毎日、数多くのテレビ番組が放送されていますが、誰もが情報をスムーズに手に入れるためには、生放送の字幕や、解説番組や手話翻訳映像を図っていくことが大切です。
しかし、字幕番組、解説番組、手話番組を制作するには費用がかかるために躊躇してしまうことはあるのではないでしょうか?
そのような時には、国立研究開発法人情報通信研究機構で実施している手話翻訳映像提供促進助成金等を、資金調達としてお役立てください。
こちらの記事では、令和3年度の「手話翻訳映像提供促進助成金」「字幕番組、解説番組及び手話番組制作促進助成金」「生放送字幕番組普及促進助成金」の3つの助成金を詳しくご紹介していきます。
手話翻訳映像提供促進助成金
手話翻訳映像提供促進助成金は、国立研究開発法人情報通信研究機構で実施している放送番組に合成して表示される手話翻訳映像の提供に必要な資金を支援している助成金です。
NICTが予算の範囲内で必要な助成措置を講ずることにより、通信・放送役務の利用に関する身体障害者の利便の増進に資することを目的として設けられました。
助成対象事業に必要となる経費の一部を助成しています。
◆申請期間
・令和3年1月25日(月)から令和3年2月19日(金) 17:00 まで(必着)
助成対象事業
手話翻訳映像提供促進助成金の助成対象となる事業は下記の通りとなります。
◆令和3年4月1日(木)以降の交付決定日から令和4年3月31日(木)までの間に制作・放送される、情報・意思疎通支援用具(厚生労働省告示第529号)により放送番組に合成して表示される身体障害者のための手話翻訳映像の提供であって電気通信役務の提供に該当するものであり、下記の①~⑤の要件を満たすことが必要となります。
・ただし、視聴年齢制限付き番組を除きます。
①助成対象事業を的確に遂行するに足る能力を有すること。
②助成対象事業の内容が次の各要件に合致すること。
・ 提供される事業が、身体障害者にとって利便性が高いものであること。
・ 提供される事業に関する身体障害者のニーズが高く、事業実施の効果が広く及ぶものであること。
③助成対象事業に係る資金調達が自己のみによっては困難であること。
④助成対象事業を的確に遂行するのに必要な経費のうち、自己負担分の調達に関して十分な能力を有すること。
⑤助成対象事業に係る経理その他の事務について、的確な管理体制及び処理能力を有すること。
補助対象経費
手話翻訳映像提供促進助成金の補助対象となる経費は、助成対象事業を実施するために必要な経費のうち、下記の経費となります。
◆外注費、委託費、労務費、消耗品費、諸経費、機械使用料等であって、NICTが助成を行うことが適当であると認めるものとします。
助成額
手話翻訳映像提供促進助成金の助成額は、下記の通りとなります。
◆手話翻訳映像を制作する事業者に対して、手話翻訳映像を付与するための追加的な経費の額の2分の1の額を限度とします。
申請方法
手話翻訳映像提供促進助成金の申請方法は下記の「① メールによる申請」と「② 補助金申請システム(Jグランツ)による申請」の2通りの申請方法があります。
① メールによる申請
申請書に必要事項を記入のうえ、申請書、その他申請書類の電子ファイルを添えてメールでエントリーしてください。
・申請書原紙はその他申請書類を添えて、NICTの窓口へ郵送します。
・送付用の封筒等の表面に「手話翻訳映像提供促進助成金申請書在中」と朱書きしてください。
② 補助金申請システム(Jグランツ)による申請
補助金申請システム(Jグランツ)での申請が可能となっています。
・申請にはGビズIDのgBizIDプライムが必要ですのでご注意ください。
字幕番組、解説番組及び手話番組制作促進助成金
字幕番組、解説番組及び手話番組制作促進助成金は、視聴覚障害者がテレビジョン放送を視聴するために不可欠な字幕番組、解説番組及び手話番組の制作に必要な資金を支援しています。
NICTが予算の範囲内で必要な助成措置を講ずることにより、通信・放送役務の利用に関する身体障害者の利便の増進に資することを目的として設けられました。
助成対象となる番組においての助成対象経費の一部を助成しています。
◆申請期間
・令和3年1月25日(月)から令和3年2月19日(金) 17:00 まで(必着)
助成対象番組
字幕番組、解説番組及び手話番組制作促進助成金の助成対象となる番組は、下記の通りとなります。
◆令和3年4月1日(木)以降の交付決定日から令和4年3月31日(木)までの間に、制作かつ放送される視聴覚障害者向け放送番組(字幕番組(生放送字幕番組を含む)、解説番組、手話番組)です。
・視聴年齢制限付き番組、在京キー5局の字幕番組であって生放送番組でないものは除きます。
助成条件
字幕番組、解説番組及び手話番組制作促進助成金の助成対象となる条件は、下記の通りとなります。
◆当該年度に制作され、かつ放送される番組であること。
◆視聴覚障害者がテレビジョン放送を視聴するために不可欠な放送番組である字幕番組、解説番組及び手話番組を制作する放送事業者であること。
◆字幕、解説音声及び手話を付与するための追加的な経費をスポンサー等が負担していないこと。
・在阪準キー4局の字幕番組(生放送番組を除く。)については、1/3上限として、スポンサー等からの経費負担が可能となっています。
