ファクタリング 仕組み

資金調達に利用できるファクタリングの2つの仕組みを易しく解説

ファクタリング

資金調達には銀行やビジネスローンでの融資は一般的ですが、実際に利用する際には審査を通過する必要があるので、すぐに融資が受けられる訳ではありません。

もしも、税金等の滞納があるのなら審査を通過することは難しくなり、急ぎの資金調達には間に合わないでしょう。

そのような時には、ファクタリングでの資金調達を検討してみてはいかがでしょうか?

ファクタリングは融資ではありませんが、売掛債権を持っている企業であれば、売却により急ぎの資金調達が可能となります。

ただし、融資よりも知名度の低いために「ファクタリングの仕組みがよくわからない」「内容が理解できない」という方は多いと思います。

そこで、こちらの記事ではファクタリングの契約や仕組みについて、丁寧に解説していきますのでその仕組みをご理解ください。

売掛債権で資金調達を可能にするファクタリング

ファクタリング 仕組み

ファクタリングとは売掛債権買取業務のことを指し、企業が保有している売掛債権に保険をかけたり、買取業者へ売却して現金化する金融サービスです。

『日本にはアメリカから、1970年頃に日本に伝わってきたファクタリングはなかなか浸透しませんでしたが、1991年頃のバブル崩壊に頃から普及し始め、2019年にはファクタリングサービス業者が25億円の資金調達をして注目を集めました。』

日本の企業取引においては、商品やサービスを提供した後から代金を支払う取引が一般的となっており、代金はある一定期間が過ぎてから支払いが行われます。

このような取引の場合、入金の遅れや代金が支払われない未回収金があれば、経営や運営に影響がでてくることは否めません。

そこで、売掛債権に保険をかけたり、未回収の売掛債権を現金化できるファクタリングが、新たな資金調達として活用され始めたのです。

ファクタリングには、保証型のファクタリングと買取型のファクタリングの2種類のファクタリングが存在しています。

保証型ファクタリング

保証型のファクタリングとは、資金調達を目的とせず、信用力に不安がある取引などで売掛債権の貸倒れを回避できる方法です。

取引先が倒産等で売掛金が未回収となった場合に、保証会社が保証金を払ってもらう仕組みです。

保険のような役割を持ち、サービスを行う会社が取引先を信用調査して保証枠を設定し、枠内の金額であれば売掛債権を保証してくれます。

買取型ファクタリング

買取ファクタリングとは、企業が売掛債権を現金化したい時に利用する方法です。

売掛債権をファクタリングサービス会社に売却し、手数料を引かれた金額が現金として受け取れます。

手形の割引などと近い感覚ですが、担保の提供がなく、審査の対象となるのは売掛先の企業となるため、中小企業でも審査が通りやすい傾向となっています。

こちらの記事では、主に買取型ファクタリングの解説を行っていきます。

売掛債権とは?

ファクタリングを利用するには、企業が売掛債権を保有していなければなりません。

売掛金債権は、商品やサービスを提供した時に生じる「代金を請求できる権利」のことです。

上記でも説明したように、企業間の取引では後払いとなる信用取引(掛取引)が採用されているために売掛債権が発生します。

現金化できるファクタリングの仕組み

ファクタリング 仕組み

ファクタリングは、売掛債権をファクタリング会社に売却定度することによって代金が支払われる仕組みです。

ファクタリングを利用すれば、売掛債権の支払う約束期日前に現金を手にすることがファクタリングの大きな特長となるでしょう。

ファクタリング会社は買い取ることによって売掛債権のリスクを負うことになるために、リスクに応じて一定の手数料率を割り引いた上で、その差額を利用者に支払いを行います。

ですから、売掛債権を売却したからと言って、全額が現金化されることではありませんので、気をつけておいてください。

ファクタリングを利用すると、利用者には下記のような入金が行われます。

売掛金の保有額 売掛債権の売却額 手数料率 入金額
1,000万円 100万円 手数料率10%
(10万円)
90万円

資金繰りを改善できるファクタリング

ファクタリングの仕組みを利用することで、資金繰りを改善することが可能となります。
ファクタリングを利用し、未回収によって滞っていた資金が解消されキャッシュフローが改善されるのです。

また、ファクタリングはバランスシートの改善にも役立つことができます。

バランスシートは事業の資産、負債、資本のバランスを表す決算書の貸借対照表となりますが、滞っていた所要運転資金をファクタリングで補えばバランスシートが改善されます。

