
大都会となる東京都渋谷区には、若者や多くの人々が集まり新たな商業ビルが建てられています。
このような渋谷区で、助成金や補助金が設けられているのをご存知でしょうか?
渋谷区では、バリアフリー化整備、住宅簡易改修、マンション耐震、ブロック塀対策など、建物に関しての助成金や補助金が多く設けられています。
渋谷区民の方や区内で事業を営んでいる方は、ぜひ助成金や補助金を活用してみてください。
こちらの記事では、東京都渋谷区で活用できる助成金をわかりやすく一覧として解説しています。
家賃の助成(住居確保給付金)
家賃の助成(住居確保給付金)は、離職によって住居を過失してしまった方や過失するおそれのある方に対して支援を行っています。
住居を過失してしまった方、過失するおそれがある方に対して、家賃相当額を支給することと同時に、就労支援を行っている助成事業です。
補助対象者
家賃の助成(住居確保給付金)の補助対象となるものは、下記のすべてに該当する方となります。
・離職などにより経済的に困窮し住居を失った、または失うおそれがある。
・申請日に、離職後2年以内かつ65歳未満である。
・就労能力・就職の意欲があり、公共職業安定所への求職申込を行なう。
・離職前に、世帯の生計を主として維持していた。
・現在の収入が、単身世帯は、84,000円に家賃額(上限53,700円)を加えた額未満、 2人世帯は、130,000円に家賃額(上限64,000円)を加えた額未満、3人世帯は、172,000円に家賃額(上限69,800円)を加えた額未満である。
・世帯の預貯金の合計が、単身世帯は504,000円以下、2人世帯は780,000円以下、3人以上世帯は1,000,000円以下である。
・国および地方自治体などが実施する類似の貸付・給付などを受けていない。
・生活保護を受給していない。
・申請者および世帯員がいずれも暴力団員でない。
補助金の額
家賃の助成(住居確保給付金)の補助金額は下記の通りとなります。
なお、給付金は渋谷区から入居住宅の貸主などに振り込まれる形となり、支給額は収入額に応じた調整があります。
・単身世帯の上限=53,700円
・2人世帯の上限=64,000円
・3~5人世帯の上限=69,800円
・原則として3か月を上限とします。(一定の条件を満たす場合は、最大9ヶ月まで延長可)
住宅簡易改修工事費助成
住宅簡易改修工事費助成は、渋谷区が協定を結んでいる区内の施工業者(渋谷区協定業者)によって行う住宅改修工事に対しての助成制度です。
区内の施工業者(渋谷区協定業者)が住宅改修工事を行う場合には、工事費の一部を補助してもらえます。
補助対象住宅
住宅簡易改修工事費助成の補助対象の住宅となるのは、下記の通りとなります。
・区内にある住宅(ただし、店舗または事務所等の住宅以外の用途に供する部分および集合住宅の共用部分は対象外)で、この助成を受けたことがないもの
・ブロック塀等改修については、令和元(2019)年度の申請に限り過去に助成を受けていても申請可
補助対象者
住宅簡易改修工事費助成の補助対象者となるには、下記にあげる要件にすべてに該当している人となります。
・渋谷区に住民登録をしている個人である
・対象住宅の所有者、所有者の配偶者、所有者の親または所有者の子である
・対象住宅に居住している
補助対象工事内容
住宅簡易改修工事費助成の補助対象となる工事内容は、下記の通りとなります。
なお、集合住宅の共用部分は助成の対象外となりますので、お気をつけください。
・土台または基礎の改修工事
・屋根・外壁等の改修および模様替えを行う外装工事
・天井・壁・床等の改修および模様替えを行う内装工事
・外階段・ベランダ等の改修および模様替えを行う外構工事
・手すり・造り付け家具等の修繕および設置を行う工事
・窓・扉等の建具の改修および取替えを行う工事
・台所、浴室、便所等の設備器具等の取替えを行う工事
・門または塀、土間またはたたき等の改修および模様替えを行う外回り工事
補助金の額
住宅簡易改修工事費助成の補助金額は、下記の通りとなります。
・消費税を除く工事費用の20パーセント(千円未満は切り捨て)
・限度は10万円
渋谷駅周辺小規模施設に対するバリアフリー化整備費助成
渋谷駅周辺小規模施設に対するバリアフリー化整備費助成は、渋谷区駅周辺を対象にしたバリアフリー整備を支援するために設けられた助成事業です。
対象エリアとなっている地域のバリアフリーを行う場合の整備費の一部を補助しています。
補助対象建築物
渋谷駅周辺小規模施設に対するバリアフリー化整備費助成の補助対象となる建築物は、下記の要件をすべて満たす必要があります。
