
東京都の企業者がさらなる発展に向けて競争力強化・成長産業分野・IoT・ロボット活用を使い、技術革新を目指す企業も多いと思います。技術革新を目指すには、最新機械設備の購入する必要があり、費用は高額です。そんな時に使えるのが、東京都革新的事業展開設備投資支援事業。最新機械設備の購入費を最大1億円まで補助してくれます。ただ、審査の難易度が高くて大変なのがデメリットです。具体的な申請の流れ・対象・困った時のサポートなどを解説していきます。
東京都革新的事業展開設備投資支援事業とは?
現在の状況に満足できず、企業向上のために新たな挑戦に挑もうとする企業者を応援する補助金制度です。
最新機械設備を購入する時にかかる経費を一部補助してくれます。
100万円以上の最新機械を購入と設置する費用を最大1億円の補助金を貰うことができる東京都最大級の補助金制度です。
東京都版のものづくり補助金とも言われており、革新的なサービスを展開したいと考えている事業主に支援します。
例えば、設備投資や製造業の機械設備を導入など、企業を向上するために高額な費用がかかるものに対して補助金を支給してくれます。
東京都以外の場所に導入する設備も申請ができるようになり、条件付きですが、革新的事業展開設備投資支援事業が使える幅が広くなってきています。
補助率
補助金を最大1億円も貰える制度ですが、中小企業者・小規模企業者によって補助率や限度額が違います。
一部を補助してくれますが補助率がどれぐらいなのか?
また、補助の下限額はいくらなのか見ていきましょう。
まず、事業区分は以下のように分けられます。
- 競争力強化をする中小企業者・小規模企業者
- 成長産業分野
- IoT・ロボット活用
次に、各企業区分の補助率を解説します。
競争力強化をする中小企業者は1/2以内、小規模企業は2/3以内となっています。
成長産業分野とIoT・ロボット活用は、どちらも2/3以内です。
補助金の下限額と限度額
上記通り、最大1億円支給されますが、小規模企業者の場合は違います。
小規模企業者の場合、100万~3,000万円までしか補助金が支給されないため注意してください。
その他の中小企業者・成長産業分野・IoT・ロボット活用は、100万~1億円までの補助金が貰えます。
ものづくり補助金と何が違うの?
東京都最大級の補助金が貰えますが、通常のものづくり補助金でも条件を満たせば最大1億円支給されます。
ただ、厳しい条件が多数あるため、一般的には最大1,000万円と覚えた方が良いでしょう。
どちらも高額な補助金が貰える制度ですが、申請方法にも違いがあります。
ものづくり補助金の申請方法は、書類を提出するだけであとは審査待ちです。
東京都革新的事業展開設備投資支援事業には一次審査と二次審査があり、書類審査と面談審査を行う必要があります。
ものづくり補助金よりも難易度が高いのが大きな違いです。
補助対象は何?
補助金を申請するには、次に解説する条件を満たしていなければなりません。
対象の事業・取り組む内容・設置する機械・申請資格が何なのかを1つずつ解説していきます。
どんな取り組みが補助対象?
以下のように生産性・企業の向上・効率化・革新的サービスの展開などにつながる取り組みをする事業者に補助金が貰えます。
- 製品や技術の品質向上と信頼性の確保
- コストダウン
- 不良率削減
- 増産要請への対応
- 短納期への対応
- 一貫加工の実現
- 自動化
- 省力化
- 特殊素材や難加工対応
- 環境対応や法整備対応による取引を拡大
- 生産ラインの最適化
- 24時間稼働の遠隔監視
- 機械の異常や故障の遠隔監視
- 過酷労働の解消
どんな機械設備が対象なのか
補助金の対象となる機械設備は以下のようなものです。
- 高機能3Dプリンター
- 複合レーザー加工機
- センターレスグライダー
- 金属加工装置
- プレスマシン
- パンチングマシン
- シャーリングマシン
- 工作機械類
- マシニングセンタ
- 切削機械
- 工作機械
- 板金加工機械類
- ろう接関連機械
- バンドソー
- H鋼成形機
- 放電加工機
- マルチプロセスセンサー
- 食品レトルト殺菌装置
- 食品カット機械
- 自動包装装置
- 射出成型機
- ロボット
- AIシステム
- ピッキングシステム
- 自動計測システム
- Iot関連装置
- 捺染機
以上が例で、他にも様々な機械設備投資が補助金対象です。
もし、今紹介した例の中には無いけれど、補助金の対象になるのかな?と思った人は中小企業診断士に相談することをおすすめします。
補助金・助成金は初めての人には難しい部分があるため、問い合わせれば補助金申請のサポートを丁寧にしてくれます。
対象事業
貴方がどういう事業なのかも補助金が受け取れるか受け取れないかが決まります。
以下のいずれかに当てはまる事業であれば、補助金の対象になります。
- 競争力強化
- 成長産業分野
- IoT・ロボット活用
補助率の項目でも出てきましたが、それぞれどういう事業なのかご存知でしょうか?
