダムではありますが、会計検査院の検査も受ける可能性もでてきてしまうでしょう。

そのようなときに困らないように、日々の記録と証拠書類の保管が重要となります。
その都度、記録と証拠書類の保管をしっかりと行い、確実に補助金を受け取るように、記事に記載した注意点をよく確認しておきましょう。

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