
国のコロナ支援策として実施している特別定額給付金は、日本に住んでいる方すべてが受け取れる1人につき10万円が支給される給付金です。
すでにオンライン申請は始まっており、これからは各世帯に申請書が郵送で送られることとなります。
日本全国民に一律10万円とわかりやすい制度となっていますが、各自治体では、コロナ感染症に伴う影響が大きなことから、特別定額給付金に上乗せする自治体が増えてきました。
こちらの記事では、特別定額給付金の上乗せを行っている 11の地方自治体を一覧としてまとめていますので、ぜひご覧ください。
コロナ感染症の最新情報:5月14日に39県の緊急事態宣言が解除
5月14日に、全国に発令されていた緊急事態言言が、関東の1都3県、関西の2府1県、北海道を除いた39県で緊急事態宣言の解除が行われました。
2週間前と1週間前を比較し、新規感染者が減少傾向であることに加えて、直近1週間の合計で10万人あたり、0.5人以下に抑えられていることなど、総合的な判断によって39県は緊急事態宣言の解除となります。
ただし、5月16日の西村経済再生担当大臣は、「あちこちで気の緩みがみられると大変心配している」と話しています。
新型コロナウイルス感染症の第2波の可能性についても「来ると思わなかければいけない」「何かの表紙に出てくる。そこで気の緩みがあると再び大きな流行になる」と警戒感をあらわにしています。
このように、まだまだ気が抜けない新型コロナウイルス感染症ですが、コロナ支援策の特別定額給付金などは着々と申請が始まってきています。
次に、コロナ支援策の柱とも言える特別定額給付金の概要について、みていきましょう。
特別定額給付金の概要
特別定額給付金は、令和2年4月20日に新型コロナウイルス感染症緊急経済対策として閣議決定されました。
新型コロナウイルス感染拡大に留意しながら、簡素な仕組みで迅速かつ的確に家庭への支援を行うために設けられています。
◆給付対象者1人につき 10万円の支給
給付対象者
特別定額給付金の給付対象者は下記の通りとなります。
◆基準日(令和2年4月27日)時点で、住民基本台帳に記録されている者
受給権者
特別定額給付金の受給権者は下記の通りとなります。
◆給付対象者の属する世帯の世帯主
申請方法
特別定額給付金の申請方法は、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、郵送申請方式とオンライン申請方式(マイナンバーカード所得者が利用可能)の2つの方法で行われています。
①郵送方式
・市区町村から受給権者宛てに郵送された申請書に振込先口座を記入し、振込先口座の確認書類と本人確認書類の写しとともに市区町村に郵送します。
②オンライン申請方式(マイナンバーカード所有者が利用可能)
・マイナポータルから振込先口座を入力した上で、振込先口座の確認書類をアップロードする電子申請となります。
なお、電子署名により本人確認を実施しますので、本人確認書類は不要です。
特別定額給付金を上乗せしている地方自治体
上記のように、特別定額給付金は住民基本台帳に記載されている方すべてに、一律10万円が支給される給付金ですが、地方自治体では独自の制度を設けて上乗せを行っている地方自治体があります。
すべての地方自治体が行っているわけではありませんが、自身の自治体が特別定額給付金の上乗せを行っているのなら、確認しておくことが大切となるでしょう。
次に、特別定額給付金を上乗せしている11の地方自治体をご紹介していきます。
長野県
長野県では独自に特別定額給付金の上乗せを予定している自治体は、5町村あります。
東筑摩郡の朝日村では、全村民に1万円を上乗せをし、同郡の麻績村、筑北村においても18歳以下の子ども1人につき2万円を上乗せを行います。
また、生坂村と朝日村は、高校生以下の子ども1人につき、それぞれ2万円と1万円を上乗せし、北佐久郡御代田町は給付金には間に合いませんが、8月を目途に全町民を対象に1人1万円を配布する予定となっています。
◆東筑摩郡の朝日村
・全村民に1万円
◆麻績村、筑北村
・18歳以下の子ども1人につき2万円を上乗せ
◆生坂村、朝日村
・高校生以下の子ども1人につき、それぞれ2万円と1万円
◆北佐久郡御代田町
・8月を目途に全町民を対象に1人1万円
石川県
石川県羽咋郡の志賀町では1人あたり2万円の上乗せを検討しています。
上乗せを実施するためには約4億円の財源が必要となり、町長や職員らの給与カットをする方針となっていますが、反発も予想されています。
富山県
富山県南砺(なんと)市は上乗せではありませんが、17歳以下の子どもに1万円の商品券を出すことにしています。
また、入善(にゅうぜん)町は、子育て支援を打ち出しています。
福岡県
福岡県築上郡吉富町では、30日に申請書を発送するにあたって、使い捨てマスクを1人あたり5枚同封しています。
また、大川市では、「高校生等応援臨時給付金」を設けて、特別定額給付金を申請された方、もしくはその世帯で平成14年4月2日から平成16年4月1日生まれの方全員に、国の定額給付金10万円に大川市独自の1万円を上乗せして支給します。
