アパート経営は安定した収入を得やすい不動産投資ですが、空室状態にならないようするためには住心地を良くするリフォームが必要です。
アパートのリフォームには、多額の費用がかかるためにリフォームローンを検討する方も多いのではないでしょうか?
しかし、アパートの投資物件は一般的なリフォームローンが使えないため、異なったリフォームローンを利用しなければなりません。
そこで、こちらの記事では、アパートオーナーのリフォームする際に低金利で資金調達できる日本政策金融公庫についてご紹介いたします。
併せて、返済の必要がない補助金情報も紹介いたしますので、リフォームをお考えのアパートオーナーの方は、ぜひご覧ください。
INDEX
オーナーが活用できるリフォームローン
個人所有の住宅のリフォームと違い、投資物件となるアパートのリフォームには一般的な居住用リフォームローンは利用できません。
最近になって金融機関などは投資物件用のリフォームローン商品を展開し始めましたが、その数は多いとは言えない状況にあります。
自身が利用しているメインバンクにリフォームローン商品がない場合には、アパートオーナー向けのリフォームローンを探す必要が出てきます。
リフォームローンを設けている金融機関
アパートのオーナが投資物件をリフォームする際に利用できるローンは、民間の金融機関が独自に設けている事業者向けの融資や、カード会社が設けているフリーローンなどがあります。
ただし、これらのローンは不動産投資での収益拡大が目的となるために、居住用のフォームローンに比べて金利が高めに設定されています。
不動産物件のリフォームは、事業用ローンに近い性質があると考えていいでしょう。
また、政府系金融機関である日本政策金融公庫でもアパートのリフォームで利用できるローンが設けられています。
日本政策金融公庫では、アパートのリフォームに必要となる費用に対して、融資を受けることができます。
アパートのリフォームをお得に利用できる金融機関とは?
投資物件となっているアパートのリフォームにかかる費用は、できるだけ抑えたいと誰もが抑えたいと思うのではないでしょうか?
自己資金で投資物件を使い、手元に資金が残っていないとしたらなおさらです。
上記のようにアパートのリフォームローンは、銀行が独自に設けている事業向けの融資、カード会社が設けているフリーローン、日本政策金融公庫の融資が考えられますが、この中で一番低い金利で融資を受けられるのは、日本政策金融公庫です。
民間の金融機関やフリーローンを利用した場合には15%ほど、事業者向けのローンでも約4%、日本政策金融公庫の金利は約2%ほどとなっています。
アパートのリフォームの費用を抑えたいオーナーにとって、少しでも低い金利でできる資金調達は見逃せない要素となるでしょう。
次に、一番低い金利で融資が受けられる日本政策金融公庫について詳しくみてみましょう。
日本政策金融公庫のご紹介
日本政策金融公庫は2008年に、国民生活金融公庫、中小企業金融公庫、農林漁業金融公庫が統廃合して生まれた、政府系の安心できる金融機関です。
主に個人事業主や小規模企業などへの融資を実施しており、創業時などの融資が受けにくい状況となっている中小企業でも、低金利で融資が受けられます。
また、銀行などの民間の金融機関よりも利用条件が緩く設定されているので、事業資金が苦しい時の頼れる資金調達先となるでしょう。
日本政策金融公庫の3つのメリット
日本政策金融公庫を利用して融資を行った場合、3つのメリットが考えられます。
1つ目が金利の低さ、2つ目が審査の通りやすさ、3つ目がコンサルティングを受けられることです。
1つ目:金利の低さ
融資を受ける際には、「どのくらいの金利で借りられるのか?」が気になるところですが、日本政策金融公庫は銀行などの民間の金融機関よりも金利が低く設定されています。
銀行やフリーローンを利用したのなら約15%もの金利がかかってしまい、たとえ事業者向けのローンを利用したとしても約4%の金利となります。
日本政策金融公庫から融資を受けた場合の金利の平均は、およそ2.5%ほどです。
さらに、融資の額が少ないと銀行やフリーローンの場合には、金利が高くなって行く場合がほとんどですが、日本政策金融公庫なら少ない額でも低い金利が適用されます。
少額融資でもあるリフォームなら、金利面のメリットがより大きくなるでしょう。
2つ目:審査の通りやすさ
日本政策金融公庫の審査は、銀行などの民間の金融機関と比較すると審査が通りやすくなっています。
民間の金融機関で融資を申し込んで審査に通らなかったケースでも、日本政策金融公庫で申し込を行ったら審査が通り融資が受けられたという事例があるほどです。
審査が通りにくいとされる個人事業主や小規模企業でも審査が通りやすいというのもメリットのひとつです。
3つ目:コンサルティングが受けられること
日本政策金融公庫で融資申請する前に、コンサルティングを受けることができます。
経営や事業運営に対して、専門家であるコンサルタントが相談に乗ってくれます。
事業展開についての悩みがあるのなら、積極的に相談してアドバイスをもらいましょう。
また、日本政策金融公庫で融資を受けると民間の金融機関でも融資を受けやすくなります。
