みなさんは幼稚園にお子さんを入れるときに貰える補助金の存在をご存知ですか?
今回は「幼稚園就園奨励費補助金」を受けるための記事を紹介していきます。
この補助金は、幼稚園の園費を一定額、地方自治体が出してくれるという制度です。
では、幼稚園就園奨励費補助とは具体的にどのようなものなのか、どのように受給されるのか見ていきます。
そこでポイントとなるのが下記の3項目です。
1.対象者
2.必要事項
3.給付金額
これらを細かく紹介しましので、ぜひこの際にしっかり頭に入れて補助金制度をフルに活用していきましょう。
1.幼稚園就園奨励費補助金の対象者はどんな人?
幼稚園就園奨励費補助金を受け取る為には、どんな家庭が対象なのでしょうか。
下記にその内容をまとめました。
まず、その自治体に住民票を置き、子どもが私学助成の私立幼稚園に在籍する「保護者」が対象の補助金です。なので、父親が単身赴任の場合は、母親名義で申請するなどの条件があります。
その子を扶養している保護者の収入、父母の収入で判断します。
その対象基準は下記の通りです。
①申請する期間に、私立幼稚園に在園している3歳児・4歳児・5歳児の園児が対象。
②申請する年度の市民税所得割額が確認でき、その額が提示されている基準以下の世帯。
③指定の期日までに幼稚園を通じて、調書および添付資料等が提出された世帯。
※子ども・子育て支援新制度に移行した私立幼稚園に在園している園児は対象になりません。
幼稚園を通じての申請
これは、幼稚園にちゃんと籍を置いて、きちんと授業料を納めていますよという証明書を、幼稚園が自治体に出す必要があるからです。
なので、入園前に手続きをすることはありえませんし、個人で手続きも考えにくいです。
申請書類は5月末~6月ごろに出しますが、いつもらえるかは自治体次第です。どうもらえるかは幼稚園次第です。
自治体が直接保護者に振り込むところもありますが、幼稚園経由の場合、年度内ならいつ配ってもよく、またどのように配ってもよい(1~3月の授業料と相殺でもよい)からです。
なので、いつもらえるかは「幼稚園に聞かないと無駄」なんです。
年2回で、7~9月ぐらいに1回配るところもありますが、12月以降が一般的です。
なぜなら、途中で引っ越したらその分補助金が減るので、最終決定は3月の授業料を払った日だからです。
12月までに給付→3月までに補正が多いと思います。
2.必要事項はなにがある?
必要なものは、全員必要なものと一部の人が必要なものと2つに分かれます。
その必要事項について下記に詳細を記載しますので、ぜひ参考にしてみてください。
全員必要なもの
全員必要なものは下記の通りです。
・家族構成を報告する書類自治体に収入のチェックを依頼する書類。
これらが一つになったものが、5~6月に幼稚園から配られます。
これは公文書になるので、シャチハタ不可・修正液不可です。
一部の人が必要なもの
一部の人が必要なものは下記の通りです。
・世帯全員の昨年の年収を証明する何か
自治体が収入のチェックをしない人は、これが必要になります。
申請書に収入のチェックについての記載がない場合、引越しをした場合(後述)などです。
サラリーマンなら、5月か6月に給与明細と一緒に配られるであろう「市民税・県民税特別徴収税額の通知書」(これから1年間、これだけ給料から住民税を引きますよという通知書)が必要です。
よくわからない場合は、区役所・市役所・税務署などで、「市民税・県民税証明書(非課税証明書)」、もしくは「市民税所得割額・扶養欄、住宅ローン控除額がわかるもの」を発行してもらってください。約300円です。
配偶者の扶養の欄にチェックがない場合、たとえ無収入でも配偶者に収入がある(100万以上)とみなされ、夫婦二人分の書類が必要になります。
二人分ないと書類不備で収入無限と判定されます。
申請書の子どもの人数と、16歳未満の扶養者数が一致していなくてもエラーが出ます。
注意事項はこちら
各種の手続きで注意する点を紹介します。
■ ※注意点 ①
自治体が収入をチェックできるのは、その自治体で住民税を納める人、つまり、1月1日現在でその自治体に住んでいた人です。
年度末に引っ越した人は自動判定できませんし、単身赴任で住民票を動かしていると判別できません。
健康保険書のコピー(お子さんを扶養している人の家族全員分)
税金の扶養欄の計算が合わない場合(お子さんを扶養しているはずなのに、父親の16歳未満扶養人数に0と書いてあるなど)に必要です。
年少扶養控除の関係で、16~18歳の子どもの人数・年齢を確認するのに、「その年齢の子どもがいると申請した人は提出が必要」となっています。
特に扶養関係でエラーが出る場合に多いのですが、自治体によっては同居の祖父母等の収入を加算する場合があります。
どの条件で加算するかは、幼稚園に問い合わせるか、自治体のHPを調べてください。
世帯分離しても同居はだめな場合、世帯分離すればいい場合、同居で世帯一緒でも問題ない場合とあります。
■ ※注意 ②
所得税の扶養人数がおかしくなる理由として、「確定申告の際に扶養の子どもの名前を書き忘れた」というものがあります。
16歳未満の場合、子どもの名前を書いても税額が変わらないため、書いていない人・源泉徴収票にあるからいいだろうと考える人かと推測します。
確定申告をされる方はご注意下さい。
3・給付金額について
皆さんが一番気になる部分でもあり、一番重要なのはこれだと思いますのでしっかり見て頭に入れていきましょう。
