
引越しは何かとお金がかかります。
東京23区内に引越しを考えている方、東京都は家賃、物価が高く、新生活スタート後も他県よりもお金がかかることが想定されるでしょう。
なるべく費用を抑えてお得に引越しをするのに、現在、業者の見積り比較など、リサーチに余念のない方も多いのではないでしょうか。
そんな方には、引越し業者の経費比較の他、是非、確認していただきたいことがあります。
それは、東京23区の各自治体で設けている助成金制度です。
みなさんは、条件があてはまれば、東京23区の各自治体の助成や支援を利用してお得に引越しができることをご存知ですか?
あまり知られていませんが、より長く定住してもらうため、自治体によっては子供のいる世帯や、親と同居予定の世帯、学生や単身者に家賃や引越し費用を支援する公的な助成制度を用意しているのです。
ここでは、どのような方が支援の対象になるか、また、どのような助成制度なのかをご紹介いたします。
ご自身が助成制度の対象になっているかをチェックしていただき、負担の少ない引越しができるようお役立てください。
あてはまるかチェック!3つの対象世帯
引越しをサポートする公的助成制度は、自治体によって内容が異なります。
大きくわけると次の3世帯を対象にしている助成制度が多いです。
引越し後に「自身が制度の対象者だった」などということがないよう、しっかりチェックしていきましょう。
1 子育てファミリー世帯
2 多世代世帯
3 学生・勤労単身者
次の項から、上述の世帯向けにどの自治体がどのような制度を設けているかごご紹介していきます。
例えば、新宿区では、上述の1~3にあてはまるすべての世帯向けの支援制度を設けています。
なお、この記事で紹介する自治体以外でも様々な支援制度を設けています。
この記事の例を参考に、是非、これから生活する予定の自治体で家賃や引越し費用の支援制度を行っていないかどうか、確認してみてください。
1.子育てファミリー世帯への支援
まず、子育てファミリー世帯をサポートする支援です。
子育て世帯は、将来的に長く住んでくれる可能性が高いため自治体としても支援して迎え入れ、定住してもらいたいと考えています。
実施している自治体の支援制度をいくつかご紹介いたします。
新宿区:次世代育成転居助成(子育てファミリー世帯向け)
義務教育終了前の子供がいる世帯が区内で民間賃貸住宅に住み替える場合、差額家賃や
引越費用を助成します。
子供の成長に合わせて住居の住み替えをサポートし、健全な次世代育成を図るのが目的です。
対象世帯:
義務教育終了前の子供がいる世帯(扶養・同居が条件)
助成額と期間:
転居前との家賃差額最大3万5千円最長2年間助成
引越実費最大10万円(引越業者依頼が条件)一括支給
そのほか:
転居前後の住宅要件、所得要件などがあります。
詳細は新宿区の都市計画部・住宅課へお問い合わせください。
TEL:03-5273-3567
世田谷区:せたがやの家子育て世帯家賃助成
18歳未満の子供がいる世帯で、「一般財団法人世田谷トラストまちづくり」が借り上げた賃貸住宅「せたがやの家」に入居する家族を対象に、費用を助成し、家賃負担をサポートします。
対象世帯:
18歳未満の子供がいる世帯
助成額と期間:
家賃月額4万円最長5年
*礼金・手数料無料
そのほか:
所得要件などがあります。
詳細は世田谷区の住宅課へお問い合わせください。
TEL:03-5432-2505
北区:ファミリー世帯転居費用助成
区内在住1年以上の18歳未満の子供が2人以上いる世帯が、区内の民間賃貸住宅の住み替えを行った場合、礼金、仲介手数料を助成します。転居前より広くて、かつ、最低居住面積水準以上の民間賃貸住宅に転居を支援し、居住環境の改善を支援します。
対象世帯:
18歳未満の子供がいる家庭(扶養・同居が条件)
助成額と期間:
礼金・仲介手数料の合計額最大30万円
そのほか:
転居前後の住宅要件、所得要件などがあります。
詳細は北区のまちづくり部住宅課住宅計画係へお問い合わせください。
TEL:03-3908-9201
2.多世代世帯への支援
昨今、核家族が進み、親世代世帯の孤立や、自治体内の世帯構成のバランス不均等、また、地域のコミュニケーションが希薄になりつつあります。
このような問題を解消するため、親世代との同居や近居への居住を考える世帯をサポートする助成金制度を設けている自治体があります。
多世代で住むことをお考えの方や、近隣での生活を視野に入れて引越しを考えている方は、この制度の利用を検討してみてはいかがでしょうか?
