皆さんは家の増築・改修などのリフォーム工事費用に様々な補助金や減税の制度がある事をご存知でしょうか?
リフォームを行った事のある方100人に対してあるアンケートが行われました。
そのアンケート「契約前~完成までの一連の作業で、「これをしておけば良かった・・・」と最も後悔したことはありますか?」との質問に対しては、約6%の方が「節税や助成などを勉強しなかったこと」と後悔しています。
今後リフォームを考えているのであれば、6%の後悔する側にならないようにしっかりと補助金を学んでいきましょう。
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家のリフォーム費用に活用できる補助金制度がある
バリアフリー性能や省エネ性能、耐震向上といった目的のための家のリフォーム費用については補助金を受ける事ができます。
また、それ以外の一般的な家のリフォーム工事の費用についても、補助金制度を設けている自治体があるので、是非活用していきましょう。
4つの支援制度
「バリアフリー」や「省エネ」、「耐震性能の向上」などと一言で言っても、様々なリフォームに対する補助金制度が設けられています。
しかし、「補助金」と聞くと手続きが難しく、審査が通りづらいのではと思う方も少なくはないでしょう。
確かに、補助金制度は国や都道府県、市町村単位で定められていて、年度ごとに募集要件が見直されるため分かりにくい面もあります。
そんな、分かりづらいイメージの補助金ですが、最近では自治体ごとの「補助金」や「助成金」を分かりやすく検索できるポータルサイトもあります。
活用できる可能性のある補助金制度を利用しないのは非常に損をする事にも繋がるので、有効活用するためにも、まずは大まかな枠組みから理解することが大切です。
家のリフォーム費用に使える制度は大きく分けて4つあります。
・介護保険制度
・助成金制度
・省エネにつかえる補助金制度
・一般的なリフォームの補助制度
それでは、上記4つの制度を細かくご説明します。
国から補助を受ける介護保険制度
国から補助を受けられる制度として「介護保険制度」があります。
介護保険制度とは、介護が必要な人を社会全体で支えるための仕組みです。
介護が必要な人、またはそれを支える人の住まいにバリアフリーが必要となった際、工事費用が介護保険によって支援されます。
この「高齢者住宅改修費用助成制度」の対象になるのは、「要支援」または「要介護1~5」の認定を受けている方です。
工事費用最高20万円を限度に、費用の9割まで(支給額18万円)を支給してもらえます。
適用条件は、「要支援・要介護と認定されていること」「リフォームを実施する住宅が、被保険者証の住所と一致していること」「本人が実際に居住していること」が挙げられます。
自治体から受け取れる助成金制度
自治体から受け取れる事のできる助成金制度もあります。
国の介護保険制度とは異なり、要介護認定を受けていない方でも対象となる可能性があるのが、各自治体の助成金制度です。
介護保険では対象外とされてしまう工事にも適用されることがあります。
「バリアフリー化支援金」や「高齢者住宅整備金」など、それぞれの自治体ごとに異なる名称で制度が運用されています。
詳細はお住まいの自治体へお問い合わせください。
太陽光発電、省エネリフォームに対する補助金制
「太陽光発電」や「省エネリフォーム」に対する補助金制度もあります。
国とは別に多くの自治体でも、太陽光発電システムの設置に対する補助を行っていますが、その他の省エネリフォーム工事についても、さまざまな補助が実施されています。
対象となる工事は、断熱改修に関連する工事や省エネ性の高い給湯機器の設置、LED照明の設置などの工事です。
各自治体で条件は異なりますが、工事費の一定割合が、5万円~20万円程度を上限に支給されるというものです。
また、耐震診断や耐震補強工事についても、ほとんどの自治体で補助があります。
これらの補助は年度ごとに予算規模が異なるので、最新の情報を担当窓口やインターネットで収集してください。
また、予算枠に達すると期間中でも補助がなくなるので「早い者勝ち」の面もあります。
早めの情報収集をおすすめします。
一般のリフォーム工事でも補助金制度が受けられる
一般的な家のリフォーム工事費用についても、自治体によっては補助金制度を設けているところがあります。
基本的には「地元の業者に依頼する場合」という条件が付くものがほとんどで、地元経済の活性化を促すことが目的の一つとなっています。
金額は5万円から10万円程度の補助というのが一般的な補助内容です。
額はそれほど大きくありませんが、他の補助と合わせて使えることが多いので、まとまれば大きな力になってくれるでしょう。
申請時期のタイミングには注意が必要
家のリフォーム工事費用の為の補助金は、税金で運営されている事もあり、予算や期間が設けられています。
補助金制度の利用を考えているのであれば、適切なタイミングで申請しなければなりません。
そこで、申請時に注意しなければならない点を2つご紹介します。
募集が早く締め切られてしまう場合も
基本的に補助金制度は予算が定められています。
その予算の上限に達すると、受付期間中であっても募集が締め切られてしまう場合があります。