これを知るには、下記の3つがわからないと困惑していまいます。
・自治体の補助金額一覧表
・両親の市民税所得割額
・お子さんが何番目の子どもか
この3つを理解する為に、ステップを追ってみていきましょう。
ステップ1 市民税を調べる
就園奨励費の所得制限は4段階+収入制限以上に分かれます。
グループA
生活保護
市民税所得割額が0円(夫、専業主婦と子ども2人の4人家族で年収約270万以下)
市民税所得割額が77,100円以下(同360万以下)
グループB
市民税所得割額が211,200円以下(同680万以下)
グループA、Bについては平成28年度より変更点です。
このノートでの便宜的表現です。
ランク外(上記で680万以上)は就園奨励費としては、小3以下で数えて3人目は308,000円、2人目は154,000円、1人目は0円です。
自治体独自枠があるかは、各自お調べください。
5月か6月の給与明細と一緒にもらえる「市民税県民税特別徴収額通知書」(に似た名前の用紙)を用意します。
そこに、市民税と県民税別、所得割と均等割別で金額明細があって、計いくらと書いてあると思います。
その、市民税-所得割の欄の数字を世帯全体で足した数が目的の税金額です。
住宅ローン控除はある人は、それを引く前の額です。
なお、扶養欄の配偶者欄にチェックがある場合、奥さん(奥さんが稼いでる場合は旦那さん)の税金は0と判別され、0円の証明がいらなくなります。
そんなのなくしちゃったよという方は、給与から源泉の人は毎月の住民税の約7.2倍から3000円ぐらい引いた額です。
年間払いで直接払っている人は、年額の0.6倍から3000円ぐらい引いた額です。
貰った記憶のない方で扶養人数が多い、去年転職して収入が少なかったなど、市民税が0円になった場合は、「市民税県民税特別徴収額通知書」はありません。
きちんと年末調整や確定申告がされていてそれなら、上から2番目のランクです。
ステップ2 兄弟の数え方ポイント
ステップ1でグループAになった人は平成28年度から兄弟の数え方が変わります。
グループAの方
幼児教育無償化における低所得世帯の支援として、このグループは兄弟の年齢制限がなくなります。
また、父子世帯、母子世帯、障碍児のいる世帯等は兄弟の数を+1します。
小4、小2、年長 →年長の子を「3人目」とします
小4、年長 母子家庭→母子家庭のため+1されて「3人目」とします。
グループBの方
小学校4年以上は大人と数え(子どもの数に入れないで)、その子が(就学、就園中の子の中で)年齢順に数えて上から何番目かという形で数えます。
例
小4、小2、年長 →年長の子を「2人目」とします。
小3、小2、年長 →年長の子を「3人目」とします。
小4、年長 →「1人目」とします。
年長双子、年中 →双子の片方を「1人目」、もう一方を「2人目」、年中を「3人目」とします。
5歳(在宅保育)、4歳(保育園)、3歳(幼稚園年少) →3歳の子を「2人目」と数えます。
保育園は兄弟にカウントするが、在宅はカウントしないところが多いと思います。
障碍児通園施設はカウントすると思いますが、自治体に要確認です。
小1、年長、年中、年少 →年長の子を「2人目」、年中の子を「3人目」、年少の子を「3人目」と数えます。
25年度は所得制限の関係から同時在園3人目だけ区別していましたが、26年度以降は区別がなくなりました。
ステップ3 補助金額を調べる
自治体のHPで、「幼稚園」「就園奨励」などをキーワードに検索します。
子育てに関するページや、教育に関するページの中にあることが多いです。
全国平均より多いぞという自治体は、「子育て支援に積極的な自治体」と示すために、ちゃんとHPで広報するでしょう。
逆に、見つからない場合は文部科学省の数字と変わらないことが多いです。平成27年度の文部科学省の数字は以下のとおりです。
■生活保護世帯の場合は、一人目~三人目:308,000円
■市民税所得割額非課税世帯の場合は、一人目:272,000円 二人目:308,000円 三人目:308,000円
■市民税所得割額が77,100円以下世帯の場合は、一人目:139,200円 二人目:211,000円 三人目:308,000円
■市民税所得割額が211,200円以下世帯の場合は、一人目:62,200円 二人目:185,000円 三人目:308,000円
■市民税所得割額が211,200円+・・・以上の世帯の場合は、一人目:0円 二人目:154,000円 三人目:308,000円
この金額より多い分、また、市民税所得割額211,200円以上の世帯への1人目の補助額は、すべて自治体独自枠です。
逆に、就園奨励費として実施している限り、この額は保証されます。
以上の3ステップを踏まえて調べてみましょう。
まとめ
今回は、幼稚園就園奨励費補助金を受ける為に知っていたい3項目を解説しました。
養育にはいろいろお金がかかるかと思います。
子供を幼稚園に入園させたいと思ってる親御さまは、是非この就園奨励補助金を活用して少しでもその金銭的な負担を軽減されることをお勧めします。
少子高齢化で、私たちの将来を支えてくれる子どもがなかなか増えない世の中ですが、国や自治体のいろんなサポートを有効活用して負担を軽減しながら、楽しく子育てができるといいですよね。
最後になりますが、親にとっても子どもにとっても、良い成長・子育てができる地域や制度、環境に巡り合えることを心よりお祈りしております。