支給された助成金は年末調整が必要なのか会計処理の注意点4つを解説

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助成金 年末調整

毎年必ずやってくる年末調整は11月~12月。
中には年明けてから行う会社もあります。
事業主の方で助成金を活用し、企業を向上を目指した人もたくさんいると思いますが、支給された助成金も年末調整で会計処理を行う必要があります。
では、助成金の勘定科目は何に当てはまるのか、会計処理のやり方などを解説していきます。

助成金の会計処理

助成金 年末調整

年末調整は社員全員の給料などを計算して納税するのが基本ですが、助成金または補助金を受け取った人は確定申告をする必要があるのか不安の声が多いと思います。
助成金は事業のためにかかる費用を返済不要で支給してくれますが、助成金を受け取って終わりではありません。
年末調整に向けて貰った助成金の会計処理を行わなければいけません。
計上漏れや隠して処理しなかった場合はペナルティになり、支払う税金が増加されてしまって思わぬ損失を受けてしまいます。

助成金は雑収入として扱われる

収入は自分で働いて稼いだお金が基本的ですが、助成金は収入として扱われます。
これは補助金も同じです。
実際に助成金が入金された時、勘定科目には「雑収入」に当てはまり会計処理されます。
例えば50万円の助成金を貰った場合、借方は普通預金・当座預金で、貸方は雑収入となって処理することになります。

会計処理のやり方と注意点

助成金 年末調整

助成金を受け取ったら年末調整や確定申告が必要で、雑収入で処理します。
ただ、助成金の確定申告をする際にいくつか注意点があるため、記入漏れや間違いがないように気を付けるためにも確認していきましょう。

計上のタイミング

助成金の仕訳は、助成金を支給する組織から支給決定通知書が送られてきたタイミングで行うのが良いです。
ただ、気を付けなければならないのは、助成金は入金するまで時間がかかる場合が多いです。
活用した制度によって異なりますが、一般的には数ヶ月後には入金されます。
ですが、中には入金されるまで1年以上もかかってしまう制度もあります。
自分が使用した、あるいはこれから活用しようと検討中の助成金制度の入金期間を確認してみてください。
入金が長期間の場合は、支給が決定された年度内に計上するべき会計処理が発生するため、会計処理する際は一番気を付けておきたいところです。
支給決定と助成金の入金が短期間で行われる場合は、上記通り勘定科目は雑収入で、借方は普通預金・当座預金と処理します。

決算期をまたぐ場合の会計処理

助成金 年末調整

上記でも記載しましたが、助成金は入金されるまで時間がかかります。
そのため、決算期をまたいでしまうケースも多く、入金されるまでの期間に応じて会計処理を行う必要があります。
もし決算期をまたいだ場合は、借方を一旦「未収入金」にし、貸方は「雑収入」として仕訳して計上していきます。
また、決算した数か月後に助成金が入金された場合は、借方は「普通預金・当座預金」で、貸方は「未収入金」として仕訳します。
支給決定通知書が届いてから1ヶ月以内に入金されるような短期間は、上記と同じく「普通預金・当座預金」と「雑収入」で処理します。
未収入金は、営業活動ではない取引で発生している債権となり、売掛金とは違います。
また、未収入金は決算後の1年以内に回収される性質のことを言います。
助成金は営業活動の取引ではないため「未収入金」で処理することになるのです。

固定資産を購入したら圧縮記帳

助成金によっては固定資産を所得することもできます。
例えば、様々な人が働くことができる環境のオフィス、バリアフリーを設備することなどは固定資産に当てはまります。
このような補助金は「施設補助金」として扱われ、会計処理の時に圧縮記帳を使って処理できます。
圧縮記帳とは、補助金や保険金などによって発生する収入にかかる税金を繰り延べ処理することです。
圧縮記帳を使えば、補助金や保険金などを受け取った年度内に一度に課税せずに、税金の支払いを翌年度以降に遅らせることができます。
圧縮記帳を使わない選択をすれば、支給された年度内に税金を払わなければいけなくなり、補助金を受け取った意味がなくなってしまいます。
一度にくる税金の支払いを数年に分けて支払うことができるため、負担が軽くなるのがメリットです。
だた、あくまで年度内の税金の負担が軽くなるだけであって、非課税になることはないことを理解しておきましょう。
それと、圧縮記帳は補助金の会計処理全てにおすすめできるものではなく、その後の費用や収益などを考えながら税額控除などを検討していくのが良いです。

もし会計処理を間違った場合はどうなる?

