令和元年度補正予算 石油製品安定供給確保支援補助事業(住民拠点サービスステーション整備補助事業)

令和元年度補正予算石油製品安定供給確保支援事業の厳守5つを紹介

資金調達

過去には数々の大きな災害が起こり、街や住民にも大きな被害を出しました。
きっとこれから先も台風・地震・津波がくるかもしれません。
そんな災害時に地域の燃料供給拠点の役割を果たす「住民拠点サービスステーション」を整備する事業者に対し、石油製品の安定供給体制強化する自家発電機を導入する設置購入費用を一部補助してくれます。
申請するにはいくつか書類が必要なため、申請についての詳細や厳守するべき5つを解説していきます。

石油製品安定供給確保について

令和元年度補正予算 石油製品安定供給確保支援補助事業(住民拠点サービスステーション整備補助事業)

災害が起こった時には、住民の生活・復旧活動を支えるガソリン・軽油などの燃料供給拠点「住民拠点サービスステーション」、通称「住民拠点SS」を整備して機能を確保することが重要です。

過去の台風15号で行った燃料供給について

2019年9月に起こった台風15号では、観測史上最強クラスの勢力で千葉県に大きな被害を出しました。
また、その時の停電エリアにおいて、自家発電設備を備える住民拠点SSに自動車が集中しました。
自家発電設備を備えていない一部の住民拠点SSは、千葉県外から可搬式給油機を緊急配備して燃料供給を再び開始しました。
さらに電源車などへも燃料供給をするため、血が県外のローリーも燃料を配送しました。
こうした状況を踏まえて、住民拠点SSの災害時の対応能力を強化するために、「令和元年度補正予算 石油製品安定供給確保支援補助事業」の募集を始めています。

そもそも住民拠点SSとは?

令和元年度補正予算 石油製品安定供給確保支援補助事業(住民拠点サービスステーション整備補助事業)

上記でも出てきた「住民拠点SS(サービスステーション)」とは、災害時でも給油可能なガソリンスタンドのことです。
自家発電設備を備えて、災害などが原因で停電になってしまった時でも、継続して住民の人達に給油できるガソリンスタンドです。
「サービスステーション」はガソリンスタンドという意味ですね。
住民拠点SSでは軽油・燃料油を地下タンクに保管しており、地下に埋められている大きなタンクを、電力のポンプで燃料油をくみ上げて給油しています。
ただ、災害などで停電になるとポンプが停止し、給油ができなくなってしまいます。
そうなった場合、手動のポンプを使って給油することになりますが、かなり時間がかかってしまいます。
実際に2011年3月の東日本大震災や2016年4月の熊本地震などの時に、そのデメリットが原因で給油待ちの渋滞が発生していました。
そのため、災害で停電になっても給油が可能になるように住民拠点SSの整備が進められたのです。

住民拠点SSは全国各地に3,498以上

住民拠点SSは日本全国に約3,498ステーションが配備されていて、今年2020年には8,000ステーションが配備する予定になっています。
日本は地震が多く、都道府県どこでも災害が起きる可能性があります。
想像したくありませんが、これから先もまた大きな災害が起きてしまうかもしれません。
停電が長く続いた場合でも、住民拠点SSの燃料の供給力を十分に確保することが必要なため、住民拠点SSの全国的な配備が進められています。

住民拠点SSはどこにある?

資源エネルギー庁のサイトにある「住民拠点SS一覧」から場所を確認することができます。
住所・電話番号が書かれています。
もしも災害が起きた時のために、皆さんが住んでいる近くの住民拠点SSを事前に知っておきましょう。

災害対応能力強化で様々な事業を実施

令和元年度補正予算 石油製品安定供給確保支援補助事業(住民拠点サービスステーション整備補助事業)

上記のような災害に踏まえ、令和元年度補正予算の石油製品安定供給確保支援事業を開始し、以下の事業を実施しています。

①災害時に燃料供給拠点の住民拠点SS整備を促進する
②機動的燃料供給体制を確保する

①は、自家発電設備を備えて災害時に住民拠点SSの整備をさらに進めるため、SSの災害対応能力の維持・機能を強化する自家発電設備の導入を支援してくれます。
また、自家発電設備を備えない住民拠点SSの早期営業再開を支援するために、可搬式給油機の導入を支援します。
②は、災害時の病院の自家発電設備・電源車などの燃料供給を確保するために、緊急用配送用ローリーを配備しますことです。

設備購入費用を最大250万円まで補助

予算額156億円のこちらの事業は、自家発電機を導入する際にかかる購入費用を、1給油所あたり最大250万円までの金額を支給してもらえます。
ただし、緊急可般式バッテリー計量機・緊急用可搬式ポンプのみの場合、合計50万円までと決まっています。

成果の目標

2020年度末までに、災害時の住民への安定的な燃料供給の実現が目標です。
住民拠点SSの自家発電設備の整備・可搬式給油機の広域融通によって、全国のSSの約7割をカバーします。

対象者

揮発油販売業者が運営する住民拠点SSの給油所に、補助対象設備を設置しようと考えている揮発油販売業者が対象です。

対象設備

①自家発電設備
②緊急可般式バッテリー計量機
③緊急用可搬式ポンプ

補助率

以上の補助対象設備を設置する際にかかる経費の10分10です。
消費税・諸経費などは対象外で、必ず自己負担が生じるため注意してください。

申請について

令和元年度補正予算 石油製品安定供給確保支援補助事業(住民拠点サービスステーション整備補助事業)

