
パン屋さんは子供の将来の夢だったり、大人でも憧れの職業ですよね。
実際にパン屋さんを開くには、厨房を作ったり機材や材料を買ったり店舗を作ったりいろいろと準備が必要です。
開業する前にやる準備がたくさんあり、それぞれの費用も高額になってしまいます。
そんな時、補助金がを利用すればパン屋さんの開業を一気にやりやすくなるのでおすすめです。
パン屋さんや飲食店に向いている補助金制度の紹介と、パン屋さんの資金は具体的にどれぐらいかかるのかなどを解説していきます。
パン屋の開業に使えるおすすめの補助金3選を紹介します。
- 創業補助金
- 小規模事業者持続化補助金
- 分煙環境整備補助金制度
本記事では各補助金の特徴・対象・注意点を解説していきます。
まずは、パン屋を開業する資金がいくらぐらいかかるのかを見ていきましょう。
パン屋を開業する資金はいくら?
これからパン屋を始めようと考えている人は、まず資金がいくらぐらいかかるのかを確認しておきましょう。
開業するには不動産所得資金・パンを作るための設備費用・原材料費・人件費など、多数の経費を用意しなければなりません。
いざオープンした時は、お客様が多く来店してくれるためにチラシ・ホームページ・広告など宣伝を作る費用も必要です。
それぞれの予算を1つずつ解説するため、是非参考にしてください。
不動産所得資金
もし、東京都で20坪の不動産を借りる場合、月に10~20万円程度です。
例えば、6ヶ月分と前家賃に加えて仲介手数料3ヶ月分を用意するとします。
その際に家賃20万円の不動産を契約する場合で計算すると、以下の金額を用意しておけば足りるでしょう。
20万円×6ヶ月+前家賃1ヶ月分+仲介手数料3ヶ月=200万円
パン屋はレストランや居酒屋など他の飲食店と比べると、店舗面積は広くなくても構いません。
だいたい20坪あれば、パン屋を開業できます。
中には、元々パン屋だった物件を修復などせずそのままの状態で明け渡す、現状渡しをするケースも増えています。
そうすることで、設備費用は大幅に減らすことができますが、実はお客様が訪れにくい場所で結局閉店してしまう場合も珍しくありません。
パン屋を成功させるためにも現状渡しで開業することはあまりおすすめできません。
パン製造の設備費用
パン屋を作るには欠かせない厨房設備。
パン屋を開くために必要な厨房設備の種類と費用は以下になります。
- オーブン、1台12万円
- ホイロ、1台5万円
- ニーダー、1台7万円
- 冷凍・冷蔵庫、1台10万円
- ガスコンロ、1台6万円
- 作業台、1台2万円
- パンラック、1台4万円
上記の厨房設備を全て合わせると、合計46万円です。
パンを作るために、他に必要なものはボウル・まな板・ヘラ・パンの型・布巾などもあります。
盛り付けるためにバスケット・トレー・トング・ビニール袋など。
最低でも46~50万円は見積もっておいた方が良いでしょう。
パンの材料費
どんなパンを作るかによりますが、パンの原材料には小麦粉・ドライイースト・酵母・バター・塩・砂糖は必ず必要です。
使用する小麦粉によっても価格が違います。
パンにこだわるならば、国産・高級ブランドの小麦粉を使いたいところ。
例えば、食パン20斤作るとなると以下の分量が必要です。
- 国産小麦粉5kg、1,700円
- バター450g、920円
- 砂糖600g、600円
- 塩1kg、500円
- ドライイースト60g、430円
- 酵母、700円
食パン20斤作る場合の材料費は合計4,850円です。
食パンばかり作っても寂しくてパン屋としてなかなか売れないため、調理パン・菓子パンなどちょっと変わったパンを作った方がおすすめですね。
味付きのパンを作るとなると、食パンより材料費が少し増えます。
食パンを10斤を2,500円にするとして、菓子パン・調理パンを10種類作るとなると、1日に1~2万円の材料費です。
人件費
誰かを雇う場合、人件費は時給980円にするとして、毎日最低でも3~6,000円程度です。
