食器洗濯機導入に活用できる業務改善助成金の3つの受給例を紹介

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助成金 食器洗濯機

従来の「助成金制度」といえば雇用関連に対しての支援制度といった印象がありましたが、働き方改革の一環として、企業の設備投資への支援としての助成金も存在しています。

例えば、飲食業やホテル業などで、食器洗濯機を導入することや、エステティックサロンなどの美容業でエステ機器を導入するといった、企業の生産性を向上させる目的での設備投資に対して支給される「業務改善助成金」という制度があります。

今回の記事ではその「業務改善助成金」について詳しく解説していきます。

設備投資に対する助成金、「業務改善助成金」について解説

助成金 食器洗濯機

業務改善助成金とは、中小企業や小規模事業者の生産性向上を支援し、事業場内最低賃金の引き上げを図るための制度であり、生産性向上のために設備投資を行い、事業場内最低賃金を一定金額引き上げた場合にその設備投資にかかった費用の一部を負担するものです。

「生産性を向上させる」ということは、「限られた時間の中で得られる成果を上げていく」ということであり、成果を上げることができれば、その企業の「利益を上げる」ということに近づいていくものと思います。

例えば、同じような作業でも、これまでは手作業で行っていた作業を機械化にすることによって、1時間かかっていた作業時間を30分で終わらせることができれば、作業効率が上がったことにより、「生産性が向上した」と言えるでしょう。
最近ではIT技術の進歩により誕生した便利なアプリケーションなどを活用することも、生産性を上げるためには非常に効果的な方法だと感じています。

作業効率を上げるために機械などを導入することは、企業が「設備投資をする」というわかりやすい例だと思いますが、生産性を向上させる為に、企業が「人材育成を行う」為の費用などもまた、設備投資の費用として認められます。

「人材育成費」や「教育訓練費」、「経営コンサルティング経費」も設備投資に含まれるため、業務改善助成金の助成対象になります。

また「事業場内最低賃金」とありますが、事業場内とは、同じ場所で行っている事業のことで、同じ場所でも異なる二つの事業を行っている場合は、別々の事業と判断します。
例えば、工場で生産をする従業員と、工場内の食堂で食事を作る従業員とでは、業態が異なるため、別の事業場とみなす場合がある、ということです。

そして、この「業務改善助成金」という制度を活用することによって、最低賃金(地域別最低賃金、特定最低賃金)を引き上げることができます。

2種類の最低賃金について解説

「最低賃金」とは、最低賃金法に基づき、国が賃金の最低額を定めたものです。

「最低賃金」には「地域別最低賃金」と「特定最低賃金」の2種類があります。

地域別最低賃金とは

助成金 食器洗濯機

産業や職種を問わず、都道府県内の事業場で働くすべての労働者と、その使用者に対して適用される制度です。
地域によって設定されている最低賃金額が違い、東京や大阪などの都市部では高めに設定されており、地方では低めに設定されている、というのが現在の状況です。
過去10年間でおよそ10円~15円ずつ緩やかに上昇しており、今後もこの状況は続くものと考えられています。

特定最低賃金とは

ある特定の産業について業務の性質上、地域別最低賃金よりも高い賃金を支払う必要があると最低賃金審議会が判断した賃金額になります。
特定最低賃金が適用される産業は、鉄鋼業や、自動車関連業などが主な産業になります。

この両方の最低賃金が同時に適用される状況では、事業者は高いほうの最低賃金額以上の賃金を、労働者に支払う必要があります。

「業務改善助成金」を支給するために必要なポイント

助成金 食器洗濯機

・事業の生産性を向上させるために事業者が設備投資をする。
     ↓
・その設備投資によって生産性(作業効率など)が向上する。
     ↓
・生産性が上がることにより、事業の利益が増す。
     ↓
・その利益によって、事業内最低賃金が引き上げられる。

「業務改善助成金」は、ただ計画を立てている、といった段階では支給されることはありません。
設備投資を行い、生産性を向上させ、最低賃金を引き上げる、といった段階までを「実際に実行した」という事実がなければ支給されることはありません。

例1)飲食業やホテル業などで、食器洗濯機を導入する

・導入前
手作業ですべての食器を洗浄していた。
日曜・祝日には短時間に多くのお客が集中して来店するため、大量の食器を短時間に洗浄する必要があった。

・導入後
食器洗濯機の導入により、洗い、すすぎ、拭き上げの工程すべてを手作業で行っていた頃と比べると、作業時間を1/5程度まで短縮することができ、
作業効率を上げることに成功しただけでなく、従業員の仕事の負担も軽減させることができた。

・結果
食器洗濯機を導入し、作業効率や労働環境が良くなったことにより、生産性が向上し、導入前よりも利益を上げることができるようになった。
その分のお金を、従業員の最低賃金を引き上げることに使うことができた。

例2) エステティックサロンなどの美容業でエステ機器を導入する

・導入前
頭皮の筋肉トレーニングや顔のリフトアップなどのエステ業務において、従業員が手作業で施術していた。
そのため、1回あたりの施術時間が長くかかってしまい、従業員の負担も大きい。