申請書の合計金額には国の給付金が表示されていますので、振り込みする時に対象となる方の人数分が上乗せされて振り込む形となっています。
◆福岡県築上郡吉富町
・申請書を発送時に使い捨てマスクを1人あたり5枚同封
◆福岡県大川市
・「高校生等応援臨時給付金」を設けて対象者に1万円の上乗せ
神奈川県
神奈川県川崎市では、10万円の給付に合わせて市内の小規模商店や飲食店で使える「川崎じもと応援券」を発行します。
1冊1万円の「川崎じもと応援券」に30%分が上乗せとなり、1万3千円分の買い物に使うことができます。
福田市長は4月30日の会見で「経済にとって10万円は血液。地元で買い物や飲食をしてほしい」と呼びかけています。
◆神奈川県川崎市
・「川崎じもと応援券」を発行
・1冊13,000円の商品券を10,000円で発売
・1人5冊まで購入可能
岡山県
岡山県浅口市においては、特別定額給付金の対象外となってしまう市内の新生児に給付金と同額の1人10万円を支給する方針を示しています。
特別定額給付金の条件として、4月27日時点で住民基本台帳に記載されていないと支給されませんが、浅口市は翌28日以降に生まれた子どもに「出産支援金」として支給するとしています。
対象となる新生児は、来年4月1日生まれまでで、同学年で誕生日によって受給に差が出る不公平感を子育て世帯が感じないようにするのが狙いとなっています。
◆岡山県浅口市
・特別定額給付金の対象外の新生児に、10万円を支給
山口県
山口県岩国市では、独自の対策として「特別応援協力金」を設けています。
「特別応援協力金」は、特別定額給付金に上乗せする協力金となり、特別定額給付金に上乗せする形で、すべての市民に1人当たり2万円を給付します。
◆山口県岩国市
・特別応援協力金として、2万円の上乗せ
東京都
東京都西多摩郡奥多摩町では、新型コロナウイルス感染拡大の影響で収入が減少となった町民を支援するために、一律10万円の特別定額給付金に上乗せすることに決まりました。
町民1人あたり2万円を独自に上乗せして、給付されます。
奥多摩町は観光業が盛んで例年であれば、100万人が訪れていますが、新型コロナウイルス感染症拡大を防ぐために外出自粛によって、多くの世帯の収入が減少しています。
奥多摩町では「外出自粛の影響で町民全員がいろいろと苦労されているので、少しでも生活を支援していきたい」と独自の上乗せという形で町民を支援していきます。
町独自の給付金として5月下旬申請書を発送し、早ければ来月中旬から支給できる見通しとなっています
◆東京都西多摩郡奥多摩町
・町民1人あたり2万円を独自に上乗せ
佐賀県
佐賀県杵島郡大町町は新型コロナウイルスの影響に関する町民支援策として、国の特別定額給付金支給に1万円を加える事業を設けています。
また、佐賀県の休業要請や営業時間短縮の要請に応じた事業者に15万円を支給する事業を行います。
国からの特別定額給付金への上乗せによって、給付金を使う際の消費税を町が負担する形をとることで、消費を促すことを目的としています。
上乗せ分は、給付金と同時に振り込まれる予定です。
◆佐賀県杵島郡大町町
・国の特別定額給付金支給に1万円を加える事業
北海道
北海道旭市では、市民の生活を支援すると同時に、地域経済の活性化を目指すために、旭川独自の給付金を支給しています。
給付額は、1世帯につき2万円です。
特別定額給付金の申請に基づく上乗せ給付となりますので、申請する必要はありません。
給付が決定されましたら、特別定額給付金と同時に指定の口座に振り込まれます。
◆北海道旭川市
・1世帯につき2万円の上乗せ
宮城県
宮城県牡鹿郡女川町では、独自の支援として特別定額給付金に2万円の上乗せが行われます。
女川町では、各家庭において感染症対策として出費が増えている状況として、特別定額給付金の申請を行った方が受け取れる女川独自の「感染症対策給付金」を設けています。
給付額は、世帯構成員1人につき2万円、特別定額給付金の申請を行った方に自動的に上乗せとなりますので、手続きする必要はありません。
ただし、特別定額給付金の申請は、忘れないように行ってください。
◆宮城県牡鹿郡女川町
・感染症対策給付金
・世帯構成員1人につき2万円
・特別定額給付金の申請を行った方に自動的に上乗せ
まとめ
新型コロナウイルス感染症の最新情報と同時に、特別定額給付金の概要と上乗せをしている長野県、石川県、富山県、福岡県、神奈川県、岡山県、山口県、東京都、佐賀県、北海道、宮城県の11の自治体を紹介してきました。
特別定額給付金は、住民基本台帳がある方が一律10万円が給付できるコロナ支援策の柱とも言える給付金です。
地方自治体では、定額給付金に上乗せをすることで地域の人々に対して、さらに手厚い支援となるようにと考え設けられています。
まだ、検討中となる自治体となるところありますが、特別定額給付金に上乗せにする形をとることで、受給者にとっては手間なく支給される上乗せ給付金となりそうです。
39県の緊急事態宣言が解除されたことから気が緩んでしまいそうですが、新型コロナウイルス感染症拡大の第2波に警戒しつつ、今後も防衛策を講じながら感染拡大を抑えるように努力していきましょう。