住宅ローンを利用してマイホームを購入したいと考えている人は多くいます。
実際、多くの人が住宅ローンを組んでいますが、年収300万円程度で収入が多くない人は住宅ローンをいくらまで利用することができるのでしょうか?
予算次第でどこまで希望通りに実現できるかが変わりますが、無理がある金額を希望するとローンの返済が困難になって生活できなくなる可能性が高まります。
しかし、だからと言ってマイホームを購入できないわけではありません。
無理なくローンを返済できる金額も含めて、年収300万円でいくらまで借りることができるのかを解説します。
年収300万円で3,000万円の住宅ローンは組めるのか?
年収が300万円程度あっても、家賃と比較して住宅購入を考える方も多くいるでしょう。
しかし、年収300万円では大きな金額の住宅ローンを組むのは簡単なことではありません。
基本的に、多くの金融機関では、年収に対する年間返済額の割合が年収の25%~30%以内と定めています。
例えば、年間の返済額の割合を30%とした場合1年間の最大返済額は以下のようになります。
・年収300万円×30%=90万円
そして、35年の住宅ローンを組む場合、
・90万円×35年=3,150万円
となり、年収300万円の方は最大で3,150万円まで借り入れが可能です。
しかし、3,150万円借りられるとはいっても、金利分がかかるため、年収300万円で3,000万円の住宅ローンを組むのは難しいといえるでしょう。
2,500万円の住宅ローンを組む場合
年収300万円であれば、3,000万円のローンを組むのが難しいですが、少し金額を減らした2,500万円の場合はどうでしょう?
もし、年利1.27%の住宅ローンがおりた場合、毎月の返済額は7万4,000円になります。さらに35年の返済期間であれば、金利を払わなければならないため、実際の返済額は3,000万円を超えてしまうでしょう。
また、年収300万円であれば、1ヶ月の手取りは約23万円程度です。
そのため、2,500万の住宅ローンを組んでしまうと、毎月給料の1/4程度が住宅ローンにまわってしまいます。
若いうちであれば、節約をしてやりくりすることが可能かもしれませんが、将来子どもができたときの教育費など、さまざまな支払いを考えなければいけません。
そのため、年収300万円で2,500万円の住宅ローンを組むのは難しいと言えるでしょう。
借入れできる金額の目安
住宅ローンを無理なく返済できる目安は、年収の25%程度といわれています。
つまり、年収300万円の方の年間返済額は75万円となるので、月額6万円程度の返済額であれば妥当な借入金額といえるでしょう。
また、住宅ローンの融資を受けられる額は返済負担率によって決まり、年収300万円は返済負担率30%、年収400万円以上になれば返済負担率35%となります。
ただし、住宅ローン以外にも、カーローンなどを借り入れている場合は、そちらの借入金も返済負担率に含まれるため注意してください。
例えば、月額6万円程度の返済金額に抑えるのであれば、借入可能額は約2,250円ほどになります。
また、フラット35の場合約1,959万円借りることができるでしょう。
年齢によって借入れ可能額が違ってくる
年収300万円でも、年齢によって借入れできる住宅ローンの金額は異なります。
年齢が高くなれば、働いて安定した収入を得られる期間が短くなると判断され、長期間の借入れができにくくなります。
仮に毎月返済6万円・変動金利0.625%で、30歳~40歳までの借入れ可能額は以下の通りです。
・30歳の借入れ可能額は、2,262万円で返済期間35年
・40歳の借入れ可能額は、1,666万円で返済期間25年
10年で、借りられる金額は約596万円も差が出ます。
そのため、借入れする年齢や返済期間を考慮した計画を立てておくことも大切です。
ギリギリまで借りるのはおすすめしない
住宅ローンは生活費の固定費となり、簡単に自分で節約できるようなものではありません。
そのため、住宅ローンを予算ギリギリまで借りると、急な出費が出てしまった場合に生活費がピンチになるリスクがあります。
使えるお金を全て住宅ローンの返済に使うという考えもおすすめできません。
せっかくマイホームを購入したのに、食費・水道光熱費・交通費をギリギリにする生活を何十年も続けることは現実的ではないからです。
住宅ローンを利用する際は、収入状況・生活費を把握して、無理がない金額までにして住宅ローンを利用することをおすすめします。
3,000万円の住宅ローン審査が通りやすくなるポイント
年収300万円で3,000万円の住宅ローンを組むのは難しいですが、場合によっては不可能ではありません。
以下で解説する3つのポイントを抑えれば、年収300万円でも3,000万円の審査に通る可能性があります。
・夫婦の収入を合わせる
・返済期間を延長する