次は、各事業を具体的に解説していきます。
競争力強化
競争力強化とは、さらなる発展に向けて競争力を強化することを目指す事業展開に必要な最新機械設備を新しく導入する事業です。
成長産業分野
成長産業分野とは、医療・健康・福祉のことで、福祉は環境エネルギー・危機管理・航空機・宇宙・ロボット・自動車に関するものです。
成長産業分野の支援テーマに合った事業展開に必要な最新機械設備を新しく導入する事業のことを言います。
IoT・ロボット活用
IoT・ロボット活用とは、さらなる展開に向けて生産性向上を目指す事業展開に必要な最新機器設備を新しく導入する事業です。
IoT・ロボット活用にはIoT化とロボット参入というものがあります。
IoT化とは、機械設備導入と一緒にIoT化を進めるために必要な最新機械設備を導入する事業のこと。
ロボット参入とは、生産性ロボット・サービスロボットなどを購入して取り組む生産性向上をする事業です。
東京都革新的事業展開設備投資支援事業では、上記いずれかの事業の中小企業者もしくは小規模企業者に補助金を支援してくれます。
小規模企業者とは、従業員数が20人以下、商業・サービス業の場合は5人以下のことを指します。
申請資格
申請資格は、東京都内に本店か支店があり、2年以上事業をしている中小企業者です。
東京都内に本店があれば、東京都以外の工場でも機械設置することもできます。
東京都に事業拠点を持っているのであれば申請できます。
申請できるエリア
東京都革新的事業展開設備投資支援事業は東京都で対応しています。
東京都内に本社がある企業者限定ですが、東京都以外の県でも申請が可能なのでそちらも見ていきましょう。
まずは、対応している東京都から紹介していきます。
東京23区
- 新宿区
- 世田谷区
- 渋谷区
- 中野区
- 杉並区
- 練馬区
- 港区
- 品川区
- 目黒区
- 大田区
- 文京区
- 豊島区
- 板橋区
- 中央区
東京多摩地区
- 瑞穂町
- 青梅市
- 羽村市
- 福生市
- 昭島市
- あきる野市
- 日の出町
- 奥多摩町
- 檜原村
- 立川市
- 国立市
- 国分寺市
- 小金井市
- 武蔵野市
- 三鷹市
- 八王子市
- 日野市
- 府中市
- 多摩市
- 調布市
- 町田市
- 武蔵村山市
- 東大和市
- 東村山市
- 小平市
- 西東京市
東京都以外のエリア
- 埼玉県
- 千葉県
- 神奈川県
- 茨城県
- 栃木県
- 群馬県
- 山梨県
以上の県全域にも対応しており、工場に設置する機械設備に補助金を使うことができます。
他県に本社があっても、東京都に工場がある場合でも申請ができます。
ただし、栃木県・群馬県・山梨県の場合、交通費は別途請求されるため注意してください。
申請手続きの流れ
東京都革新的事業展開設備投資支援事業で補助金が支給されるまでの流れは、通常の補助金制度と異なります。
補助金を受け取るまでの手順が大変で、通常の補助金制度よりも難易度が高いです。
最後は、申請から補助金を受け取るまでの流れを順に解説していきます。
①まず、申請者説明会の予約をする
②申請者説明会に参加
③補助金申請の書類を提出
④一次審査、書類審査
⑤二次審査、面接
⑥合格発表
⑦審査が通れば、事務手続き説明会に参加
⑧1年間に機械の導入など企業向上計画を実施
⑨完了報告
⑩約2ヶ月後に補助金支給
⑪事業化状況報告など
通常の補助金制度は書類提出するだけですが、東京都革新的事業展開設備投資支援事業では面談審査もあります。
申請するには事前予約が必要で、予約受付期間があることを忘れないように気をつけてください。
さらに書類提出をするのに郵送は不可能で、持参して直接提出しなければいけません。
2017年度から始まり、毎年4月と10月で2回ずつ募集しています。
面談審査の難易度は?
