資金調達に役立てたい農の雇用事業の3つの補助金等を徹底解説

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補助金 農の雇用事業

農業に携わる人材を新たに雇用したくても、営農に必要な技術やノウハウを習得させる必要があるため躊躇している方はいませんか?

そのような時には、農林水産省が実施している「農の雇用事業」が役立ちます。

「農の雇用事業」は、就農希望者を新たに雇用して実施する研修を支援してくれる、ご自身に合った3つのタイプから選ぶことができる助成事業です。

新たな雇用を検討している農業法人の方は、ぜひこちらの制度を資金調達の一つとしてご利用ください。

こちらの記事では、「農の雇用事業」の補助金とトライアル雇用助成金について、紹介しています。

3つのタイプから選べる農の雇用事業の補助金

補助金 農の雇用事業

農林水産省が行っている「農の雇用事業」は、就農希望者を新たに雇用し、営農に必要な農業技術や経営ノウハウを習得させる研修に対して支援を行っている事業です。

農林水産省から委託を受け「一般社団法人全国農業会議所(全国新規就農相談センター)によって実施されています。

「農の雇用事業」は、状況によって下記の3つの支援タイプから選ぶことができますので、ご自身に合った事業をお選びください。

◆雇用就農者育成・独立支援タイプ

◆新法人設立支援タイプ

◆次世代経営者育成タイプ

次に、3つのタイプについて、詳しくご紹介していきます。

雇用就農者育成・独立支援タイプ

補助金 農の雇用事業

雇用就農者育成・独立支援タイプは、農業法人などが新規の就農者となる研修生を新たに雇用する際に利用できる補助金です。

農業生産技術や経営ノウハウなどの就農に役立つ技術を身につける研修について、最長2年間の助成を行っています。

ただし、この事業は経営資金や従業員に対しする賃金補助ではありませんので、お気をつけください。

また、研修実施期間が3ヶ月未満の場合には助成金は交付されないこととなっています。

◆最長 2年間

研修内容

雇用就農者育成・独立支援タイプの補助対象となる研修内容は下記の通りとなります。

◆農業生産に関すること、農産加工、出荷、販売、経営ノウハウなど

農業法人等の要件

雇用就農者育成・独立支援タイプの農業法人等の要件は下記の通りとなります。

◆農業者、農業法人又は農業サービス事業体であること

◆農業経験が原則5年以上ある役員又は従業員を「研修指導者」として置くこと

◆研修生と期間の定めの無い雇用契約(独立希望者は有期契約)を結び、労災保険、雇用保
険(加えて法人は社会保険(健康保険・厚生年金保険))に加入させること

◆1週間の所定労働時間が、原則、年間平均 35 時間以上であること

研修生の要件

雇用就農者育成・独立支援タイプの研修生の要件は下記の通りとなります。

◆本事業の研修終了後も継続して就農する意志があり、正社員(独立希望者は従業員)とし
て採用日時点で 50 歳未満の者

◆正社員(独立希望者は従業員)として研修開始時点で4ヶ月以上継続雇用されていること

◆過去の農業経験が5年以内であること

◆過去に農業次世代人材投資資金(青年就農給付金を含む)の準備型の交付を受けて同様の
研修を受けていないこと

◆原則として経営主の親族(3親等以内)ではないこと

助成対象経費

雇用就農者育成・独立支援タイプの助成対象となる経費は下記の通りとなります。

①新規就業者に対する研修費
・法人等の研修指導者が研修生に行った指導に要する経費
・就業上必要な資格取得にかかる講習費、テキスト購入費、受験料等
・研修実施及び資格取得に必要な交通・宿泊費等

②指導者研修費
・研修生を指導する者又は経営者等が、農業法人等における人材育成や労務管理等の向上に必要な知識を習得するため、専門的な知識を有する者等から指導を受ける際の謝金やテキスト購入費、研修に必要な交通・宿泊費等

③語学研修費
・研修生が定住外国人の場合、研修生が日本語研修を受けるために教育機関に支払った経費等について研修生1人当たり月額上限30,000円まで(最長6ヶ月)助成します。

