体外 受精 費用 助成 金

体外受精の費用をサポートしてくれる助成金の4つの注意点をわかりやすく解説

助成金

人生の中で、子どもを持ちたいと思うのはいつ頃だと考えているでしょうか?
「もう、そろとろ欲しい」「もう少し経ってから」と、ご夫婦によって様々だと思いますが、「妊活を始めよう」と思った時に、妊活についてのある程度の知識は大切となります。
そこで、こちらの記事では初心者でもわかりやすい不妊治療の説明を始めとして、妊活のサポートとなる「不妊治療助成」についてご紹介します。
妊活を始めようとする方はもちろんのこと、「もしかして不妊症かも?」と心配になっている方はぜひご覧になってみてください。

初心者でもわかる不妊治療

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通常の病気のように症状がなく、普段の生活に支障をきたすことのない「不妊」は、「どのような基準で不妊となるのか?」と言うところが曖昧です。また、初めての不妊治療に戸惑いや不安を持つ方は多いのではないでしょうか?
次に、そのような不安を解消するために、「不妊治療の診断基準」と「不妊治療」について説明していきます。ひとりで悩む前に、まずは知識として不妊のことを知っておきましょう。

1年間妊娠しなければ不妊治療の診断基準になる

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不妊症と判断することは難しいかも知れませんが、「妊娠適齢期にあるカップルが、避妊せずに通常の性交をしていても一定期間内に妊娠しないことを指します」と言われています。
この中で、「一定期間内」とは、2015年までは日本産科婦人科学会では、2年としていましたが、世界保健機構(WHO)やアメリカ生殖医学会(ASRM)の機関が1年と定義づけていることから、日本産科婦人科学会でも1年が一般的と修正されました。
このように、妊娠を望むカップルが1年を経過しても妊娠しなかった場合に、男女で不妊症の検査を受けることが勧められています。

症状がある方や40歳以上の方は6ヶ月ほどで受診

上記のように、不妊治療の診断基準は約1年とされていますが、女性が35歳以上であり月経不順、量の異常、性感染症、骨盤腹膜炎、子宮筋腫、子宮内膜症などの症状が既にある方、および40歳以上の方は、6ヶ月程度の受診が良いとされています、年齢の若い方ほど成功率が高いので、早めに受診するようにしましょう。

男性側の原因

不妊につながる要因は、女性側だけではなく男性側にもあることが考えられます。男性側の要因としてあげられるのは、ヘルニア、停留睾丸、おたふく風邪からの高熱、睾丸炎などの既往症、成人してからの糖尿病などです。これらの病気に心当たりがあれば、1年を待たずに早めに精液検査を受けておくことも大切です。

3段階のステージで行われていく一般不妊治療

医療機関で不妊症の受診をすると、まず最初に検査が行われます。女性の場合は子宮、卵巣、卵管の異常、ホルモンの値などを調べられ、男性ならば、精液の量や濃度、精子の運動状態、形の異常などを調べていきます。もしも、検査の結果に何らかの疾患が疑われたのなら、より詳しい検査となります。
そして、検査と同時に行われる一般不妊治療では、タイミング法、排卵誘発法、人工授精の3つの不妊治療が、一段階づつステップアップする形で進められていきます。

タイミング法・排卵誘発法・人工授精

一般不妊治療には、タイミング法・排卵誘発法・人工授精の3つの治療方法があります。
タイミング法というのは、排卵のタイミングを見計らって成功する方法、排卵誘発法(ホルモン療法)というのは、内服薬や注射で卵巣を刺激し排卵を起こさせる方法です。
人工授精は、摂取した精液の中から精子を選び、妊娠しやすい状態となった子宮に注入する方法です。

体外受精と顕微授精の特定不妊治療

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一般不妊治療でも妊娠できなかった場合、さらに進んだステージとなる「特定不妊治療」をに進んできます。「特定不妊治療」とは、女性の体の外において受精を試みる方法のことを言い、体外受精と顕微授精と言う2つの方法が用意されています。
ただし、夫婦以外の第三者からの精子、卵子、肺の提供によっての代理母や借り腹は、「特定不妊治療」に含まれませんので、ご注意ください。

体外受精

男性から採取した精子を、女性から摂取した卵子が入っている培養液に加えて受精されるのを待つ方法です。

顕微授精

細いガラス針の先端にある1個の精子を、顕微鏡を用いて確認しながら、直接卵子に注入して受精させます。そして受精卵となったものを女性の体内に戻していく方法です。

不妊治療をサポートしてくれる「特定不妊治療助成」

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上記のように、不妊治療には「一般不妊治療」と「特定不妊治療」がありますが、「特定不妊治療」においては、保険が効かないために家計に多くの負担がかかります。
「特定不妊治療費助成事業」は、これらの負担を軽減するために2004年より厚生労働省によって設けられました、2013年までの約10年間には、14万8,700件もの助成件数に達しています。
また、2016年には制度改正が行われて、女性に対して年齢制限が設けられるようになりましたが、その反面年間助成回数の制限がなくなり、さらには男性の不妊治療も対象になるなど、内容が拡充されています。

特定不妊治療にかかる費用

不妊治療の中で、タイミング法、排卵誘発法は健康保険でカバーできますが、人工授精、体外受精、顕微授精は保険の適用外となってしまいます。
自己診療となると、人工授精の場合は1回につき1~3万円程度、体外受精となると30万~50万円ほどかかってしまい、さらに顕微授精となると35万~80万円もの費用がかかってしまいます。

特定不妊治療助成の要件をチェック

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費用のかかる不妊治療を援助してくれる不妊治療助成なのですが、利用するためにはいくつかの要件にあてはまる必要がでてきます。
次に「特定不妊治療助成」の要因をみていきましょう。