墨田区:民間賃貸住宅転居・転入支援制度
区内または区外から親世帯と新たに同居、または、近居するために転入した子育て世帯に、
引越し費用の一部を助成する制度です。
対象世帯:
申請時に未就学の子供がいる世帯
助成額:
賃貸借契約時に支払った仲介手数料上限12万円
賃貸借契約時に支払った礼金上限12万円
引越し費用上限12万円(引越業者依頼が条件)
そのほか:
近居については、区内でそれぞれの世帯の住宅が直線距離で1キロメートル以内。
最低居住面積やそのほか条件があります。
詳細は墨田区の都市計画部住宅課計画担当へお問い合わせください。
TEL:03-5608-6215
新宿区:多世代近居同居助成
新宿区内で新たに同居または近居する子世帯と親世帯際の引越し等の費用を負担して支援します。
多世代が同居または近居することにより、支えあい、安全で安心の住宅環境、区内居住の継続を図ることが目的です。
対象世帯:
各世帯が、次のいずれかに該当していること。
・65歳以上の方を含む60歳以上の方のみの世帯
・要介護度1~5又は身体障害者手帳4級以上、愛の手帳4度以上、
精神障害者保健福祉手帳のいずれかを所持する方を含む世帯
・義務教育修了前の子供がいる世帯(扶養・同居が条件)
助成額:
引越し費用、不動産登記費用、礼金、権利金、仲介手数料の合計額
(複数世帯最大20万円、単身世帯最大10万円まで)
そのほか:
どちらか一方の世帯が区内に1年以上居住していること。
住居要件、所得要件、そのほか条件があります。
詳細は新宿区の都市計画部・住宅課へお問い合わせください。
TEL:03-5273-3567
千代田区:次世代育成住宅助成:親元近居助成
親世代世帯と近居のために民間賃貸住宅やマイホームへの住み替えをする新婚、子育て世帯を対象とした助成制度です。
対象世帯:
千代田区に5年以上住んでいる親がいる新婚または子育て世帯
新婚世帯は婚姻届日から2年以内の夫婦のみの世帯
子育て世帯は18歳に達する年度の3月末日までの子がいる世帯
区内間または、区外からの住み替え
助成額と期間:
世帯人数(新婚世帯は2人、子育て世帯は親子の合計人数)による
例)
4人世帯(親2人、子供2人)の場合
月額:1年目6万円2年目 5.4万円・・・8年目1.8万円
最長8年または末子が18歳に達する年まで
そのほか:
年間所得要件、転居前後の住宅要件、マイホームの場合は取得条件などがあります。
詳細は千代田区環境まちづくり部住宅課住宅管理係へお問い合わせください。
TEL:03-5211-3607
3.学生・勤労単身者への支援
新宿区では定住化促進のため、学生や勤労単身者への家賃助成支援という他の区にはない施策があります。
これから東京で暮らし始める学生や、一人暮らしの勤労者には見逃せない施策でしょう。
新宿区:民間賃貸住宅家賃助成(学生及び勤労単身者向け)
定住化を促進するため、新宿区に居住する18歳から28歳の単身者向けの家賃助成制度です。
対象世帯:
基準日(10月1日時点)の年齢が18歳から28歳の単身者世帯
助成額と期間:
月額10,000円
最長3年間
そのほか:
家賃要件、居住要件等あります。
詳細は新宿区の都市計画部・住宅課へお問い合わせください。
TEL:03-5273-3567
余儀ない引越しへの助成:住居の取り壊し・立ち退き
さて、引越しに関する助成金ですが、民間賃貸住居の取り壊しや立ち退きなどで住居の引越しや転居を余儀なくされる高齢者、障害者、ひとり親向けの助成金も設けている自治体もあります。
費用の一部を助成し、自治体内にそのまま居住継続できるよう支援する制度となります。
もしも、ご自身または、お知り合いがそのような状況になった場合、お住まいの自治体に確認することをお勧めします。
引越し費用や、家賃補助の制度は、余儀ない引越しをしなければならない対象者にとっては、大きな支援となります。
一例として文京区の支援をご紹介いたします。
文京区:移転費用等助成
高齢者・障害者・ひとり親世帯が、民間賃貸住宅の取り壊し等により立ち退きが必要、または、住まいの環境をを改善するため区内の民間賃貸住宅に引越しが必要な場合、引越し費用や家賃の差額等を助成し、引き続き区内で居住できるように支援するものです。
対象世帯:
・65歳以上のひとり暮らし、または、65歳以上の方を含む60歳以上の方のみの世帯
・身体障害者手帳4級以上、愛の手帳3度以上、精神障害者保健福祉手帳2級以上の
障害者の方がいる世帯
・18歳未満の子供のいるひとり親家庭、または、18歳未満の子供を祖父母などが養
育している世帯
助成額・期間:
・移転費用助成金
礼金、仲介手数料、引越経費の合計額最大15万円
・家賃助成金
転居前の住居の家賃との差額最大2万円
そのほか:
資格要件があります。
詳細は文京区福祉住宅サービスへお問い合わせください。
TEL:03-5803-1238
まとめ
各自治体で行っている家賃や引越しへの助成制度は、世間一般にあまり知られていないことがあります。
今回、ご紹介した自治体の助成制度は一例となります。
各自治体での対象者条件や、申し込み時期が異なります。また、募集枠数に対してたくさんの応募があり、抽選となる場合もあります。
ご自身がこれから新生活をスタートされる自治体が、支援制度を設けていないか、また、ご自身がその対象世帯になっていないかどうかなど早めの確認をおすすめいたします。
引越し後の生活にも大きな利点となるこの助成金制度。
条件が合えば是非利用して、お得に新しい生活を出発にお役立てください。