スタートアップ企業に投資する5つのメリットと1つのデメリット

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スタートアップ 投資

起業直後の会社や起業前の会社が資金調達をどのように行うかは大きな課題です。アイディアはあるけど資金がなくて着手できない…そんな悩みを抱えるスタートアップ企業の資金調達に最適なのが、エンジェル投資家や事業会社(CVC)からの出資です。

この記事では新規事業立ち上げ前のスタートアップにエンジェル投資家や事業会社が出資をする事によるメリットとデメリットを分かりやすく解説していきたいと思います。それぞれの特徴も合わせて紹介していきます。

スタートアップとは

IT業界を筆頭に革新的なサービスを生み出そうとしているスタートアップは投資家やベンチャーキャピタルから高い注目を集めています。

短期間で新たなビジネスモデルの構築と新たな市場の開拓を目指す企業

簡単に説明するとこれがスタートアップの意味です。起業や新規事業の立ち上げという解釈が一般的で、ITなどのネット業界の企業で使われる事が多いです。投資家やVCから資金調達を行い本格的なサービスの構築やビジネスの拡大を図り、収益を向上していくステージに移行するという流れが一般的です。

特徴1:技術革新が求められる

投資家がスタートアップに求めている事はイノベーション。つまり技術革新で経済を発展させる中心的存在になって欲しいという事です。IT業界を中心にスタートアップが誕生し、顧客は消費者のライフスタイルを大幅に変える企業が数多く誕生しています。既存の業界やサービスに歩おきな影響を与える最先端の技術を持つ人材がスタートアップには集まりやすい傾向にあると言われています。

特徴2:短期間で数字を出す人材力

スタートアップは短期間で成果を出さなければ資金調達が難しいです。即戦力となる人材を常に求めている傾向がある為に、強いリーダーシップを発揮する事ができる創業者、サービスを支えるエンジニアなど高度な専門知識を有する人材で構成されている事が多いです。今後の資金調達やクライアントとなるビジネスパートナーなどの人脈を広げる為にも営業責任者には実績を持つ人を雇っている傾向にもあります。

ベンチャー企業との違い

スタートアップと良く似た言葉でベンチャー企業というものがありますが、実は似て非なるものです。ベンチャー企業は新たな技術やサービスを展開している中小企業規模の新興企業を指す用語です。変わってスタートアップは起業前、新規サービス着手前の段階を指しますのでこの段階で企業としての立ち位置が全く違います。スタートアップから始まりベンチャー企業へ成長する事はありますので、大きな広域では同じ言葉であるとも言えますが、指す意味としては全く違うものになります。

スタートアップに投資するCVCとエンジェル投資家とは

起業前のスタートアップに投資するのはハイリスクです。その分、IPOやM&Aされる事により発生するキャピタルゲインが大きい事から多額のリターンを得る事ができるのですが、投資リスクが高いという観点から敬遠する投資家は多くいます。

そんなスタートアップ企業に対して積極的に投資を行っているのが『エンジェル投資家』と『事業会社(CVC)』です。聞き馴染みがないという方の為に、まずはスタートアップへ積極投資を行っているこの2種類に投資家について詳しく解説していきます。

エンジェル投資家の特徴

エンジェル投資家とは「スタートアップに必要な資金などを出資する個人投資家」の事を指します。語源はイギリスで演劇業界で駆け出しの役者を支援する人の事をエンジェルと呼んでいた事が由来です。家族や友人からの融資とVCからの資金供給の間に位置する存在として注目を集めています。

例えば家族や友人から1000万円以上の資金を調達する事は難しいですよね。反対にベンチャーキャピタルからは1億円以下の資金を調達する事も難しいです。この間を埋めてくれる存在として注目を集めているのがエンジェル投資家です。スタートアップに必要な1000万円~1億円の資金をエンジェル投資家からは調達する事が可能です。

どんな人がいる?

元々ビジネスで一儲けした人達がエンジェル投資家として活動している事がほとんどです。起業してある程度の財を成した人達が、そのお金で新しいスタートアップを支援するという気持ちから始まっています。財を成した社長以外にも一般的なサラリーマンでもスタートアップに興味を持っている人は少額でも投資をする事が出来ますので、資産運用という観点から投資をしているというケースも少なくありません。

しかしエンジェル投資は融資ではなく出資です。つまり出資したスタートアップ企業の事業が仮に失敗してしまったとしても資金を返す必要はありません。これは契約書によって多少の例外はありますが基本的には返還されませんので、そういった意味ではある程度の財を成している人でなければエンジェル投資家にはなれないと言えるかもしれません。

ベンチャーキャピタルとの違い

最大の違いはエンジェル投資家は個人でベンチャーキャピタルは投資会社であるという点。投資家や金融機関などから集めた資金を元手に法人として変わりに投資を行うのがベンチャーキャピタルです。起業家を投資先とする点は共通していますが大きな違いは多々存在しています。

エンジェル投資家は個人での出資なので自分が応援したいと思う起業家を選んで支援しますが、ベンチャーキャピタルは投資会社ですから銀行から融資を受ける時と同じ位に明確な審査基準があり、審査にも長い時間が必要です。出資額もベンチャーキャピタルは1億円以下の投資を基本的に行う事はありませんが、エンジェル投資家の投資額は基本的には500万円~2000万円と少額です。スタートアップの際に利用すべきなのがどちらなのかは明白ですよね。

