手形割引

手形割引とは何か、メリット・デメリットと3つの手形割引業者を紹介

ローン

事業主の方で手形を使った取引を行ったことはありますか?

事業活動においては、手形による決済を行うこともあります。

手形とは、取引先に商品を掛け売りしたとき、後日の支払いを約束するものとして振り出されるもので、一般的には数ヶ月後の支払いとなっており、それまでは保管しておくものです。

もし、支払期日前に資金繰りが厳しくなった場合には、手形割引によって早い段階で資金化することが可能です。

今回は、手形割引の概要とメリット・デメリットと3つのおすすめ手形割引業者を紹介していきます。

①株式会社A-pro(エープロ)
②株式会社大輝
③豊和商事株式会社

今後、手形割引の活用などを検討している方はぜひ参考にしてください。

手形割引の概要

手形割引
手形割引とは、まだ支払期日が来ていない手形を銀行や手形割引業者に買い取ってもらう手段のことです。
支払期日以前に現金化できる代わりに、利息に相当する割引料と取立料が引かれるため、額面より少ない金額が現金化されます。

割引料の計算は以下の通りです。

・手形金額×年利率×(割引日数÷365日)=割引料

「銀行」と「手形割引業者」の違い

手形割引をしてくれるのは、銀行か手形割引業者の2者です。

結論から言うと、手形割引業者よりも銀行の方が審査がかなり厳しくなっています。

銀行との付き合いが浅く、信用度がまだ低いと審査のハードルは大幅に高くなります。一方で手形割引業者は、銀行と同じく審査はありますが、重視されるのは手形振出人の与信状況なので、審査は通ることが多いです。

また、担保が必要かどうかという点でもこの2者に大きく違いがあり、銀行では、手形割引を依頼する際、定期預金や不動産などの担保を必要としますが、手形割引業者の場合はほとんどの場合、必要としない点も違いのひとつです。

そして、何よりも違うのは、手続きの速さです。

銀行においては、手形取引約定書などの書類を提出しなくてはいけませんので、その手続きはかなり複雑です。
従って、銀行では手形割引を現金化するために多くの時間と労力が必要になってきます。

一方で手形割引業者では、割引料が取られてしまいますが、手続きが簡素でいち早く手形を現金化できます。

手形の償還義務

例えば、100万円の90日後が満期の手形を、手形割引で90万円で銀行に買い取ってもらった場合、すぐに90万円が手元に入りました。
そして、その90万円を設備投資などで全額使ってしまったとします。
しかし、90日を過ぎる前に手形の振出人が倒産してしまいました。

といった場合に、その手形は不渡りとなり、銀行から買い戻しを要求されてしまします。
買い戻しを要求されたら必ずお金を返さなければなりません。これを「手形の償還義務」と言います。

買い戻しをするお金がない、となると連鎖倒産に発展しかねないので、手形割引で取引するときはこの手形の償還義務があることに注意して、余裕を持った資金繰りをしなくてはなりません。

手形割引のメリット

手形割引のメリットとしてまず挙げられるのが、素早く手形を現金化できるという点にあります。
手形を受け取った後、すぐに銀行や手形割引業者に持ち込むと、当日に現金化できます。

また、材料など先に支払いが発生する場合も、手付金として手形を集金して現金化し、材料を仕入れるといったことも可能になります。

次に、金利の低さが挙げられます。ビジネスローンなどはおおよそ10%~15%での契約になることがありますが、手形割引の場合、年率3%~12%位で資金調達が出来ます。

その他に、ほとんどの手形割引業者は連帯保証人を必要としていないという点や、手続きの少なさもメリットとして挙げられます。

手形割引のデメリット

手形割引のデメリットは、上記でも述べましたが、振出人が不渡りを起こしてしまう、または倒産してしまったときに、手形を買い戻さなければいけないという点が挙げられます。

もう一つは、原則的に一度振り出された手形は分割ができないということです。
どういうことかというと、例えば、A社から100万円の手形を集金して、B社への支払いが50万円だけ必要である場合、 A社の手形100万円を現金化して、50万円をB社への支払う、ということになります。
そのため割引料は50万円分だけでなく100万円分のコストがかかってしまう、ということになってしまいます。

あらかじめ振り出した業者に分割でできないか?ということを伝えておくのもいいかもしれません。場合によっては応じてくれることもあります。

また、手形の割引日が支払期日よりも前になればなるほど割引料が高くなってしまうということも念頭に置いていた方がいいと言えます。

手形割引の事業者

銀行で手形割引を断られてしまったときでも、受け付けてくれる手形割引業者もあります。

しかし、法外な手数料、割引料などを請求してくる業者もありますので注意した方がいいでしょう。

割引料をしっかりと提示していて、ネットなどで検索して高評価な業者を選ぶことが大切です。

次の項から口コミなどで評判の手形割引を扱っている、3つのお勧めの業者を紹介していきます。

①A-pro(エープロ)

手形割引

株式会社A-proは、東京都港区に拠点を置くファイナンス会社です。

手形割引や運転資金の融資も取り扱っており、来店不要、早い対応で有名な事業者です。

「予定していなかった支払いが発生しそう」「返済猶予中のため、追加の融資が受けれない」「取引先からの入金がずれてしまった」など資金繰りで困った方でも安心して利用できます。

A-pro手形割引の貸付条件

A-proの手形割引の貸付条件は以下の通りです。

融資対象 法人
融資額 銘柄による
返済方式 一括返済
割引率 年6.80%~18.00%
返済回数 期日による
返済期間 最長36ヵ月
遅延損害金 上限 年20.00%
担保・保証人 有価証券・保証人原則不要
申込時必要書類 ・代表者本人確認資料

