ピロリ菌 補助金

ピロリ菌除菌治療の一部を補助する制度や2つの対象治療、感染症状を解説

補助金

胃がんは日本人が多く発症するがんです。
では、胃がんの1番の原因はご存知でしょうか?
実は、胃がんの多くがピロリ菌の感染が原因で、ピロリ菌を除菌することによって胃がんを発症を大幅に減らすことができます。
そこでそれぞれの地域では、ピロリ菌除菌治療費の一部を補助する制度を行っています。
まだ検査を受けていない人は、これを機にピロリ菌検査を受けてみることをおすすめします。

ピロリ菌除菌治療費を補助

ピロリ菌 補助金

世界保健機関によると、胃がんの8割はピロリ菌の感染が原因で、そのピロリ菌を除菌することによって胃がん発症のリスクを3~4割減少できます。
胃がんの発症を抑えるためと、ピロリ菌除菌を進めるために、ピロリ菌除菌治療費を一部補助してくれる制度が始まりました。
一部とはいくらぐらい補助金が貰えるのか?
また、補助金を貰うには受ける治療対象もあるため、そちらも解説していきます。

いくら貰えるの?

ピロリ菌 補助金

各地域によって多少異なりますが、1,000~5,000円を上限に補助金が貰えます。
保険適用ピロリ菌除菌治療の薬剤費、除菌後の判定検査費などピロリ菌除菌に関係する治療費を補助してくれます。
また、保険適用ピロリ菌除菌治療を2回行った場合は、1回目と2回目それぞれに補助します。
決まっている金額を超えた分が自己負担となりますが、各地域や医療機関によっては検査費用は自己負担になるなど補助金対象外になる費用もあるため、事前に医療機関に問い合わせてみてください。

対象となる治療

ピロリ菌除菌治療費を補助してくれますが、対象になる治療と対象外の治療があるため、よく見ていきましょう。
まず、補助金の対象になる治療は以下の2つです。

・ピロリ菌感染が判明した人が行う医療保険適用の除菌治療
・除菌後の判定検査をするまでの一連の治療

次に、対象外になってしまう治療は以下の4つです。

・除菌薬のみ
・除菌後の判定検査のみ
・健康診断を受けずにピロリ菌検査を受ける
・除菌薬を処方される前の感染診断費用

補助対象者

補助金・助成金を申請する際の対象で、各地域に住んでいる人と書かれていることが多いです。
ピロリ菌除菌治療の補助金でもそうですが、他にどんな人が対象なのかも見ていきましょう。
以下の条件を満たす人は補助金の対象です。

・ピロリ菌除菌薬を処方された日または申請時に、役所の地域に住んでいる
・平成28年4月1日以降に保険適用ピロリ菌除菌治療を始めた
・健康診断・人間ドック・市町村検診などでピロリ菌感染が判明した

以上を対象者にしているところが殆どですが、中には以下のように年齢制限があるところもあるため、それぞれのホームページや医療機関で確認してみてください。

・平成31年4月1日時点で30~50歳の人
・昭和63年4月2日から平成元年4月1日までに生まれた人
・昭和53年4月2日から昭和54年4月1日までに生まれた人
・昭和43年4月2日から昭和44年4月1日までに生まれた人
・検査時に20~70歳未満の人

申請期間はいつ?

補助金の申請期間は令和2年3月31日が多く、中には令和3年3月31日のところもあります。
郵送で提出する場合は、令和2年もしくは令和3年3月31日消印有効となります。
または1~3月に判定検査を受けた場合の申請期限は、翌年度6月末というところもあり、各都道府県によってバラバラです。
そのため申請する前に各都道府県のホームページの確認が重要です。

ピロリ菌除菌治療って何するの?

ピロリ菌 補助金

ピロリ菌除菌治療は、実際にどんな治療を行うのか不安になる人もいるかもしれません。
検査内容は、血液検査または尿検査です。
また、保険適用で治療を受けるためには、胃内視鏡検査を行う必要になる場合もあります。
カメラを胃の中にまで入れて検査する方法ですが、初めての人は不安という人が多いでしょう。
ですが、近年では麻酔を使用する医療機関が増えてきており、受診者の苦痛を減らす取り組みが進んでいます。
カメラが胃に入っている間、自分は眠っているため、苦痛を感じることなく済んで安心ですよ。

実施している地域

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現時点では日本全国でピロリ菌除菌治療費の補助金を実施してはいないようです。
年ごとに実施している都道府県は増えてきており、今のところ以下が補助を受け付けています。

・秋田県能代市
・山梨県
・京都府
・熊本県宇城市
・滋賀県多賀町
・滋賀県甲賀市
・岐阜県輪之内町
・福岡県大木町

自分の住んでいる都道府県はありましたでしょうか?
最終的には全国で実施してほしいものですね。
上記の都道府県以外でも実施しているかもしれないため、各ホームページなどを是非確認してみてください。
山梨県内では毎年約700人がかかり、約300人が命を落としています。
また、患者数は大腸がんに次いで2位になってしまうほどに深刻な状況です。

申請方法

補助金を申請する方法は、必要書類を添えて郵便で送るか、持参して直接申し込みに行きます。
郵送先または持って行く場所は各都道府県の役所・保険課・健康対策課などです。
あるいは各ホームページに記載しているお問い合わせ先に電話で申し込むところもあるようです。
持って行く際は押印が必要なので、印鑑も忘れずに持って行きましょう。

必要書類

ピロリ菌除菌の補助金でも必要書類があるため、うっかり紛失したり、忘れたりしないように気をつけてください。
申請に必要な書類は以下になります。

・領収書の写し
・診療明細書の写し
・住所が確認できる書類
・振込先金融機関の口座通帳の写し

住所が確認できる書類というのは運転免許証・健康保険証・住民票などです。
ただし、マイナンバーが記載されていないものを提出するのが条件です。
口座通帳は口座番号、口座名義が確認できるようにしてください。
領収書と診療明細書の違いは次の項目で解説します。

領収書と診療明細書の違いとは?

