大きな買い物となるマイホームは、ほとんどの場合、住宅ローンを利用して購入することになります。
住宅ローンは、借入金額を決めて、無理のない返済計画をたてること大切ですが、住宅ローンの金利や返済期間、返済額などを考慮して正しく計算を行うことは、とても難しいこととなるでしょう。
そこで、マイホームを取得しようとするのなら、事前に住宅ローンのシュミレーションを活用することをおすすめします。
シュミレーションを利用すれば、借りた金額に対しての返済額や返済期間が即座に確認でき、家計とのバランスの検討しながら住宅ローンを考えることができるようになるのです。
こちらの記事では、住宅ローンの返済額の決め方を紹介しながら、シュミレーションサイトのご紹介をしていきますので、マイホームを取得しようと考えている方は、ぜひ参考になさってください。
住宅ローンの返済額を決める5つのポイント
マイホームを考えた時に、住宅ローンを利用してのお金を借り入れる必要がでてきます。
もちろん、借入金額を少なくした方が返済の負担は軽減できますが、返済額は利用条件によって異なることを知っておかなければなりません。
つぎに、毎月にかかる返済額を決めるポイントとなる金利、返済期間、借入額、返済方法、返済額について解説していきます。
5つのポイントを総合的に判断して、自身に合った返済額を決めることが重要となります。
ポイント1:借入額の決め方
当然ですが、住宅ローンで多くの借り入れをすると、多くを返済しなければなりません。
返済額には金利が上乗せされますので、できるだけ多くの頭金を準備して借入額を減らすようにした方がよいと考えられます。
忘れてしまっている自身の資産はないか、現金、預貯金、有価証券などをもう一度確認してみてください。
また、住宅ローンでは団体信用生命保険が付いているので、生命保険に加入していることと同じことになります。
もしも、保障が重なっているのなら、生命保険を解約して解約金などを住宅の頭金に当てるなどの検討してみるとよいでしょう。
また、資産を集めても借入額が大きくなる場合には、目標の頭金が用意できた時点で購入するのもひとつの方法です。
一般的に住宅ローンの年間返済額は、年収の25%が安心だと言われています。
下記に、年収からみた借入額の目安を記載しましたので、参考にしてください。
(年収からみる借入額の目安)
税込年収 | 借入額(目安) |
300万円 | 2,040万円 |
400万円 | 2720万円 |
500万円 | 3,400万円 |
600万円 | 4,080万円 |
700万円 | 4,760万円 |
ポイント2:金利
住宅ローンの返済は、長期間に及んでの返済となるために「どのくらいの金利なのか?」ということは、重要なポイントとなります。
金利が高くなると返済額は多くなり、金利が低くなれば返済額を抑えることができるからです。
金利が下記の表のように、1.0%低くなっただけでも2,822円に減少します。
また、借入額が3,000万円となれば30倍となり、金利2.0%の場合は3,312円×30倍=9万9,360円、1.0%なら2,822円×30倍=8万4,660円となります。
(100万円あたりの返済額)
金利/返済期間 | 20年で返済 | 25年で返済 | 30年で返済 | 35年で返済 |
0.5% | 4,379円 | 3,546円 | 2,991円 | 2,595円 |
1.0% | 4,598円 | 3,768円 | 3,216円 | 2,822円 |
1.5% | 4,825円 | 3,999円 | 3,451円 | 3,061円 |
2.0% | 5,058円 | 4,238円 | 3,696円 | 3,312円 |
2.5% | 5,299円 | 4,486円 | 3,951円 | 3,574円 |
3.0% | 5,545円 | 4,742円 | 4,216円 | 3,848円 |
ただし、金利は金融機関によって異なり、さらには変動金利と固定金利の金利のタイプによっても、金利の値が変わってきます。
◆変動金利型 0.4%~0.5%台
◆固定金利型 返済期間の長いタイプだと1.0%台になることもあり
変動金利は、社会の景気に合わせて変動するので、リスクが高くなり、その分金利は低くなります。
固定金利は、一定の金利で返済するのでリスクは少くなくてすみますが、その分金利は高くなっています。
社会情勢とともに、自身の家計と将来の見通しを検討しながら、金融機関や金利のタイプを選ぶことが必要となるでしょう。
ポイント3:返済期間も重要な要素
住宅ローンにおいて、返済期間が長ければ長くなるほど毎月の返済額は少なくなります。
その反対に、返済期間を短くすると上記のように毎月の返済金額は増えていきます。
・金利1.0%で返済期間35年の返済額=2,822円
・ 〃 〃 30年の返済額=3,216円
・ 〃 〃 25年の返済額=3,768円
もしも、借入額が3,000万円ならその30倍となり、35年返済の場合には月8万4,660円、30年の場合は9万6,480円、25年返済だと11万3,040円のように、返済期間を短くすると、返済額は増えていきます
ポイント4:返済方法
住宅ローンでの返済は、元利均等方式と元金均等方式があり、以前は選択できなかったのですが、どちらかを選択できる金融機関が多くなってきました。
◆元利均等方式は毎月の元利合計の返済額が均等となり、金利が変わらなければ返済額も変わりません。
