認可保育園が待機状態になった場合に、検討するのが認可外保育園です。
保育料が高いのでは、と敬遠されがちですが、自治体毎に補助金も用意されています。
今回は、東京23区の保育料に対する補助金、支給条件などをまとめてみました。
認証保育園などには、保育料補助の制度がある
認可外保育園の中でも、東京都独自の基準を設定し、適切な保育水準を確保している認証保育園です。
保育料も上限を定めているので、経済的にも安心です。原則として、月220時間以下の利用をした場合の月額は、3歳未満児80,000円、3歳以上児70,000円を超えない料金設定となっています。
各自治体はこれを元にし、独自に上乗せした補助金を設定しています。
認証保育園以外の認可外保育園ですが、補助金の有無は自治体によって大きく異なります。
ただ「幼児教育・保育の無償化」により、2019年10月より、0~2歳児は月42,000円(住民税非課税世帯)、3~5歳児は月37,000円を上限に支援されるそうです。
今後に期待したいです。
東京23区の認証保育園の補助金一覧
それでは、具体的な補助金額、支給条件などをみていきましょう。
今回は東京23区について取り上げます。
認証保育園の保育料への補助金を受けるには、一定の条件が必要です。
共通していることは、概ね以下の項目です。
1.利用者・児童共に当該区に住民票があり、その住所に住んでいること。
2.認証保育園と月極契約をしていること(利用時間が1か月160時間以上の区が大半)
3.認証保育園の保育料等を滞納していないこと。
これら以外の条件としては、以下のような条件を設けている自治体もあります。
・所得制限がある(当年度の区民税所得割額)
・認可保育園へ申請している
・保育の必要性の認定をもらっている(支給認定)
それでは以下で、東京都23区の認証保育園の補助金を詳細に見ていきましょう。
東京23区の「認証保育園の保育料補助金」一覧
区名 | 補助金額 | 補助対象・内容 | 所得制限 | 必要な手続き |
足立区 | 上限20,000円 | ・保育料35,000円以上
・年齢に応じた補助金 ・多子・低所得世帯には、別途補助あり |
なし(多子・低所得世帯は、あり) | 不要 |
荒川区 | 上限60,000円 | 認可保育園との保育料の差額を支給 | なし | 支給認定 |
板橋区 | 上限35,000円 | - | あり | 不要 |
江戸川区 | 上限25,000円 | 満1歳未満児は、区独自の乳幼児養育手当(月額13,000円)との差額を支給 | あり | 不要 |
大田区 | 上限40,000円 | - | あり | 不要 |
葛飾区 | 上限30,000円 | ・保育料40,000円以下→20,000円支給
・保育料40,001円以上→保育料の2分の1(100円未満切捨) |
なし | 不要 |
北区 | 上限55,000円 | ・対象は3歳未満児
・認可保育園との保育料の差額が5,000円以上で支給 |
なし | 支給認定 |
江東区 | 上限50,000円 | 保育料30,000円未満の月は支給対象外 | あり | 認可保育園への申請 |
品川区 | ・0~2歳児:上限66,000円
・3~5歳児:上限40,000円 |
・0~2歳児:認可保育園との保育料の差額補助
・3~5歳児:所得毎の定額補助 |
・0~2歳児:なし
・3~5歳児:あり |
3~5歳児は認可保育園への申請必要 |
渋谷区 | ・区内:上限45,000円
・区外:上限70,000円 |
- | あり | 不要 |
新宿区 | ・一部補助:40,000円
・全額補助:基本保育料の全額 |
・一部助成:年齢に関わらず一律
・全額助成:多子・ひとり親世帯 |
・一部助成:あり
・全額助成:なし |
第2子以降は支給認定必要 |
区名 | 補助金額 | 補助内容 | 所得制限 | 必要な手続き |
杉並区 | 上限80,000円 | 認可保育園との保育料の差額を支給。 | なし | 支給認定 |
墨田区 | 上限40,000円
(時限的措置、2020年4月以降25,000円) |
認可保育園との保育料の差額を支給。1,000円未満切捨。 | なし | 不要 |
世田谷区 | 上限40,000円 | - | あり | 不要 |
台東区 | 上限40,000円 | 認可保育園との保育料の差額を支給。5,000円未満切捨 | あり | 不要 |
中央区 | 上限50,000円 | 認可保育園との保育料の差額が10,000円以上の場合支給 | なし | 支給認定 |
千代田区 | - | 認可保育園の保育料から2割程度減額 | なし | 支給認定 |
豊島区 | - | ・認可保育園との保育料の差額を支給。1,000円単位で補助