自分1人で営業するならば不要ですが、大きなパン屋・1人では手が回らない場合は人件費も含めて計算しましょう。
お店の宣伝費
パン屋オープンの宣伝を作るには5万~10万円程度かかると考えて良いでしょう。
宣伝とは例えば、ホームページ・チラシ・広告などがあります。
準備ができていよいよオープンするとなった時に、みんながパン屋に来てもらえるように宣伝すると成功につながります。
パン屋開業で利用できる補助金
少なくても物件費・厨房設備費用・材料費は欠かせませんし、3つ合わせると合計300万円の費用がかかります。
パン屋・飲食店を開業するとなると高額な費用が必要なため、補助金を使わない理由はありませんね。
パン屋・飲食店開業に向いている補助金を4つ紹介します。
創業補助金
創業する際に必要な経費の一部補助してくれて、最大200万円まで補助金が貰えます。
飲食店を開業する際に用意する経費は最低でも300万円は必要なため、補助金の上限額200万円を支給してくれる可能性が高いです。
ただ、利益によっては補助金の返済を義務付けられる場合もあるため、制度内容をよく確認しておくのが良いでしょう。
審査が通るためのポイントとなるのは、事業の独創性・事業の実現可能性・事業の収益性・事業の継続性・資金調達の見込み・認定支援機関による支援の確実性など。
申請書類を作成する時は、これらのポイントが重視されます。
実現不可能なものや根拠のないことを書くのは良くありません。
計画性と手続きを正確にこなすことが、補助金が支給されるカギです。
対象
創業補助金は、店舗借入金・設備費・人件費・広報費などの経費が対象にして補助金が支給されます。
また、創業を目指す個人事業主・中小企業者・小規模事業者が対象者です。
小規模事業者持続化補助金
オープンした後に使える補助金で、「オープンしたので是非来てください」という宣伝を作る費用を一部補助してくれます。
最大50万円までの補助金が貰えます。
ホームページやチラシ作成で50万円も使うの?と思いますが、ホームページだと安くても5万~10万円、チラシ作成だと数十万円もかかります。
とくにチラシ作成はデザインの依頼費・印刷費・作成する量などの費用がかかります。
また、両面印刷するか片面にするか、細かなデザインなどによって制作費用が大幅に変わります。
みんなに見てもらうには、やはり目に止まるようなこだわったデザインのものを制作するのが良いでしょう。
申請するには経営計画書を作成する必要があり、商工会議所からの指導を受けながら作成できるため、経営をしながら書類作成ができます。
対象
小規模事業者持続化補助金は、宣伝費の他に開発費・機械装置費なども対象になるため、製造業にもおすすめできる補助金です。
従業員が少人数いる事業者が対象です。
従業員数が20人以下が対象ですが、業種によって従業員数の制限が異なるためよく確認しておきましょう。
業種と従業員数は以下です。
- 製造業・建築業・運搬業などは20人以下
- 御売業・サービス業・小売業は5人以下
分煙環境整備補助金制度
店舗の分煙化に必要な喫煙所の設置費用・器具費などを補助金でサポートしてくれて、最大300万円まで補助してくれます。
喫煙・禁煙スペース、分煙を作ることで喫煙者も非喫煙者も快適に過ごすことができます。
東京都の補助金ですが、東京都じゃない人には、受動喫煙防止対策助成金を使うのがおすすめです。
分煙環境整備補助金制度と同じく、喫煙室を設置・設備・工事・機械装置などの経費を、最大200万円まで支給してもらえます。
対象
分煙環境整備補助金制度は、東京都内の飲食店・宿泊施設が対象です。
ただし、飲食店・宿泊施設であれば何でも良いというわけではありません。
細かな条件は以下になります。
- 飲食店の場合、資本金5,000万円以下または常用従業員数50人以下の事業者
- 多言語対応に取り組んでいる、取り組もうとしている事業
- 分煙環境整備後、東京都が行うアンケート調査や事業PRなどに協力すること