・身体障害者の利便の増進に資する通信・放送身体障害者利用円滑化事業の推進に関する法律第2条第4項第3号に規定する通信・放送身体障害者利用円滑化事業が交付の対象となっています。
助成対象経費
字幕番組、解説番組及び手話番組制作促進助成金の助成対象となる経費は下記の通りとなります。
◆字幕、解説音声及び手話を付与するための追加的な経費、助成対象事業を実施するために必要な経費のうち、NICTが予算の範囲内で助成を行うことが適当であると認めるものとなります。
補助額
字幕番組、解説番組及び手話番組制作促進助成金の補助率は下記の通りとなります。
◆補助率
・字幕番組、解説番組及び手話番組を制作する放送事業者等に対して、字幕等を付与するための追加的な経費の額の2分の1
・ただし、在阪準キー4局の字幕番組(生放送字幕番組を除く。)にあっては6分の1の額が限度額となります。
申請方法
字幕番組、解説番組及び手話番組制作促進助成金の申請は、「① メールによる申請」と「② 補助金申請システム(Jグランツ)による申請」の2通りの申請方法があります。
① メールによる申請
助成金交付申請書(様式第1)押印済PDF及び助成金交付申請書(別紙)(様式1-1)Excelファイルを添えてメールでエントリーしてください。
・申請書原紙はその他申請書類を添えて、NICTの窓口へ郵送してください。
・送付用の封筒等の表面に「字幕番組、解説番組及び手話番組制作促進助成金申請書在中」と朱書きします。
② 補助金申請システム(Jグランツ)による申請
字幕番組、解説番組及び手話番組制作促進助成金の申請は、補助金申請システム(Jグランツ)での申請が可能となっています。
・GビズIDのgBizIDプライムが必要ですのでご注意ください。
生放送字幕番組普及促進助成金
生放送字幕番組普及促進助成金は、生放送番組に字幕を付与する機器の整備に必要な資金に対して支援を行っている助成事業です。
NICTが予算の範囲内で必要な助成措置を講ずることにより、通信・放送役務の利用に関する身体障害者の利便の増進に資することを目的として設けられました。
助成対象となる経費の一部を助成しています。
申請期間
・令和3年1月25日(月)から令和3年2月19日(金) 17:00まで(必着)
交付の対象
生放送字幕番組普及促進助成金の交付の対象となるのは、下記の通りとなります。
◆放送事業者において、「生放送番組に字幕を付与するための機器」の整備に必要な経費
◆当該放送事業者による助成対象機器等の初回整備に限り、かつNICTが予算の範囲内で助成を行うことが適当であると認めたものとします。
・ただし、現地調査費、設置工事費、既存設備改修費、保守費等に係る経費は、助成の対象から除きます。
・「生放送番組に字幕を付与するための機器」には、ソフトウェアとそれを動作させるPCが必要な場合はそれらが含まれます。
選定基準
生放送字幕番組普及促進助成金の助成対象事業者を選定するNICTは、下記の①~⑤の各要件を満たしていることが基準として選定を行っています。
①助成対象事業を的確に遂行するに足る能力を有すること。
②助成対象事業を的確に遂行するのに必要な経費のうち、自己負担分の調達に関して十分な能力を有すること。
③助成対象事業に係る経理その他の事務について的確な管理体制及び処理能力を有すること。
④生放送番組に字幕を付与する機器を有していないこと。
⑤機器を整備する年度の翌年度において、字幕を付与する生放送番組の放送予定が明確になっていること。
助成額
生放送字幕番組普及促進助成金の助成率と助成限度額は下記の通りとなります。
◆助成率
・当該助成対象経費の額の2分の1に相当する額を限度
◆助成限度額
・1放送事業者当たり600万円を上限
申請方法
生放送字幕番組普及促進助成金の申請方法は、下記の「① メールによる申請」と「② 補助金申請システム(Jグランツ)による申請」の2通りの申請方法があります。
① メールによる申請
申請書に必要事項を記入のうえ、申請書、その他申請書類の電子ファイルを添えてメールでエントリーしてください。
・申請書原紙はその他申請書類を添えて、NICTの窓口へ郵送してください。
・送付用の封筒等の表面に「生放送字幕番組普及促進助成金申請書在中」と朱書きしてください。
② 補助金申請システム(Jグランツ)による申請
生放送字幕番組普及促進助成金では、補助金申請システム(Jグランツ)での申請が可能となっています。
・申請にはGビズIDのgBizIDプライムが必要ですのでご注意ください。
まとめ
国立研究開発法人情報通信研究機構が実施している令和3年度の「手話翻訳映像提供促進助成金」「字幕番組、解説番組及び手話番組制作促進助成金」「生放送字幕番組普及促進助成金」の3つの助成金をわかりやすく解説してきました。
それぞれの助成金によって、対象となる事業や経費、対象番組、助成額は異なっていますので、よくご確認した上で申請するようにしてください。
また、申請期間は短い期間となっていますので、この時期を見逃すことのないように申請しておくことも大切となります。
字幕番組、解説番組、手話番組等の制作の資金調達として、これらの助成金を積極的にご活用し、通信・放送役務となる身体障害者の利便の増進に務めていきましょう。