「受付期間中だからまだ大丈夫」と油断せず、なるべく早めに申請手続きを行いましょう。
中には、新年度に募集を開始したにも関わらず、夏や秋ごろには受付を終了してしまう補助金もあります。
しかし、焦って公募期間前に応募してしまった場合も、助成金の対象外とされてしまうので焦らず計画的に申請を行う様にしましょう。
リフォーム工事着工前に申請が必要
リフォーム費用のための補助金制度を活用したいのであれば、基本的に着工前に申請を行わなければなりません。
リフォーム中に補助金の存在をしり、工事中や工事完了後に補助金の申請を出しても受理される事はないので注意してください。
また、「〇月〇日までに工事を完了させること」などの条件付きである場合が多いため、工事日の調整も重要です。
リフォーム減税も忘れずに活用しよう
「バリアフリー」や「省エネ」、「耐震などのリフォーム」については、補助金だけでなく、所得税の控除や固定資産税の軽減など、税の優遇を通した支援も行われています。
確定申告や必要書類の提出による申告が条件となるので、忘れずに活用しましょう。
自己資金(一括払い)による上記のリフォーム工事では、それぞれ最大で20万円から25万円程度が所得税から控除されたり、ローンを組んで支払いに充てた場合でも、5年間で合計最大60万円程度が控除されることもあります。
また、固定資産税の軽減も行われ、1年間に限り2分の1から3分の1程度に減額されることもあります。
なお、年によって内容が変わる可能性もありますので、必ず最新の情報を確認するようにしましょう。
確定申告で税金が控除される
リフォームをした場合、工事内容や住宅要件を満たしていれば、確定申告することで所得税の控除を受けることができます。
所得税の控除には、10年以上のローンを利用した場合に適用される「住宅ローン減税」、5年以上の住宅ローンを利用した場合に適用される「ローン型減税」、住宅ローンを利用した場合、していない場合のどちらでも適用される「投資型減税」の3つの制度があります。
リフォームの種類や内容により、利用できる制度が違うので、確認しておきましょう。
リフォーム資金の贈与が非課税になるケースも
リフォームのために、父母や祖父母から資金の贈与を受けた場合、贈与税がかからない優遇措置(非課税措置)があります。
断熱性や耐震性の高い住宅など、一定の基準を満たした住宅の場合には、一般住宅よりさらに非課税枠が拡大されます。
こちらも、所得税の減税と同様、確定申告が必要なので、忘れずに行うようにしてください。
補助金を活用できるリフォーム例と施工内容
ここまでで、家のリフォーム費用に活用できる補助金制度について少しご理解頂けたかと思います。
しかし、実際にどの様なリフォームの内容が補助金の対象になるの?と思うかもしれませんね。
そこで、下記で補助金の対象となったリフォーム例をご紹介します。
介護・バリアフリーリフォーム
介護やバリアフリーの為のリフォーム費用については補助金の対象です。
介護・バリアフリーリフォームの内容としては、手すりの取り付けや、床の段差解消、開き戸を引き戸へ変更する、といった工事の例が多くあります。
また、床を滑りにくい素材へ変更する、和式便器を洋式トイレへ取り替える、といった工事も補助金の対象になります。
エコ・省エネ・断熱リフォーム
断熱改修など、エコ・省エネのためのリフォームに対する補助金・助成金制度もたくさんあります。
具体的には、窓や壁などの断熱リフォームや、高効率給湯器(エコキュート・エネファームなど)の設置、節水性の高いトイレへの交換、太陽光発電システムや蓄電池の導入などが対象となります。
耐震診断・耐震改修
耐震診断や耐震補強工事も、リフォーム補助金の対象となります。
また、地震の際に倒壊する危険性があるブロック塀の撤去・解体工事についても、費用の一部を負担してくれる自治体が増えています。
その他のリフォームについて
市区町村によっては、上記以外のリフォームの支援策も設けていることがあります。
地域経済の活性化が目的で、自治体内の資源を利用する・地元の施工会社に工事を依頼するなどの条件を設定している場合が多いです。
工事内容としては主に、アスベスト除去・雪対策・景観整備といった、防災・環境対策のリフォームを対象としている傾向があります。
一方で、千葉県白井市、埼玉県川口市、秋田県秋田市などでは、増改築・間取り変更・床暖房設置・外壁改修のような工事も補助対象としています。
気になる方は、地元の補助金制度の知識があるリフォーム会社に相談してみるとよいでしょう。
まとめ
以上、家のリフォーム費用に活用できる補助金、助成金制度について紹介しました。
家のリフォームの補助といっても様々な方法があります。
バリアフリーの為のリフォームでは、申請が通る事が多いので、介護が必要な方と住んでいてリフォームを考えているのであれば、補助制度は必ず使うべきでしょう。
自治体や事業内容によって、助成金額や対応状況は様々ですが、余裕を持って準備できれば、補助金制度を活用してお得にリフォームできるはずです。
まずは慌てず、地元の補助金や減税制度をきちんと理解しているリフォーム会社と、じっくり話し合ってみることをおすすめします。