また、ファクタリングは売掛先の企業が万が一倒産したときでも、売掛金の回収は必要がありません。

ファクタリングの2つの仕組み

ファクタリング 仕組み

買取型のファクタリングには、2社間と3社間の2つの種類があり、どちらかを選んで利用することになります。

その際には、取引先との間に債権譲渡が禁止されている場合もありますので、契約書等をよく確認しておきましょう。

また、2社間と3社間のファクタリングでは、手数料や取引先の介入の仕方が異なっていますので、双方の仕組みを理解した上で選択するようにしてください。

次に、2社間と3社間のファクタリングの仕組みについて詳しく解説していきます。

2社間ファクタリングの仕組み

ファクタリング 仕組み

2社間ファクタリングは、売掛債権の取引先にファクタリングの利用を知られることなく行えます。

下記の流れによって、売掛債権が現金化され利用者に支払われていきます。

◆ステップ1:売掛債権をファクタリング会社に売却する

◆ステップ2:手数料を差し引いた売却代金が支払われる

◆ステップ3:取引先から売掛金の支払い

◆ステップ4:ファクタリング会社に支払いを行う

このように、2社間ファクタリングを利用した場合には、取引先に売掛債権を現金化したことはわかりません。

取引先に資金面の不安や不信感を感じさせることなく、売掛債権を現金化することができます。

手数料

2社間ファクタリングの一般的な手数料は、15~30%と言われおり、手数料率の決め手となるのはファクタリング会社の負う「リスクが高いか?低いか?」によって決まります。

明確な定めがないために、ファクタリング会社によっては手数料が大きな負担となってしまう場合もあるでしょう。

3社間ファクタリングの仕組み

ファクタリング 仕組み

3社間ファクタリングでは、ファクタリング利用者と取引先の双方によって売掛債権譲渡契約が行われることになります。

この場合には、取引先から直接ファクタリング会社に売掛金が支払われるために、リスクが低く抑えられ手数料も安めに設定されます。

手数料を低く抑えたいのなら、2社間ファクタリングよりも3社間ファクタリングが向いているでしょう。

ただし、3社間は取引先の合意が必要となるために、現金化までの時間を要し、取引先に債権を譲渡したことが知られてしまいます。

そのため、3社間ファクタリングでは取引先との信頼関係や信用に、悪影響を及ぼす可能性が指摘されます。

手数料

3社間ファクタリングの手数料は、1~9%となっており、2社間ファクタリングよりも手数料は低く抑えることができます。

実際には、ファクタリング会社によって手数料は異なり、審査結果によって手数料が確定されることになります。

ファクタリングを利用するタイミング

ファクタリング 仕組み

資金調達を行う際にファクタリングが役立ちますが、実際に中小企業や個人事業主はどのようなタイミングで活用すればいいのでしょうか?

ファクタリングを活用するタイミングには、下記のような状況のときが考えられます。

①銀行や自治体で融資を申し込んだが断られてしまった

②融資の申込みで必要となる担保や保証人がいない

③融資で行う審査時間を待っている余裕がない

④融資よりも、小口の資金が欲しい

⑤仕入代金が多く、資金が足りない

⑥つなぎ資金として利用したい

⑦負債となる融資を避けたい

⑧税金の滞納や業績不振があるために融資の審査が通らない

ファクタリングでのトラブルを避ける方法

ファクタリング 仕組み

ファクタリングの仕組みについて解説してきましたが、最後にファクタリングを利用する際にトラブルの回避するポイントについて紹介していきます。

トラブルを避けるために、ファクタリングを利用する際には是非実行してみてください。

契約書は必ず保管

ファクタリングを行う際には契約を交わすことになりますが、契約書の控えは法的効力を持つ売買証明となりますので、契約締結前には契約書の内容をしっかり確認し、必ず保管をするようにしてください。

また、契約書は会計処理でも必要となりますので、契約締結時には手元に契約書の控えを1通おいておきましょう。

契約書類に不備があり会計処理の不正などが疑われる場合、またトラブルとなってしまい関係者間の交渉がスムーズに行かなければ、売掛債権の現金化は困難となってしまうケースもありえます。

まれに契約書の控えを利用者に渡さないファクタリング会社がおり、その場合には違法業者の可能性が高くなりますので要注意です。

手数料は適正か?

ファクタリングの手数料は、ファクタリング会社が決定するために契約した時には、必ずあらためて確認しておく必要があります。

自身の売掛債権の金額、支払いの速さ、ファクタリングの方法などを元にして、ファクタリングの手数料が適性な金額になっているか、確認しておくことが大切です。

チェックするポイントとしてあげられるのは、年率、月率、売掛金に対する割合などです。

利用する前には、手数料の相場を事前にチェックしておくことも忘れないようにしておきましょう。

買取ファクタリングは、銀行の融資などと比べると素早く現金化でき、万が一の債権の貸倒れリスクも回避することができます。

資金調達として利用する場合には買取型のファクタリング、売掛金の回収リスクが生じる場合には保証型を検討してみてください。

まとめ

ファクタリング 仕組み

資金調達に活用できるファクタリングについて、2社間と3社間のファクタリングの仕組み、利用するタイミング、トラブルを避ける方法などを解説してきました。

2社間の手数料は高く設定されていますが、取引先との話し合いがなされているのなら、3社間のファクタリングなら手数料を低く抑えることが可能となります。

ファクタリングはバブル崩壊後に普及され始めた新しい資金調達ですので、ファクタリングを検討している方で不安を持っているのであれば、利用する前にファクタリングの仕組みやタイミング、トラブルの避け方を把握しておけば安心です。

売掛債権を売却するという新たな資金調達のファクタリングを様々な場面で賢く役立ててみてください。

この記事をシェアする