
今年開催予定の2020東京オリンピック・パラリンピックですが、開催地の東京都の飲食店では受動喫煙の防止対策を行ったり、ホテルなどの宿泊施設ではバリアフリー化などが行われており、それらの取り組みに対して、掛かる費用の一部を支援してくれる助成制度が始まっています。
その中でも、当記事で紹介するのは「Tokyo Tokyo FESTIVAL 助成」という事業です。
この「Tokyo Tokyo FESTIVAL 助成」は、2020東京オリンピックに訪れる方に多くの文化プログラムを知ってもらうために始まりました。
「Tokyo Tokyo FESTIVAL 助成」では、特定のジャンルに縛られず、芸術活動のプロジェクトを対象に最大2000万円以上の高額な助成金を支給しています。
それは、「Tokyo Tokyo FESTIVAL 助成」がどのような事業なのか、見ていきましょう。
「Tokyo Tokyo FESTIVAL 助成」の目的
「Tokyo Tokyo FESTIVAL 助成」は「オリンピックの精神に基づき、史上最高のプログラムを展開するとともに、文化の面のレガシーを2020年以降に継承し、世界一の文化都市東京の実現につなげていくこと。」という目的を持っています。
つまり、オリンピック開催時に訪れる外国人などからも話題性が高いプロジェクトに対して支援を行っているのです。
Tokyo Tokyo FESTIBALの考え
「Tokyo Tokyo FESTIVAL 助成」では申請要件以外にも下記のような考えを持って活動を行っています。
①伝統と現代の共存をはじめとした独自性・多様性を持つ東京の文化を世界に発信するとともに、国際的な芸術文化交流を積極的に展開
②障害者、高齢者、子供、外国人等、国内外のあらゆる人々が参加・交流できる機会の創出
③新たな発想を取り入れた芸術文化活動の推進や次世代を担う人材の育成
④都市全体で文化的な祝祭感を創出
⑤国、他の自治体、芸術文化団体等との連携・協力によるオール・ジャパンでの気運醸成
対象事業や過去の採択事例を紹介!
「Tokyo Tokyo FESTIVAL 助成」では、2020東京オリンピックの開催に向けて、東京の魅力を伝えることを目的とし、民間団体、芸術団体、企業などが取り組む芸術活動への助成を行っています。
基本的に対象となる分野は多岐に私、音楽・演劇・文学・ファッション・アニメ・ゲームなど特定の分野に縛られていません。
また、対象事業は「気運醸成プロジェクト支援」「市民想像文化活動支援」「海外発文化プロジェクト支援」「未来提案型プロジェクト支援」の4つに分けられています。
気運醸成プロジェクト
気運醸成プロジェクトは話題性や波及力が強いプロジェクトが対象です。
【採択事例】
・日比谷音楽祭
・東京フィルメックス
市民創造文化活動
市民創造文化活動は東京都民が主体となって行う芸術文化活動が対象です。
【採択事例】
・中野フレッシュロックフェスティバル
・NEWTOWN2019
未来提案型プロジェクト
未来提案型プロジェクトはアートと科学を融合させた、今までにない表現方法で芸術活動を行うプロジェクトが対象です。
【採択事例】
・TOKYO PHOTOGRAPHIC RESEARCH
・Save the Ear~耳と長く付き合うために
海外発文化プロジェクト
海外発文化プロジェクトは海外アーティストの作品を発表するプロジェクトが対象です。
【採択事例】
・「バリ姫神話」日韓共同舞台製作プロジェクト
・ロンドン交響楽団と日本の音楽家との共同プロジェクト
「Tokyo Tokyo FESTIVAL 助成」公募概要
「Tokyo Tokyo FESTIVAL助成」は、世界的な芸術文化都市東京として、芸術文化の創造・発信を推進し、東京の魅力を高める事を目的に設立された「公益財団法人東京都歴史文化財団(アーツカウンシル東京)」と東京都が共同で実施するTokyo Tokyo FESTIVALへの参画に係る助成事業です。
【申請窓口】
公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京
【助成対象となる分野】
音楽・演劇・舞踊・美術・写真・文学・メディア芸術(映像、マンガ、アニメ、ゲームなど)・伝統芸能・芸能・生活文化(茶道、華道、書道、食文化など)・ファッション・建築・特定のジャンルにとらわれない芸術活動(複合)等
※様々な芸術活動の複合的なもの(フェスティバル等)も対象となります。
【助成カテゴリー】
応募したいカテゴリーを選び(複数可)、申請してください。
I:フラッグプロジェクト支援・・・・動員力や話題性、波及力があるプロジェクト
II:市民創造文化活動支援・・・・・・・・・都民の方々が主体的な表現者となる芸術文化活動
III:海外発文化プロジェクト支援・・・海外からのアーティスト等の新たな芸術創造につながる活動
IV:未来提案型プロジェクト支援・・・アートとサイエンスを融合した新しい発想、表現を追求する挑戦的なプロジェクト
【申請上限額】
2,000万円
※助成率はフラッグプロジェクト支援のみ助成対象経費の1/4以内、他は1/2以内
【実施場所】
東京都内
【公募期間】
2020年1月13日消印有効
※2020年4月1日以降に開始し、2020年9月6日までに終了する活動する事業が対象
【申請方法】
申請書類を事務局(アールカウンシル東京)から取得し、必要事項を記入し郵送
※詳しくは上記【申請窓口】のurlからご確認ください。
【申請締切】
2020(令和2)年1月13日(月・祝)消印有効
※郵送受付のみ。書留や宅配便等、発送が記録できる方法で送付のこと。
【本件に関するお問合せ】
アーツカウンシル東京(公益財団法人東京都歴史文化財団)
企画室 オリンピック・パラリンピック文化戦略担当
電話:03-6256-8433 ファクス:03-6256-8828
E-mail:bp-josei@artscouncil-tokyo.jp
公募説明会(12月6日・12月9日実施)における質問内容
12月6日、12月9日に実施された「Tokyo Tokyo FESTIVAL助成」の公募説明会における質問を紹介します。
【助成対象活動について】
質問1:海外発文化プロジェクト支援カテゴリーを検討中ですが「海外在住のアーティスト」は日本人でも良いのか?
