体外受精などの不妊治療で利用できる3つの助成金制度を詳しく解説

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体外 受精 助成 金

お子さんが欲しいと思っていても、なかなか赤ちゃんが授からないと「不妊症?」「不妊治療をするべきなの?」と、人になかなか相談できない悩みがでてきてしまいます。
しかし、最近では様々な「不妊治療」が行なわれており、高額となる治療費には助成金が利用できるようになりました。
こちらの記事では、そのような悩みを解消するために、不妊症となる基準や原因、不妊治療にかかる費用、さらには不妊治療に利用できる3つの助成金について、詳しく解説しています。
不妊治療をしている方や検討している方に役立つ記事となっていますので、ぜひご覧ください。

不妊症の悩み

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社会で女性が活躍する機会が増え、結婚をしても仕事や育児を両立できるように環境も少しずつ整え始められています。
しかし、その一方で日本の夫婦は、5.5組に1人は不妊の検査や治療を受けているといわれ、妊活という言葉があたり前となってきました。
いざ不妊治療を始めると、通院の回数、人工授精、体外受精、高額な治療費などの苦労がたくさんでてきますが、まず初めに不妊症と判断される基準をみていきたいと思います。

不妊と判断される基準

不妊と判断されるのは「妊娠を望む健康な男女が避妊をしないで性交をしているにもかかわらず、一定期間妊娠をしない場合」です。
ここに記している「一定期間」が重要になってくるのですが、一般的には「1年間」とみなされています。
もしも、このような状況で、1年間となったのなら不妊症だと疑ってよいでしょう。

不妊の原因

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一般の病気であれば原因を明確にして、治療を行いますが、不妊症の場合には身体に症状がないので、まず検査をして「原因が何なのか?」を探していきます。
不妊症原因となるものには、女性側からの原因と男性側からの原因あります。

女性側の原因

【排卵因子】
月経不順をきたし、排卵障害が起こると妊娠しにくくなります。
排卵障害の原因となるのは、ホルモンのバランスが正常に行なわれていない、排卵がうまく行なわれていないということがあげられます。
おおきな精神的ストレス、大幅なダイエットなどで月経不順をきたしてしまった場合でも、不妊症となることがあります。

【卵管因子】
「卵管狭窄」という卵管内の幅が狭くなったり、卵管がつまったりする「卵管梗塞」は、不妊症の原因となります。
また、子宮内膜症の場合には、排卵が妨げられたり、癒着により卵子の取り込みが上手くいかなくなった場合にも、不妊症の原因となります。

【子宮因子】
子宮粘膜下筋腫、子宮内膜ポリープ、子宮腔内癒着症、中隔子宮などの子宮の質的なものも不妊症の原因として認められています。
子宮粘膜下筋腫の場合は、過多月経となり着床障害、着床となっても流産しやすくなります。
子宮筋腫の場合は着床を妨げ、卵巣が卵子へ到達を妨げて妊娠しにくい状況を作ります。

【子宮頚管因子】
子宮頚管の狭窄、頸管粘液の分泌に異常がある場合にも不妊症の原因となります。
精子の侵入を妨げてしまうからです。

【免疫因子】
女性側に精子を障害とする「抗精子抗体」や、精子の運動を止めてしまう「精子不動化抗体」があると不妊の原因となります。

【原因不明の不妊】
検査をしてみても原因がわからない場合には、原因不明の妊娠として分類されます。
原因不明の不妊は全体の3分の1を占めるほどです。
原因不明ではありますが、「卵管内で精子と卵子が受精しない場合」や「卵子や精子の質の低下」などがあげられます。

男性側の原因

【造精機能障害】
精子数が少ない「乏精子症」や精子の運動率が悪い「精子無力症」、「乏精子症」と「精子無力症」が合併しているケースが認められる場合。
また、精液中に精子が全く見られない「無精子症」や「奇形精子症」、精巣上部や周辺に静脈が拡張した状態の「精索静脈留」なども不妊率を上げる要素として認められています。