・頭金を増やす
・借入先を減らす
・ボーナス払いを利用する
・フラット35の活用
年収300万円でも3,000万円以上の住宅ローンを検討している方は参考にしてください。
夫婦の収入を合わせる
住宅ローン申込者の収入と、配偶者の収入を合わせた金額で住宅ローンを申し込むことができます。
これは「収入合算」と言う方法で、共働き夫婦ならばこちらの方法がおすすめです。
例えば、夫の年収が300万円で妻の年収が50万円の場合、世帯年収は350万円ということになります。
つまり、夫と妻の収入を合算すれば、3,000万円以上の住宅ローンを組むことができる可能性が上がるのです。
しかし、配偶者の収入は一時所得や雑所得ではなく、安定した収入が求められるため、パートなどで毎月安定して収入を得ている場合に限ります。
また、妻が今は働いていても、将来子どもが産まれた時に子育てで退職する可能性も視野にいれなければいけません。将来的に子どもが生まれた場合、教育費など大きな出費も重なってくるため、事前に夫婦とよく相談しましょう。
返済期間を延長する
年齢が若い方であれば、住宅ローンの返済期間を延長して借入金額の助言をあげることもできます。
一般的に住宅ローンと聞くと、35年ローンのイメージが強いですが、最長50年のフラット50という住宅ローンも存在します。
そのため、年収が300万円の方でも長期で借り入れすることができれば、3,000万円以上の融資が可能です。
しかし長期で借りる分、将来も安定して仕事ができるのかなどを考慮する必要があります。
頭金を増やす
3,000万円の住宅ローンを組んで家を購入したいけれど、3,000万円の住宅ローンがおりないという方は、頭金を増やして、借入限度額内にするようにしましょう。
初期費用としては多くかかってしまいますが、求めている住宅を購入するための一つの手段です。
また、購入したい住宅が購入できるだけではなく、「融資額の元金が減らせる」「融資限度額が増える」「頭金を用意できたことで信用実績に繋がる」などのメリットもあるのです。
借入先を減らす
もし、これから借入れを検討している住宅ローン以外にも借入先があるのであれば、先に返済することをおすすめします。
住宅ローンの上限限度額は、返済負担率に関わってくるため、他社の借入れがあると多くの融資を受けられない場合があります。
そのため、カーローンなど、支払える余裕があれば、先に完済しておくと良いでしょう。
また、クレジットカードのショッピングローンの状況なども確認されるため、分割払いやリボ払いをしている場合は注意してください。
ボーナス払いを利用する
借入限度額を上げるために、返済方法にボーナス払いを加えるのも一つの手段です。
ボーナス月には返済額が増えてしまいますが、年間の返済額が増えるため、融資額を増やすことができます。
しかし、会社の状況によってはボーナスカットになる可能性もあり、支払いが困難になる場合があるため、ボーナス払いを追加するとしても、普段の支払いに5万円程度の追加がおすすめです。
また、ボーナス月に5万円程度の追加をするだけでも、総合的に借り入れ上限額を約200万円~300万円増やすこともできるかもしれません。
フラット35の活用
どうしても、3,000万円以上の住宅ローンを借りたいのであれば、フラット35も視野に入れましょう。
フラット35は、一般的な住宅ローンと比べて審査がゆるいため、融資上限額が高くなる可能性があります。
その理由として、フラット35の貸付金は国から出る仕組みになっているからです。
基本的に銀行窓口で手続きを行なうので、銀行の商品と思われがちですが、銀行は国から資金をもらえるため、リスクなしで銀行は貸付できます。
そのため、一般的な住宅ローンとは異なった仕組みなので、条件によっては年収300万円で3,000万円の融資を受けられる可能性が高まります。
まとめ
以上、当記事では年収300万円で利用できる住宅ローンについて解説しました。
住宅を購入する際に一括で購入できるのはごく僅かです。そのため、多くの方が住宅ローンを利用するでしょう。
しかし、年収300万円程度で借りられる金額は2,000万円前後となるのは覚えておきましょう。
また、次々の生活が困難になってしまわないように月に6万円程度の返済額にするのがおすすめです。
しかし、2,000万円の融資では希望する住宅を購入できないという方が多くいるかもしれません。
その際は、夫婦の収入と合わせて返済する計画を立てると良いでしょう。
しかし、将来の子どもの費用や、万が一事故や病気になった際の病院代などのことも考えておくことが重要です。
・返済期間を延長する
・頭金を増やす
・借入先を減らす
・ボーナス払いを利用する
・フラット35の活用
そのほかにも上記のポイントを抑えることで融資限度額のアップができる可能性があるため、検討してみてください。