リフォーム 補助

初めに知っておきたいリフォームの補助金3種類のまとめを解説

補助金

リフォームをする際に何か使える補助金はないかな?と思った方もいると思います。

また、現在の補助金についてわかりやすく知りたい。

そう考える方も多いのではないでしょうか?

一方で補助金は分かりづらいと感じていらっしゃる方も多いかと思います。

大きく分けると、補助金が適用されるのは以下の3つの種類に当てはまるリフォームとなります。

①耐震や防災的な観点でのリフォーム
②省エネや環境対策などのリフォーム
③バリアフリー等の高齢者支援などのリフォーム

補助金という名の税金が使われるものなので、基本的な考え方は「安全・安心」のためのリフォームが対象となります。

支給要件に当てはまるようであればぜひとも活用してより安全・安心な家づくりに活かしてください。

①耐震や防災的な観点でのリフォーム

リフォーム 補助
建築基準法の耐震基準が大きく改正されたのが1981年。

それ以前の基準で建てられた自分が所有し住む家を、現行の耐震基準に適合するよう筋交いを入れるなど一定の補強を行うと、所得税と固定資産税が減税されます。

耐震診断や補強工事を一部補助してくれる制度を設けている自治体も数多いです。

工事にかかる費用

下記が工事にかかる表の目安です。

耐震診断 20~40万円
耐震補強・改修工事 25~200万円
ブロック塀の解体・撤去 5千~1万円/㎡

地域により、金額や対象となる建物の種類は異なりますが、特に補助対象となるケースが多いのは、1981年5月31日以前に建築確認を受けた、旧耐震基準の時期の建物です。

ただし、大阪府大阪市が実施する「民間戸建住宅等の耐震診断・改修等補助制度」などは、2000年5月31日以前に建築された建物も対象としています。

ちなみに同制度では、一戸建ての耐震改修であれば、100万円/戸を上限に、工事に要する費用の2分の1以内が補助されます。

自己負担額によっては、さらに最大で20万円加算してもらえる場合もあります。

民間戸建住宅等の耐震診断、改修等補助制度(大阪市)

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大阪市が行っている民間住宅の耐震診断と耐震改修工事のための補助制度です。

・主な条件
1. 大阪市内にある民間住宅であること
2. 2000年5月31日以前に建築された住宅であること
3.床面積が一定以上

耐震改修工事の場合は、申請者の年間所得が1,200万円以下であることも条件になります。

・主な対象工事
耐震診断や、耐震改修設計、耐震改修工事。

・金額
耐震診断の場合、掛かる費用の90%以内が補助対象。上限は一戸あたり4万5千円、もしくは一棟あたり18万円。

耐震改修設計の場合は、かかる費用の3分の2以内が補助対象。上限は一戸あたり10万円、もしくは一棟あたり180万円。

耐震改修工事では、掛かる費用の半分までを補助対象とし、上限は一戸あたり100万円で、自己負担額に応じて一戸あたり更に最大20万円の加算があります。

・受付期間
4月から予算状況に応じて終了。工事着手予定日の45日前までに申し込むこと。

・工事期間
申請後に着工かつ、決められた期日(2018年度は2019年2月末)までに工事を終えること。

②省エネや環境対策などのリフォーム

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断熱改修など、エコ・省エネのためのリフォームに対する補助金・助成金制度もあります。

具体的には、窓や壁などの断熱リフォームや、高効率給湯器(エコキュート・エネファームなど)の設置、節水性の高いトイレへの交換、太陽光発電システムや蓄電池の導入などが対象となります。

工事にかかる費用

下記が工事にかかる表の目安です。

窓の断熱化(内窓やペアガラスなど) 5~60万円/箇所
外壁、屋根の断熱化 80~350万円
高効率給湯器の設置(エコキュートなど) 25~100万円/台
節水型トイレへの交換 13~35万円/台
高断熱浴槽付きの浴室リフォーム 55~90万円/箇所
太陽光発電システムの設置 130~300万円
蓄電池の設置 15〜28万円/kWh

省エネのためのリフォームで申請できる補助金制度は、国が支援するタイプのものも、自治体が独自で用意しているものも、数多くあります。

特に人気があるのが、断熱リフォームの際に申請できる「高性能建材による住宅の断熱リフォーム支援事業(断熱リノベ)」や「次世代省エネ建材支援事業(次世代建材)」という制度です。

例えば「次世代省エネ建材支援事業(次世代建材)」では、断熱パネルおよび潜熱蓄熱建材を使ってリフォームする場合、一戸建てなら200万円/戸、マンションなら125万円/戸を上限に、それぞれ補助対象経費の2分の1以内の金額が支給されます。

高性能建材による住宅の断熱リフォーム支援事業(断熱リノベ)

一戸建てや集合住宅、分譲住宅に高性能な建材を使って断熱改修をする際に利用できる補助金です。

・主な対象工事
断熱材、断熱窓、断熱用ガラスを使用したリフォーム
一戸建て住宅の場合は、家庭脳の蓄電池や蓄熱システム設置工事も対象

・金額
対象費用の3分の1以内。
一戸建ての場合は一戸あたり120万円、集合住宅の場合は一戸あたり15万円が上限です。

・受付期間
公募開始から上限に達するまでの期間。先着順。

・工事期間
申請後に着工かつ、決められた期日(2018年度は2019年1月15日)までに実績報告をすること。

次世代省エネ建材支援事業(次世代建材)