特定不妊治療助成の要件

「特定不妊治療助成」の要件として次の3つにあてはまらなければなりません。

①法律上の婚姻関係にある夫婦
②特定不妊治療以外の治療法では、妊娠の見込みがない、または極めて少ないと医師に診断された
③不妊治療のスタートとなる時に、妻の年齢が43歳未満であること。

ただし、これらの要件は、自治体によって異なる場合がありますので、住んでいる自治体のホームページなどで確認してみてください。

千葉県柏市の例

下記の1~5全てに該当するかた
1.特定不妊治療以外の治療法では、妊娠の見込みが無い、又は、極めて少ないと医師に診断された、法律上の夫婦。
2.夫婦の一方又は双方が柏市に住所を有する事。
3.指定医療機関で治療を受けた方。
4.助成を受ける治療開始時の妻の年齢が43歳未満
5.前年の夫婦合算所得合計額が730万円未満であること。
※1月1日から5月31日までの申請は前々年の所得をみます。
参照:不妊の医療費助成|柏市役所

特定不妊治療助成の申請期限に注意!

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無制限となった特定不妊治療助成ですが、申請期限が過ぎてしまうと本年度の申請が間に合わなくなってしまうので注意が必要です。
申請は1回の治療が終了した時に申請しますが、属する年度となる3月31日までに必要な書類を揃えた上で申請しなければなりません。なお、特定不妊治療が終了した日とは、妊娠判定日、もしくは医師によって治療の中断決定された日を指します。

年度末の申請について

年度末となる2月1日~3月31日までに治療が終了となる方で、受診などの証明書の作成により3月31日までの提出が困難となってしまった場合には、4月30日までの申請を受け付けてくれる自治体もあるようです。申込期限を過ぎてしまうと助成を受けられなくなってしまいますので、お住まいの自治体のホームページなどでよく確認しておいてください。

特定不妊治療助成の助成額と通算回数

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特定不妊治療助成の助成額は、不妊治療の状況によって異なり、また通算回数は無制限となっていますが、妻の年齢によって枠組みが設けられています。
「基本的な助成額」と「助成回数と通算回数」について、詳しく見ていきましょう。

基本的な助成額

助成額は基本的に、1回の治療について15万円までの助成金が支払われます。
しかし、もしも採卵を行わずに「凍結した受精卵を移植のみ場合」、「採卵したけれども移植をしなかった場合」には、半額の7.5万円となります。また、初回の治療に関しては上限が30万円までと、助成の幅が広がっています。

助成回数と通算回数の確認

助成回数は、2016年の制度改正により、助成回数の限度、助成を受けられる通算期間の限度はなくなっています。ただし、妻の年齢には限度が設けられているので、注意してください。
初めての特定不妊治療を受けた時の妻の年齢が40歳未満の場合なら通算6回まで受けられます。40歳以上43歳未満の方であれば通算3回までとなります。
43歳以上の方は、助成対象から外されており、助成を受けることはできません。

自治体への申請方法

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「特定不妊治療助成」の申請方法は、申請期限までに必要な書類を集めて、申請書と一緒に各自治体へ提出してください。申請方法は各自治体で異なっていますが、こちらでは東京都を例に上げて見ていきたいと思います。

東京都の場合

東京都の場合は、次で紹介している8点の必要書類を用意しておきましょう。
1.申請書
2.受診等証明書(担当医師が記入)
3.指定医療機関が発行する領収書・明細書の原本(確定申告等に使用された領収書は無効です。)
4.承諾書(夫婦の氏名等を記、必ず押印)
5.印鑑(訂正箇所がある場合などに必要)
6.婚姻の届出をしている夫婦であることを証明する書類
7.ご夫婦それぞれの所得を証明する書類(課税証明書または、非課税証明書)
8.振込先の預金通帳

申請先・申請方法は自治体によって異なりまので、申請期限や助成内容とともに、各自治体のホームページなどでよく確認しておいてください。

男性の場合も不妊治療の対象に

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不妊症となる要因は女性だけではなく、50%は男性側にも原因があるとされ、2016年の改正では、男性の不妊治療に関しても不妊治療の対象となり、注目されました。
男性の不妊治療では、精液の状態が悪化し、精液中から精子を回収できない場合、精巣上体から精子を直接取り出すために精子内内精子生検採取法の手術を行うことになります。このような手術が不妊治療助成の対象となります。

東京都の場合

男性不妊治療助成は、夫婦で行う特定不妊治療の一環として扱われますので、単独の助成は想定されていませんが、各自治体によって単独での助成を行っているところもあります。
東京都の場合、平成31年4月1日より初回治療助成額が拡充され、体外受精の特定不妊治療の初回治療がすでに終了している場合でも、男性不妊治療が1回目であるのならば、男性不妊治療助成として上限30万円まで支給されます。

通算助成回数を計算する時、1夫婦あたりで数えることになりますので、このように男性不妊治療も1回分のカウントとなって計算され、1回の上限額は15万円までとなります。

まとめ

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妊活の前に知っておきたい不妊治療の紹介と、その際に利用できる不妊治療助成をわかりやすく解説してみました。
子どもを「産むのか産まないのか?いつ産むのか?」という判断は、当事者である男女の意思で決めるものです。ただ、もしも「妊娠しにくい」と感じたのなら、不妊治療を行うのもひとつの方法なのではないでしょうか?
不妊治療すれば、必ず子どもが授かるというものではありませんが、不妊治療助成は、家計に多くの負担がかかる不妊治療の手助けとなってくれるでしょう。もしも、金銭面から不妊治療を諦めているのであれば、不妊治療助成を積極的に活用してみてください。

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