学校施設の資金調達|エアコンや整備に利用できる2つの補助金を解説

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学校 エアコン 補助 金

児童生徒等の学習や生活の場であると同時に、地震等の災害発生時の応急避難場所となる学校施設は、地域にとって需要な拠点としての環境整備が求められています。

2020年9月30日に公表された公立小中学校などのエアコン設置率の調査結果では、設置率は93%、公立高校は87%にまで達してきましたが、その他にも、危険改築や不適格改装、老朽化した施設を立て直すなどの整備は欠かせないのではないでしょうか?

学校施設の整備には多くの資金が必要ですが、このような時には学校施設やエアコン設置の資金調達として、国で実施している国庫補助事業をご利用ください。

こちらの記事では、文部科学省が実施している公立学校施設整備負担金、学校施設環境改善交付金をわかりやすく解説しています。

公立学校施設整備費負担金

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公立学校施設整備費負担金は、施設助成課が所轄している国庫補助事業の負担金対象事業です。

公立の小学校、中学校、義務教育学校、中等教育学校(前期課程)、特別支援学校(小中学部)において教室不足を解消するとともに、学校の整備を促進し、教育の円滑な実施を確保するために設けられています。

校舎・屋内運動場(体育館)等を新築又は増築する場合等に、必要な経費の一部負担を行っています。

対象の学校

公立学校施設整備費負担金の補助対象となる学校は下記の通りとなります。

①小学校:校舎・屋内運動場

②中学校:校舎・屋内運動場

③中等教育学校の前期課程:校舎・屋内運動場・寄宿舎

④特別支援学校の小中学部:校舎・屋内運動場・寄宿舎

負担率

公立学校施設整備費負担金の負担率は、下記の表の通りとなります。

原則(義務法) 主な負担率の特例
1/2

 

離島、原子力、特別豪雪(分校のみ)、筑波、奄美
5.5/10

負担額

公立学校施設整備費負担金の負担額の算定は、一般に「資格面積」に「建築単価」を乗じて、事務費をプラスした金額に、上記の負担割合を乗じた額が負担額となります。

なお、「資格面積」とは、学校の学級数に応ずる「必要面積」から、現在ある建物の面積「保有面積」を引いた面積のことをさしています。

◆負担額の算定式

『資格面積(㎡)×建築単価(円/㎡)+事務費(円)』×負担割合=負担額(円)

学校施設環境改善交付金

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学校施設環境改善交付金は、施設助成課が所轄している国庫補助事業の交付金対象事業です。

学校施設は、児童生徒等の学習・生活の場であることに加えて、地震等の災害発生時には地域住民の応急避難場所としての役割も果たすことから、学校施設環境改善交付金が設けられました。

学校施設の安全性を確保することは極めて重要であることから、地方公共団体が学校施設の整備にかかる必要な経費の一部を、国が交付金として地方公共団体へ交付しています。

対象事業

学校施設環境改善交付金の補助対象となる事業は、下記の1~10の事業となります。

なお、エアコンなどの空調(冷暖房整備)は、「2.大規模改修事業に対する国庫補助」の対象となっています。

1.改築に対する国庫補助

2.大規模改造事業に対する国庫補助

3.地震防災対策事業に対する国庫補助

4.公害防止工事

5.地域・学校連携施設整備事業

6.屋外教育環境整備事業

7.木の教育環境整備事業

8.公立の小学校、中学校、義務教育学校、中等教育学校(前期課程)、特別支援学校(小中学部)以外の施設における新増築事業に対する国庫補助

9.環境を考慮した学校施設(エコスクール)の整備推進に関するパイロット・モデル事業

10.各種特例

交付額

学校施設環境改善交付金の交付額の算定は、下記の通りとなります。

◆交付金の金額の算定は、施設整備計画に記載された事業について、事業ごとに算出した配分基礎額に算定割合を乗じた額と事業に要する経費の額に算定割合を乗じた額とを比較して、少ないほうの額の総和に事業費を加えた額となります。

・予算の範囲内で交付されます。

大規模改造事業に対する国庫補助の内容

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学校施設環境改善交付金の対象となる事業は、上記のように数が多く範囲も広くなっています。

そこで、ここからは、学校施設環境改善交付金の対象事業の中でも、エアコンなどの空調(冷暖房整備)等に利用できる「2.大規模改修事業に対する国庫補助」について、詳しく解説していきます。

・大規模改造事業に対する国庫補助は、新増築、改築とは別に、大規模改造という概念が公立学校施設整備には存在します。

・一定の年数が経過することにより通常発生する学校建物の損耗、機能低下に対する復旧措置や建物の用途変更に伴う改装等を指すものです。

具体的には、下記の7種類の工事となり、各工事ごとに200万円~2億円」の国庫補助対象工事の制限が設けられています。

①老朽施設改造工事

②教育内容・方法の多様化等に適合させるための内部改造工事

③法令等に適合させるための工事

④スプリンクラーの設置(特別支援学校の寄宿舎に係るものに限る。)

⑤空調設置工事

⑥障害児等対策施設整備工事

⑦安全管理対策施設整備工事

次に、7種類の工事内容について、詳しくご紹介していきます。

①老朽施設改造工事

老朽施設改造工事の対象となる工事と、工事費用は下記の通りとなります。

◆対象工事
・建築後20年以上経過したものについて建物全体を改造する工事。

原則として、備品に該当しない模様替え・改修工事・既存設備の撤去又はその関連工事は全て対象となります。

◆対象工事費 7,000万円~2億円

・小規模校等(面積がおおむね8,00㎡以下):1千万~2億円

②教育内容・方法の多様化等に適合させるための内部改造工事

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教育内容・方法の多様化等に適合させるための内部改造工事の対象となる工事と工事費用は下記の通りとなります。

