障害 者 雇用 補助 金

障害者雇用に有効活用できる7つの助成金と補助金

補助金

障害者の雇用を検討したことはありますか?
2018年より障害者雇用促進法によって、民間企業の法定雇用率は2.2%と定められています。
障害者の雇用に不安もあるかもしれませんが、これらに伴い国から助成金を受給することができるようになりました。
そこで、こちらの記事では助成金の種類や受給条件、さらには障害者雇用の助成金や補助金など、全部で7つの助成金や補助金制度を詳しく解説していきます。
障害者雇用をお考えになっている方は、ぜひご覧になってみてください。

障害者を受け入れる時に検討したい「障害者雇用助成金」

障害 者 雇用 補助 金

障害者を雇用として受け入れる時に利用できる「障害者雇用助成金」は、「障害者を雇い入れる企業の負担を軽減する目的」として設けられました。
「障害者雇用助成金」には、「適正を判断するトライアル雇用」や「初めての障害者雇用」など、さまざまな制度の助成金が用意されています。
受給条件や受給額を検討しながら、自身の会社にあった障害者雇用の助成金や補助金制度を探し出してください。

3つの障害者雇用助成金をご詳しく解説

まずは障害者を受け入れた場合に利用できる「障害者雇用助成金」には、「特定求職者雇用開発助成金」「トライアル雇用助成金」「障害者雇用安定助成金」の3つの制度が用意されています。
それぞれの制度の中で、さらにコース別になっていますので、内容や条件などをしっかりと把握しておくようにしましょう。

その1:特定求職者雇用開発助成金

障害 者 雇用 補助 金

就職が困難である方達を雇用する事業主に対して「特定求職者雇用開発助成金」はサポートを行っています。
それぞれの状況に応じて8つのコースに分かれています。
その中で、障害者雇用する際に利用できるのは3つのコースのみです。
次にその3つのコースを詳しく解説していきます。

特定就職困難コース

障害者や高年齢者などの就職困難者を、雇用保険の一般被保険者の扱いの労働者として雇用し続ける場合に利用できるコースです。
障害者や高年齢者の紹介はハローワークなどを介して行われる場合に限ります。

【受給条件】
・ハローワークまたは民間の職業事業者などの紹介による雇い入れた場合
・雇用保険一般被保険者として雇い入れた場合
・継続して雇用することが確実であると認められること

民間の職業事業者とは、公共職業安定所や地方運輸局など、適正な運用ができている有料および無料の職業紹介事業者を指します。
また、継続して雇用するとは、雇用期間が2年以上であり、対象労働者の年齢が65歳に達するまで継続的にすることです。
【受給額】
障害 者 雇用 補助 金
詳しくはこちらをご覧ください。
特定求職者雇用開発助成金(特定就職困難者コース)|厚生労働省

発達障害者・難治性疾患患者雇用開発コース

発達障害者や難治性疾患患者を、雇用保険の一般被保険者の扱いの労働者として雇用し続ける場合に利用できるコースです。障害者や高年齢者の紹介はハローワークなどを介して行われる場合に限ります。また6ヶ月後に、ハローワーク職員などによって職場訪問をすることとなっています。
【受給条件】
・ハローワークまたは民間の職業事業者などの紹介による雇い入れた場合
・雇用保険一般被保険者として雇い入れた場合
・継続して雇用することが確実であると認められること
民間の職業事業者とは、公共職業安定所や地方運輸局など、適正な運用ができている有料および無料の職業紹介事業者を指します。
また、継続して雇用するとは、雇用期間が2年以上であり、対象労働者の年齢が65歳に達するまで継続的にすることです。
【受給額】
障害 者 雇用 補助 金
詳しくはこちらをご覧ください。
特定求職者雇用開発助成金(発達障害者・難治性疾患患者雇用開発コース)

