ニッセイキャピタルはどんなベンチャーキャピタル?特徴や投資実績など5項目を解説

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ニッセイ ベンチャー キャピタル

日本は現在第4次ベンチャーブームと言われており、数多くのベンチャー企業・スタートアップ企業が新しく立ち上げられています。

以前は認知度が高くなかったものの、現在ではベンチャー企業やスタートアップ企業が投資家やベンチャーキャピタルから投資を受けることが認知され、また、顧客のニーズが高度化・複雑化している現在ではベンチャー企業の持つ新しい技術や独創的なアイディアを欲する大企業も増えています。そのような背景もあり、ベンチャー企業は比較的出資を受けやすい時期だと言えるでしょう。

そして今回ご紹介するのは、20年以上の歴史を持つニッセイ・キャピタルについてです。

ベンチャーキャピタルによっても個性がありますが、ニッセイ・キャピタルの場合は他のベンチャーキャピタルとは違う特徴を持っていることでも知られています。

この記事ではそんなニッセイ・キャピタルについて、特徴、投資方針、今までの投資実績や投資先企業について解説していきます。

ニッセイ・キャピタルについて

ニッセイ ベンチャー キャピタル

ニッセイ・キャピタルは1991年に設立されたベンチャーキャピタルで、日本の中でも歴史ある老舗ベンチャーキャピタルの一つで、親会社は医療保険・生命保険などのサービスで知られる「日本生命保険」です。

これまで1191社以上に投資やサポートを行い、IPOを果たした企業は257社を超えます。(2018年度末時点)毎年IPOによるイグジットを果たす企業を輩出しており、10社近く輩出した年もありました。

ベンチャーキャピタルというのは一般的に、事業会社や投資家から集めた資金でファンドを作り、そしてベンチャー企業やスタートアップ企業への投資を行います。投資先企業がまだ小さい無名のうちに安く株式を買い、数年後に企業が大きく成長した時に売却することで大きなリターンを得るという仕組みです。このようなIPOというイグジット方法の他にも、M&Aなどによって売却益を得る場合もあります。

しかし、ニッセイ・キャピタルの場合、投資を行うための資金は投資家や事業会社からではなく、日本生命保険の保険を契約している消費者から調達しているというところが他のベンチャーキャピタルとは大きく異なっている部分です。

様々な保険サービスは、沢山の契約者(消費者)から保険料を徴収し、その集めた保険料を使って入院・手術の際の入院費・手術費が支払われるという仕組みです。

しかし保険契約を行った人全員が入院・手術を行うわけではありません。すると当然、集めた多額の保険料は保険会社の手元に残ることになります。

たとえば100億円の保険料が手元にあったとして、何もしないで置いておけば1年後も100億円のままです。しかし、銀行に預けたり投資をしたり、年利1.0%の資産運用を行えば1億円の利益を生み出すことができます。

そして、その資産運用方法の一つがニッセイ・キャピタルによるベンチャー企業への投資なのです。

ニッセイ・キャピタルは日本生命保険グループの中でも非常に重要で、何故なら、運用実績が悪ければ大きくにテレビのニュースや新聞で報じられることになったり、利用者にも告知をしなければならなかったりと経営に非常に大きな影響を与えることになるためです。

会社名 ニッセイ・キャピタル株式会社 NISSAY CAPITAL CO.,LTD.
所在地 〒100-0005
東京都千代田区丸の内1丁目6番6号 日本生命丸の内ビル22階
設立 1991年4月
資本金 30億円
株主 日本生命保険相互会社 100%
役職員 21名(2019年4月1日時点)
加入協会 一般社団法人日本投資顧問業協会
Webサイト https://www.nissay-cap.co.jp/

ニッセイ・キャピタルの投資方針

ニッセイ ベンチャー キャピタル

ベンチャーキャピタルの中には特定の成長ステージへの投資に特化したところもありますが、ニッセイ・キャピタルの場合は特に定めておらず、創業したばかりのシードステージや駆け出しのアーリーステージの企業から、IPOでのイグジットを目前にした企業まで幅広い投資を行っています。2018年度のステージ別投資実績は以下のようになっており、アーリーステージが43%と一番多く、次にミドルステージ27%、シードステージ24%となっています。

  • アーリーステージへの投資…43%
  • ミドルステージへの投資…27%
  • シードステージへの投資…24%
  • レイターステージへの投資…6%

また、成長ステージだけでなく、業種についてもすべての業種を対象にした投資を行っています。ただし、金額ベースで2018年度の業種別投資実績を見てみると、割合ではかなりITサービスが多いということがわかります。

  • ITサービス…48%
  • 製造…19%
  • 医療・バイオ…19%
  • 流通・小売…14%

ITサービスへの投資はニッセイ・キャピタルだけでなく、日本最大手のベンチャーキャピタルと言われるジャフコを始め、他の数多くのベンチャーキャピタルが力を入れており、その人気ぶりが伺い知れます。

また、ニッセイ・キャピタルは高い技術力を持っている大学発ベンチャー企業への投資にも積極的です。

ニッセイ・キャピタルの投資の流れ

ニッセイ ベンチャー キャピタル

ニッセイ・キャピタルはファンドを作りベンチャー企業への投資を行っています。ベンチャーキャピタルで100億円を超えるファンドというのは稀ですが、ニッセイ・キャピタルのファンドは全て100億円を上回っています。