断熱リノベと同じく、一戸建てや集合住宅、分譲住宅に高性能な建材を使って断熱改修をする際に利用できる補助金です。

・主な対象工事
断熱パネル、潜熱蓄熱材の設置。これに合わせて工事を行う場合、断熱材、断熱タイプのドアや窓、ペアガラス等への変更、調湿建材を使用するなどのリフォーム工事も補助の対象となります。

・金額
対象費用の半分以内を補助。
一戸建ての場合は一戸あたり200万円、集合住宅の場合は一戸あたり125万円が上限です。

・受付期間
公募開始から上限に達するまでの期間。先着順。

・工事期間
申請後に着工かつ、決められた期日(2018年度は2018年12月14日)までに実績報告をすること。

ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス支援事業(経産省ZEH)

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ネット・ゼロ・エネルギー・ハウスは、省エネと創エネにより、正味(ネット)でエネルギーの消費量がゼロに近い住宅のことです。

断熱性を高めたりエネルギー効率の良い設備を導入したりするだけでなく、太陽光発電システムなどを使って電気を作り出すことで、より住宅で消費するエネルギー量を抑えることを目指しています。

ZEHに対する支援事業としては、新築住宅に対するものが有名ですが、自身が所有する一戸建て住宅のリフォームに対する補助金もあります。

・条件
登録されているZEHビルダーやプランナーが設計、改修を行うこと。

・主な対象工事
ZEHの要件を満たす工事。
断熱改修、エコキュートやエネファームの設置、太陽光発電システムの導入など

・金額
一戸あたり70万円。
蓄電システムを導入する場合、追加で30万円の補助。

・受付期間
公募開始から先着順。

・工事期間
申請後に着工かつ、決められた期日(2018年度は2019年2月1日)までに実績報告をすること。

③バリアフリー等の高齢者支援などのリフォーム

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廊下や風呂場、トイレなどに手すりをつける工事、床の段差を解消する工事、開き戸を引き戸にする工事など、バリアフリー化や介護に適した住まいに変えるためのリフォームには補助金があります。

床の素材を滑りにくいものに張り替えたり、トイレを和式から洋式に変更したりするリフォームにも、同様の補助金が使えるケースが多いです。

工事にかかる費用

バリアフリー工事等の工事費用の目安は次の通りです。

手すりの設置(トイレ・浴室・廊下・玄関など) 3~10万円/箇所
床の段差解消 1~20万円/箇所
室内ドアを引き戸へ変更 5~30万円/箇所

バリアフリーリフォームの際に、最も利用しやすい助成金制度の一つが、「介護保険」です。

要支援者あるいは要介護者と認定された方が同居してる場合、20万円を上限に、自己負担金1~3割で、手すりやスロープ設置などの工事を行うことができます。

たとえば、工事費が10万円かかるリフォームなら7~9万円、工事費が20万円かかるリフォームであれば14~18万円が助成されます。

なお介護保険と一緒に、お住まいの自治体が支給する補助金制度を併用できるケースが多いです。

介護保険によるリフォームに対する補助金の制度について

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介護保険は各市町村の保険料と補助金によって運営されている制度ではありますが、全国で同じように利用できます。

・条件
1.要支援、要介護と自治体から認定された人が住む住宅であること
2.ケアマネージャーや福祉住環境コーディネーター2級以上などの有資格者による「理由書」があること
3.自治体によってはリフォーム工事プランの提出も必要

・主な対象工事
手すり取り付け
段差解消
滑り防止や移動の円滑化のための床材変更
扉を引き戸に変更
和式トイレを洋式トイレへ変更

・金額
工事金額の7割~9割、上限20万円。

割合については所得に応じて変動します。

また、工事費用が20万円に満たなかった場合は次回のリフォーム工事でも差額分を利用することができます。

更に、健康状態の悪化や転居によって新たにリフォーム工事が必要になった場合、再び20万円を上限に申請できます。

・受付期間
随時。ただし着工前であること
自治体によっては、月の最後の平日が締め切りになっている場合もあるため、自治体に確認しましょう。

・工事期間
特に指定なし

長期優良住宅化リフォーム推進事業

長期優良住宅とは、長期に渡り良い状態で住むことのできる構造や設備が備わっている住宅です。

・条件
一定の耐震性が確保されていること。

・主な対象工事
一定の性能向上を満たす改修工事が対象。
(バリアフリー工事や耐震改修工事、省エネルギー設備の導入、維持管理のしやすい作りに変更するなど)

・金額
対象費用の3分の1かつ、一戸あたり100万円から250万円が上限です。上限金額は性能向上の度合いによって変わります。

3世代同居のためのリフォームを行う場合、特定の工事に対して一戸あたり最大50万円の追加補助があります。

・受付期間
受付は通年行っていますが、予算の状況によっては途中で終了することがあります。

・工事期間
申請後に着工かつ、決められた期日(2018年度は2019年2月15日)までに工事を終えること。

補助金以外の制度

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住宅のリフォームを行う時に、今回紹介した補助金以外にも活用できる制度があります。

例えばリフォーム減税。耐震工事やバリアフリー工事、省エネ工事を行うと、固定資産税や所得税の優遇があります。

また、リフォームのために親などからお金をもらった場合も、贈与税の非課税措置を適用できる場合もあります。

まとめ

リフォーム 補助
複雑な印象のある補助金について少しは理解が深まったのではないでしょうか?

特に、災害があってからでは遅いので耐震や防災的な観点でのリフォームの実施を強くお勧めします。

補助金については全てを理解しようとせず、大枠を理解したうえで、詳細を各自自体やリフォーム会社に問い合わせるのがよいでしょう。

住宅のリフォームをお考えの方は、まずお住まいの自治体にどのような支援制度が実施されているのかホームページなどで確認し、かしこいリフォームにつなげてください。

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