・保育時間221時間以上には、延長時間分を加算 |
なし | 支給認定 |
中野区 | 上限62,000円 | 実際に支払った保育料と認可保育園の保育料の差額を支給。1,000円未満切捨 | なし | 支給認定 |
練馬区 | 上限25,000円 | ひとり親世帯には更に年齢に応じて加算 | なし | 不要 |
文京区 | 上限50,000円 | - | なし | 不要 |
港区 | - | 認可保育園との保育料との差額を支給 | なし | 認可保育園への申請と、支給認定 |
目黒区 | 上限50,000円 | ひとり親世帯には加算。一律15,000円 | なし | 支給認定 |
東京都23区の認可外保育園の補助金一覧
次に、東京都23区の認可外保育園補助金について見ていきます。
やはり自治体によって内容は異なり、認証保育園と同じ制度の区、独自の制度を設定している区、制度自体のない区など様々です。
前述の認証保育園の支給条件に加えて、東京都から「認可外保育施設指導監督基準を満たす旨の証明書」(表中「証明書」と記載)が発行されている施設であることが追加されることが多いです。
区名 | 補助金の有無 | 補助金額 | 補助内容 | 所得制限 | 必要な手続き |
足立区 | あり(認証保育園と同制度) | 上限20,000円 | ・保育料35,000円以上。
・年齢に応じた補助金 ・ 多子・低所得世帯には、別途補助あり |
なし(多子・低所得世帯の補助には、あり) | 不要 |
荒川区 | なし(HPに記載なし) | - | - | - | - |
板橋区 | あり(認証保育園と同制度) | 上限35,000円 | 「証明書」交付施設が対象 | あり | 不要 |
江戸川区 | なし(HPに記載なし) | - | - | - | - |
大田区 | なし(HPに記載なし) | - | - | - | - |
葛飾区 | あり(認証保育園と同制度) | 上限15,000円 | 「証明書」交付施設が対象 | なし | 支給認定 |
北区 | なし(HPに記載なし) | - | - | - | - |
江東区 | あり(認証保育園と同制度) | 上限50,000円 | ・「証明書」交付施設が対象
・保育料30,000円未満の月は支給対象外 |
あり | 認可保育園への申請 |
品川区 | あり(認証保育園と別制度) | 上限50,000円 | ・「証明書」交付施設が対象
・ ベビーシッターの利用にも適用可 |
なし | 認可保育園への申請 |
渋谷区 | あり(認証保育園と別制度) | 上限40,000円 | ・「証明書」交付施設が対象
・0~3歳児対象 |
なし | 支給認定 |
新宿区 | あり(認証保育園と別制度) | 上限40,000円 | ・「証明書」交付施設が対象
・0~3歳児対象 |
なし | 認可保育園への申請 (3園以上) |
杉並区 | あり(認証保育園と同制度) | 上限30,000円 | ・「証明書」交付施設が対象
・0~2歳児対象 |
あり | 支給認定 |
墨田区 | なし(HPに記載なし) | - | - | - | - |
世田谷区 | なし(HPに記載なし) | 上限40,000円 | ・「証明書」交付施設が対象
・ 0~3歳児対象 |
あり | 認可保育園への申請 |
台東区 | なし(HPに記載なし) | - | - | - | - |
中央区 | なし(「補助なし」とHPに記載) | - | - | - | - |
千代田区 | なし(HPに記載なし) | - | - | - | - |
中野区 | あり(認証保育園と同制度) | 上限62,000円 | 実際に支払った保育料と、可保育園の保育料の差額を支給。1,000円未満切捨 | なし | 支給認定 |
豊島区 | なし(HPに「助成なし」と記載) | - | - | - | - |
練馬区 | なし(HPに記載なし) | - | - | - | - |
文京区 | あり(認証保育園と別制度) | 上限40,000円 | ・「証明書」交付施設が対象
・保育料が40,000円以下の場合は、その保育料を支給 |
なし | 認可保育園への申請 |
港区 | あり(認証保育園と別制度) | ・3歳児未満:上限100,000円
・3歳以上児:97,000円 |
・「証明書」交付施設が対象
・通園している認可外保育園の保育料と、認可保育園の保育料の差額を支給。 |
なし | 認可保育園への申請と、支給認定が必要 |
目黒区 | あり(認証保育園と同制度) | 上限50,000円 | ひとり親世帯には更に加算。一律15,000円 | なし | 支給認定 |
無認可保育園のメリット・デメリットを確認する
子どもの預け先として、無認可保育園は、認可保育園に劣るのでしょうか?
