地域経済を牽引する企業のデジタル化を推進していくためには、地域未来牽引企業等、事業管理機関、IT企業等との連携が重要となってきます。
経済産業省では、このようなことを踏まえて、地域の高生産性・高付加価値企業群を創出・強化することを目的とした「地域新成長産業創出促進事業費補助金(地域産業デジタル化支援事業)」を設けました。
連携して取組むことを検討しているのであれば、「地域新成長産業創出促進事業費補助金(地域産業デジタル化支援事業)」を資金調達としてご利用ください。
なお、TAMA協会事務局では、協同申請を行う「TAMAモデル実証企業」を募集しており、ものづくり企業やIT企業と連携して地域産業のデジタル化のモデルケースつくりを目指しています。
地域新成長産業創出促進事業費補助金(地域産業デジタル化支援事業)
経済産業省が実施している、地域新成長産業創出促進事業費補助金(地域産業デジタル化支援事業)は、地域経済を牽引する企業のデジタル化を支援しています。
地域の高生産性・高付加価値企業群を創出・強化することを目的としており、類型ごとに補助金が交付されます。
地域未来牽引企業等、事業管理機関、IT 企業等が連携して取り組む、新事業実証(試作、顧客ヒアリング、事業性評価と改善等)による地域産業のデジタル化のモデルケース創出、地域への横展開を目指している事業です。
◆新事業実証を行う各企業には、本補助金を活用して実証を行う新たなビジネスモデル案について、事業年度終了後3年目までに売上を計上することを目標としてください。
事業管理機関・実証企業・連携機関
地域新成長産業創出促進事業費補助金(地域産業デジタル化支援事業)の事業管理機関・実証企業・連携機関は、下記の通りとなります。
【1.事業管理機関(補助事業者)】
事業管理機関は、実証企業による新事業実証の支援、補助事業全体の運営管理、共同体構成員相互の調整を行うとともに、事業成果の普及等を主体的に行う者です。
また、補助事業者として、国との総合的な連絡窓口を担うとともに、交付規程を定めた上で
間接補助事業者に対して、補助金の交付、額の確定、支払等を行うなど、補助事業の遂行・経費管理における責任を有します。
事業管理機関として参画する事業者は、今年度申請する本補助事業に実証企業として参画することはできません。
ただし、他申請事業の連携機関としての参画は可能となっています。
【2.実証企業(間接補助事業者】
実証企業は、事業管理機関のサポートを受け、事業実証に取り組む者で、A類型では2者以上、B類型では1者以上の参画を必須とします。
実証企業として参画する事業者は、今年度申請する本補助事業に事業管理機関又は他申請事業の実証企業として参画することはできません。
ただし、連携機関としての参画は可能となっています。
【3.連携機関(必須)】
連携機関は、事業管理機関及び実証企業による事業実施にあたって補助的な役割を担う、補助金(間接補助金を含む。)の交付を受けない者です。
事業管理機関及び実証企業に不足する技術やノウハウを補完するための機関であり、例えば、IT 企業(SIer 企業、ベンダー企業 等)、大学・公設試験研究機関といった主体があげられます。
事業内容
地域新成長産業創出促進事業費補助金(地域産業デジタル化支援事業)の事業内容は、上記の「1.事業管理機関(補助事業者)」及び「2.実証企業(間接補助事業者)」が実施する下記の取組となります。
【1.事業管理機関(補助事業者)】による事業
①ビジネスモデル実証支援
実証企業が取り組む、デジタル技術を活用したビジネスモデル案に関する実証を伴走型で支援します。
②ビジネスモデル実証予備群の発掘
実証企業以外で、今後ビジネスモデル実証に取り組む企業群を発掘します。
③事例整理、普及展開
デジタル技術を活用したビジネスモデルの開発、及び開発の支援に関するノウハウを蓄積し、地域の多数の企業に迅速かつ成功確率の高いビジネスモデル開発を促すための事業を実施します。
【2.実証企業(間接補助事業者】による事業
事業管理機関のサポートを受け、自社の将来的な収益源となる、デジタル技術を活用したビジネスモデル案の実証(試作、顧客ヒアリング、事業性評価と改善)を行います。
実証の成果を踏まえ、事業年度中に「新たなビジネスモデルの事業設計書」を作成し、各経済産業局等へ提出します。
◆事業実施期間
・交付決定日~令和4年3月31日
申請対象者
地域新成長産業創出促進事業費補助金(地域産業デジタル化支援事業)は、単独での申請はできません。
下記の1.と2.にに定める事業管理機関、実証企業を含む2者以上で共同体を構成する必要がありますので、ご注意ください。
◆事業管理機関及び実証企業は、次の要件をいずれも満たす者に限られます。
①日本に拠点を有していること。
②本事業を的確に遂行する組織、人員等を有していること。
③本事業を円滑に遂行するために必要な経営基盤を有し、かつ、資金等について十分な管理能力を有していること。
④経済産業省からの補助金交付等停止措置又は指名停止措置が講じられている者では
ないこと。
1.事業管理機関(1者)
上記①~④の要件に加え、下記の要件をいずれも満たす法人に限ります。
・業務を遂行するに十分な管理能力があり、そのための体制が整備されていること。
・事業を実施できる財務健全性を有していること。(補助金は原則として精算払であることから間接補助事業者への支払を含めた立替払が可能であること。)
・事業期間中及び事業終了後3年度までにおいて、経済産業省の求めに応じて、指定の方法で事業の活動状況・成果等を報告可能な主体であること。
2.実証企業
上記①~④の要件に加え、下記のいずれかに該当する者に限ります。
