
JAの農協ローンを知っているかもしれませんが、農協と聞くと農家のように農協に加入している方が対象となるローンと思っている方が多いかもしれませんが、実はそんな事はなくどのような方でも利用することができます。
一般的な銀行や消費者金融と同様に、カードローン・住宅ローン・マイカーローン・教育ローンなど様々な商品があります。
また、組合員であれば金利の優遇があったり、審査が通りやすくなるメリットも存在します。
そこで、当記事では農協で出されているローンの仕組み、特徴、審査について解説していきます。
農協のローンを利用を検討している方はぜひ当記事を参考にしてください。
農協ローンのしくみ
まず、農協ローンを利用するにはJAバンクを利用する必要があります。
JAとは、農業協同組合のことを指しており、JAバンク会員JA・信連・農林中金のJAバンク会員で構成されています。
JAバンクは一般的な銀行とは異なり、非営利団体に属しており、出資金を出し合って運営している特徴があります。
JAバンクは、法令などによって制限が設けられてはいますが、農家に属する方以外でも開設できるので、農協ローンを利用することができます。
農協ローンには、住宅を購入する際に使える「住宅ローン」住宅をリフォームする際に使える「リフォームローン」、新車購入時に使える「マイカローン」、教育に使える「教育ローン」や「カードローン」など一般的な銀行と同じようなローンがあります。
基本的に農協は非営利団体に属しているので、一般的な銀行と比べると低い金利で借り入れできるのも魅力の一つです。
農協ローンは低金利で借り入れができる
お金を借りようと思った際に思いつくのは、銀行などの金融機関や農協ローンではないでしょうか?
さらに言えば、低金利でお金を借り入れできることに越したことありませんよね。
そんな時には、低金利で借りれる農協ローンの利用をおすすめします。
一般的な銀行と比べて、非常に低い金利となっているので資金面でも負担が少ないといえるでしょう。
農協ローンの金利は店舗によって異なりますが、例として金利表を下記に紹介します。
JAローン名 | 変動金利 | 固定金利 |
固定・変動金利選択型住宅ローン | 2.475% | 2年固定 2.15% |
JA住宅ローンとくとくプラン | 1.35% | 3年固定 0.9% |
固定金利型住宅ローン | – | 3.87% |
共済還元(住宅資金) | 2.175% | 3.77% |
マイカーローン | 1.70~2.30% | 1.75~2.35% |
リフォーム・ローン | – | 5年1ヶ月以内 固定 1.38% |
教育ローン | 2.10% | 2.55% |
共済還元資金(冠婚葬祭・医療・生活) | 2.475% | 3.50% |
フリーローン | 4.25~4.95% | 5.30~6.00% |
カードローン | 約定返済型 | 7.10~7.80% |
金利が低いために起こるデメリットとは?
上記の金利表を見ると、一般的な銀行と比べても金利が低いことが分かるでしょう。
利用目的を問わないフリーローンやカードローンでさえ7.8%と非常に低金利です。
しかし、低金利はメリットでもありデメリットでもあります。
なぜなら、金利が低い分、ローンの申込者数が多く、その分審査にも時間を要してしまいます。
そのため、カードローンの審査であっても1週間以上待たされることも少なくありません。
特にすぐにお金が必要な方にとっては1週間も待つのは難しいですよね。
そんな方は、農協のローンを利用するのではなく、一般的なカードローンや消費者金融のローンが素早く審査を行ってくれるので、そちらをおすすめします。
農協・JAカードローンの審査基準は?
JAバンクは「JAカードローン」という名称でカードローンという商品を出しています。
このJAカードローンはJAカードローンは農協組合員や農業従業者でなくても申し込みがでくるので、低金利で借りられるカードローンを探している方は検討してみてはいかがでしょうか?
しかし、店舗によってはJAバンク組合などでなければ申し込みすらできないので、各店舗に問い合わせることをおすすめします。
そして、みなさんが一番気になるのは「JAカードローン」の審査基準ではないでしょうか?
そこで、こちらでは「JAカードローン」の審査基準について解説します。
農協カードローンの審査は甘いのか?厳しいのか?