◆対象工事

1.教育内容・方法の多様化等に適合させるための内部改造工事

2.内部環境改善を図る改造工事

3.学校統合に伴う既存施設の改造工事

4.譲渡を受けた施設等を学校施設に改造する工事

5.トイレ環境を改善するため一体又は単独に行うもので、全体的に改修を行う工事

6.公立小中学校の教室を放課後児童クラブ、保育所、児童館、子育て支援センター等の子育て支援施設やデイサービスセンター等の高齢者福祉施設に転用するために必要となる解体撤去工事

7.転用にあたって必要となる、既存施設の撤去工事及び必要最小限の改修工事

◆対象工事費
・1~4の場合:2,000万円~2億円
・5の場合:400万円~2億円
・6、7の場合:200万円~2億円

・1つの学校で1~7のいくつかの事業を行う場合で、それぞれの事業が下限額を下回っていたとしても、合わせて工事費2,000万円以上であれば、まとめて大規模改造(教育内容)として補助対象事業なります。

③法令等に適合させるための工事

法令等に適合させるための工事の対象となる工事と工事費は、下記の通りとなります。

◆対象工事
1.アスベスト対策工事
2.PCBを使用した照明器具の交換工事等
3.消防法等の法令の規定に適合させるための改造工事

◆対象工事費 400万円~2億円

④スプリンクラーの設置(特別支援学校の寄宿舎に係るものに限る。)

スプリンクラーの設置の対象となる工事と工事費は下記の通りとなります。

◆対象工事
公立の特別支援学校の寄宿舎におけるスプリンクラーの設置工事及びその関連工事

◆対象工事費 3,000万円~2億円

⑤空調設置工事

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空調設置工事の補助対象となる工事と工事費は、下記の通りとなります。

◆対象工事
児童・生徒及び教職員が使用する全ての部屋(普通教室を含む)を対象とし、その空調設置(工事を伴う新設・更新)工事

◆対象工事費 400万円~2億円

⑥障害児等対策施設整備工事

障害児等対策施設整備工事の補助対象となる工事と工事費は、下記の通りとなります。

◆対象工事
障害児等の学習環境を改善する工事。あるいは、地域コミュニティの拠点として学校を整備する上で、施設のバリアフリー化が必要と認められる工事

◆対象工事費 400万円~2億円

⑦安全管理対策施設整備工事

安全管理対策施設整備工事の対象となる工事と工事費は下記の通りとなります。

◆対象工事
1.防犯対策の観点から必要となる工事
2.建築非構造部材(被災時等の安全対策のため行われるものであり、建物全体の構造設計・構造計算の対象になる構造体(主体構造、躯体)以外の部材を指す)の耐震化工事

◆対象工事費 1,000万円~2億円

交付金の算定割合

大規模改造事業に対する国庫補助の算定の割合は、下記の通りとなります。

◆原則1/3
・100超の地方公共団体は2/7。
・例外については、下記の「10.各種特例措置について」に基づく

「10.各種特例について」

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学校施設環境改善交付金の「10.各種特例について」は、日本全国の公立学校施設整備が施設助成課の仕事ですが、一つ一つの学校は、それぞれの地域ごとに、置かれている状況が異なることから設けられています。

場合によっては、通常の取り扱いより手厚く補助することによって、その差異を調整する必要が出てくることがあり、通常その調整は負担(算定)割合を下記のように増率しています。

・1/2から5.5/10
・1/3から1/2、(5.5/10)

上記のような嵩上げ措置には、下記の種類が存在しています。

◆根拠法等
・離島振興法
・過疎地域自立促進特別措置法
・豪雪地帯対策特別措置法
・成田国際空港周辺整備のための国の財政上の特別措置に関する法律
・沖縄振興特別措置法
・奄美群島振興開発特別措置法
・小笠原諸島振興開発特別措置法
・水源地域対策特別措置法
・山村振興法
・筑波研究学園都市建設法
・北方領土問題等の解決の促進のための特別措置に関する法律
・原子力発電施設等立地地域の振興に関する特別措置法
・沖縄県公立学校施設整備費国庫補助要綱
・駐留軍等の再編の円滑な実施に関する特別措置法

・その他にも、地震防災対策事業に対する国庫補助で登場した地震防災対策強化地域における地震対策緊急整備事業にかかる国の財政上の特別措置に関する法律地震防災対策特別措置法や、公害防止工事の活動火山対策特別措置法も、嵩上げ措置の根拠法の一つとなります。

まとめ

学校 エアコン 補助 金

学校施設のエアコン設置や整備に利用できる「公立学校施設整備費負担金」「学校施設環境改善交付金」と、「学校施設環境改善交付金」に設けられている、「大規模改造事業に対する国庫補助」を解説してきました。

児童生徒等の生活の場に加えて、地域に取っ手の応急避難場所となる学校施設には多額の資金が必要となりますが、ぜひこれらの補助金を活用して資金調達にお役立てください。

補助金は、多くの内容と複雑な仕組みになっていますので、利用する前には補助金の内容や対象工事や補助額などを、把握してから申請するようにしましょう。

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