事業会社(CVC)の特徴

大手企業によるCVCファンドの設立が相次いでいるのは皆さんご存知でしょうか。直近で言うとルノー・日産自動車・三菱自動車が「アライアンス・ベンチャーズ」を設立し、今後5年間で10億ドルの投資を行うと発表して大きな話題を集めました。CVCとは「コーポレートベンチャーキャピタル」の略称で日本だと事業会社と読みます。自社の事業分野とシナジーを生む可能性のあるベンチャー企業に対して投資を行う事を目的に設立された組織で、CVCファンドは事業会社の自己資金で組成されています。

運営は社内の投資部門や小会社であったり、外部のベンチャーキャピタルに任されることが多く、自己資金で投資を行うという点で、通常のベンチャーキャピタルのように外部の投資家を気にする必要がなく自分達の意志だけで投資を行う事が出来ます。

投資をよりスピーディーに

CVCファンドからの投資の利点はそのスピーディーさにあります。通常のベンチャーキャピタルでの投資の場合は、投資資金の多寡に関わらず取締役会での合意が必要な場合が多く、幾つもの審査が必要になってきますので投資判断が遅れてしまいます。急成長する可能性を秘めているスタートアップ企業には1日も早く投資判断を下す必要があります。

「この枠内であれば子会社の権限で投資してOK」という親会社からのルール作りが形成されている可能性が高いので、スタートアップ企業に対しての投資がよりスピーディーになるという利点があり、機を逸する事なく投資を行う事が出来るようになります。

自社とシナジーを生むかが大切

CVCが投資を行うスタートアップの判断基準は、母体である自社の事業分野とシナジーを生み出す可能性があるかどうかです。例えば自動車産業が母体である場合は、エンジン作りの未来を左右するテクノロジーの開発であったり、AI技術を駆使した運転技術の向上を目的としたアイディアを持っているスタートアップであったり、将来的に自社に大きな利益をもたらし、それを活用した大きなサービスを提供できる可能性がある企業に対して多額の先行投資を行うというものです。

自社とシナジーを生み出せることが出来るかどうかが判断基準になるという点では、CVC投資はエンジェル投資家とは投資目的が違うとも言えます。自社で提供しようと思っているサービスや技術がどのような形で利益をもたらすかをプレゼンする事が出来れば、CVCからスタートアップ資金を調達できる可能性は高まってくるでしょう。

スタートアップへ投資する事のメリット&デメリット

スタートアップ 投資

エンジェル投資家やCVCがスタートアップに投資する事のメリットやデメリットはどのようなものがあるのでしょうか。リターンを得て利益を生み出す仕組みや、それに伴う大きなリスクについて紹介していきたいと思います。

メリット

起業前のスタートアップに投資する事のメリットは大きく分けて以下の5点に集約されると思います。

  1. 応援したい人をサポートできる
  2. 経営に介入する事ができる
  3. エンジェル税制で税金控除を受けられる
  4. IPOで多額の利益を出す事ができる
  5. 既存事業とのシナジー効果

エンジェル投資家の場合は個人でスタートアップ企業を選ぶ事が出来ますので、応援したい人や個人的にサポートしたいと思った人に協力する事ができるメリットがあります。投資先の株を保有する事が出来ますので経営に介入する事ができ、経営方針や人事異動などについて自分の経験や人脈を駆使して事業に反映する事も可能です。

ベンチャー企業への投資を促進する為のエンジェル税制により税制上の優遇処置を受ける事も可能。個人投資家の場合は投資時点と売却時点のいずれの時点でも税制上の優遇処置を受ける事が可能なので節税をする事も可能です。更に投資したスタートアップが上場してIPOすれば売り抜けで多額のリターンを得る事が可能。

そのまま株式を保有し続けて既存事業とのシナジー効果を得る事も出来ます。エンジェル投資家の場合は株式を売却してリターンを得る方が多いかもしれませんが、CVCの場合はそのまま保有した状態で、自社とのシナジー効果を生み出す為に活用するという事が多いかと思います。

デメリット

何度も言いますがスタートアップ企業への投資はハイリスクハイリターンです。デメリットはこの一つしかありません。

投資先の企業が失敗するリスク

ハイリスクですがハイリターンなのがスタートアップへの投資です。基本的な考え方としては、100の投資が失敗しても1つが成功すればこれまでの全ての投資を帳消しに出来る位の大きなリターンを得る事が出来ます。チャレンジしてみる価値はありますが、エンジェル投資に関しては融資ではなく出資ですから、基本的には投資先が事業に失敗して倒産したとしてもお金は戻ってきません。

エンジェル投資に100回失敗したとしても大丈夫な位の安定した財が自分自身にある事が絶対条件となります。繰り返し失敗しても1つだけ当たれば大きなリターンを得る事が出来るという事。スタートアップ企業への投資はこういう事だというのは理解しておかないといけません。

まとめ

事業立ち上げ前のスタートアップ企業へ積極的に投資を行うエンジェル投資家と事業会社。この2つのそれぞれの目的やメリット、リターンを得る方法の解説と共に、ハイリスクハイリターンのスタートアップへの投資に関するメリット&デメリットを紹介してきましたがご理解頂けましたでしょうか。

リスクが大きい反面、投資先企業へ深く関与する事ができ、革新的サービスで成長すれば日本経済を根本から変える事が出来るかもしれない可能性を秘めているのがスタートアップ企業への投資です。クラウドファンディングを利用した少額からのエンジェル投資もありますので、大きなリターンを得る事ができる可能性に賭けてチャレンジしてみるのも面白いかと思いますよ!

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