ファクタリングは慎重な金融機関の判断を必要とする融資と比較すると、よりフレキシブルに資金調達をすることのできる手段です。ファクタリングを検討する企業は、往々にしてすぐにでも資金が必要であるという状況にあります。
その手続きがネット完結すれば、オフィスへ出かけてやりとりするといったプロセスも必要とされません。
そこで、ファクタリングでネット完結する資金調達の3つのメリットを解説します。
・スピード感がある
・時勢に合っている
・手続きが手軽である
次項から、それぞれの理由をくわしく解説します。
ファクタリングサービスの変化
ファクタリングサービスが世に出始めた当時は、対面によって利用の手続きを行うことが一般的でした。ファクタリング事業者のオフィスで面談が行われ、審査もなされた上で契約成立へ至るという流れです。
利用者の側としては条件的、時間的に金融機関からの融資を受けることが難しいためにファクタリングを利用したいという希望があります。
そこで金融機関と同じようなプロセスがあっては、結局は手元へ資金が得られるまでに待たなければならないのです。
そのためにファクタリングの利用もなかなか広がらないところがあったものの、その転換点となった要因がIT化の進展です。オンライン型のファクタリングサービスが提供されるようになり、手続きをネット完結させることができるようになりました。
時間がかからない
手続きがネット完結するファクタリングサービスに関しては、まさにインターネット上から申し込みを行うだけでの資金調達が可能です。
必要とされる書類などは、画像やデータなどとしてアップロードするかたちで提出することができますから時間のロスは生じません。そしてリモート面談を実施しているファクタリング事業者では、早ければ面談中に審査の結果が明らかになるケースもあります。
申し込んで何時間もしないうちに入金が完了することも、現実にあるのです。
さらに実際の取引で債務者とファクタリング事業者との取引を介在させない二社間ファクタリングであれば、取引終了までの時間も短く見込むことができます。
時勢に合っている
2020年、世間では新型コロナウイルス感染症の拡大を契機にリモートワークをはじめとしたオンラインでの取り組みが広がりました。
ネット完結というスタイルは、時勢に合っているものでもあるのです。
外出リスクの回避
緊急事態宣言や外出自粛要請といった中でもファクタリングへのニーズに変わりはありませんでしたが、面談で事業者のオフィスへ出かけることは難しいという事態になりました。
そもそも近隣にファクタリング事業者がないというケースですと、相談へ出かけるにあたってもその費用を捻出すること自体に苦慮するような状況になりかねません。
そういったこともあり、契約までのプロセスに面談を必要とするファクタリング事業者であってもリモート面談を実施しているケースが増えています。
それによって申し込みから資金の入金までが完全にオンラインで完結し、即日からの資金調達を実現することが可能となるのです。パソコンやスマホなどといったオンラインの環境が整っていれば、ファクタリング事業者のオフィスが遠方にあったとしてもまったく問題になりません。
手軽なZoomミーティング
ファクタリング事業者のリモート面談には、「Zoomミーティング」が多く用いられています。
手持ちのデバイスに備わっているカメラやマイクだけで利用することのできるビデオ通話システムですから、あらかじめ特別な準備をする必要もありません。利用登録も不要であり、何かしらの買い回りへ出かけることなく完全無料で面談へ臨むことが可能です。
オンライン手続きのための環境が整備されているからといって、ファクタリングにかかる利用手数料が高額になるようなことはありません。
手続きが手軽である
ネット完結させることができるファクタリングサービスの手続きは、総じて手軽なものになっています。
申し込みに対する抵抗感も薄いことから、気軽に相談することが可能です。
申し込みはフォームから
オンライン手続きに対応しているファクタリング事業者はおおむね、公式サイト上に申し込みフォームを用意しています。
必要事項を入力し送信することによって、担当者から連絡が届く流れです。
ファクタリング事業者によっては、この申し込み内容をもとに仮審査が行われる場合もあります。
最初から申し込みというかたちではなく、電話やメールといった手段を含めた簡単な問い合わせに対してもしっかり対応はなされますから心配はありません。
手数料の相場やサービスを利用するにあたっての条件など、契約までの流れについて確認することが可能です。
