令和2年度エネルギー使用合理化等事業者支援事業の資金調達後にすべき3つの報告

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令和2年度 エネルギー使用合理化等事業者支援事業(省エネ補助金)

国ではCO2削減を達成するために、省エネ対策として毎年3月から5月にかけて補助金の公募を実施されており、経済産業省では令和2年度 エネルギー使用合理化等事業者支援事業が新たに設けられました。

従来の「生産設備のエネ合」で補助対象外となっていたレーザー加工機や射出成形機なども含まれる中小企業者や個人事業主が利用できる補助金です。

こちらの記事では、令和2年度 エネルギー使用合理化等事業者支援事業の解説に加えて、申請後に必要となる中間報告、実績報告、成果報告について解説しています。

また、令和2年度 エネルギー使用合理化等事業者支援事業の補助金が適用となっている圧縮記帳のやり方についても触れていますので、どうぞ参考にしてみてください。

令和2年度 エネルギー使用合理化等事業者支援事業の概要

令和2年度 エネルギー使用合理化等事業者支援事業(省エネ補助金)

エネルギー使用合理化等事業者支援事業は、事業者が計画したエネルギー使用合理化及び電気需要平準化の取組のうち、省エネルギー性能の高い機器及び設備並びに電力ピーク対策に必要となる経費の一部を補助する事業です。

省エネルギーを推し量り、内外の経済的社会環境に応じた安定的かつ適切なエネルギーの需給構造の構築を図ることを目的として設けられています。

経済産業省の資源エネルギー庁で行われ、令和2年度エネルギー使用合理化等事業者支援事業(省エネルギー投資促進に向けた支援補助金)は、一般社団法人 環境共創イニシアチブによって実施されています。

補助対象者

エネルギー使用合理化等事業者支援事業の補助対象となる方は下記の通りとなります。

◆事業活動を営んでいる中小企業者、個人事業主

◆中小企業団体等、その他会社法上の会社以外の法人

なお、その他会社法上の会社以外の法人の場合は、従業員が300人以下であることが条件となります。

補助対象設備

エネルギー使用合理化等事業者支援事業の補助対象となる設備は、下記の通りとなります。

◆工作機械
・旋盤(ターニングセンタ含む)、フライス盤、マシニングセンタ、研削盤、レーザ加工機

◆プラスチック加工機械
・射出成形機

◆プレス機械
・サーボプレス、プレスブレーキ、パンチングプレス(レーザ複合機含む)

◆印刷機械
・印刷機(有版)、デジタル枚葉印刷機、通帳デジタル印刷機

補助額

エネルギー使用合理化等事業者支援事業の補助率と補助上限額、下限額は下記の通りとなります。

◆補助金額の上限  1事業あたり 2,000万円以下

◆補助金額の下限  1事業あたり 100万円以上

◆補助率  1/3以内

申請書後に必要な3つの書類とは?

令和2年度 エネルギー使用合理化等事業者支援事業(省エネ補助金)

エネルギー使用合理化等事業者支援事業は申請してから、実績および成果報告まで書類の作成が必要となりますが、コロナの影響で公募説明会は開催されていません。

こちらの項目では申請後に提出が必要となる、実績および成果報告の必要書類を紹介しています。

提出が必要な必要書類

エネルギー使用合理化等事業者支援事業の提出する書類は、公募期間に提出する申請書を始めとして、それぞれの時期に下記の4つの書類提出が必要となります。

忘れることのないように、事前に準備しておきましょう。
◆提出時期と提出する書類

提出時期 提出書類
公募期間に提出  交付申請書
採択後2~3週間以内に提出  中間報告書
事業完了後1ヶ月以内に提出 実績報告書
導入生産設備稼働後の省エネ成果を報告 成果報告書

次に、申請後に提出が必要となる、中間報告、実績報告、成果報告の3つについて、解説していきます。

中間報告と提出書類

令和2年度 エネルギー使用合理化等事業者支援事業(省エネ補助金)

エネルギー使用合理化等事業者支援事の補助事業者は、環境共創イニシアチブが定める期日までに下記の手続きを済ませておく必要があります。

◆補助事業者

①既存設備写真の提出
・補助事業者は、既存設備写真等の書類一式を一般社団法人環境共創イニシアチブ宛てに郵送します。

②補助金振込口座の登録
補助事業者は、補助事業ポータル上で補助金振込口座の登録を行います。

◆販売/メーカー
・既存設備の写真撮影及び撮影位置図面の作成

◆ゼロエネ支援
・その他の書類一式を作成

実績報告と提出書類

補助事業者が導入した補助対象設備等の検収が行われ、調達先等に対しての補助対象経費の全ての支払いを完了した時点で、補助事業が完了となります。

補助対象経費の支払いの際には、割賦払いや手形払いは認められませんのでご注意ください。

① 実績報告
• 補助事業者は、事業完了日から30日以内又は2021年2月5日(金)のいずれか早い日まで
に、補助事業ポータル上で必要事項を入力して必要書類を作成の上、全ての必要書類を揃
えて、実績報告書及び補助事業の実施体制に関する資料を環境共創イニシアチブに提出します。

◆補助事業者
実績報告書、精算払請求書(押印原紙)と契約書、請求書、振込証明書のコピーを用意

◆販売/メーカー
・導入設備の写真撮影及び撮影位置図面の作成。設置完了証明書(原紙)を用意

◆ゼロエネ支援
・その他の書類一式を作成。

成果報告と必要書類

令和2年度 エネルギー使用合理化等事業者支援事業(省エネ補助金)

