シード期のスタートアップ企業が使える資金調達法「創業融資」について5つの要点を徹底解説

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る
シード期 融資

企業が資金調達を行うことに関して、殆どの事業者が悩むポイントだとは思いますが、特に創業時やシード期のスタートアップ企業が資金調達を行う際には、その情報が圧倒的に少ないこともあり、とても難しい問題として事業者を悩ませています。

「シード期」という段階は、ビジネスの構想を練り、起業することを決意して、そのビジネスモデルの実現に向けて、研究や開発を行っている段階であるため、まだ企業としての収益化が殆どなされていない状況です。
そのため、企業の売上の実績がなく、社会的な信用がない状態であるため、民間の金融機関から資金調達をすることは非常に困難であるといえるでしょう。

それでは、創業して間もない企業やシード期の企業は、資金調達を諦めなくてはいけないのでしょうか。
結論を申し上げると、その答えは「NO」であり、シード期の企業であっても資金調達をすることは可能です。

シード期のスタートアップ企業であっても資金調達ができる可能性が高い方法とは、「日本政策金融公庫」から「融資」を受けるという方法や、エンジェル投資家から出資を受けるという方法があります。
今回の記事では、シード期のスタートアップ企業が資金調達をする際の方法として、「日本政策金融公庫」から「融資」を受けるという方法に焦点をあて、詳しく解説していきたいと思います。

シード期の企業が使える「創業融資」についての要点を解説

シード期 融資

創業融資とは、起業や独立をする際に必要な資金が、自己資金だけでは足りない場合に金融機関から起業資金を借入することであり、創業時に利用することができる融資制度の為、「創業融資」と呼ばれています。

創業時やシード期の企業には、事業を実際にスタートさせる設備を整える必要があるため、ある程度まとまった資金が必要になり、実際に事業をスタートさせることが出来たとしても、そこから事業収益が入るまでの間の資金も用意しておくことが必要になります。

事業が軌道に乗るまでの期間を自己資金で賄えれば問題ありませんが、そういった状況にないスタートアップ企業が資金ショートを起こさないためにも、創業融資を受け、創業から3ヶ月は事業収益が全くない状態でも、事業の継続や生活の確保をすることができるように資金を準備しておくことが非常に大切なことになります。

そのため、日本政策金融公庫では、新たに事業を始める事業者や、創業して間もないスタートアップ企業の事業者を対象にした「新創業融資制度」を実施しています。

※日本政策金融公庫とは
日本政策金融公庫は、国が100%出資をしている政府系金融機関であり、主に、中小企業や小規模事業者への融資や創業者支援を行っています。
民間の金融機関からの融資を受けることが難しい中小企業や小規模事業者へ積極的に支援を行うことで、日本経済の下支えを行うことを目的としています。

日本政策金融公庫の「新創業融資制度」の主な7つの特徴を解説

シード期 融資

日本政策金融公庫の「新創業融資制度」には7つの特徴があります。
これらの特徴を踏まえて、「新創業融資制度」の活用を検討するのが良いかもしれませんね。
それでは、それぞれの特徴を解説していきます。

無担保・無保証で融資が受けられる

創業前や創業後間もない事業者が、無担保・無保証で利用できる融資制度です。
(無担保・無保証のため、万が一会社が潰れても事業者個人が返済責任を問われることはありません。)

融資までのスピードが早い

融資実行までのスピードが早く、申し込みから融資実施まで約1ヶ月~1ヶ月半程度の期間しかかからない特徴があります。
逆に考えると1か月~1か月半は必ず時間がかかってしまうことになりますので、そのことを踏まえて計画を立てましょう。

融資限度額が3,000万円まで

融資上限額は3,000万円までと定められています。
しかし、現実的な融資上限額は、用意している自己資金の3倍程度が融資上限額となる場合が多いです。

決算書の提出がいらない

決算書の提出が不要という特徴もあります。
他の多くの金融機関から融資を受けるためには、必ず2期分の決算書の開示を求められますが、日本政策金融公庫の新創業融資は決算書を開示しなくても融資を受けることができます。

