サムライインキュベート vc

サムライインキュベート(VC)の特徴や投資実績など5項目を解説

ベンチャーキャピタル

将来性のあるベンチャー企業やスタートアップ企業に投資を行うベンチャーキャピタルから出資を受けるということは起業家・経営者にとって非常に重要なことです。自社と相性の良いベンチャーキャピタルから出資を受けるということはただ資金面の問題を解決するだけでなく、事業を展開し会社を成長していくための大きな後押しとなります。

しかし、実際にはベンチャーキャピタルから出資を受けることが出来ずに資金ショートして廃業に追い込まれてしまうベンチャー企業の方が遥かに多く、このような事からもベンチャーキャピタルから出資を受けることの重要性がわかります。

ベンチャーキャピタルによっても主に出資している成長ステージは異なりますが、今回この記事でご紹介するサムライインキュベートは主に創業期やシード期に特化したベンチャーキャピタルです。

サムライインキュベートの会社概要、特徴、投資方針、投資実績、出資を受けるメリットなどについて詳しく解説していきたいと思います。

サムライインキュベートについて

サムライインキュベート vc

ベンチャーキャピタルによっても、主に投資対象としている成長ステージは異なっています。「シードステージ」「アーリーステージ」「ミドルステージ」「レイターステージ」という成長ステージのうち、創業段階や企業したばかりの段階の企業は「シードステージ」と呼ばれ、このようなシードステージの企業に対して出資や支援を行うベンチャーキャピタルのことを「インキュベーター」や「シードアクセラレーター」と呼びます。

サムライインキュベートは創業の段階やシードステージという、これから段階を経て大きく成長していくことなるベンチャー企業やスタートアップ企業に対して出資を行っているベンチャーキャピタルです。

アクシブドットコムでアライアンス戦略、広告商品開発、営業販促戦略などを担当、電通ワンダーウーマン、ECナビと経験を積みんだ榊原健太郎氏が2008年に立ち上げました。現在に至るまでの榊原健太郎氏の豊富な経験や経歴が生かされたサポートを行い、今までに数多くの企業を大きく成長させてきました。

2019年2月21日には34.5億円という「Samurai Incubate Fund 6号投資事業有限責任組合」を組成。この6号ファンドの投資テーマはリテールテック、フィンテック、物流、ヘルスケア、建設、MaaSで、1社総額では5000万円程度の投資を予定しているようです。

会社名 株式会社サムライインキュベート
SAMURAI INCUBATE INC.
設立 2008年3月14日
代表 榊原健太郎
資本金 7,158万円
所在地 東京都港区六本木1-3-50
Webサイト https://www.samurai-incubate.asia/

サムライインキュベートの特徴

サムライインキュベート vc

サムライインキュベートの特徴としては、海外にも拠点を持っているということです。イスラエルのテルアビブとアフリカのルワンダに海外拠点を置いており、新興国に新しいビジネスリーダーを創出し世界に貢献することを目標としています。

イスラエルというと、ニュースの情報から空爆やテロなどを連想するかもしれませんが、実はイスラエルはIT先進国でもあるのです。今でも数多くのIT人材が活躍を見せており、また、ベンチャー企業も活発な動きを見せています。サイバーセキュリティの分野では世界でも最先端の国の一つと言われているのがイスラエルはなのです。

このように沢山のビジネスチャンスが眠っているに違いないイスラエルですが、日本のベンチャーキャピタルではイスラエル支社を持っている企業はかなり少なく、まだまだ日本では知られてない優れたベンチャー企業が存在していることでしょう。代表の榊原健太郎氏は2014年からイスラエルに移住し、イスラエル企業への投資を行っています。日本にも沢山のベンチャーキャピタルがありますが、イスラエルに住んでイスラエル企業への投資を行っているベンチャーキャピタルは非常に珍しいと言えます。

サムライインキュベートの投資方針

サムライインキュベート vc

前述の通り、サムライインキュベートはまだ創業段階、もしくは創業したばかりというシードステージの企業に積極的な投資を行っていくというベンチャーキャピタルです。投資先を発掘する方法は「イベント」を重視しており、日本全国で1000回以上にもなる起業家向けのイベントを開催し、新たなイノベーションをもたらすであろう企業の発見に努めています。三井住友銀行主催のミライハッカソンというイベントの支援をしたりと、他の企業とイベントをコラボレーションすることもありますし、自社が主催することもあります。

出資については、全ての成長ステージを対象に投資を行っているベンチャーキャピタルもありますが、サムライインキュベートの場合は対象としているのはシードステージの企業のみで、ミドルステージやレイターステージの企業へ投資を行うことはありません。業種としては、IT関連のベンチャー企業に投資を行っています。

シードステージは4つある成長ステージのうちで一番出資額が小さい段階であるため、1社当たりに出資する額は少なくなります。その分、サムライインキュベートでは多くのベンチャー企業への出資を行っているようです。

