資金調達の要となる令和2年度水力発電の導入促進のための事業費補助金を詳しく紹介

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令和2年度水力発電の導入促進のための事業費補助金

原子力発電の導入が進み、震災以後には太陽光発電の再生可能エネルギーが飛躍的に伸びできました。

しかし、エネルギー自給率の低い我が国は、再生可能エネルギーの中でも長期わたって安定的な電力供給が可能な水力発電を推し進めていく必要があります。

国では安定的な水力発電の最新技術の導入や設備更新、効率化やコスト低減を支援するために、「令和2年度水力発電の導入促進のための事業費補助金」が設けられています。

令和2年度概算要求額は20億円となる大規模な補助金となっていますので、水力発電の効率化やコスト低減を推し進めるために、ぜひご活用ください。

こちらの記事では、水力発電の導入促進のための事業費補助金について詳しく解説しています。

水力発電の導入促進のための事業費補助金事業の概要

令和2年度水力発電の導入促進のための事業費補助金

水力発電の導入促進のための事業費補助金の事業は、流量調査などへの支援に加えて、地域住民等の水力電力への理解や促進を図るために行っています。

水力発電の事業は、開始前からの長期にわたる河川流況の調査が必要となり、開発初期には大きな負担がかかる事業者と、開発地域の理解を得ることが不可欠となるために、これらの補助金事業が設けられました。

事業目的

水力発電所は運転開始から40年を超えているものが、全体の約半数を占めている状況を踏まえて、既存発電所の水力発電の出力および電力量の増加を促進するのが目的です。

さらに、最新技術を用いた設備への更新や改造等を支援することによって、効率化やコスト低減を促進し、実現するための技術実証の支援も行っています。

成果目標

水力発電の導入促進のための事業費補助金の成果目標は下記の通りとなります。

◆本事業を通じて、ベースロード電源である水力発電について、令和2年度までに10万kWの事業化を推進します。

◆既存発電所出力の15万kWの増加を図ります

補助対象となる4つの事業

令和2年度水力発電の導入促進のための事業費補助金

水力発電の導入促進のための事業費補助金では、4つの事業が実施されています。

◆事業化に必要な流量調査や測量などの実施に加えて、水力発電の技術者育成や技術の収集を行う「水力発電事業性評価等支援事業」

◆水力発電開発にあたり地域住民との課題解決を図る「地域理解促進等関連事業」

◆既設設備の増出力または増電力量の可能性調査と更新工事などの支援を行う「水力発電設備更新等事業」

◆水力発電の効率化やコスト低減に資する発電設備の製作、実証を支援する「水力発電実証モデル事業」

次に、4つの事業について詳しくみていきます。

水力発電事業性評価等支援事業

令和2年度水力発電の導入促進のための事業費補助金

水力発電事業性評価等支援事業は、民間事業者等による水力発電の事業性評価に必要な調査・設計等に要する経費、地方公共団体による地域の水力発電有望地点の調査・設計等の実施および当該地点の開発又はコンセッション方式によるPFI事業に係る運営を支援しています。

また、水力発電の開発・導入のための賦存量、制度的課題、技術情報の調査及び人材育成等を行う事業を実施しています。

補助対象事業

水力発電事業性評価等支援事業では、「水力発電事業性評価事業」と「地方公共団体が行う水力発電事業性評価公募事業」の2つの事業区分が設けられています。

◆水力発電事業性評価事業
民間事業者等及び地方公共団体が行う水力発電の事 業性評価に必要な調査・設計等を行う事業

◆地方公共団体が行う水力発電事業性評価公募事業
地方公共団体が行う地域の水力発電有望地点の調 査・設計等の実施及び当該地点の開発又はコンセッ ション方式によるPFI事業で発電を行う者の公募 を行う事業

補助対象者

水力発電事業性評価等支援事業の補助対象の事業者となる方は、自ら中小水力発電を実施予定の下記の事業者となります。

◆民間事業者等(法人及び青色申告を行っている個人事業者)

◆地方公共団体

補助対象経費

水力発電事業性評価事業と地方公共団体が行う水力発電事業性評価公募事業のそれぞれの補助対象経費は、下記の通りとなります。

◆水力発電事業性評価事業
・人件費
水力発電事業性評価に必要な調査・設計 等を行う職員等の人件費
・事業費
水力発電事業性評価に必要な調査・設計 等のために直接要する経費(原則として、 外注費とリース料のみ)