補助金の対象に当てはまれば申請ができます。
ただし、申請する前にもいくつか確認しておかなければならい点があるため、必要書類も含めて解説していきます。

申請する前に守ってほしいこと5つ

住民拠点SSの申請には、以下の5つを必ず守っていただく必要があります。
業務方法書第2条第4項で定められていることで、こちらも確認しておきましょう。

①運営する住民拠点SSがある場所の都道府県内で震度5度以上の地震・津波・噴火・台風・供水など大きな災害が発生した場合、もしくは資源エネルギー庁から要請がきた場合は、国が整備する災害時情報収集システムにより速やかに被害状況を報告する。
②給油所設備の損害・従業員の負傷などで事業を継続することが困難になった場合を除いて、住民・被災者などにできる限り給油を継続する。
③災害時に自家発電設備が正常に動くように、普段から定期点検を行い、年に2回は設備の動きを確認する。
④エネルギー庁が実施する災害時情報収集システムの報告訓練に協力する。
⑤エネルギー庁が住民拠点SSとして運営会社・給油所名・電話番号・住所などの基礎情報を公表することに同意する。

地震・津波などは突然やってきて予知することができないため、突然の災害時でも対応できるように設備をチェックしたり訓練をすることが大切ですね。
以上の5つをしっかりと守り、災害時の対応能力を高めていきましょう。

申請に必要な書類

申請をする時は以下の書類を石油組合または石油協会に提出しましょう。

①補助金交付申請書
②申請資格に関する誓約書
③暴力団排除に関する誓約書
④役員等名簿
⑤取得財産等の管理・処分に関する誓約書
⑥申請用見積書
⑦申請する設備の製品仕様書
⑧申請給油所の現況平面図
⑨申請給油所の最新の日付入り写真
⑩住民拠点SS事業に関する誓約書

また、申請給油所の運営者と所有者などが相違する場合は、以下の書類も必要です。
①申請給油所の賃貸借契約書等写し
②給油所の建物の不動産登記簿謄本写し
③給油所の建物の固定資産評価証明書写し、または固定資産課税明細書写し

④の役員等名簿で、個人事業者の場合は本人を記載しましょう。
⑧申請給油所の現況平面図は、発電機設備を設置する場所・配電盤・切替盤・電気配線・コンセントなどが記載されいるものを提出します。
⑨申請給油所の最新の日付入り写真とは、給油所の全景写真・申請する設備の設置予定場所・保管場所の写真です。
工事内容の変更・取下げなど、もしくは住所・社名・代表者名などの名称変更などには、計画変更等承認申請書・変更届出書が必要になります。
その他にも石油協会が必要だと要請する書類も必要になる場合もあるため、申請は早めに行うのが良いでしょう。

補助金の支払い手続きについて

令和元年度補正予算 石油製品安定供給確保支援補助事業(住民拠点サービスステーション整備補助事業)

申請して設置工事が終わり、設置工事をした際にかかった工事代金の支払いが完了したら、30日以内に実績報告書を提出しましょう。
最終提出期限は2021年2月10日までです。
提出期限を延期にすることはできません。
もし提出期限を過ぎてしまえば、補助金を受給できなくなってしまうので必ず期間内に提出しましょう。

実績報告書と添付する提出書類

実績報告書と以下の書類も添付して、石油組合もしくは石油協会に提出しましょう。
①受発注書の写しもしくは契約書の写し
②施工業者が発行した請求書の写し
③検収書
④金融機関振込依頼書の写し
⑤設置した設備の型番が確認できる写真
⑥設備設置工程写真または工事工程写真
⑦取得財産等管理明細表

・消防用申請がある場合は以下の書類も必要
①変更許可申請書の写し
②許可証の写し
③完成検査申請書の写し
④完成検査済証の写し

④の金融機関振込依頼書の写しとは、金融機関の受付印がある書類で、代金の支払い名義は必ず申請書と同じ名義で振り込んでおくのが良いです。
違う名義に振り込むと補助金を支給するのが困難になるからです。
また、代金を支払う時は金融機関の窓口で支払ってほしいとのことですが、もし窓口以外で支払った場合は以下の書類も必要になります。

①振り込みの送金結果(インターネットバンクで振り込みをした場合)
②小切手の半券の写し(小切手で支払った場合)
③金融機関から送られてくる当座勘定照合明細書の写し(小切手で支払った場合)

現金で支払いもしくは約束手形払いをした場合は補助金の対象外になってしまうため、工事代金を支払う際は十分に注意してください。

まとめ

以上、令和元年度補正予算の石油製品安定供給確保支援補助事業についてと、住民拠点SSの促進について解説してきました。
東日本大震災・熊本地震・台風15号などのような災害時で停電になっても、住民に軽油・灯油などの燃料油を給油する住民拠点SSを促進させる事業者に補助金を支給するものです。
今年2020年にはさらに8,000ステーション整備され、工事・設備導入することにより、以前よりも安定的な給油ができることでしょう。
補助金を活用することで、自家発電機を導入した際にかかった経費が最大250万円返ってくるため、申請をしない理由はないですね。

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