【閉塞性精路障害】
精子を作れる能力は合っても、精巣上体、精管、射精管に障害(閉塞)がおこり、精液中に精子がでない状態となる「閉塞性精路障害」も不妊症の原因として認められています。

不妊治療の現実

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不妊治療を進めていくためには、「通院回数は何回ぐらい?」「かかる費用はいくらかかる?」という現実的な問題もでてきます。
実際に、不妊治療を行うと何回ぐらいの通院で、どのくらい費用がかかるのか見ていきましょう。

不妊治療の通院回数

排卵日に合わせて夫婦生活をする「タイミング法」では、排卵日を確認するために通院するようになります。
その時に卵子が育っていなければ、通院の回数が増えていきます。
また、人工授精の段階になると、排卵予定日、卵子が育っていなければ次の日というように通院日数が重ねられています。
特に「体外受精」や「顕微授精」の段階になると、拘束される日数はさらに増えていくことになるでしょう。

不妊治療にかかる費用

不妊治療の全般的にかかった費用の平均は、約35万円と言われていますが、この金額は不妊治療を行った際の全ての平均費用です。
高額となる不妊治療の「人工授精・体外受精・顕微授精」をした場合では、平均費用は134万円と一気に上昇します。
また高度不妊治療となる「体外受精・顕微授精」の場合では193万円と、さらに高額な治療費となってしまうのです。

不妊治療は3つの助成金がサポート

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不妊治療には、高額な治療費がかかってしまう場合があることがわかりました。
そこで、国や自治体が行っている助成制度を利用することをおすすめしまう。
助成金には、「国が行っている助成金」「自治体が行っている助成金」「企業が行っている助成金」と言う3つの助成金があり、不妊治療の手助けをしてくれます。

国が行っている特定不妊治療助成

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国が行っている助成金は、特定不妊治療となる体外受精や顕微授精を行った方が利用できます。
その前の段階であるタイミング法や人工受精では国の助成は利用できません。

不妊治療の助成を受けるための条件

対象となるのは、法律上で婚姻関係である夫婦、特定不妊治療以外での妊娠が見込まれない(または極めて少ない)と診断された方、治療するスタート時の43歳未満(妻の年齢)となります。

申請期限内に提出

申請期限は、年度末となる3月31日です。
1回の特定不妊治療が終了した日から3月31日まで申請でき、消印日も有効となります。
期限を過ぎてしまうと申請できなくなります。

助成額と受けられる回数

助成額は1回の治療につき治療費用の15万円まで助成し、初めての治療に限りその上限は30万円となっています。
精子を採取するために手術を行った場合は、この他に1回つき15万円まで助成されます。

治療の範囲

厚生労働省では、治療の範囲を体外受精・顕微授精と定めています。
下記のリンク先に治療範囲が詳細にまとめられていますので、ご覧になってみてください。

厚生労働省:特定不妊治療日助成事業の効果的・効率的な運用に関する検討会 第3回資料

自治体が行っている助成金

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自治体では、国とは別に不妊治療に対する独自の助成制度を設けているところがあります。まずは、住んでいる自治体で不妊治療が行なわれているかを知るために、公式ホームページで確認しておきましょう。
東京都で不妊治療の助成金が行なわれている自治体は「品川区・世田谷区・千代田区・文京区・台東区・港区・杉並区・板橋区・葛飾区・練馬区」です。
23区以外では「八王子市・調布市・東大和市・武蔵村山市・羽村市・奥多摩市」などがあります。

東京都品川区の助成

東京都品川区にお住まいの方は、品川区で実施している助成がご利用できます。
品川区が行っているのは、「一般不妊治療に対する助成」と「特定不妊治療に対する助成」です。

【一般不妊治療に対する助成】
妻の年齢が40歳以上43歳未満の方で、一般不妊治療にかかってくる医療費に対して最大5万円の助成金を受け取ることができます。

【特定不妊治療に対する助成】
体外受精や顕微授精の特定不妊治療のかかった費用に対して助成を行っています。
この場合は、国による助成で足りなかったときに利用でき、1回につき最大で5万円まで区によって助成されます。
助成の回数は、妻の年齢が39歳以下ならば、43歳までに通算6回、40歳以上43歳未満の場合には、通算3回、43歳以降の女性は利用できないので注意してください。