障害者初回雇用コース

障害者を初めて雇用した中小企業が利用することができ、雇用することによって法定雇用率を達成する場合に利用できるコースです。

【受給条件】
・常用労働者数が45.5人~300人の事業主(支給申請時点)
・初めて身体障害者や知的障害者、精神障害者を雇い入れた場合
・過去3年間に対象労働者について雇用実績がない事業主
・規定の法定雇用障害者数以上となり、法定雇用率を達成する場合(雇い入れてから3ヶ月後の日まで)

週の所定労働時間が20時間以上30時間未満となる短期労働者の場合には、2人を1人分として扱われます。
ただし、重度身体障害および重度知的障害者を短期労働者として雇い入れた場合には1人分としてのカウントされます。

【受給額】
120万円

その2:トライアル雇用助成金

障害 者 雇用 補助 金

障害者を短期雇用する時に利用できる助成金です。
短期で雇用している間に、障害者の適性を見極めて継続雇用へと繋げていきます。
コースには「障害者トライアルコース」「障害者短時間トライアルコース」が設けられています。

障害者トライアルコース

ハローワークなどの民間の職業事業所などを介して障害者を一定期間雇用します。
障害者の適性や業務遂行を見ることで、継続雇用のきっかけをつくることができます。

【受給条件】
・継続雇用と障害者トライアル雇用の雇い入れを希望しているもの
・障害者雇用促進法に規定された障害者のうち、次のア~エに該当するもの。
(ア)紹介日において就労の経験のない職業に就くことを希望するもの
(イ)紹介日前2年以内に、離職が2回以上または転職が2回以上あるもの
(ウ)紹介日前において離職している期間が6カ月を超えているもの
(エ)重度身体障害者、重度知的障害者、精神障害者
【雇い入れの条件】
・ハローワークまたは民間の職業事業者などの紹介による雇い入れた場合
・障害者トライアル雇用などの期間について、雇用保険被保険者資格取得の届け出を行う
【受給額】
対象労働者  支給額    助成対象期間  支給対象期ごとの支給額
精神障害者 最大36万円   最長6カ月   最大8万円×3カ月
それ以外   最大12万円   最長3カ月   最大4万円×3カ月
以前は3ヶ月最大12万円でしたが、2018年4月より精神障害者の助成内容が拡充されて最大36万へと増額されています。
詳しくはこちらをご覧ください。
障害者トライアルコース・障害者短時間トライアルコース|厚生労働省

障害者短時間トライアルコース

障害者を一定の期間を定めて試行的に雇用するときに利用できる制度です。
雇い入れのときの週の所定労働時間として10時間以上20時間未満、制度の期間中に労働時間が週20時間城となることを目指します。
【受給条件】
・継続雇用と障害者トライアル雇用の雇い入れを希望しているもの
・精神障害者または発達障害者

【雇い入れ条件】
・ハローワークまたは民間の職業事業者などの紹介による雇い入れ
・3ヶ月から12ヶ月間の短時間トライアル雇用を行う
【受給額】
・支給対象者1人につき月額最大4万円(最長12カ月間)

その3:障害者雇用安定助成金(障害者職場適応援助コース)

障害 者 雇用 補助 金

職場適応や定着に課題がある障害者に対して行える制度です。この場合、事業者が職場適応援助者(ジョブコーチ)による支援を受けた場合に助成金を受けることができます。

【受給条件】
・障害者の職場適応のために必要と認められた支援を、職場適応援助者に行わせた場合

【受給額】
「訪問型職場適応援助者による支援の場合」
①と②の合計額が支給されます。

①下記の日額単価に支援計画に基づいて支援を行った日数を乗じた額
対象労働者 1日の支援時間 日額単価
(移動時間を含む)
精神障害者 3時間未満   8,000円
3時間以上 1万6,000円
それ以外 4時間未満 8,000円
4時間以上 1万6,000円