・対象エリア(渋谷駅周辺地区バリアフリー基本構想の重点整備地区内、または都市再生緊急整備地域内)に存在すること
・平成21年9月30日以前から存在すること
・大規模小売店舗立地法に属する建築物でないこと
・他に類似の補助金を受けていないこと
・表1に該当する建物であること
(表1)該当建物
施設区分 | 施設の用途 |
医療等施設 | 診療所(患者の収容施設を有しないものに限る。)、助産所、施術所、薬局(医薬品の販売業を併せ行うものを除く。) |
物品販売業を営む店舗 | 百貨店、マーケットその他の物品販売業を営む店舗 |
飲食店 | 飲食店 |
サービス店舗等 | 郵便局又は理髪店、クリーニング取次店、質屋、貸衣装屋、銀行その他これらに類するサービス業を営む店舗、一般ガス事業、一般電気事業及び電気電信事業の用に供する営業所、学習塾、華道教室、囲碁教室その他これに類するもの |
自動車関連施設 | 給油取扱所 |
補助対象者
渋谷駅周辺小規模施設に対するバリアフリー化整備費助成の補助対象となるものは、下記の通りとなります。
・建築基準法その他法令等に適合する建築物を所有、管理、又は占有している、又は所有者による許可を得ているもの
補助金の額
渋谷駅周辺小規模施設に対するバリアフリー化整備費助成の補助金額は、下記の通りとなります。
・上限額に対象となる整備費の2分の1を助成する。
・表2の対象整備の出入口、便所、敷地内の通路の内、2項目以上を整備した場合は、上限額100万円
・表2の対象整備の内、1.に該当しない整備を実施した場合は、上限額50万円
分譲マンションの耐震化支援制度
分譲マンションの耐震化支援制度は、渋谷区内を災害に強い安全なまちづくりを推進するために設けられた助成制度です。
渋谷区内の分譲マンションの耐震診断や補強設計、耐震改修工事に必要な費用の一部を助成しています。
補助対象分譲マンション
分譲マンションの耐震化支援制度の対象ととなる分譲マンションは、下記の通りとなります。
・建築基準法施行令の一部を改正する政令(昭和55年政令第196号)の施行日(昭和56年6月1日)前に建築工事に着手したものであること
・分譲マンションであること
・地階を除く階数が原則として3階以上であること
・建築物が複合用途であるときは延べ床面積の過半が居住の用途であること
・建築物の2以上の区分所有者自身が居住の用に供していること
・東京都における緊急輸送道路沿道建築物の耐震化を推進する条例(平成23年東京都条例第36号)第8条第1項の規定による特定沿道建築物ではないこと。
・耐震診断、耐震改修計画の各事業などが申請をした年度内に完了すること
・診断結果や計画(設計)の内容については、評定等を取得すること
補助対象者
分譲マンションの耐震化支援制度の補助対象者は下記の通りとなります。
・管理組合(建物の区分所有等に関する法律に基づき設置されていること。)
・マンション建替組合等
・診断などを行うことについて有効な決議が区分所有者の集会(管理組合の総会)においてなされていること。
補助対象工事
分譲マンションの耐震化支援制度の補助対象となる工事は、下記の条件を満たす必要があります。
【耐震診断費用助成の場合】
・建築基準法に定める確認通知書が発行されていること
【耐震改修計画費用助成の場合】
次のいずれにも該当するものであること
・建築基準法に定める確認通知書が発行されているもの
・建築基準法に定める検査済証が発行されているか、又は検査済証に代わるものとして区長が別に定める書類を提出できるもの
・建築基準法及び建築基準関係規定に重大な不適合がある場合は、その是正をする設計を同時に行うもの
・耐震診断結果がIS値0.6未満であること
・耐震診断結果について、評定等を受けていること
・区から、耐震診断結果に基づいて耐震化を計画するよう勧告を受けていること
【耐震改修工事・除却工事費用助成の場合】
次のいずれにも該当するものであること
・建築基準法に定める確認通知書が発行されているもの
・建築基準法に定める検査済証が発行されているか、又は検査済証に代わるものとして区長が別に定める書類を提出できるもの
・建築基準法及び建築基準関係規定に重大な不適合がある場合は、その是正が同時になされるもの
・耐震診断結果がIS値0.6未満であること
・改修後のIS値が0.6以上相当となり、大規模な地震に対して安全な構造となること(除却工事を除く)
・耐震改修計画(設計)について、評定等を受けたものであること(除却工事を除く)
・区から、耐震診断結果に基づいて耐震改修するよう勧告を受けていること