  • サムライ魂がある
  • 課題解決型であり、革新的である
  • ICTビジネスである
  • エンジニアがいる
  • 日本登記である

以上の5つを日本の企業への投資条件としており、中でも気になるのが「サムライ魂とは具体的にどんなものなのか」ということではないでしょうか。サムライインキュベートと、社名になっていることからもわかるように「サムライ魂」は非常に重要なものだろうということが予想出来ます。

サムライインキュベートの榊原健太郎氏へ行ったインタビューでは、「成功する起業家の条件とはどのようなものだと思いますか?」という質問に以下のように返答しています。

  • 義:社内・社外に対して、常に誠実であるべし
  • 礼:非道な行いを禁じ、社内・社外に対する行いに敬意を払うべし
  • 勇:行動を起こすことを恐れる人々の中から先陣を切って決起すべし
  • 誉:名誉に重きを置き、それをもって己の価値とすべし
  • 仁:慈愛の精神を重んじ、あらゆる局面において、同胞を助けるべし
  • 誠:事を実行すると言った際、それはすでに行われたものも同然とすべし
  • 忠:己の主君、信ずる者に対し限りない忠義を尽くすべし
  • 挑:目指すべき目標は、自らに挑む目標つまり、120%以上達成を意味すべし

この8つの魂こそサムライ魂と言えるものであり、これらの資質を兼ね備えているかどうかということが投資先企業を選ぶ際の選考基準に影響すると考えられます。

サムライインキュベートの投資実績

サムライインキュベートが出資を行っていたノボット(スマートフォン向けのアドネットワーク事業)はKDDIの子会社medibaに15億円で買収、その後もレモネード(インフルエンサーの選定、依頼、関係性構築、パフォーマンス分析、コンテンツ管理などを行う自動ツール)がUUUMに5億円で買収、2018年12月には出資していたポート株式会社が上場を果たすなど、その実績を積み上げてきています。

シードステージの企業の場合、事業に失敗して廃業してしまうという企業も少なくありません。また、企業の成長のためには時間も掛かるため、今後更にIPOなどのイグジットを果たす企業が出てくることになるでしょう。

2019年2月21日に第6号ファンドを組成したサムライインキュベートは同ファンドで日本、イスラエル、アフリカ大陸のベンチャー企業を対象に投資を行っていく予定ですが、国内ではすでにForema(ペット用国産ジビエ定期便サービス)、ケニアではMPOST(住所を持っていない人向けのバーチャルアドレス発行サービス)に出資を行っています。

6号ファンドにはマネックスグループ、京浜急行電鉄、住友生命保険、ダイキン工業、前田建設工業、丸井グループ、ロート製薬などの大手企業や個人投資家が出資を行っています。

サムライインキュベートから出資を受けるメリット

サムライインキュベート vc

サムライインキュベートはハンズオン型のベンチャーキャピタルです。創業したばかりだったり駆け出しの状態の企業はまだ不安定な部分も多いと思いますが、そんな時にサムライインキュベートの徹底したサポートを受けることが出来るのは経営者としてもかなり心強いのではないでしょうか。

事業計画の策定、アドバイス、専門家や企業とのマッチングなども行ってくれるため、事業拡大のための大きな手助けとなるはずです。さらに、天王洲アイルにはポート株式会社が運営するコワーキングスペース「サムライスタートアップアイランド」があり、投資先企業はここを格安で利用することが出来ます。

また、既存投資先へのフォローオン投資も行っており、投資先企業がプロダクトマーケットフィット(PMT)に到達するまで支援を行ってくれるという点も頼もしいです。

プロダクトマーケットフィット(PMF)】とは

顧客の課題を満足させるプロダクト・サービスの提供を行っており、更にそれが適切な市場に受け要られているという状態のこと。

まとめ

サムライインキュベートは「できるできないでなく やるかやらないかで 世界を変える」という理念を創業以来掲げており、起業家や経営者の人間性、同じ志を持っているかどうかということも重視しているようです。

投資方針としては基本的にIT関連のベンチャー企業が対象ですが6号ファンドの投資テーマはリテールテック、フィンテック、物流、ヘルスケア、建設、MaaSとなっているため、今後も新しい分野に挑戦していくということは十分に考えられます。投資対象ステージは主に創業期やシードステージで、その分出資額は少なくなりますがフォローオン投資も行っており、企業がプロダクトマーケットフィットに到達するまで出資を行ってくれると言うのは経験の浅い起業家や経営者としては非常にメリットを感じる部分ではないでしょか。

シードステージのベンチャー企業に向けた投資を行っているサムライインキュベートは数あるベンチャーキャピタルの中でも比較的アピールしやすく、定期的に開催されているサムライインキュベートのイベントに参加してアプローチを行ってみるといいでしょう。

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