回答1:海外で活動しているアーティストであれば特に問いません。
質問2:プロジェクトの規模の最低ラインはあるの?
回答2:助成に値すると認められた場合には助成金がでますが、参加者100人程度の小規模な事業でも採択された実績があります。
質問3:海外で作られた映画を日本で公開する事業は助成対象ですか?
回答3:助成の対象となります。
質問4:コンクール等を目的とする事業は助成の対象にならないのか。
回答4:市民創造文化活動支援カテゴリーに限り、対象としています。
【申請手続き等について】
質問5:まだ実施期間が決まっていない場合は、申請書に記入する必要があるのか?
回答5:未定だとしても、現段階で開催する可能性が一番高い日付を記入し、実際に実施期間が決まった際に、内容変更申請を行ってください。
質問6:設立して間もない実行委員会のため、収支決算書にあたるものがないが、どうすればよいか。
回答6:例えば、実行委員会の中で、法人格をお持ちの主幹事団体の前年度の財務諸表などで代替していただくことが可能です。
質問7:他の機関にも助成を申請する予定ですが、明記する必要はあるか。
回答7:収支予算書の「その他の収入欄」に(予定)としてご記入頂き、採択後、収支予算書の変更申請を行ってください。
【収支予算について】
質問8:「当助成金申請額」と「助成対象経費 小計」は一致させるのか。
回答8:いいえ。「当助成金申請額」には、「助成対象経費 小計」の1/2(フラッグカテゴリーは1/4)を上限とした金額を計上してください。したがって、両者の金額は一致しません。
質問9:収支予算書について、記入する金額は税込みでよいか。
回答9:はい。全て税込み価格での計上をお願いいたします。
質問10:弊社で持っているカメラ機材などを使用する際、使用料などは助成対象経費となるか。
回答10:固有の資産である機材(コピー機等)を使用する際に係る費用、すなわち減価償却費は助成対象経費とはなりません。
【助成対象経費について】
質問11:全国で公演を行う事業を申請予定だが、東京における公演分のみを予算計上すればよいか?
回答11:はい。東京とそれ以外の地域での開催経費を公演数等で按分して計上してください。
【採択後について】
質問12:採択の決定時期から事業実施までの期間が短く、チラシ等のロゴ・クレジット掲出の対応が難しい。Tokyo Tokyo FESTIVAL助成(申請中)などと表記して掲出するべきか。
回答12:会場にポスターを掲出して頂く等、できる限りの対応をして下さい。(申請中)の表記は不要です。
まとめ
今回は、今年開催される2020東京オリンピックに向けた助成金の中から「Tokyo Tokyo FESTIVAL助成」をピックアップし、紹介しました。
「Tokyo Tokyo FESTIVAL助成」は様々な芸術活動を助成する制度となっており、「Tokyo Tokyo FESTIVAL」へ参加することで、企業のイメージアップやブランド力の向上に繋がるチャンスです。
特に都内に所在を置く、劇団や芸能事務所、地域の振興組合、学生のサークルなどからは毎年かなりの数が応募されています。
2016年の採択率は約20%程度と非常に低く、他の助成金と比べても採択を受けるのが難しいかもしれません。
おそらく、今回の公募でもかなりの数の応募が想定されます。
ですが、今回紹介した「Tokyo Tokyo FESTIVAL助成」以外にも芸術活動を支援する助成制度は数多くあるので、プロジェクト内容に応じて採択率の高い助成金への申請をおすすめします。