②.研修にかかる受講料を事業主が全額負担。
その上で研修終了後6カ月以内に訪問型職場適応援助者が初めての支援を行った場合、受講料の1/2の額となります。

「企業在籍型職場適応援助者による支援の場合」
①と②の合計額が支給されます。

①下記の支給額に支援が実施された月数を乗じた額
障害 者 雇用 補助 金

②研修にかかる受講料を事業主が全額負担したうえで、研修終了後6カ月以内に企業在籍型職場適応援助者が初めての支援を行った場合には受講料の1/2の額

詳しくはこちらをご覧ください。
厚生労働省「障害者雇用安定助成金(障害者職場適応援助コース)

他にもある障害者雇用に利用できる助成金と補助金

障害 者 雇用 補助 金

これまでの記事では、雇用の際に利用できる助成金について解説してきました。ここからは、補助的な役割を持っている助成金や補助金について触れていきます。

その4:自治体の障害者雇用施策

各自治体では、障害者雇用を促進するためにいろいろな制度が設けられています。
障害者を多数雇用している企業に対して競争入札で配慮するなど、政令指定都市の独自の施策が作られています。
その範囲は、本社所在地だけのみに限らず、地方の支店や営業所で利用できる制度もありますので、ぜひ最寄りにある自治体制度をチェックしてみてください。

自治体独自の施策がわかる 自治体の障害者雇用施策 ATARIMAEプロジェクト

【神奈川県の事例】
・神奈川県知的・精神障害者職場指導員設置補助金
【対象】
・県内に事業所を有する中小企業等
・複数名(知的5名もしくは精神2名以上)の雇用
【内容】
・知的・精神障害者を多数雇用される場合、職場指導員設置にかかる経費の一部を補助
補助金額:指導員1名につき月額5万円、期間:5年間(延長あり)

その5:障害者雇用納付金制度に基づく助成金

事業主が障害者を雇用する際に、必要となる施設と設備の整備など、適切な雇用管理にむけて特別な措置を行う場合。
その措置を行わなければ新規の雇い入れや継続雇用が困難だと認められた場合に利用できる助成金です。

その6:人材開発支援助成金(障害者職業能力開発コース)

障害 者 雇用 補助 金

事業主が、職業に必要な能力を養うために障害者に「障害者職業能力開発訓練事業」を行う場合や、そのために「訓練の施設または設備の整備や更新」をする場合に利用できます。
【受給額】
・施設または設備の設置や整備、更新の際に要した費用の3/4を乗じた額が助成される
・初めての対象となった場合には5,000万円、更新の場合は1,000万円が上限
・運営にかかる費用も助成の対象となる

その7:障害者雇用安定助成金(障害者職場定着支援コース)

障害者を雇用することによって、それに応じた雇用管理や雇用形態の見直しなど、柔軟な事業主に対して助成金が支払われます。受給条件となるのは、下記の7つの措置を行った場合です。
【受給条件】
①労働時間の調整や通院または入院のための特別な有給休暇の継続的な付与を講じた場合
②週の所定労働時間を延長した場合
③有期契約労働者を正規雇用労働者または無期雇用労働者に、無期雇用労働者を正規雇用労働者に転換した場合
④業務に必要な援助や指導を行う職場支援員を配置
⑤職場復帰のために必要な職場適応の措置を行い、中途障害者を職場復帰させた場合
⑥中高年障害者に対し、雇用継続の必要な職場適応の措置と雇用を継続を行った場合
⑦障害者の支援に関する知識等を習得させるための講習を雇用する労働者に受講させる

まとめ

障害 者 雇用 補助 金

障害者を雇用する時に利用できる7つの助成金について、詳しく解説してみました。
「障害者雇用助成金」には、「障害者を雇用する時に利用できる助成金」や「補助的な役割として利用できる助成金」、さらには「施設や設備の整備に対しての助成金」など、状況に応じた助成金が用意されています。
障害者雇用促進法改正によって、障害者の法定雇用率が引き上げられ、今後も障害者の雇用率はますます増えていくことが考えられます。
そのためにも、こちらで解説した助成金を上手く活用して、障害者を受け入れられる職場に整えていくことをおすすめします。
そして、困ったときには、管轄のハローワークや地域障害者職業センターにご相談してみましょう。

この記事をシェアする