- 宿泊施設の場合、不特定多数の宿泊客が利用できる施設限定
多言語対応するには、英語などが話せる従業員を雇ったり、メニューを多言語を用意するなどを行うのが良いです。
英語はもちろんですが、他にも中国語・タイ語なども対応すると好印象を持ってくれるでしょう。
対象経費は、喫煙所設備に関係する費用が対象です。
例えば、設備費・機械装置費・工事費などがあります。
補助金・助成金を使わない理由
パン屋を開業する際にかかる多額の経費の他にも、離職率増加や人手不足などで悩んでいる事業者も多くいます。
業種別の離職率を調べてみると、小売業のパン屋さんの離職率は38.5%。
順位にすると18位中5位ということになり、パン屋さんの離職率は高めなのが分かります。
飲食サービス業・宿泊業の離職率は53.2%で、18種類の中で一番高い結果でした。
定着させたいため、雇った従業員に教育・研修を受けてもらう方法が良いですが、高額な資金が必要ですし時間的にも余裕がないということで実施は難しいところ。
そんな時は、補助金・助成金を使えば資金の問題を解決できます。
ですが、補助金・助成金を使っている店舗は意外と少ないのです。
その理由を調べてみると、以下のようになりました。
- 興味がない、もしくは知らなかった
- 申請できる補助金・助成金があるのか分からない
- 忙しくて手続きできないからやめておく
以上の理由で補助金・助成金を使わない人が多いようです。
よくある疑問
補助金・助成金を使わない人によくある疑問は、「申請できる補助金・助成金があるの?」ということ。
それに答えると、殆どの店舗や会社が申請できます。
補助金・助成金の種類は数えきれないほどたくさんあり、それぞれの業種や職場改善・目的に合った制度が揃っています。
- 従業員が1人以上いる
- 従業員のスキルアップをさせたい
この2つのうち1つでも当てはまっていれば、補助金・助成金を申請して支給される可能性が高いため、是非積極的になってみてください。
パン屋を開業するために知っておきたいこと
パン屋を開業するための経費を解説してきまして、自分でも開業できそうな気がしてきますよね。
ただ、パン屋を開業するためにはまず資格と許可が必要です。
資格所得と許可をクリアしないと夢のパン屋を実現することができないため、経費の用意と一緒にこちらも確認していきましょう。
パン屋を始める資格
パン屋を始めるには資格と許認可が必ず必要です。
食品を扱う業種は衛生面や国家資格が必要なため、まだ取得していない人はまず資格を取ることから始めていきましょう。
パン屋の資格と許認可は以下になります。
- 食品衛生責任者
- パン製造技能士
- 営業許可申請
- 菓子製造許可
食品衛生責任者とパン製造技能士は、パン屋は必ず持っていなければならない資格です。
食品衛生責任者の資格を所得するには、食品衛生協会が主催する食品責任者養成講習会に参加しましょう。
資格取得の費用は、2つ合わせて32,000円程度です。
資格を取得したら、次はパン屋を開業するために不動産契約をし、内外装工事をする前に保健所で事前相談をして許可を貰う必要があります。
工事が完成する約10日前に「パン屋を出店します」といった営業申請書を提出し、確認検査をして承認がおりれば営業できます。
それと、菓子パンも提供したいのであれば、菓子製造許可をもらう必要もあります。
まとめ
以上、パン屋の開業に使える補助金について解説してきました。
- 創業補助金
- 小規模事業者持続化補助金
- 分煙環境整備補助金制度
パン屋を開業するには、創業補助金が最もおすすめです。
外国人・喫煙者・非喫煙者など誰でも快適に来店してもらいたいなら、分煙環境整備補助金制度。
東京都以外に店舗を持つ人は、受動喫煙防止対策助成金が使えます。
オープンした後は、小規模事業者持続化補助金を使うのが良いです。
パン屋を始めるために必要な知識を身につけ、無事にパン屋を営業して成功できるようにしましょう。