自宅にペットがいる暮らしにあこがれる人も多いでしょう。
ペットとともに暮らしている方にとっては、ペットは家族の一員であり、また、心を癒してくれる大切な友人であり、いつも寄り添ってくれるパートナーです。
近年の医療技術の発達やペットについての理解が深まることにより、ペットの健康についても人間と同様に考えられることが多くなってきました。
愛犬や愛猫を飼育していくうえで不安になることの中には、ペットの病気についてやその予防についての不安などがあげられます。
本記事の前半では、ペットの中でも特に愛犬・愛猫の健康保持のために行われている、避妊や、去勢手術について詳しく解説します。
後半は、避妊や去勢手術をするときに、利用することができる補助金・助成金制度についてご紹介します。
去勢・避妊手術についての助成制度は都道府県や地方公共団体、また、公益財団法人などに用意されている、去勢・避妊手術の費用負担を軽減する制度について解説していきます。
愛するべき家族であるワンちゃんやネコちゃんの去勢や、避妊手術を検討されている人は勿論、これからペットを飼おうと考えている人も、本記事でペットの去勢や避妊をすることにどのようなメリットやデメリットがあるのか、ぜひ参考にされてみてください。
INDEX
なぜ、去勢・避妊手術が必要なのか。~3つのメリット~
ワンちゃんやネコちゃんにどうして去勢や避妊が必要なのでしょうか。
手術をさせると聞くとかわいそうじゃないのか、と疑問に思われる人もいるでしょう。
しかし、手術を行うことが推奨されているのには理由があるのです。
ここでは、なぜ手術が必要なのでしょうか?
3つのメリットがあります。
・病気の予防
・発情に伴うストレス行動の軽減
・無理な繁殖の予防
病気の予防
1つ目のポイントは病気の予防です。
去勢や避妊手術をすることによって病気を未然に予防するというメリットがあります。
手術をすることにより、いくつかの死に至るような病気を予防することができるという効果も期待できます。
また、病気になった際の治療費を減らせるというメリットもあるでしょう。
発情に伴うストレス行動の軽減
2つ目のポイントは発情に伴うストレス行動の軽減です。
発情しなくなるので、発情に伴っておこる、大きな鳴き声や、マーキングなどの行動を防ぐことができます。
また、発情によるストレスを軽減させることもメリットと言えるでしょう。
無理な繁殖の予防
3つ目のポイントは無理な繁殖の予防です。
ワンちゃんやネコちゃんに遺伝性の不治の病が存在することが確認されています。
背景には無理な繁殖が影響していることが考えられています。
去勢や避妊手術をすることで、無理な繁殖を避け、遺伝子病を防ぐことに繋がります。
去勢・避妊手術のデメリット
去勢・避妊手術のデメリットにはどういうものがあるのでしょうか。
去勢・避妊手術のデメリットは下記の3つが考えられます。
・子どもが産めない
・ホルモンバランスの崩れ
・アレルギーのリスク
1つ目のデメリットは、子どもを産めなくなることです。
去勢・避妊手術をすると、男の子の場合は精巣を切除することになります。女の子の場合は卵巣や、子宮を切除することになります。
ホルモンバランスの崩れ
2つ目のデメリットは、ホルモンバランスが崩れてしまうことです。
ホルモンバランスが崩れると、基礎代謝が落ちて、太りやすくなったりする恐れがあります。その他にも、骨が華奢になるリスクもあります。
アレルギーのリスク
3つ目のデメリットは麻酔に対してのアレルギーのリスクです。
どの動物病院でも事前検査を行い、臓器の値をチェックしますが、麻酔に対するアレルギーリスクは把握できません。
麻酔についてのリスクは、どの様な手術にも伴うため、100%の安全が担保されていません。
去勢や避妊は何歳までできるのか
去勢や避妊手術は何歳までにできるのでしょうか。
明確な基準が設けられているわけではありません。
病気の予防を考えて避妊や去勢手術をするには一般的に1歳より手前で手術をすることが多
いようです。
去勢・避妊手術はどこでするのか
去勢・避妊手術は、一般的に、動物病院で受けることになります。
事前相談の後、ワンちゃんやネコちゃんの体調が良いときに受けさせてあげましょう。
手術を受ける際の手順
去勢・避妊手術の手順をご紹介します。
1.事前検査 手術を受けるワンちゃん・ネコちゃんの体調を獣医師が確認する。
2.麻酔
3.去勢・避妊手術
4.術後の体調の回復などで安全が確認されたら、男の子は当日帰宅。
女の子は、開腹手術を行うので、1~2泊して、合併症が起きないように確認してからの帰 宅になります。
手術の費用はどのくらいかかるのか
手術費用は、ワンちゃんネコちゃんの犬種や猫種、サイズ、動物病院の設備、検査の種類などで異なっています。
大型犬のほうが手術料が小型犬よりも高額になる傾向があり、手術がより複雑な女の子の方が男の子よりも手術料が高額になる傾向があります。