補助金の額
分譲マンションの耐震化支援制度の補助金額は、下記の通りとなります。
【耐震診断費用の場合】
・耐震診断に要する費用の 2/3 の額
・建築物が複合用途である場合は、耐震診断に要する費用の 2/3 の額に分譲マンション部分の延べ面積を全体の延べ面積で割った数値を乗じて得た額となります。
・限度額 3,000,000 円
【耐震改修計画費用の場合】
・耐震改修計画に要する費用の 2/3 の額
・建築物が複合用途である場合は、耐震改修計画に要する費用の 2/3 の額に分譲マンション部分の延べ面積を全体の延べ面積で割った数値を乗じて得た額となります。
・限度額 3,000,000 円
【耐震改修工事・除却工事費用の場合】
・耐震改修工事費に 23%を乗じて得た額(以下、「耐震改修に要する費用」とする。除却を行う場合にあっては耐震改修に要する費用相当分とする)の 2/3 の額となります。
・建築物が複合用途である場合は、耐震改修に要する費用(耐震改修工事費に 23%を乗じて得た額)の 2/3 の額に分譲マンション部分の延べ面積を全体の延べ面積で割った数値を乗じて得た額となります。
・限度額 20,000,000 円
ブロック塀等安全化対策促進事業
ブロック塀等安全化対策促進事業は、平成30年6月に発生した大阪府北部地震を受けて、地震発生時のブロック塀等の倒壊による人的被害を防ぐことを目的として設けられた助成制度です。
ブロック塀等の安全対策を促進するために、対象となるブロック塀の耐震診断や除去に対して、助成しています。
補助対象ブロック塀
ブロック塀等安全化対策促進事業の補助対象となるブロック塀は、下記の通りになります。
・道路幅員4メートル以上の緊急輸送道路・避難路・通学路に面するブロック塀や万年塀
補助対象要件
ブロック塀等安全化対策促進事業の補助対象となるには、下記の要件を満たすことが必要となります。
・対象となるブロック塀が道路幅員4.0メートル以上の緊急輸送道路・避難路・通学路に面していること
・申請者(個人・法人を問わない)が該当のブロック塀等を保有していること
・申請者が個人にあっては住民税、法人にあっては法人住民税の滞納がないこと
・その他にも要件あり
補助対象内容
ブロック塀等安全化対策促進事業の補助対象となる内容は、下記の通りとなります。
◆耐震診断
・対象となる塀 ブロック塀等
◆除却
・対象となる塀 ブロック塀等と万年塀
・調査(耐震診断)の結果、倒壊の恐れがあると判断されたブロック塀等明白な建築基準法等違反がないもの
・工事の契約締結前に申請すること(区の承認前の契約は助成対象外)
◆建替え(新設)
・対象となる塀 ブロック塀等と万年塀
・耐震診断の結果、倒壊の恐れがあると判断されたブロック塀等
・新設のフェンス等を除却したブロック塀等の範囲で設置すること
・明白な建築基準法等違反がないもの
・区から新設のフェンス等に関する確認申請を受けること
・工事の契約締結前に申請すること(区の承認前の契約は助成対象外)
補助金の額
ブロック塀等安全化対策促進事業の補助金額は、対象となる内容により異なります。
下記は耐震診断、除去、建替え(新設)のそれぞれの補助金額となります。
◆耐震診断
・無料で区が申請者に対し専門家(一級建築士)を派遣し、ブロック塀等の安全性を調査(万年塀の場合は区職員が確認します)
・無料
◆除却
・区の調査(耐震診断)を受けたブロック塀や万年塀を、申請者が全撤去、又はブロック塀等の高さを道路面から50センチメートル以下とする工事を行う場合、工事費用の一部を補助します。
・上限額600,000円
・1メートル当たり15,000円
◆建替え(新設)
・ブロック塀等の他、万年塀も対象 区の耐震診断を受けたブロック塀等を、撤去して同じ位置に新たに軽量フェンス等を新設する工事を行う場合、工事費用の一部を補助します。
・上限額1,200,000円
・1メートル当たり30,000円
まとめ
東京都渋谷区で活用できる「家賃の助成(住居確保給付金)」「住宅簡易改修工事費助成」「渋谷駅周辺小規模施設に対するバリアフリー化整備費助成」「分譲マンションの耐震化支援制度」「ブロック塀等安全化対策促進事業」の5つの助成事業を一覧にして解説してみました。
渋谷区では、バリアフリー化整備、住宅簡易改修、マンション耐震、ブロック塀対策など、建物に関しての助成金や補助金が多く設けられています。
渋谷区で建物やバリアフリーの整備などを検討している方は、ぜひこのような助成制度を利用してください。
助成金や補助金を上手に利用して、事業や生活の安全につなげていきましょう。