返済期間が長い

長めの返済期間が設けられているため、無理なく返済することが可能です。
例えば、設備資金であれば返済期間を20年まで、運転資金であれば最長7年まで延ばすことができます。

金利が低め

金利は2%前後に設定されています。
しかし、この金利は市場動向により変動する場合がありますので、日本政策金融公庫のホームページで必ず確認する必要があるので注意してください。

申込期間が定められている

新創業融資制度には申込期間が定められています。
そのため、事業を開始してから税務申告を2期終えるまでに申し込む必要があります。

新創業融資制度申請時の満たすべき3つの要件を解説

シード期 融資

新創業融資制度の特徴をご覧になって、活用したいとお考えの方もいるかもしれませんが、新創業融資制度申請時には満たさなければならない3つの要件があります。

それぞれ詳しく解説していきます。

申請時期について

基本的に新たに事業を始める方、または事業開始後税務申告を2期終えていない方が対象となります。
また、会社として創業融資を受けたい場合は、会社を設立している必要があります。

事業の要件など

新創業融資制度の事業要件などは下記のように定められています。

■雇用創出、経済活性化、勤務経験または修得技能の要件
・雇用の創出を伴う事業を始める方

・技術やサービス等に工夫を加え多様なニーズを対応する事業を始める方

・現在お勤めの企業と同じ業種の事業を始める方で、次のいずれかに該当する方
(・現在の企業に継続して6年以上お勤めの方)
(・現在の企業と同じ業種に通算して6年以上お勤めの方)

・大学等で修得した技能等と密接に関連した職種に継続して2年以上お勤めの方で、その職種と密接に関連した業種の事業を始める方

・産業競争力強化法に規定される認定特定創業支援事業を受けて事業を始める方

・地域創業促進支援事業による支援を受けて事業を始める方

・公庫が参加する地域の創業支援ネットワークから支援を受けて事業を始める方

・民間金融機関と公庫による協調融資を受けて事業を始める方

・既に事業を始めている場合は、事業開始時に上記のいずれかに該当した方

自己資金について

事業開始前、または事業開始後で税務申告を終えていない場合は、創業時において創業資金総額の10分の1以上の自己資金を確認できる必要があります。

事業者が上記の要件を満たし、新創業融資制度を受けることができます。

新創業融資制度の申請方法5つの流れを解説

シード期 融資

要件を満たしていれば新創業融資制度に申請することができます。
次は具体的な申請方法を知る必要がありますので、詳しく解説していきます。

管轄支店の確認

新創業融資制度を活用することを決めたら、まずは日本政策金融公庫のホームページを検索し、自身が申し込みをすることになる管轄支店を確認しましょう。
申請の段階が進めば担当者との面談があるため、前もって管轄支店の窓口を訪れ、現場の雰囲気を感じておき、面談時のイメージをしておくことが非常に重要なポイントです。

※必要書類は日本政策金融公庫のホームページからダウンロードすることが可能です。

借入の申し込み

借入の申し込みをするため、必要な書類を提出します。

必要となる書類
・借入申込書
・創業計画書
・通帳コピー
・履歴事項全部証明書
・見積書(設備投資がある場合のみ)
・不動産の賃貸借契約書
・資金繰り表
・許認可省(許認可が必要な場合のみ)
・運転免許証コピー
・印鑑証明書
・水道光熱費の支払書類
(500万円を超える融資には、「知事の推薦書」が必要になる場合があります。)

面談

必要書類を提出し、借入申込を行って2~3日程で日本政策金融公庫から面談日の通知が郵送で届きますので、指定された日程に担当者の面談を受ける必要があります。

面談では、創業計画書に記載した事業計画の内容に関する話が主な議題となりますので、あらかじめ質問されることを予測しつつ、すらすらと事業説明をすることができる状態にしておきましょう。

そして、面談の際に必ず押さえておくべきポイントは資金計画やお金、数字に関する話です。
数字に強いしっかりした事業者であることを印象付けるためにも、資金繰りの観点からしっかりとした経営説明ができるように訓練をしておきましょう。

結果の通知

面談後、1~2週間程度で結果が郵送で通知されます。
(審査に通らなかった場合も郵送で通知があります。)