日本政策金融公庫での融資を受けた経験があれば、どれだけの融資を受け、返済したのかが分かるために信頼度がアップし、民間の金融機関の審査が通りやすくなるのです。
日本政策金融公庫のデメリット
日本政策金融公庫の融資は上記のようなメリットが得られる資金調達法ですが、いくつかのデメリットな部分もありますので、利用する前に確認しておきましょう。
日本政策金融公庫のデメリットな部分としてあげられるのは、申請してから融資を実際に受け取るまでに時間がかかってしまうことです。
銀行などの民間の金融機関であれば、融資までに要する時間は1週間ほどで実行されますが、日本政策金融公庫では融資までに1ヶ月ほどの時間が必要となります。
もしも、急ぎの融資が必要ならば注意しておきましょう。
また、ほとんどの融資には担保や保証人が必要となりますが、場合によっては融資を不要とする融資や無担保、無保証人で利用できる融資も用意されていますので、ご相談してみてください。
日本政策金融公庫の一般貸付
日本政策金融公庫には、国民生活事業、中小企業事業、農林水産事業があります。
こちらではアパートのオーナーが利用できる国民生活事業の一般貸付の概要について、詳しくご紹介していきます。
国民生活事業で行われている一般貸付は、ほとんどの業種の中小企業が利用できる融資となります。
資金の使いみち
一般貸付の資金使途は、下記の3つの資金調達に使う資金となります。
◆運転資金
◆設備資金
◆特定設備資金
返済期間
一般貸付の返済期間と据置期間は、運転資金、設備資金、特定設備資金のそれぞれに設けられています。
それぞれの返済期間と据置期間は下記の通りとなります。
◆運転資金
・5年以内(特に必要な場合7年以内)
・うち据置期間1年以内
◆設備資金
・10年以内
・うち据置期間2年以内
◆特定設備資金
・20年以内
・うち据置期間2年以内
利率(年)
一般貸付の利率は、使い道や返済期間、担保の有無によって異なる利率が適用されます。
担保を不要する場合の利率と、担保を提供する場合の基本利率は下記の表の通りとなります。
◆担保を不要とする融資を希望する場合の利率
基準利率 | 特別利率A | 特別利率B | 特別利率C | 特別利率D | 特別利率E | 特別利率J | 特別利率N | 特別利率P | 特別利率Q | 特別利率R | 特別利率U |
2.16
~2.55 |
1.76
~2.15 |
1.51
~1.90 |
1.26
~1.65 |
1.51
~1.90 |
0.76
~1.15 |
1.11
~1.50 |
1.86
~1.94 |
1.96
~2.15 |
1.76
~2.15 |
1.96
~2.04 |
1.66
~1.74 |
(令和2年7月1日現在 年利%)
◆担保を提供する融資を希望した場合の利率
基準利率 | 特別利率A | 特別利率B | 特別利率C | 特別利率D | 特別利率E | 特別利率J | 特別利率N | 特別利率P | 特別利率Q | 特別利率R | 特別利率U |
1.21
~2.20 |
0.81
~1.80 |
0.56
~1.55 |
0.31
~1.30 |
0.56
~1.55 |
0.30
~0.80 |
0.30
~1.15 |
0.91
~1.59 |
1.01
~1.80 |
0.81
~1.80 |
1.01
~1.69 |
0.71
~1.39 |
(令和2年7月1日現在 年利%)
担保・保証人
一般貸付の担保と保証人は、ご自身の希望を聞きながら、下記のような設定が用意されています。
◆担保(不動産、有価証券等)などの提供を不要とする融資をご希望の方に対し、「担保を不要とする融資」をお取り扱っています。
◆このほか無担保・無保証人でご利用いただけるマル経融資(小規模事業者経営改善資金)や使いみちによって長期・低利でご利用いただける特別貸付などがあります。
新たな住宅セーフティネット制度で国から補助金を受ける
国土交通省が実施している「新たな住宅セーフティネット制度」は、高齢者や低額所得者、子育て世代などの住居確保が困らないように設けられた制度です。
これらの方が家探しで困らないように、入居を拒まない賃貸住宅として登録を行うと持ち主に補助金が支給されます。
「新たな住宅セーフティネット制度」は改修工事費用やリフォーム費用について、下記の補助を受けることが可能となります。
◆補助率 改修工事費用の3分の1
◆補助限度額 1戸あたり50万円まで
まとめ
アパートのリフォームの資金調達に活用できる日本政策金融公庫の融資について、日本政策金融公庫の3つのメリット、デメリット、さらには日本政策金融公庫で実施している一般貸付を詳しく解説してきました。
アパートのリフォームには一般のリフォームローンは活用は難しいですが、低金利の日本政策金融公庫の融資は受けることができます。
政府の金融機関である日本政策金融公庫なら、低金利ことに加えて、審査が通りやすく申請前にはコンサルタントにも相談することができる数多くのメリットがある融資を受けることができます。
アパートのオーナーの方で、アパートのリフォームを検討しているのであれば、日本政策金融公庫での融資をご検討してみてください。
また、新たな住宅セーフティネット制度では、返済の必要のない補助金も交付しておりますので、資金調達の一つとして活用しましょう。