◆地方公共団体が行う水力発電事業性評価公募事業
・事業費
地域の水力発電有望地点の調査・設計等の実施のために直接要する経費(原則として、外注費とリース料のみ)及び当該地点の開発又はコンセッション方式によるPFI事業で発電を行う者の公募に要する経費のうち公募用資料作成に係る経費

補助額

水力発電事業性評価等支援事業のそれぞれの補助上限額と補助率は、下記の通りとなります。

◆水力発電事業性評価事業
・補助率  1/2以内
・補助上限額
1発電所当たり原則として、1,500万円/年

◆地方公共団体が行う水力発電事業性評価公募事業
・補助率  定額
・補助上限額
1申請当たりの補助 金の上限額は、原則として 5,000万円/年
1発電所当たりの補助金の上限 額は、1,000万円/年

地域理解促進等関連事業

令和2年度水力発電の導入促進のための事業費補助金

事業開始前に長期にわたっての調査が水力発電には必要となるため、開発事業者の大きなリスクと地域の理解や協力を得ることが大切となってきます。

地域理解促進等関連事業では、発電事業者などが行う地域理解促進等関連事業に必要となる経費の一部を補助し、地元自治体や地域住民、漁業関係者、既得の水利権者などの利害関係者との事前調整を円滑に行うため支援しています。

補助対象事業

地域理解促進等関連事業の補助対象となる事業は、下記の2つの事業となります。

① 地域理解促進事業
地元自治体や地域住民等の水力発電に対する理解を促進する事業
・対象発電所の開発計画の理解促進を図る会議等の運営
・対象発電所の開発計画の理解促進を図る広報活動等

② 地域環境整備事業
水力発電の観光資源としての活用促進や水質対策等の立地地域の環境整備等を行う事業。
・対象発電所の開発促進にかかわる地域環境等の調査
・対象発電所の開発促進にかかわる設備等の設計
・対象発電所の開発促進にかかわる設備の製作、据付及び環境整備を行う工事

補助対象者

地域理解促進等関連事業の補助対象の事業者となる方は、下記の条件を満たす発電事業者等となります。

◆日本法人又は日本国民であること。

◆本事業を的確に遂行する組織、人員等を有していること。

◆本事業を円滑に遂行するために必要な経営基盤を有し、かつ、資金等について十分な管理 能力を有していること。

◆本事業終了後においても継続的に当該事業を管理・運営する能力を有すること。

◆経済産業省からの補助金交付等停止措置又は指名停止措置が講じられている者ではないこと。

補助対象経費

地域理解促進等関連事業のそれぞれの補助対象経費は下記の通りとなります。

① 地域理解促進事業
・会議等運営費
水力発電の理解促進を図る会議等運営に要する費用 (旅費、会議費、謝金、消耗品費、外注費、印刷製本費、委託費)
・広報費
費 水力発電の理解促進を図る広報活動等に要する費用 (外注費、借損料、備品費、消耗品費、印刷製本費、委託費)

② 地域環境整備事業
・調査費
地域環境等の調査に要する費用 (外注費、借損料、備品費、消耗品費、印刷製本費、委託費)
・設計費
設備等の設計に要する費用 (外注費、委託費)
・設備費
設備の製作、据付及び環境整備を行う工事に要する費用 (外注費、委託費)

補助額

地域理解促進等関連事業の補助額は、補助対象経費に対して定額(10/10)となります。
なお、補助金には消費税分は含まれていませんので、ご注意ください。

◆補助上限額
① 地域理解促進事業
補助金額の上限は、対象発電所に対して 100 千円/kW 又は 28.5 円/kWh(再開発計画で出 力増がない場合)と
① 対象発電所の開発計画の理解促進を図る会議等運営に関する事業は 2,000 千円/件、
② 対象発電所の開発計画の理解促進を図る広報活動等に関する事業は 10,000 千円/件 のいずれか低い額とします。

② 地域環境整備事業
補助金額の上限は、対象発電所に対して 100 千円/kW 又は 28.5 円/kWh(再開発計画で出 力増がない場合)と 50,000 千円/件のいずれか低い額とします。