融資の実施

融資を受けることが決まれば、担当者の指示に従って手続きを行いましょう。
その後の手続きが完了すれば、指定の口座にお金が振り込まれます。

※融資の申し込みから、融資完了までにかかる期間はおよそ1か月程度です。

新創業融資制度の3つの注意点を解説

シード期 融資

新創業融資制度は創業したての企業にとって助けになる融資制度ですが、申請には注意しなければならない点が3つあります。
そこで、3つの注意点について見ていきましょう。

保証人が不要なため、他の項目を厳しく審査される。

保証人が不要で融資を受けることが可能な新創業融資制度は簡単に誰でも融資を受けることができる制度、というわけではありません。
保証人がいないにもかかわらず融資を実施する日本政策金融公庫の立場から考えると、保証人がいなくても融資をしても大丈夫な事業者であると裏付ける要素がなければ、絶対に融資を受けることはできません。

ですから、当然、自己資金の有無や事業計画、面談の内容などはとても厳しい審査を受けることになるため、しっかりと事前準備をしておくことが重要です。

融資が実施されるまで1か月~1か月半かかる。

申し込みから融資が実施されるまでには1か月~1か月半程の時間がかかるため、余裕を持って申し込みを行うことが大切です。
申し込みをしても必ず審査に受かるわけではありませんので、他の資金調達法を検討するなど、審査に落ちてしまった時のこともあらかじめ考えておくことも大切です。

事業経験を重視する。

今まで全く経験のない事業を始めたいと融資相談をしても、取り合ってもらえない場合が大半です。
満たすべき要件にもあるように、日本政策金融公庫はその事業の経験や技能がある事業者なのかということを重要視するため、最低でも2~3年はその事業の経験があるということが必要な条件といえます。

まとめ

資金調達をすることが難しいとされるシード期のスタートアップ企業でも、日本政策金融公庫が実施している「新創業融資制度」を活用すれば、事業資金を調達できる可能性は大いにあります。

日本政策金融公庫は国が100%出資している政府系金融機関であり、民間の金融機関から融資を受けることが難しい中小企業や小規模事業者を積極的に支援し、日本経済の下支えを行うことを目的としています。

日本政策金融公庫が実施する新創業融資制度の大きな特徴は、事業者が無担保・無保証で融資を受けることができるという点です。
無担保・無保証で融資を受けるということは、万が一事業に失敗してしまった場合でも、融資を受けた事業者が、返済責任を問われることはありません。

ですが、簡単に誰でも融資を受けることができるというわけではなく、無担保・無保証で融資を受けられる分、本気で事業を成功させようとしている事業者であるか判断するために、自己資金をある程度用意しているか、しっかりとした事業計画を練っているかなど、作成した事業計画書や面談を通して、とても厳しく審査されることになりますので、申し込みをする際には、しっかりとした事前準備が必要です。

そして、申込をして新創業融資を受けるためには、定められた要件を満たしている必要があります。
①創業の要件
②雇用創出、経済活性化、勤務経験または修得技能の要件
③自己資金の要件
新たに事業を始める方で、税務申告を2期終えていない企業であるかということや、その事業の内容が新たな雇用を生み出す事業であるか、様々なニーズに応えることができる事業であるか、また始めようとする事業の経験の有無や、自己資金をある程度用意できているか、ということが要件の大まかな内容となっています。

要件の詳しい内容は上記に記載していますので、そちらを確認していただくか、日本政策金融公庫のホームページを検索したり、直接窓口に問い合わせるなどして、確認するようにしましょう。

申し込みに必要な書類は日本政策金融公庫のホームページからダウンロードが可能ですので、そちらで用意すると無駄な時間を省くことができるでしょう。

申し込み~融資実施までの流れは、「借入の申込」→「面談」→「結果の通知」→「融資の実施」という流れであり、申込から融資の実施まで、およそ1か月~1か月半の時間がかかります。

特に重要な項目は「面談」であり、日本政策金融公庫の担当者の方に、しっかり事業内容の説明を行えるように準備しておくことが重要です。
資金計画に関する内容を説明する準備は入念に行い、数字に強いしっかりとした事業者であることを、担当者に印象付けることができるようにしておくことが肝心です。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

融資の関連記事