「保育料が高い」「サービスの質が低いのでは」と、敬遠する方もいるかもしれません。
とはいえ、夫婦共働きでも「認可」に入れない地域が未だに多くあります。
入れる保育園を確保するために「無認可」も視野に入れていくのはいまや保活の常識です。無認可保育園のメリット・デメリットを知り、保活の幅を広げていきましょう。
多様な選考基準がある!主婦でも自営業でも不利にはならない
無認可保育園のメリットとして挙げられるのは、多様な選考基準です。
選考基準は、園の方針次第のため、就業形態や家庭環境を問いません。主婦や自営業、親との同居といった、認可保育園なら減点対象になり得る形態でも不利にならないのが特徴です。
ただし、園の方針次第なので、就業形態や家庭環境を考慮する保育園がある可能性はあります。
なかには志望度を選考基準にする園もあり、「保育方針に賛同してくれる人に来てほしい」という考えを持つ園の場合、申し込み書類に志望動機を書く欄があったり、面接による選考が行われます。
気に入った園が志望度順の選考をしていれば、第一志望である意思を伝えることで、入園できる可能性が高くなります。
もちろん、単純な抽選により選考を行う園もあります。無認可保育園の場合は、園ごとに選考基準を知ることが大切です。
保育料は高い!自治体助成の有無を確認しよう
無認可保育園のデメリットとしては、保育料が認可保育園と比較して高い傾向にあることが挙げられます。
ただし、以下のように保育料が少し安い保育園もあったり、保育料の補助制度が使える場合もあります。
住む地域の保育園形態を確認しよう
以下の地域のように、自治体によっては保育料が抑えられた形態の無認可保育園もあります。
■東京都:認証保育所
■神奈川県川崎市:認定保育園、おなかま保育室
■神奈川県横浜市:横浜保育室
これらの保育園は、保育料の上限が定められていたり、所得に応じて保育料が算定されていたりなど、保育料を抑える制度が備わっています。
まずは住んでいる地域の保育園形態を確認してみましょう。
手狭な施設は質が低い?各園の工夫を見極める
気になってしまうのは無認可保育園の質です。
設備、職員数などの国や自治体の登録基準を満たしていない無認可保育園に子どもを預けるのは、親として心配かもしれません。
納得できる質を備えた保育園かどうかは、見学したり、一時保育を試してみたり、ひとつひとつ確かめていくしかありません。
設備に制約があっても、良い環境づくりを工夫している園もあります。
たとえば、下記のような内容が気になります。
■園庭がない → 近くの公園にお散歩に出かけることで、屋外活動を補う
■狭い保育室 → さまざまな遊びを用意。保育士の目が届きやすいという安全面のメリットも。
目の前の園庭に出るより、たくさん運動できたり、あらゆる場所に連れて行ってもらうことで刺激が受けられる、と捉えることもできます。
また0~2歳の子どもなら活動範囲が狭いため、家と同等のスペースがあれば十分、むしろ家庭に近い大きさは安心という見方もあります。
結局のところ、子どもが生き生きと過ごせる保育園なのかどうか、直接確かめた方が良いのは認可保育園・無認可保育園どちらにも言えることです。
実際に見比べてみて、信頼できる保育園を探しましょう。
まとめ
今回調べてみると、自治体により補助金額や補助の方法が異なっていることを改めて、実感しました。共働きを続けていく際の参考にしていただければ、幸いです。
先にも書きましたが、2019年10月からの「幼児教育・保育の無償化」により、認可保育施設等は保育の必要性があると認定された場合、0-2歳児(住民税非課税世帯のみ)は月額4万2000円を上限に、3-5歳児は月額3万7000円を上限に支援される予定です。
ただし、今後も変更される可能性があるので、当該自治体のサイトはこまめに最新の情報をチェックしてください。