
シングルマザーには国が援助する助成金など、様々な制度が存在するのはご存知でしょうか?
現在の日本では、夫婦の3組に1組は離婚していると言われており、総務省から発表された統計によると、全国でシングルマザーは123.2万世帯おり、平均年収は243万円と発表されました。
シングルマザーの一番の不安要素として金銭的な問題があるでしょう。
シングルマザーの収入は決して高いものではなく、ギリギリの生活を行い、資金繰りに苦労している方が多いかもしれません。
そこで助けになるのが、シングルマザーの家庭を助けてくれる助成金などの手当の制度です。
本記事では、シングルマザーが少しでも苦労を減らして生活できる様、資金調達に使える支援制度を紹介します。
シングルマザーの家庭は、これらの制度を上手く活用するために参考にしてみてください。
シングルマザーなら活用すべき9つの制度
シングルマザーの家庭は収入が安定せず、資金繰りや生活に困っている方も少なくないでしょう。
シングルマザーであれば、活用できる9つの制度が存在します。
・児童手当
・児童扶養手当
・母子家庭の住宅手当
・母子家庭(ひとり親家庭)の医療費助成制度
・こども医療費助成
・特別児童扶養手当
・障害児福祉手当
・母子家庭の遺族年金
・児童育成手当
この中には既に活用している制度があるかもしれませんが、中には使えるのに使っていない制度がある可能性があるので、是非確認しましょう。
児童手当
児童手当とは、シングルマザーの家庭の子供を対象として支給される助成金ではなく、子供がいる全ての家庭を対象とした支援策です。
児童手当は、子供がいる家庭の生活の安定に寄与することと、次の社会を担う子供の健やかな成長を支えることを目的に、国から支給される手当となっています。
こちらの制度に関してはほぼ全ての方が申請しているとは思いますが、申請を行っていない場合には忘れずに申請を行いましょう。
■支給対象者
0歳〜15歳の国内に住所がある子供。15歳は中学校卒業の年度末までを意味します。
■支給される金額
・0歳〜3歳未満:一律15,000円
・3歳〜12歳(小学校卒業)
第一子/二子:10,000円 第三子以降:15,000円
・中学生:一律10,000円
※児童手当には所得制限世帯が設けられており、年間の所得が約960万円を越える世帯の子供に対しては、支給金額が5,000円となっています。
■支給時期
支給は年間3回行われます。
毎年6月(2月〜5月分)、10月(6月〜9月分)、2月(10月〜1月分)という割り振りです。
市区町村によっても変わりますが、支払月の12日前後に指定した口座へ振り込まれます。
児童扶養手当
児童扶養手当は、国が支給行っている制度でシングルマザーの家庭及びシングルファザーの家庭を対象としています。
単身家庭になった原因は離婚でも死別でも規定はありません。
■支給対象者
母子家庭及び父子家庭の、0歳〜18歳に到達して最初の3月31日までの間の年齢の子供が対象です。
■支給される金額
児童手当と同様に扶養人数や所得によって、支給金額が異なるので注意しましょう。
支給区分は「全額支給」「一部支給」「不支給」の3区分に分かれています。
・全額支給の場合
子供が1人のケース:月額42,000円
子供が2人のケース:月額47,000円
子供が3人目以降のケース:1人増えるごとに月額3,000円が加算されます。
・一部支給の場合
扶養者の所得などにより全額支給されないケースでは、以下のような計算式が用いられ、金額に幅が生まれます。
一部支給の手当月額計算式:41,990円ー(申請者の所得ー全額支給所得制限限度額)×0.0185434
子供が1人のケース:月額41,910〜9,910円
子供が2人のケース:月額46,910〜14,910円
子供が3人目以降のケース:1人増えるごとに月額3,000円が加算されます。
※一部支給の計算例
例1
母親の所得が150万円で他に扶養者がおらず、子供が1人のケースでは、「16,890円」削減されます。
計算式:41,990円ー(母の所得額1,500,000円ー所得制限限度額570,000円)× 0.01815434
支給金額は25,100円となります。
例2
母親の所得が180万円で他に扶養者がおらず、子供が2人のケースでは、「15,520円」削減されます。
計算式:41,990円ー(母の所得額1,800,000円ー所得制限限度額950,000円)× 0.01815434
支給金額は26,470円となります。
■支給時期
支給は年間3回行われます。
毎年8月(4月〜7月分)、12月(8月〜11月分)、4月(12月〜3月分)となっています。
市区町村によっても異なりますが、支払い月の11日前後頃に指定した口座に振り込まれます。
受給を継続させたい場合は、毎年8月に児童扶養手当現況届を提出する必要があります。
母子家庭の住宅手当
母子家庭の住宅手当とは、シングルマザー(シングルファザー)の家庭で20歳未満の子供を養育しているケースで、家族で居住するための住宅を借りて、月額10,000円を越える家賃を払っている人を対象とした制度です。
この制度は市区町村独自の制度のため、制度を行っていない市区町村もあるため、お住まいの市区町村で適応されるかどうかを調べる必要があります。
■支給対象者
支給条件は市区町村によって異なりますが、主に以下のようなものです。
・母子(父子)家庭で20歳未満の子供を養育している。
・民間アパートに居住し、申請先の住所地に住民票がある
・申請先の住所地に6ヶ月以上住んでいる