◆元金均等方式は、毎回の元金返済分だけが均等になり、返済が進むほど利息分が減少するるために、元利合計の返済額も減っていきます。
借り入れた直後の返済額が負担となる場合には、元利均等のほうが少なくなるので、それを利用する人が多くなっています。
なお、住宅金融支援機構と民間提携のフラット35の場合、9割以上の人が元利均等方式を利用しています。
ポイント5:総返済額
借入金額、金利、返済期間、返済方法について、解説してきましたが、全体的に把握するには返済総額をみることです。
返済総額は、返済期間が長いと利息分が多くなり、返済総額は多くなってしまいます。
しかし、返済期間を短くすれば、毎月の返済額は多くなってしまいますが、返済総額は抑えることができます。
◆借入額3,000万円の毎月返済額
(返済期間35年返済の場合)
・毎月の返済額 8万4,660円
・返済総額:8万4,660円×12ヵ月×35年=約3,556万円
(返済期間25年の場合)
・毎月の返済額 11万3,040円
・総返済額:11万3,040円×12ヵ月×25年=約3,391万円
25年の返済総額は、35年の返済総額と比較すると、165万円も少くてすむのです。
無理のない範囲で返済期間を短くすれば、返済総額を抑えることができますので、月額の返済額だけではなく、大きな枠組みとなる返済総額でも検討してみることも大切です。
住宅ローンの返済はシュミレーションで確認する
住宅ローンの返済は、上記のように様々な条件によって変化しますので、自身に合った返済をシュミレーションした上で、検討していくことが大切です。
一つ一つの条件を計算することは困難ですが、このような時には、住宅ローンのシュミレーションが簡単にできるサイトを積極的に活用するとよいでしょう。
シュミレーションを利用し、借入額、金利、返済期間、元利均等・元利均等を入力すれば、すぐに返済額を知ることができます。
さらに、借入可能額や繰り上げ返済効果などがわかるシミュレーターもありますので、上手に活用して住宅ローンを検討する際にお役立てください。
住宅ローンに活かしたいシュミレーションサイトをご紹介
インターネットでは、マイホームの返済額などがわかるシュミレーションのサイトが数多く設けられています。
住宅ローンを検討する前には、シュミレーションで返済額等を知ることは欠かせません。
次に、住宅ローンのシュミレーションができるサイトをご紹介します。
それぞれの特徴を持つシュミレーションサイトで、自身に合った住宅ローンの返済額を見つけだしましょう。
住宅保証機構の住宅ローンシミュレーション
住宅保証機構の住宅ローンシュミレーションは、国土交通省の管轄となる安心して利用できるサイトです。
住宅保証機構は、大手住宅メーカー、損害保険会社と共同で設立した、住宅瑕疵担保責任保険などの業務を行っています。
シュミレーションでは、借入額、金利、返済期間などの場合に、毎月の返済額がいくらになるかという基本的な計算ができるようになっています。
また、年収や毎月の返済可能額から借入可能額を試算できるシミュレーターに加えて、借入後の繰り上げ返済の試算、複数のローンを利用する際の試算、住宅取得時の諸費用の試算までも行えることができます。
住宅金融支援機構のクイック・シュミレーション
住宅金融支援機構のクイック・シュミレーションは、住宅金融支援機構のサイトで設けられているシュミレーションです。
住宅金融支援機構は、民間金融機関として提携し、全期間固定金利の住宅ローンであるフラット35を推進しています。
シュミレーションのと特徴は、5秒で返済額を算出の速さです。
「借入金額に対しての毎月の返済額」「現在の年収の借入可能額」「無理なく返済できる金額」「いくらまで借りることができるか」などがシュミレーションによって知ることができます。
返済プラン比較シュミレーション
住宅金融支援機構で設けられている返済プラン比較シュミレーションでは、複数の金融機関や金利タイプ別、の住宅ローンを比較することができます。
最大で3つのプラン同時に比較することが可能で、返済額のみならず諸費用を含んだ総支払額を試算することができます。
資産計画シュミレーション
住宅金融支援機構で設けられている資産計画シュミレーションでは、住宅資産に加えて、生活資産、子供の教育資金、老後の資金の必要額がどれくらいか想定することができます。
住宅ローン返済と同時に、資産計画や毎月の家計収支、ライフイベントを踏まえたシュミレーションができます。
借換えシュミレーション
借換えシュミレーションは、現在借り入れている住宅ローンと、借換え後の住宅ローンを同時に試算して、比較することができるシュミレーションです。
住宅ローンの返済額と同時に、諸費用の総支払額も試算することができ、借換えプランを試算した後に、繰上返済の試算も行えます。
まとめ
マイホームを検討している方に役立つ、返済額を決める5つのポイントと住宅ローンシュミレーションサイトの紹介をまとめてご紹介しました。
マイホームに住宅ローンは欠かせませんが、その条件や種類によって、様々な返済方法を選ぶことが可能となっています。
シュミレーションを利用することで、即座に返済金額がわかり、シュミレーションの機能によっては、諸費用や複数のローンや金融機関の比較、資産計画などの試算も行えます。
住宅ローンを検討しているのなら、その前にシュミレーションサイトを利用して、条件の違いを検証してみるとよいでしょう。
その中から、自身に合う最適な住宅ローンの組み方を探して出してください。