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領収書と診療明細書は、どちらも細かな点数が書かれているため同じに見えます。
どちらか片方でも良いのでは?と思いますが、両方とも補助金を受け取る際にとても大事な書類です。
うっかり捨ててしまったりしないように、補助金を受け取るまでは大事に保管しておきましょう。
では、領収書と診療明細書の違いはいったい何なのか、両方が絶対に必要な詳しい理由を解説します。

領収書

領収書とは、「初・再診料○○点」「入院料など○○点」「医学管理など○○点」「検査○○点」「画像診断○○点」「投薬○○点」など、金額の内訳が細かく書かれている書類です。

診療明細書

診療明細書とは、医療機関が投与した薬の種類、検査内容など診療内容が点数とともに詳しく書かれている書類です。

領収書と診療明細書が必要な理由

ピロリ菌除菌や除菌できたか判定検査する方法には様々な種類があります。
領収書には患者が処方された薬と検査の点数が書いてますが、その内訳は書かれていません。
そのため、ピロリ菌の除菌薬費や検査費の内訳が不明になり補助金を計算することができなくなってしまいます。
調剤明細書には調剤された薬の名前、処方数、点数が書かれており、診療明細書には行った検査の名前、検査を受けた回数、点数が書いてあるため、この情報をもとに補助金の計算ができます。
診療明細書だけだと、患者の保険証の負担割合や自己負担額が分からないため、領収書と診療明細書の2つは必ず必要です。

代わりにお薬手帳でも可?

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薬局など薬を処方された機関の明細書代わりとしてお薬手帳でも構わないところもあります。
その際は領収書も必ず提出しましょう。

ピロリ菌はどんな症状?

ピロリ菌除菌治療の一部を補助してくれることが分かりましたが、そもそもピロリ菌に感染するとどんな症状が現れるのか知っていますか?
以下の症状があるならばピロリ菌感染で慢性胃炎・胃潰瘍・十二指腸潰瘍の可能性があります。

・右上腹部が痛い
・空腹時や夜中に胃が痛くなる
・食後の胃もたれ
・腹部膨満感

以上の症状はピロリ菌が大きな原因となっています。
胃には強い殺菌能力を持つ胃液があります。
ですが、ピロリ菌はアンモニアを作り出すことによって胃液から守り胃粘液に住み着くのです。
ピロリ菌によって炎症してしまっている胃に高血糖・高塩分・喫煙・ストレスなど、さらに負担をかけ続けていると、慢性胃炎・胃潰瘍・十二指腸潰瘍を発症する可能性が高くなります。
胃潰瘍は7割、十二指腸潰瘍は9割以上がピロリ菌感染です。

どこから感染するの?

ピロリ菌感染の経路は明確にまだ分かっていませんが、衛生環境が良くないところに暮らしていると胃がんが起こりやすいと言われています。
とくに乳幼児がいる家庭内は感染の危険が高く、子供も親も注意する必要があります。
その理由は次の項目に続きます。

5~6歳以下の幼児が感染しやすい

ピロリ菌に感染するのは5~6歳以下の幼児が多いです。
衛生環境が整っていない地域の中、幼児に生水を摂取してしまうことが大半です。
幼児の胃酸酸度・分泌量・免疫力はまだ低いため、ピロリ菌にとっては長生きしやすい環境なのです。
ピロリ菌がそのままずっと住み続けると、やがて慢性胃炎を起こす可能性もあります。
さらに感染状態が続けば続くほど、感染の範囲が広くなっていきます。
また、親から小さい子供へ食べ物を口移しする際にも感染することが多いです。

感染しても自覚症状がない

これまでピロリ菌感染の恐ろしい胃がんを解説してきましたが、ピロリ菌が胃に住み着いても必ず症状が現れるわけではありません。
ピロリ菌感染によって病気を発症する人は感染者の約3割程度です。
確かに胃がんの原因の8割はピロリ菌ですが、感染者全員が絶対に胃がんになることはありません。
ですが、全世界で2人に1人がピロリ菌感染者と言われており、上記通り山梨県では胃がんを発症する人が多いのは事実です。
これを読んでいるあなたももしかしたらピロリ菌感染している可能性もありますし、胃の不調を感じられなくてもしっかりと理解しておく方が良いでしょう。

注意すること

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ピロリ菌が含まれていない飲み水や食べ物を摂取するのが大事ですが、井戸水や生水を使わなければいけない環境にいる人達も多くいます。
菌を完全に避けることは不可能なため、水や食べ物に過敏になる必要はありません。
病気にならないための対策は手洗いとうがいです。
料理する前や食べ物を触る前、外から帰ってきたら手洗いとうがいは毎回きちんと行いましょう。
もし胃に不調が出た場合、安静に寝ていれば1週間以内には治るだろうと放置してしまう人が多いです。
胃の不調がピロリ菌だった場合、薬物を投与し除菌することで完治が見込めます。
胃の痛みが暫く続くならば我慢せずに医師に相談しましょう。

まとめ

以上、ピロリ菌除菌治療費の補助金と感染する原因について詳しく解説してきました。
治療費を補助してくれる情報だけでなく、ピロリ菌はどこから感染するのか、感染する症状なども理解しておくことも大切です。
感染しても自覚症状がない人が多いため、健康診断の機会を作り、感染していることが判明したら補助金制度を活用して除菌治療をしましょう。
補助金制度によって胃がんの患者や死亡者が減ることを願っています。

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