・扶養義務者の前年度の所得が、児童扶養手当の所得制限限度額に満たない
・生活保護を受けていない
■支給される金額
支給される金額は市区町村によって異なりますが、平均で5,000円〜10,000円となっています。
下記に例を紹介します。
東京都国立市:家賃の3分の1の額で月額1万円まで
東京都武蔵野市:10,000円
千葉県君津市:5,000円が限度
神奈川県鎌倉市:家賃から15,000円を控除した額。ただし、8,000円が限度
神奈川県海老名市:家賃により3,000円〜7,000円
母子家庭(ひとり親家庭)の医療費助成制度
シングルマザー(シングルファザー)の家庭を対象に、世帯の保護者や子供が病院や診療所で診察を受けた際の健康保険自己負担分を居住する市区町村が助成する制度です。
助成内容は市区町村によって異なるので、お住まいの制度を確認しましょう。
■支給対象者
母子(父子)家庭で、0歳〜18歳に到達して最初の3月31日までの間の年齢の子供が対象となっています。
こども医療費助成
前述した「母子家庭(ひとり親家庭)の医療費助成制度」は、所得制限が有り該当しない家庭もあります。
そのような家庭は、こども医療助成が該当するケースがあります。
しかし、こちらの助成金では、親に対する医療費助成はないため注意が必要です。
■支給対象者
小学校就学前、小学4年生まで、中学卒業までなど市区町村によって対象者が異なります。居住地の役所で確認しましょう。
■支給される金額
通院や入院による保険診療で支払った医療費の自己負担分の一部が助成されます。
助成金額や所得制限を定めているかどうかも市区町村の自治体によって異なるので、利用前にお住まいの役所で確認しておきましょう。
特別児童扶養手当
特別児童扶養手当とは、国が支給を行っている制度です。
シングルマザーへ向けての制度ではありませんが、20歳未満の子供で後述する条件を満たしていればすべての家庭に支給されます。
また、所得制限があるため、該当する金額を把握するようにしてください。
■支給対象者
支給には以下のような、精神または身体に障害があるという条件が必要です。
・精神障害があり精神の発達が遅れている
・日常生活に著しい制限を受けている
・身体に障害があり、長期にわたる安静が必要な症状がある
・日常生活に著しい制限を受けている状態にある。
■支給時期
支給は年間3回行われます。
毎年8月(4月〜7月分)、12月(8月〜11月分)、4月(12月〜3月分)という割り振りです。
お住まいの市区町村によって異なりますが、支払い月の11日頃に指定した口座に振り込まれます。
受給を継続させたい場合は、毎年8月に児童扶養手当現況届を提出する必要があります。
障害児福祉手当
障害児福祉手当とは、国が支給を行っている制度です。
20歳未満の子供で後述する条件を満たしていればすべての家庭に支給されます。
所得制限があるため、該当する金額を確認するようにしましょう。
■支給対象者
身体的または精神的な障害があるために日常生活を自力で送ることができず、常時介護を必要とする20歳未満の子供が対象となっています。
■支給時期
支給は年間3回行われます。
毎年8月(4月〜7月分)、12月(8月〜11月分)、4月(12月〜3月分)に支給されます。
お住まいの市区町村によって異なりますが、支払い月の11日前後に指定した口座に振り込まれます。
受給を継続させたい場合は、毎年8月に児童扶養手当現況届を提出する必要があります。
母子家庭の遺族年金
子家庭の遺族年金とは、夫もしくは妻が死亡した場合に受取れる年金が遺族年金になります。
加入している年金の種類によって受取れる金額が異なります。
■支給される金額
死亡した親権者が加入していた年金や、子供の有無とその年齢などによって支給額が変わってきます。
児童育成手当
児童育成手当とは、18歳までの児童を扶養する母子家庭が対象で、児童1人につき月額13,500円が支給されます。
各市町村で受給の制限が異なるため、お住まいの市役所に問い合わせる事をおすすめします。
■支給対象(東京都の場合)
都内に住所があり、以下のいずれかの状況にある18歳になった最初の3月31日までの児童を養育している人
・父又は母が死亡した児童
・父又は母が重度の障害を有する児童(身体障害者手帳1級・2級程度)
・父母が離婚した児童
・父又は母が生死不明である児童
・父又は母に1年以上遺棄されている児童
・父又は母がDV 保護命令を受けている児童
・父又は母が法令により1年以上拘禁されている児童
・婚姻によらないで生まれた児童
・父母ともに不明
■支給額(平成23年度)
児童1人につき、13,500円/月
■所得制限
保護者の前年の所得が別に定める限度額以上の場合は支給されません。
■支給方法
申請のあった翌月から、毎年6月・10月・2月に、その前月までの分が金融機関の本人口座に振り込まれます。
■申請先
区市町村の子供担当課など
まとめ
本記事ではシングルマザーが支給される可能性がある9種類の手当や助成金について紹介しました。
紹介した9つ全ての手当や助成金を受けられる方は少ないでしょうが、自身の状況に応じた制度を活用する事で、資金調達を可能とし、生活の負担を軽くする事ができます。
・児童手当
・児童扶養手当
・母子家庭の住宅手当
・母子家庭(ひとり親家庭)の医療費助成制度
・こども医療費助成
・特別児童扶養手当
・障害児福祉手当
・母子家庭の遺族年金
・児童育成手当
上記9つの制度の中で自身の状況に該当する制度があれば、それぞれの担当窓口に一度問い合わせてみることをおすすめします。