・導入後
エステ機器を導入することにより、1回あたりの施術時間を、従来の約半分の時間に短縮させることが可能となり、従業員の負担も軽減させることができた。
また、エステ機器導入前は、1日あたりの施術可能な人数は3人程度だったが、導入後には6人程度の施術が可能となり、業務効率を向上させることができた。

・結果
エステ機器を導入し、生産性が向上したことにより、従来よりも利益を上げることに成功し、その分を従業員の最低賃金を引き上げることに使うことができた。

例3)建設業で建築積算システムを導入する

・導入前
新築物件やリフォーム物件の積算見積もりを行うのに、多大な時間と労力を要していた。

・導入後
リフォーム費用が500万円程度の物件の場合、従来のCADシステムで積算見積もりを行うと約5時間かかっていたが、建築積算システムを導入したことにより、入力から計算まで30分足らずで業務を完了させることができ、作業効率を大幅に向上させることができただけでなく、労働者の負担も大幅に軽減させることができた。

・結果
建築積算システムを導入したことにより、作業効率が上がることで、生産性が向上し、導入前よりも利益を上げることが可能となり、その分のお金を事業場内最低賃金を上げることに使うことができた。

上記のような流れを実際に実行している、ということが業務改善助成金を支給してもらうにあたっての重要なポイントだといえるでしょう。

ですが、業務改善助成金の申請前に設備投資や事業場内最低賃金の引き上げを行ってしまうと、助成対象にはなりませんので、注意が必要です。

上記の例以外にも、インクジェットプリンタの導入や、インターネット受注機能のホームページなども助成対象になった事例があります。

業務改善助成金の概要

助成金 食器洗濯機

~30円コース(800円未満)~

・助成対象事業場
事業場内最低賃金800円未満の事業場かつ、事業場内最低賃金と地域別最低賃金の差額が30円以内および、事業場規模30人以下の事業場

・最低賃金を引き上げる労働者数と助成上限額
1~3人 50万円
4~6人 70万円
7人以上 100万円

~30円コース~

・助成対象事業場
事業場内最低賃金と地域別最低賃金の差額が30円以内および、事業場規模30人以下の事業場

・最低賃金を引き上げる労働者数と助成上限額
1~3人 50万円
4~6人 70万円
7人以上 100万円

業務改善助成金は、過年度に業務改善助成金を受給したことのある事業場であっても、助成対象になります。

業務改善助成金の申請方法

①申請書の提出

・交付申請書(様式第1号)を記入し、提出します。
交付申請書の記載内容は業務改善計画と賃金引上計画を記載します。
(設備投資に関する具体的な方法や実際に事業場内最低賃金をどのように引き上げるのかについて)
・都道府県労働局に申請書を提出します。

②審査

都道府県労働局に提出した後に、申請書の審査があります。
審査を無事通過することができれば、業務改善助成金交付の決定通知が届きます。

③業務改善計画及び賃金引上げ計画の実施

交付申請書に記載した計画を実施します。
業務改善計画に基づいた設備投資を行い、事業場内最低賃金の引き上げを行います。

④報告書の提出

事業実績報告書を都道府県労働局に提出します。
・事業実績報告書(様式第9号)
事業実績報告書には、業務改善計画を実施した結果と賃金引上げの状況を記載します。

⑤報告書の審査

提出した事業実績報告書の審査が行われ、適正な内容だと認められると助成される金額が決定され、決定通知が届きます。

⑥助成金の支給
助成金額の通知を受け、支払請求書を提出します。
・支払い請求書(様式第13号)

申請時の3つの注意点を解説

①交付申請書を提出する前に、設備投資や事業場内最低賃金の引上げを実施した場合には助成の対象にはなりません。

②交付申請書の提出後から事業完了期日までであれば、事業場内最低賃金の引き上げをいつ実施しても問題ありません。

③交付決定通知後に、設備投資を行う必要があります。

まとめ

助成金 食器洗濯機

「業務改善助成金」とは、その事業の生産性を向上させ、事業場内最低賃金を引き上げるために、設備投資をした際にかかった費用の一部が、助成金という形で国からの支援を受けられる、という制度です。

飲食業やホテル業などで、食器洗濯機を導入することも、業務改善助成金の助成対象になります。

様々な助成対象の事例がありますが、助成の対象となるには、導入する設備、機器、コンサルなどによって「どのように業務改善が行われ、事業場内最低賃金を上げることが可能なのか」という点が、申請時の計画を立てる際に重要なポイントになります。

業務改善助成金を申請する手順は以下の流れです。

①申請書の提出
 ↓
②審査
 ↓
③業務改善計画及び賃金引上げ計画の実施
 ↓
④報告書の提出
 ↓
⑤報告書の審査
 ↓
⑥助成金の支給

食器洗濯機などの設備投資や、事業場内最低賃金を引き上げることを実施するタイミングは交付申請書を提出した後に、必ず行うようにしましょう。

申請書を提出する前に実施してしまうと、助成の対象にはなりません。

事業場内最低賃金の引き上げのタイミングは交付申請書の提出後から事業完了期日までに行えば問題ありません。

設備投資を実施するタイミングは交付決定通知後に行うようにしましょう。

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