助成額

雇用就農者育成・独立支援タイプの研修生1人あたりの助成額は、下記の通りとなります。

◆研修生1人あたり年間最大120万円

◆新規就農者への研修費用:月額最大9万7千円

◆指導者が受ける研修費用:年間最大 12 万円

新法人設立支援タイプ

補助金 農の雇用事業

新法人設立支援タイプは、地域の担い手となる法人経営体を増やすことを目的として設けたられた助成事業です。

経営の移譲を希望する個人経営者が就農希望者を一定期間雇用し、新たな法人を設立するために実施する農業技術・経営能力を習得させる研修に対して支援を行っています。

これらの研修に対して、必要となる経費を補助しています。

なお、研修実施期間が3ヶ月未満の場合には助成金は交付されませんので、お気をつけください。

◆最長4年間

あらかじめ2年分の研修計画を提出し、3年目、4年目の研修に臨む際には1年ごとに研修計画の提出となります。

研修内容

新法人設立支援タイプの研修内容は、農業生産に関することや農業経営に関すること等の下記のような研修内容が対象となります。

①就農希望者が独立する場合
・新たに雇用した就農希望者が、独立して新たな農業法人を設立するために必要な研修

②親族以外の就農希望者に経営を継承する場合
・新たに雇用した就農希望者が、経営を継承し新たな農業法人を設立するために必要な研修

農業法人の要件

新法人設立支援タイプの農業法人の独立する場合と経営継承する場合のそれぞれの要件は下記の通りとなります。

◆ 独立する場合
①従業員として、雇用契約を締結すること

②この他は雇用就農者育成・独立支援タイプの「農業法人等の要件」と同様の要件を満たすこと

◆ 経営継承する場合
①雇用就農者育成・独立支援タイプの「農業法人等の要件」と同様の要件を満たすこと

②研修開始時点で法人ではないこと

③後継者が不在で、今後5年以内に経営を中止する予定であること

④農業経営を経営継承を受けることを希望する第三者に移譲する意志があること

⑤就農希望者に対して経営状況を積極的に開示する意志があること

研修生の要件

新法人設立支援タイプの研修生の要件は、下記の通りとなります。

◆本事業での研修終了後1年以内に法人設立する意向があり、研修開始時点で 50歳未満である者

◆従業員として研修開始時点で4ヶ月以上継続雇用されていること(独立する場合のみ)

◆これらの他は雇用就農者育成・独立支援タイプの「研修生の要件」と同様の要件を満たすこと

助成額

新法人設立支援タイプの研修生1人あたりの助成額は下記の通りとなります。

◆研修生1人あたり 年間最大120万円

◆3年目以降は年間60万円

次世代経営者育成タイプ

補助金 農の雇用事業

次世代経営者育成タイプは、農業法人等が次世代の経営者を育成するために設けられたタイプの事業です。

国内外の先進的な農業法人や異業種の法人に職員を派遣の際に必要となる、派遣研修費および代替職員の人件費に対して助成を行っています。

◆助成期間 最短3ヶ月~最長2年間

研修内容

次世代経営者育成タイプの対象となる助成内容は下記の通りとなります。

◆農業法人等と研修先法人の間で定められた契約に基づき、両法人等と雇用関係のもと、研修先法人において行う実践的な内容

主な要件

次世代経営者育成タイプの農業法人等、研修法人等、研修生の要件は下記の通りとなります。

◆農業法人等の要件
・派遣研修生を研修終了後1年以内に役員等へ登用すること等

◆研修先法人等の要件
・次世代の経営者になるために必要な経営力等を習得させるための実践的な研修を行えること等

◆研修生の要件
・派遣についての契約日時点で、原則 55歳未満の者であること等

助成額

次世代経営者育成タイプの研修生1人あたりの助成額は下記の通りとなります。

◆研修生1人あたり  年間最大120万円

応募にあたっての注意事項

補助金 農の雇用事業

農の雇事業を応募するにあたっては、農業法人等の過去の研修生の定着状況等の内容を基に総合的に審査をおり、採択者を決定するため、要件を満たしていても採択されない場合があります。

また、雇用就農者の定着率が課題となり、本事業が新規就農の促進や次世代を担う農業者の育成に役立つもにするため、令和2年度よ下記の部分が見直されていますので、ご確認ください。

◆研修生が障害者、生活困窮者又は刑務所出所者等の場合は、年間30万円の加算措置が設けられます。

◆働きやすい職場環境整備に既に取り組んでいるか、新たに取り組むことを要件化します。

・休憩・休日・有給休暇の確保に取り組んだ上で、①労働時間管理、②従業員の人材育成および評価の仕組みの導入、③男女別トイレ等働き方改革に資する施設の整備のいずれか1つ以上を選択します

トライアル雇用助成金(一般トライアルコース)

補助金 農の雇用事業

トライアル雇用助成金(一般トライアルコース)は、厚生労働省が実施している就職経験の不足などにより就職が難しくなっている求職者を原則として3ヶ月間試行雇用することができる制度です。

トライアル雇用助成金(一般トライアルコース)を利用すれば本人の適性や能力を見極めながら、常用雇用への足がかりとすることができます。

「農の雇用事業」の他にも、このような試用雇用ができる制度がありますので、ご検討になってはいかがでしょうか?

次にトライアル雇用助成金(一般トライアルコース)についてみてみましょう。

助成対象者

トライアル雇用助成金(一般トライアルコース)の助成対象となる方は、下記のいずれかの条件を満たし、紹介日に本人がトライアル雇用を希望した場合に利用することができます。

◆紹介日の前日から過去2年以内に、2回以上離職や転職を繰り返している

◆紹介日の前日時点で、離職している期間が1年を超えている

◆妊娠、出産・育児を理由に離職し、紹介日の前日時点で、安定した職業に就いていない期間が1年を超えている

◆ 紹介日時点で、ニートやフリーター等で55歳未満である

◆ 就職の援助を行うに当たって、特別な配慮を要する

助成額

トライアル雇用助成金(一般トライアルコース)の1人当たりの支給額と期間は、下記の通りです。

◆対象者1人当たり

◆月額 最大4万円

◆期間 最長3カ月間

まとめ

補助金 農の雇用事業

農の雇用事業で設けられている3つの事業について、わかりやすく解説していきました。

農の雇用事業には、雇用就農者育成・独立支援タイプ、新法人設立支援タイプ、次世代経営者育成タイプの3つのタイプに分かれていますので、自身の状況にあった助成事業を受けることができます。

農業関係者にとってこれらの助成制度は、新たな人材を雇用する時の負担を軽減でき、資金調達へとつなげていけるのではないでしょうか?

人材雇用を検討している農業法人等の方は、農の雇用事業を貴重な人材雇用の足がかりとして、積極的にお役立てください。

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