現在ニッセイ・キャピタルが運用しているのは以下の7つのファンドで、出資者はすべて日本生命保険グループとなっています。

  • ニッセイ・キャピタル4号投資事業有限責任組合(100億円)…2007年設立、2020年満期
  • ニッセイ・キャピタル5号投資事業有限責任組合(100億円)…2011年設立、2020年満期
  • ニッセイ・キャピタル6号投資事業有限責任組合(100億円)…2014年設立、2023年満期
  • ニッセイ・キャピタル7号投資事業有限責任組合(100億円)…2016年設立、2028年満期
  • ニッセイ・キャピタル8号投資事業有限責任組合(100億円)…2017年設立、2029年満期
  • ニッセイ・キャピタル9号投資事業有限責任組合(100億円)…2018年設立、2030年満期
  • ニッセイ・キャピタルEX1号投資事業有限責任組合(100億円)…2018年設立、2028年満期

一般的に、不景気の状態では出資が集まらないためファンド設立件数は減りますが、ニッセイ・キャピタルの場合日本生命保険の資産運用資金のため、景気に左右されずにファンドを作り、積極的な投資を行っているようです。

ニッセイ・キャピタルが成長性のあるベンチャー企業を発掘してからIPOやM&Aなどのイグジットを果たすまでの投資プロセスは以下のようになっています。

  1. 案件発掘…企業からの申込みやニッセイ・キャピタルのキャピタリストの案件開拓を通じ将来性のあるベンチャー企業を発掘
  2. 調査・分析…秘密保持契約を結び調査・分析(取引先など周辺ヒアリングを行う場合も)
  3. 投資委員会・経営者面談…審査とニッセイ・キャピタル社長による経営者面談を踏まえ、投資可否・投資条件の決定
  4. 投資実行…必要書類を揃え、投資実行
  5. 経営支援…投資実行後、ビジネスマッチングやコンサルティングなどで企業価値向上のためのサポート
  6. イグジット(IPO、M&Aなど)…IPO、M&A、ファンド満期を見据えた売却などでイグジット

以上のプロセスは案件発掘から実際の投資実行までに2〜3ヶ月ほどの時間がかかります。

ですが、ニッセイ・キャピタルはシードステージ企業向けの投資プロセスも用意しており、その場合は最短1ヶ月で最大投資金額5000万円となります。

ニッセイ・キャピタルの特徴

ニッセイ ベンチャー キャピタル

ニッセイ・キャピタルの大きな特徴としては、最初の方でも解説した、投資資金の調達方法がまず1つ大きな特徴と言えます。消費者の保険料を運用するというのは日本生命保険子会社のニッセイ・キャピタルだからこそ出来る投資の形と言えます。

そのほかの特徴としては、ニッセイ・キャピタルは継続的な投資を行っているということです。ベンチャーキャピタルは投資家や事業会社から預かったお金を運営しているため、運用して得た利益を投資家や運用会社に分配しなければいけません。

そのため、日本経済が不調になると、今までの投資姿勢とは変わってしまうことがあるのです。環境が好転するまで投資を控えたり、ファンド組成を後ろ倒しにしたりするベンチャーキャピタルもあります。

しかし、ニッセイ・キャピタルの場合は経済環境に変わらずベンチャー企業に継続的な出資を行っているため、常に使える資金を必要としているベンチャー企業からすると非常に頼もしいベンチャーキャピタルと言えるでしょう。

ニッセイ・キャピタルの投資実績・投資先企業

ニッセイ ベンチャー キャピタル

既にご紹介の通り、ニッセイ・キャピタルは100億円という大規模なファンドを組成しこれまで1191社以上に投資、うちIPOを果たした企業は257社以上にもなります。(2018年度末時点)

日本最大手のベンチャーキャピタルはジャフコですが、従業員や出金あたりのIPO数で見ると、ニッセイ・キャピタルの方が効率のいいファンドだと言えるでしょう。

ニッセイ・キャピタルはITサービス関連企業への出資もかなり多いですが、その他にもドライケミカル(消火関連の薬剤や設備の開発、設計、製造など)やスターフライヤー(航空会社)、ゼネラル・オイスターグループ(以前はヒューマンウェブ。牡蠣の養殖・卸売・飲食店開発)など、他のベンチャーキャピタルが出資しないような業種の企業でもIPO実績があります。

まとめ

ニッセイ・キャピタルは非常に大きなベンチャーキャピタルですが、企業の成長ステージや業種を問わず、成長性のあるベンチャー企業に対して幅広い投資を行っています。

経営者の資質や優れたビジネスモデルがあり、しっかりとアピールすることが出来れば投資を受けることも出来るはずです。ニッセイ・キャピタルが開催しているアクセラレーションプログラムに参加する、ピッチイベントに参加する、直接コンタクトを取るなど、ニッセイ・キャピタルから投資を受けるためには沢山の方法がありますが、どのような手段にせよ事業計画をしっかりアピール出来るようにしておくといいでしょう。

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