結論からお話すると、農協で出しているJAカードローンの審査は厳しくなっています。
低金利というメリットがある以上、他の銀行カードローンなどと比べて厳しいのは仕方ないかもしれません。
非営利団体のJAバンクなので金利を低く設定しているのですが、貸したお金が返ってこなければ、営利を求めずとも、運営すらできなくなってしまいます。
銀行や消費者は金利を高めに設定し、利息で利益を得ているのですが、農協はそうではありません。
そのため、貸し倒れのリスクも考えて、一般的な銀行やカードローンと比較しても厳しい審査基準となっているのです。
また、銀行カードローンや消費者金融の場合、多くは申込み条件として「年齢満20歳以上満69歳以下の方」「安定継続した収入のある方」と書かれています。
しかし、JAカードローンの申込み条件には年収や勤続年数に関する条件が求められていないので、勤続年数が少ない方や年収が少ない方でも十分に審査に通る可能性があります。
店舗によっても異なりますが、多くのJAバンクでは下記のような申し込み条件となっています。
申込条件 | 【契約時年齢】
・極度額20万円…満20歳以上満70歳未満の方 ・極度額50万円…満20歳以上満70歳未満の方 ・極度額100万円以上…満20歳以上満65歳未満の方 |
|||
【前年度税込年収】
・極度額20万円の場合…100万円以上 ・極度額50万円の場合…150万円以上 ・極度額100万円以上の場合…300万円以上 |
||||
【勤続(または営業)年数】
・極度額20万円の場合…制限はありません ・極度額50万円の場合…1年以上 ・極度額100万円以上の場合…3年以上 |
上記の限度額条件を見ていくと、最も低い20万円を借り入れするのには年収100万円以上が必要です。
また、限度額をそれ以上希望する場合には、勤続年数が1年以上という条件が定められいるので注意してください。
そのため、正社員で年収300万円あったとしても、転職したばかりの方や新卒採用された方は50万円以上の借り入れは難しいかもしれません。
保証会社の保証を受ける必要がある
JAカードローンを利用するには、申込み条件にある通り「保証会社の保証」を受ける必要があります。
保証会社とは、「連帯保証人」のような立ち位置に存在する存在で、万が一返済できないなどのトラブルがあった際に、「債務の立て替え」や「利用者への取り立て」を行います。
例えば、JA兵庫みらいのJAカードローンに申し込んだ場合、「兵庫県農業信用基金協会」の保証を受ける必要があります。
つまり、「兵庫県農業信用基金協会」の保証を断らてしまうと、JAカードローンを利用することはできません。
保証会社の申込みに関しては、必要事項を記入して書類を提出するのみなので、申込み条件さえ満たしていれば、保証会社の保証を受けられるでしょう。
農協カードローンの審査時間
JAカードローンは申込者が多いため、審査には1週間~10日程度かかってしまいます。
最近では即日借り入れできることを推している消費者金融が多い中、JAカードローンでは「即日融資不可」との記載があります。
すぐにでもお金を借りたいという気持ちもあるかもしれませんが、JAカードローンで即日に借りることはできません。
農協カードローンの審査に落ちる原因
JAカードローンの審査に落ちてしまう原因は、他の金融機関や消費者金融にも言えることですが、「申込資格」を満たしていないことが多く挙げられます。
例えば、「JAの東京中央」では下記のような申込資格が定められています。
【JA東京中央の申込資格】
■地区内に在住または在勤の方
■ご契約時の年齢が満20歳以上70歳未満の方
■継続して安定した収入のある方
■JA(他JAを含む)との間でカードローン取引を行っていない方
■当JAが指定する保証機関の保証が受けられる方
■その他当JAが定める条件を満たしている方
JAカードローンの審査では、特に「JAとの取引があるのか」や「年収」を重視されます。
また、地区内に在住または在勤という条件があるので、全く関係のない地域では申込みすらできないので注意してください。
組合員とそうでない人で差がある!
農協の本来の存在意義を考えると、農協組合員のためのものです。
そのため、農協組合員であれば、金利の優遇があるだけではなく、審査が通りやすいというメリットもあります。
また、JAの店舗によっては組合員専用のお得なローンがあるという話も聞きます。
しかし、正組合員になるためには農業者になる必要があり、工作面積や従業日数など、様々な細かい規定をクリアしなければなりません。
なので、農業関係者じゃないと組合員になれないのでは?と思うかもしれませんが、農家ではなくても「准組合員」になることができます。
「准組合員」は農業をしていなくても、出資することで「准組合員」になることができ、こちらも正組合員と同様にローンの金利優遇や審査が通りやすくなったりもするのです。
まとめ
以上、当記事では農協(JA)で提供するローンの種類、特徴、審査基準について解説しました。
農協で出しているローンは一般的な銀行や消費者金融と比較しても、非常に低い金利なのは魅力ですが、審査に時間がかかってしまうのが現実です。
「すぐにでもお金を借りたい」と考えている方にとっては不向きなローンですが、すでに組合員の方や、これから組合員になる予定の方であれば低金利でお金を借りれるので非常におすすめです。
低金利でローンを組みたいと考えている方は、ぜひ農協のローンも視野に入れてみてください。