手術の費用は、男の子の去勢手術は15,000円~30,000円程度。
女の子の避妊手術は1泊入院で30,000円~50,000円程度です。
手術費用に含まれる項目はどの様なものがあるか
手術費用に含まれる手術項目については様々なものが含まれます。
全身麻酔料、手術技術料などから診察料や、血液検査料それから手術に使用する用具、入院料、人件費などがかかります。
事前に、見積もりをもらうなど、費用面でトラブルにならないように、動物病院のホームページや問い合わせをしてよく確認しておきましょう。
ペットの去勢や避妊手術に利用できる補助金について
去勢や避妊手術の費用は決して安いものではありません。
そのため自治体では補助金・助成金を用意して、去勢・避妊手術の普及を推進しています。
去勢・避妊手術の費用は、都道府県や市町村により申請手数料が、無料であったり、有料であったり、その費用はまちまちです。
また、申請手数料が有料である場合、飼い主がいる場合またはいない場合、ワンちゃんかネコちゃんの違いなどで申請手数料が変わります。
去勢・避妊手術の補助金・助成金の額も自治体ごとに異なっており、去勢のみ助成がある場合や逆に避妊のみの助成がある場合など助成制度は様々です。
助成金の額は去勢手術であれば、概ね3,000円~17,000円程度です。
避妊手術の場合は概ね3,000~25,000円程度の助成が受けられます。
去勢・避妊手術に利用できる補助金・助成金の申請方法
ここでは去勢・避妊手術の助成金の申請方法について解説します。
助成金の申請受付時期ですが特に決まっていない自治体が多いです。
注意するポイントとしては、申請が予算の範囲を超えた場合は抽選になることもあるという点です。
次に申請方法ですが、助成金の交付申請書(自治体により呼称が異なります。)を自治体の事務局窓口で入手できるほか、ホームページから入手します。
書類に必要事項を記入の上、捺印後に窓口に郵送または持参にて提出することになります。
申請回数に制限がある場合もあるので、助成を申請する際は、自治体窓の事務局に事前に相談することをお勧めします。
去勢・避妊手術費用の助成の例
様々な自治体で、去勢や避妊手術費用を負担してくれる補助金制度がありますが、こちらでは東京都板橋区の助成金制度を例に挙げて紹介します。
【東京都板橋区】
猫の去勢・不妊手術費助成金申請書
区内、区外の動物病院のどちらで手術を実施した場合にも去勢・不妊手術の助成申請ができます。
飼い猫等の去勢・不妊手術費助成金について
区内在住者が、動物病院で行った飼い猫等(区民に飼育され、又は管理されている猫)の去勢・不妊手術について、予算の範囲内でその費用の一部助成をしています。(板橋区飼い猫等の去勢・不妊手術費助成事業実施要綱)
窓口
板橋区保健所生活衛生課(板橋区大山東町32番15号)
各健康福祉センター(上板橋・赤塚・志村・高島平)
各区民事務所
受付
午前8時30分から午後5時まで (土曜・日曜・休日・祝日、年末年始を除く)
提出書類
飼い猫等の去勢・不妊手術費助成金申請書
飼い猫等の(去勢・不妊)手術完了届及び手術費助成金請求書兼支払金口座振替依書
去勢・不妊手術を実施した動物病院の領収書の原本
助成金額
去勢手術は猫一匹につき2000円、不妊手術は猫一匹につき4000円(1年度につき1世帯あたり30匹を限度とし、手術費用が上限です。)
朱肉を使用する印鑑での押印が必要です。また、振込口座の確認できるもの(通帳・キャッシュカード等)をお持ち下さい。
備考
手術完了後の申請になります。(手術日から起算して6ヶ月以内)
また、東京都の場合は23区がそれぞれ去勢・避妊手術助成制度を設けています。
まとめ
以上、本記事ではペットの去勢や避妊についてのメリットとデメリットを3つや避妊手術に活用できる補助金制度について解説しました。
近年のペットブームにより、ペット人口は増加の一途をたどっています。
それに伴いペットの健康に対する関心も高まっています。
人によっては、「避妊や去勢はワンちゃんやネコちゃんにとってかわいそうではないか。」と思われる方もいらっしゃるでしょう。
しかし、残念なことに、遺伝子がかかわる病気や、望まない妊娠などが実際にペットの世界では起こっているのです。
去勢・避妊手術をすることはペットの病気を予防するだけでなく、発情期におこる問題行動を抑制したり、望まない妊娠を防ぐことに繋がります。
これからペットを飼育しようと考えられている人はなぜ手術が必要か本記事を参考にされてみてください。
またペットの去勢や避妊手術に補助金・助成金の利用をすることで、費用負担を少なくすることができます。
ワンちゃんやネコちゃんを飼育している人で去勢・避妊手術を考えている人は助成制度の利用を検討されてみてはいかがでしょうか。