中間報告と実績報告後には、その後の成果報告を補助事業者は下記のように行ってください。

①指定計算を用いた場合
・事業完了後に生産設備の年間生産量又は年間稼働時間等のデータを1年分を取得する

・取得した実績データを基に省エネルギー量等を算出し、データの取得完了から30日以内に成果報告を行います。

②申請時に独自計算を用いた場合
・1年間の電力使用量を基にした省エネルギー量等を報告してください。

◆補助事業者
・エネルギー使用量データを用意

◆ゼロエネ支援
・その他の書類一式を作成

圧縮記帳等が適用するエネルギー使用合理化等事業者支援事業

令和2年度 エネルギー使用合理化等事業者支援事業(省エネ補助金)

エネルギー使用合理化等事業者支援事業は、直接的に国から補助対象者に補助金が交付されるものではありません。

そのため所得税法第42条又は法人税法第42条に規定する国庫補助金等に該当するかについて国税庁と協議した結果、圧縮記帳の適用に該当する国庫補助金となりました。

圧縮記帳とは、国庫補助金等の交付を受け、固定資産を取得した場合に利用できる会計処理の記帳方法です。

なお、エネルギー使用合理化等事業者支援事業の該当する補助金は、「固定資産の取得又は改良に充てるための補助金」ですので、経費を補填するための補助金は含んで無いことをご確認ください。

『所得税法第42条(国庫補助金等の総収入金額不算入)又は法人税法第42条(国庫補助金等で取得した固定資産等の圧縮額の損金算入)において、国庫補助金等の交付を受け、その交付の目的に適合する固定資産の取得等をした場合に、その国庫補助金等について総収入金額不算入又は圧縮限度額まで損金算入することができる税務上の特例(以下「圧縮記帳等」という。)が設けられています。』

出典元:SII:一般社団法人 環境共創イニシアチブ|事業トップ(令和2年度「省エネルギー使用合理化等事業者支援事業」

次に、エネルギー使用合理化等事業者支援事業の補助金が適用となっている、圧縮記帳の仕組みとやり方について解説してきます。

圧縮記帳の仕組み

令和2年度 エネルギー使用合理化等事業者支援事業(省エネ補助金)

エネルギー使用合理化等事業者支援事業の補助金が適用となった圧縮記帳とは、一定の要件を満たす資産の取得が合った場合に、課税することが適当でないものに対して圧縮損を計上することで、課税所得を相殺する事務処理のやり方です。

圧縮記帳は課税を繰り延べるための会計処理のやり方で、節税ではなく税負担を平準化させることが目的となっています。

つまり、圧縮損を計上したことで、減価償却費が減少となるために課税所得が抑えられたように感じますが、トータルとしての課税所得は同一となります。

圧縮記帳のやり方

圧縮記帳のやり方には、直接減額方式と間接減額方式の二通りの方法があります。

ここでは直接減額方式について、具体的な例をあげながら仕訳方法を見ていきます。

(具体例)
エネルギー使用合理化等事業者支援事業の補助金300万円を受け、同時に機械500万円を取得した場合。
なお、減価償却は定率法で償却率0.25、法人税などの実効税率は30%とします。

このような例の場合の「圧縮記帳をしない場合」「圧縮記帳をした場合」の会計処理は下記の通りとなります。

◆圧縮記帳をしない場合
①エネルギー使用合理化等事業者支援事業の補助金を受け取った時
・借方:現預金300万円/貸方:補助金受贈益300万円

②機械購入時
・借方:機械500万円/貸方:現預金500万円

③期末の減価償却計上
・借方:減価償却費125万円/貸方:機械125万円

・減価償却費の計算は、500万円×0.25×12月/12月=125万円

◆圧縮記帳をした場合
①エネルギー使用合理化等事業者支援事業の補助金を受け取った時
・借方:現預金300万円/貸方:補助金受贈益300万円

②機械購入時
・借方:機械500万円/貸方:現預金500万円
ここで受け取った補助金の分だけ圧縮損を計上(圧縮記帳)することになります。

・借方:圧縮損300万円/貸方:機械300万円
圧縮記帳をした結果、機械の取得価格は500万円ではなく200万円となります。

③期末の減価償却計上
・借方:減価償却費50万円/貸方:機械50万円

・減価償却費の計算は、200万円×0.25×12月/12月=50万円

圧縮記帳のメリット

上記のような圧縮記帳を行うことで、課税によって企業の投資意欲を低下させないというメリットがあります。

補助金分だけの収益を小さく見せることで、その分の税金が課税されなくなり補助金の効果が損なわれることなく事業に反映されます。

補助金を受け取っても、その後に負担となる税金が重ければ企業投資や事業拡大の意欲が低下してしまいますが、圧縮記帳を利用することで企業の意欲を増進させていけるのです。

ただし、圧縮記帳は税金の節税でなく繰り延べであることを忘れないようにしておきましょう。

エネルギー使用合理化等事業者支援事業の補助金では、このような圧縮記帳が適用されていますので、経理処理する場合にご活用になってみてください。

まとめ

令和2年度 エネルギー使用合理化等事業者支援事業(省エネ補助金)

エネルギー使用合理化等事業者支援事業の紹介と同時に、申請書後の中間報告、実績報告、成果報告に必要な3つの提出書類について解説しています。

また、エネルギー使用合理化等事業者支援事業の補助金が適用となっている圧縮記帳の仕組みとやり方も同時に説明してきました。

エネルギー使用合理化等事業者支援事業は申請して終わりというわけではなく、申請後にも中間報告、実績報告、成果報告が必要となります。

また、設備投資となる補助金には課税が負担となってしまいますが、圧縮記帳が適用となっていますので、課税の負担を繰り延べすることも可能です。

環境のための資金調達として、エネルギー使用合理化等事業者支援事業の補助金をを有意義に活用していきましょう。

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