そして、申し込みの内容次第によってオフィスを訪れなければならないということもありません。
必要書類の取り扱い
ファクタリング事業者からは標準的に、まず利用者の運転免許証やパスポートなどといった本人確認書類が要求されます。それに加え、企業の経営状況を示すものとして直近の決算書や入出金を示す預金通帳などの書類も必要です。
そして何より、取引対象となる売掛債権にかかわる契約書や請求書は必須のものです。
いずれもオンラインによるやりとりではデータとしての取り扱いになり、公式サイト上からアップロードしたりメールに添付したりして送信します。
そのため、書類はPDFファイルや画像ファイルとして用意することが必要です。
いすれにしても、瞬時にファクタリング事業者のもとへ届くという意味では手早く段取りを完了させることができます。
面談と審査
面談は大体が申し込みをした側の都合に応じて日時設定され、人物的な要素も含めて対象になる審査は同時進行されることが多くなります。
売掛債権さえ有していれば、融資の履歴や状況が弊害となって利用を認められないことはありません。赤字であっても差し支えはないのですが、その度合いによって詳細を確認される可能性はあります。
面談中に審査結果が出ればその場で伝えられ、間に合わなくてもメールで連絡が届くといった具合で負担になりません。
一部には面談がなく完全に書類だけで審査を行うファクタリング事業者もあるのですが、その場合は審査が厳しいものになります。
契約について
審査の結果として、売掛債権の買い取り額やファクタリングの利用手数料がいくらになるかといった点が提示されます。
ネット完結で対応しているファクタリング事業者では人件費が抑制されている傾向もあるため、手数料は比較的安価です。手数料の支出が抑えられるほど、調達することのできる資金額は多額になります。
また審査に通ったとしても、金額などの条件に納得することができないとなればそこはさらに交渉することが可能です。
絶対に、その条件で契約しなければならないということはありません。
そして契約の締結自体は、オンライン上で済ませることが可能です。
印鑑の取り交わしに代えて電子サインを取り入れているファクタリング事業者が増加していて、契約書への押印というアナログの作業が不要化されています。
控えの契約書はPDFファイルとして出力することができ、郵送による原本のやりとりを行う必要がありません。
ファクタリング事業者の選びやすさ
一口にファクタリング事業者と言っても、強みを持っている分野や対応の違いなどといった特色はいろいろです。
ネット完結で利用することのできる事業者については基本的に、公式サイト上で自社のアピールポイントをくわしく紹介しています。
自社のニーズに合っている事業者が、選びやすくなっているのです。
たとえば億単位の大口資金に対応している事業者があれば、他社であまり扱いのない小口の売掛債権に対応している事業者もあります。
夜間や休日における対応の有無、個人事業主やフリーランスへ向けた対応の有無なども各社による違いです。
まとめ
以上、ファクタリングでネット完結する資金調達の3つのメリットを解説しました。
・スピード感がある
・時勢に合っている
・手続きが手軽である
ファクタリングは金融機関からの融資と比較して審査にかかる時間が短いことなどで、資金調達の手段として注目されるようになってきました。その手続きがネット完結する事業者も多くなってきて、よりサービスとしてのスピード感が増してきています。
わずか数時間のうちにすべての手続きを経て資金調達が完了するということも、不可能ではありません。
また2020年、対面による諸々の手続きを避けなければならなくなった時勢の変化にもネット完結の手続きはちょうど適したものとなりました。
ファクタリング事業者のオフィスが離れた場所にあっても、遠方まで外出するリスクを避けることができます。面談に関しても「Zoomミーティング」が取り入れられるなど、非対面であることによって不利益にはならないよう配慮されているのです。
そして何より、手続きが手軽なもので効率的になります。
公式サイト上の申し込みフォームから申し込み、必要書類もサイト上からのアップロードやメールへの添付といったかたちで送信可能です。契約までも、紙の書類を交わすことなくオンライン上の電子サインで証明力を持たせることができます。
今後さらにネット完結のフローを持つファクタリング事業者が選ばれ、事業者同士でも独自の特色を打ち出していくことは間違いありません。