企業が行っている助成金

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企業によっては福利厚生の一環として制度化し、従業員の不妊治療をサポートするために助成をおこなっているところがあります。
勤め先の厚生福利などで、「不妊治療の助成が行なわれていないか?」等の確認してみてください。

株式会社メルカリ

株式会社メルカリでは、企業での不妊治療に対する助成金を行っています。
その内容は、不妊治療を開始してから10年間にかけて助成をしてくれる手厚いサポートです。

・保険適用の治療となる場合には、実質本人負担額は0円
・保険適用外の治療ならば、実質本人負担額は治療費の3割(自治体の助成+会社の補助で7割を負擔)

株式会社サイバーエージェント

通院回数が増えてしまう不妊治療のために、株式会社サイバーエージェントでは、月に1回まで特別休暇を取得できる制度が設けれあります。
不妊治療の通院に女子社員が利用できる特別休暇です。
なお、妊活に関しての個別カウンセリングも受けることが可能となっています。

不妊治療の進め方

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不妊治療は、まず原因を知るために不妊検査をし、一般不妊治療と言われるタイミング方や人工授精を行ってから、特定不妊治療へと進んで行きます。
どのような検査や治療となるのかみていきましょう。

検査

【内分泌検査(ホルモン測定)】
1回の採血で複数のホルモンを測定することができます。
「卵巣機能の測定」によって、卵胞刺激ホルモン、黄体化ホルモンが測定でき、「黄体機能の検査(着床の検査)」では黄体ホルモンが測定できます。これらの分泌量を調べることで子宮や卵巣機能不全、排卵障害あるかがわかります。

【子宮卵管造影法】
卵管が正しく疎通しているかを知る検査です。月経終了日から排卵日までの間に行います。子宮のかたちや卵管の太さ、癒着があるか?などをX線で撮影していきます。

【超音波検査】
子宮筋腫が有無や場所と大きさ、子宮内膜の厚さ、子宮内膜症となっていないかなど、様々なことが分かる検査です。

【フーナー試験(子宮頸管因子検査)】
女性の頸管粘膜と男性の精子の適合性をみる検査です。明らかな原因が見当たらない場合には、採血による抗精子抗体を検査していきます。

一般不妊治療

一般不妊治療には、卵子のタイミングを見計らって性交を行う「タイミング法」や、内服薬や注射で排卵を起こされる「排卵誘発法(ホルモン療法)」があります。
また『人工授精」言われる、採取した精液から精子を選び、子宮内(妊娠しやすい期間)に注入する方法も一般不妊治療に含まれています。

特定不妊治療

男性から採取した精子と、女性から採取した卵子を培養液に入れて受精を待つ「体外受精」と、1個の精子を顕微鏡で確認しながら卵子に直接注入し、のちに受精卵を女性体内に戻す「顕微授精」は、特定不妊治療になります。

まとめ

体外 受精 助成 金

不妊治療の基準や原因を始めとして、費用や治療の進め方、さらには利用できる3つの助成金について解説してみました。
検査により不妊症となる原因を探り、有効な不妊治療を行うことは、子どもが欲しい方たちにとって有効な治療方法となるでしょう。
しかし、実際の不妊治療は、時間と費用がかさんでしまい家計にも影響を及ぼしかねません。
そうならないように、不妊治療をするときには、不妊治療に対して行っている助成金をぜひ活用してみてください。
助成金はひとつではなく、国からと自治体などが行ってくれています。
特に女性の年齢が43歳以上になってしまうと、助成してもらえなくなり、妊娠しにくい身体になってしまいますので、「もう少し、様子を見てから」と後回しにせず、不妊症の疑いがあるのなら早めに不妊治療を始めてみるようにしましょう。

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