水力発電設備更新等事業

令和2年度水力発電の導入促進のための事業費補助金

水力発電設備更新等事業では、運転開始から40年を超えている水力発電の設備更新や最新技術を用いた設備への更新や改造などに対して支援を行っています。

これらにかかる調査や工事に必要となる経費を補助して、水力発電の安定で適切なエネルギー需給構造の構築を図る目的で設けられています。

補助対象事業

水力発電設備更新等事業の補助対象となる事業は、下記の2つの事業となります。

① 既存設備調査事業
既存水力発電所の増出力又は増電力量の可能性を調査する事業

② 既存設備更新工事等事業
既存水力発電所の増出力又は増電力量を図る設備更新又は改造を行う事業。

補助対象者

水力発電設備更新等事業の補助対象となる事業者は、下記の通りとなります。

◆日本国内で水力発電所を有して継続して水力発電を行い、保有する 水力発電所の増出力又は増電力量の可能性を調査する事業を行う民間団体等(地方公共団体、発電事 業者等)

補助対象経費

水力発電設備更新等事業のそれぞれの補助対象となる経費は下記の通りとなります。

区分 内容
調査費 流量調査、測量、地質調査、流れ解析、既存 設備の健全性調査等に要する外注費又は委託費
試験費 出力増強等を図る試験に要する外注費又は委託費
設計費 概略設計、基本設計(注 2)に要する外注費又は委 託費

② 既存設備更新工事等事業

区分 内容
用地 土地
建物 建物
構築物 えん堤(貯水池、調整地、えん堤)、取水口、導 水路、沈砂池、水槽、水圧管路、放水路、雑設備 等
機械装置 水車、発電機、主要変圧器、配電盤開閉装置、自 動制御装置、屋外鉄構、諸機械装置等
諸装置 通信電灯動力装置、運材装置、修繕試験装置、 雑装置等
備品 耐用年数1年以上で、且つ取得価格が10万円 以上の物品(機器装置等設置に伴う予備品、付 属品等。ただし、計測機器等は含みません。)
諸経費 既存設備更新工事等に不可欠な調査、試験等に要 する費用

補助額

水力発電設備更新等事業のそれぞれの補助額は下記の通りとなります。

① 既存設備調査事業
◆補助率  補助対象経費の2/3以内
・消費税は含まれません

② 既存設備更新工事等事業
◆補助率  補助対象経費の1/4以内
・消費税は含まれません
・ただし、平成30年度以前からの継続補助事業の補助率は1/3以内

水力発電実証モデル事業

令和2年度水力発電の導入促進のための事業費補助金

水力発電実証モデル事業は、水力発電の試験設備を用いた水力発電の高効率化等の技術開発及びコスト低減等の実現に向けた実証事業に要する経費を補助するため、補助金を交付する事業です。

補助対象事業

水力発電実証モデル事業の補助対象となる事業は、水力発電の試験設備を用いた水力発電の高効率化の技術開発及びコスト低減等の実現に向けた実証事業となります。

対象事業:水力発電のモデル実証設備の建設等
発電出力:20kW以上5,000kW以下を見込むもの

補助対象者

水力発電実証モデル事業の補助対象事業者は下記の通りとなります。

・民間事業者等(法人及び青色申告を行っている個人事業者)

・地方公共団体

補助対象経費

水力発電実証モデル事業の補助対象となる経費は下記の通りとなります。

・人件費、設計費、設備費、工事費など

補助額

水力発電実証モデル事業の補助額は下記の通りとなります。

◆補助率  2/3以内

◆1件当たりの補助金の上限額は、原則として7億円/年

まとめ

水力発電の設備更新や最新技術などを導入する際に、支援となる「令和2年度水力発電の導入促進のための事業費補助金事業」を詳しく解説してきました。

水力発電の導入促進のための事業費補助金事業は、「水力発電事業性評価等支援事業」「地域理解促進等関連事業」「水力発電設備更新等事業」「水力発電実証モデル事業」の4つの事業が設けられています。

設備の更新や最新技術の導入には、開始前から長期的な年月を要し、事業者の負担や地域の理解がなければ難しい事業となるでしょう。

40年も時を経ている水力発電の更新や最新技術、調査などを検討しているのなら、ぜひ「令和2年度水力発電の導入促進のための事業費補助金事業」をご活用ください。

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