就職などの面接よりも採択率が低く、正式な発表はありませんが採択率は約20~30%と想定されています。
ものづくり補助金は書類審査だけですが、それよりも低いようです。
補助金を不正受給するケースが増えているため、審査が厳しくなっていることが理由なのではと考えられます。
事業計画の内容をしっかりと説明できているか、導入設備の革新性や新しい事業の新規性などについてもしっかりと話すことが非常に重要です。
不安な場合はプロにサポートしてもらおう
初めて補助金を申請する人にとっては難しそうで、不安が多く手が出しにくいかと思います。
「書類作成はどうすれば良いの?」「面談審査ではどんなことを聞かれるの?」「面接の練習をしたい」などのために無料相談を受け付けているコンサルタントが複数あります。
経営コンサルタント・行政書士・弁護士など、補助金・助成金に詳しい専門家がサポートしてくれるので安心して相談できます。
例えば、申請書類作成のやり方をサポートし、完成した書類内容を専門家がチェックしてくれます。
また、面談審査の模擬面接・採択後のサポートも対応しています。
サポートを申し込み、報酬を支払うまでの基本的な流れは以下になります。
①サイトの問い合わせフォーム・電話・メールなどで相談
②訪問・通話などでヒアリングする
③申請書類の作成をサポート
④できあがった申請内容をチェック
⑤申請書の提出サポート
⑥面談審査の想定問答をサポート
⑦模擬面接
⑧いよいよ本番で審査
⑨合格した場合、その後の報告書類作成・補助事業のアドバイスなど
⑩補助金の振込
中には、先に着手金を支払い、サポートして無事に審査合格したら成功報酬を支払うというところもあります。
念のためそれぞれのコンサルタントのサイトに書かれている流れを見ておくのが良いでしょう。
東京都革新的事業展開設備投資支援事業だけでなく、他の補助金・助成金を申請のサポートも受け付けているため是非活用してみてください。
書類作成代行もしてくれる
書類作成をサポートする他、代わりに申請書類を作成してくれるプランを用意しているところもあります。
着手金が約10万円で、採択した場合は成功報酬として補助金額の15%を支払うことになります。
ただし、補助金額1,000万円を超えるならば10%、最低限度額は50万円です。
コンサルタントの中には成功報酬500万円も請求するケースもあるようで、高額にならないように低く抑えてくれるコンサルタントもあります。
記載した金額はあくまでも参考として見ていただければと思います。
支払いは、基本的に補助金の支給決定時です。
まとめ
以上、東京都革新的事業展開設備投資支援事業の補助金について解説してきました。
東京都革新的事業展開設備投資支援事業の特徴は、
・書類審査だけでなく面談審査もある
・補助金上限額が最大1億円で東京都最大
東京都内に本社を持っている事業主・他県に本社があるが東京都に工場を持つ場合、東京都革新的事業展開設備投資支援事業がおすすめです。
東京都に本社や職場を持っていない人は、通常のものづくり補助金がおすすめですね。
間違いをする人が多い点は、必ずしも1億円を貰えるというわけではないこと。
あくまで上限額なため、審査によって下限額100万円になる場合もあります。
ですが、補助金100万円でも十分に高額なので東京都に会社がある事業者は是非検討してください。