・地域未来牽引企業に選定されている者
(ただし、常時使用する従業員の数が1,000人以上の者は除く。)
・地域経済牽引事業の促進による地域の成長発展の基盤強化に関する法律に基づく地域経済牽引事業計画の承認を受けている者
(ただし、常時使用する従業員の数が1,000人以上の者は除く。)
・その他常時使用する従業員の数が1,000人未満の会社
補助対象経費
地域新成長産業創出促進事業費補助金(地域産業デジタル化支援事業)の補助対象となる経費は、事業の遂行に直接必要な経費及び事業成果の取りまとめに必要な、下記の表の経費となります。
経費項目 | 内容 |
1.人件費 | 事業に直接従事する者の直接作業時間に対する人件費 |
2.事業費 | |
旅費 | 事業に直接従事する者又は会議・講演会等に出席する外部専門家 等の事業を行うために必要な国内出張及び海外出張に係る経費 |
会場費 | 事業を行うために必要な会議、講演会、オンラインイベント等に 要する経費(会議借料、機材借料及び茶菓料(お茶代)等) |
謝金 | 事業を行うために必要な謝金(会議・講演会・オンラインイベン ト等に出席した外部専門家等への謝金、講演・原稿の執筆等 に対する謝金) |
備品費 | 事業を行うために必要な物品(ただし、11年以上継続して使用で き、当該事業のみで使用されることが確認できるもの)の購入に必要な経費 |
借料及び賃料 | 事業を行うために必要な機械器具等のリース・レンタルに要する経費 |
消耗品費 | 事業を行うために必要な物品であって備品費に属さないもの(ただし、当該事業のみで使用されることが確認できるもの)の購入に要する経費 |
印刷製本費 | 事業で使用するパンフレット・リーフレット、事業成果報告書等の印刷製本に関する経費 |
補助員人件費 | 事業を実施するために必要な補助員(アルバイト等)に係る経費 |
その他諸経費 | 事業を行うために必要な経費であって、他のいずれの区分にも属さないもの。 原則として、当該事業のために使用されることが特定・確認できるもの。 例)通信運搬費(郵便料、運送代、通信・電話料等) -光熱水料(電気、水道、ガス。例えば、大規模な研究施設等につ いて、専用のメータの検針により当該事業に使用した料金が算 出できる場合) -設備の修繕・保守費 -翻訳通訳費用、速記費用 -文献購入費、法定検査料、検定料、特許出願関連費用等 |
委託・外注費 | 補助事業者が直接実施することができないもの又は適当でない ものについて、他の事業者に委託・外注するために必要な経費(他 の経費項目に含まれるものを除く。) 「3.間接補助」を除く補助対象経費総額の2分の1を上限とします。 |
3.間接補助 | |
人件費 | 事業に直接従事する事業開発担当者の直接作業時間に対する人件費 |
プロトタイピン グ費 | 事業案に係る顧客分析、事業実現に向けた課題整理、事業案の更 新、事業性評価に要するプロトタイプの作成に要する原材料費 及び社外設備・SaaS の利用経費等 ・事業案の仮説検証を迅速かつ安価に進めるために作成する、 簡素な試作物 |
マーケティング 費 | 事業案に係る顧客分析、事業実現に向けた課題整理、事業案の更 新、事業性評価に要する市場調査等の経費(市場調査に係る職員の旅費を含む。ただし、職員の人件費、営業経費を除く。) |
補助額
地域新成長産業創出促進事業費補助金(地域産業デジタル化支援事業)の「直接補助」と「間接補助」の補助率と補助上限額、補助下限額は、下記の通りとなります。
【1.直接補助(事業管理機関へ交付)】
◆補助率
・定額補助 10/10とし、類型ごとの補助上限額は下記の通りとなります。
◆補助上限額
・A類型:1,800万円 「間接補助」部分を含む。
・B類型:1,400万円 「間接補助」部分を含む。
最終的な実施内容、交付決定額については、経済産業省と調整した上で決定されます。
【2.間接補助(実証企業へ交付)】
◆補助率
・中小企業者 補助対象経費の2/3以内
・非中小企業者 補助対象経費の1/2以内
◆補助上限額
・中小企業者 200万円/者
・非中小企業者 150万円/者
◆補助下限額
・中小企業者・非中小企業者 50万円/者
最終的な実施内容、交付決定額については、経済産業省及び事業管理機関と調整した上で決定されます。
経産省デジタル化補助金<『TAMAモデル実証企業』募集>
首都圏産業活性化協会では、地域新成長産業創出促進事業費補助金(地域産業デジタル化支援事業)の予算申請を行なうにあたり、共同申請を行なうための「TAMAモデル実証企業」を募集しています。
TAMA協会事務局が事業管理機関となって行う取り組みです。
会員とのものづくり企業やIT企業と連携しながら、地域産業のデジタル化のモデルケースの創設、さらには地域へのヨコ展開(事業年度終了後3年目までに売上計上)を目標として行われる事業です。
まとめ
経済産業省が実施している地域新成長産業創出促進事業費補助金(地域産業デジタル化支援事業)について、事業内容、申請対象者、補助対象経費、補助額をまとめて解説してきました。
また、経産省デジタル化補助金<『TAMAモデル実証企業』募集>についても、併せてご紹介しています。
地域未来牽引企業等、事業管理機関、IT企業等が連携して取り組む、新事業実証(試作、顧客ヒアリング、事業性評価と改善等)による地域産業のデジタル化のモデルケース創出などを、連携して取組むのであれば、これらの補助金を資金調達としてお役立てください。
なお、公募期間がが限られており、単独の申請はできませんので、申請する場合は共同体を構成するように準備しておきましょう。