・商業謄本

・決算書又は確定申告書2期分

・取引先通帳写し

・当座照合表等

A-pro・手形割引の融資スピード

A-pro手形割引の審査スピードは、最短即日となっています。そのため、審査結果を急いでる方にとってぴったりの事業者といえるでしょう。

ただし、申込み時間帯等により、翌日以降の融資となる場合もありますので、あらかじめご了承ください。

A-pro手形割引をお勧めする理由

A-pro手形割引をお勧めする理由を3つ挙げますと、まず一つ目として即日融資が可能である点があります。
A-proは、申し込みの後、即日融資をモットーとしていますので、資金調達を急いでいる方にお勧めできます。

次に、銀行などで手形割引を断られた時も、A-Proは独自の基準で審査を行いますので、資金調達ができる可能性があります。

3つ目は、A-Proの店舗に行かなくても、原則インターネットや電話で申し込みから融資まで完了できるということがA-Proをお勧めする理由です。

②株式会社大輝

手形割引

株式会社大輝は20年間専業で手形割引の業務に携わっている実績があり、他社で断られた手形でも割引できる事例も多々あります。

大輝のメリットとしては、業界最安値の割引率、または手数料を支払わなくてもいいという点が挙げられます。

大輝の手形割引の貸付条件

大輝の手形割引の貸付条件は以下の通りです。

手形割引率 年2.8%~9.5%
融資額 少額から高額まで対応
銀行取立料 ・北九州市内:440円

・福岡県内:660円

・福岡県外:880円

手数料 無料
保証料 無料
印紙代 不要
申込時必要書類 ・手形振出人の会社名

・住所

・金額

・支払期日等の情報

・手形

審査・回答の速さ

大輝の審査・回答の速さは、業界でもトップクラスであるのもウリのひとつです。

申し込みから平均30分で審査・回答が返ってきます。

大輝をお勧めする理由

大輝をお勧めする理由として、上記にも掲げた審査の速さだけでなく、手数料を省略出来たり、手形割引率の低さも挙げられます。

また、審査に必要な書類も少ないため、素早く申し込み体制が取れるというのも利点の一つです。

大輝の手形割引のデメリット

大輝の手形割引はメリットも大きいですが、デメリットもあります。

これは、大輝の営業所内のエリア外では、割引が完了するまでに時間がかかってしまう可能性がある、ということです。

大輝の営業所は、福岡市早良区の1店舗だけなので、その近隣のエリア(山口県・福岡県・佐賀県・長崎県・熊本県・大分県・宮崎県・鹿児島県)以外だと、翌日以降の対応となりますので、気を付けたほうがいいでしょう。

③豊和商事株式会社

手形割引

豊和商事株式会社は、1975年東京都中央区八丁堀に創業した老舗の手形割引専門の業者です。

その歴史ある豊和商事は経験と実績があり、経営者の中でもとても評判のいい事業者です。

また、首都圏(東京・千葉・埼玉・神奈川)を中心に中小企業、個人事業主に対して手形割引以外の運転資金や決済資金などの資金繰りも支援しています。

豊和商事の手形割引の貸付条件

豊和商事株式会社の手形割引の貸付条件は以下の表の通りです。

割引利率(実質年率) 年5.00~20.00%
一銘柄割引限度額 通常2,500万円以内(振出銘柄による)
手数料及び諸経費 銀行取立て手数料(毎回)
東京交換所:770円

その他:990円

振出先調査料(初銘柄1回):2,200円

印紙代(新規取引時):4,000円

保証人・担保 原則として不要
審査スピード 最短1時間以内
資金化スピード 最短即日
新規取引時必要書類 (法人)

・ 会社の謄本・会社の印鑑証明書

・ 代表者の住民票・代表者の印鑑証明書

・ 代表者の身分証明書(運転免許証等)

(個人)

・ 住民票・印鑑証明書・身分証明書(運転証明証等)

豊和商事をお勧めする理由

豊和商事をお勧めする理由のひとつに、営業実績の長さから来る信頼性の高さが挙げられます。
創業が昭和50年からなので、40年以上の営業実績があり、安心して取引ができます。

もう一つに、会社を設立したばかりでまだ銀行との取引実績が希薄だと、断られてしまう手形も多々あり、そのような手形でも豊和商事なら相談に乗ってくれるという点が挙げられます。

そして、豊和商事の一番のウリは、顔の見える対応をしてくれる、ということです。
こちらから豊和商事に赴いたり、時には豊和商事の方からこちらに出向いて対応してくれることもあるので、そういった点で安心と信頼を感じさせてくれます。

豊和商事のデメリット

豊和商事では、他の手形割引業者と比べて取立料やその他の手数料が多くかかりますので、少しでも費用を抑えたいと思っている事業者には向かないかもしれません。

また、豊和商事の店舗から離れている事業所で経営している場合は、書類のやりとりが郵送となるため時間がかかってしまうというのもデメリットのひとつです。

まとめ

手形割引

手形割引は、手形で商品やサービスの支払いをしてくるクライアントが多い中小企業にとって欠かせない方法となっています。

現金での支払いだけで、全ての取引を済ませることはできませんので、手形を使った支払いを避けて通ることができません。

いち早く手形を現金化したいというときは、A-proでの手形割引をおすすめします。来店不要で申込みから融資までの手続きができます。

また、手形割引は、すばやく手形を現金化することができ、企業の財政が円滑に運用されるようにしてくれるとても有効な制度だということがご理解されたかと思います。

しかし、手形に慣れていない企業はトラブルに巻き込まれてしまうことがあるようですので、これから手形割引などの手形取引を実践しようとする事業主は、注意を怠らないようにすることが大切です。

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