助成金 年末調整

助成金の会計処理は、決算期は少し細かいですが入金されるまでの期間を把握していればそこまで難しい処理ではありません。
ただ、もし助成金の会計処理に計上漏れが見つかった場合はペナルティが発生してしまいます。
期限内に提出した申告書に記載した納税額が本来より少ない場合は、過少申告加算税が課せられてしまいます。
過少申告加算税は新たに納めることになった税金の10%相当額で、納める予定の税金と一緒に支払わなければならなくなります。
納税が遅くなった分、延滞税が課される場合もあるため、計上漏れには十分に気を付けて申告しましょう。

助成金は課税対象?

助成金 年末調整

助成金は雑収入として扱われますが、課税対象になる税と対象にならない税が存在します。
次は、助成金の課税対象と課税対象外について解説していきます。
課税対象にならない助成金の例もお話していきます。

消費税は課税対象にならない

助成金は全ての税金において課税対象ではありません。
雑収入扱いになるため課税対象なのではと思いがちですが、国が定められた規定によって課税対象外となっています。
国の規定によると「消費税の課税対象は国内において事業者が事業として対価を得て行う資産の譲渡等及び外国貨物の引取り」と定められています。
また、助成金は事業主が事業の利益に対して受け取る報酬ではないこともあり、消費税は課税されないということです。

法人税は課税対象

助成金は課税対象ではありませんが、法人税は課税の対象となります。
補助金も同じで、とくに補助金は「施設補助金」と「経費補助金」の2つに分けられていますが、基本的にはどちらも法人税の対象になります。
助成金を含めた利益から費用を引いた額に課税がされます。

課税対象にならない助成金の例

例えば1,000万円の助成金を受け取った場合で述べてみます。
事業の収益が助成金とは別に5,000万円で、費用が2,000万円ある時、5,000万円の方が利益の報酬額なのであれば消費税の課税対象になります。
一方、1,000万円の助成金は消費税の課税はありません。
法人税は、5,000万円から消費税を差し引いたものと、1,000万円に足した金額から2,000万円を差し引いたものは法人税が課税されるということです。

年末調整しても確定申告が必要?

助成金 年末調整

助成金の年末調整について詳しく解説してきまして、次は年末調整をしても確定申告をする必要がある場合について解説していきたいと思います。
会社で年末調整をしているから確定申告はしなくて良いのが一般的ですが、中には確定申告をしなければならない人もいます。
もし確定申告をしなかったならば、年末調整と同じくペナルティが課せられてしまうため注意しましょう。
会社で年末調整をしているから確定申告なんて無縁だと思うのはまだ早いかもしれません。

会社勤めは基本的に確定申告しなくていい

勤務先の会社が確定申告や納税をしてくれるため、自分で確定申告をする必要はないことが殆どです。
毎月の給料から源泉徴収され、社員の税金を代わりに納めてくれます。

会社勤めで確定申告する必要がある人

会社側が税金を納めてくれるため、原則として確定申告はしなくて良いです。
ただし、以下に当てはまる人は確定申告をする必要があるため確認してみましょう。

①副業で20万円超えた
②110万円超える贈与を受けた
③不動産を売却した
④相続した家を売却した
⑤投資信託を売却した
⑥株取引で特定口座を指定していない
⑦保険の満期金を受け取った

以上が確定申告をする必要がある会社勤めの人です。
副業は20万円ルールが基準ですが、そもそも納める税金がない人は確定申告をしなくても良いとされています。
所得金額と所得控除を引いた数字が所得金額で、課税される所得金額と税率を掛け算した数字が納める税金です。
この時、所得金額か課税される所得金額が0の場合は納める税金がないということになります。

確定申告した方がおすすめの人

助成金 年末調整

続いては、確定申告はしなくても良いけれど申告した方がいい人を解説します・
次のいずれかに当てはまる人は、確定申告をすることをおすすめします。
絶対に確定申告しなければならないわけではありません。
ただし、確定申告をするとメリットがいくつかあります。
以下は確定申告をした方が得する人の例です。

①医療費が10万円以上かかった
②ふるさと納税など控除対象の寄付をした
③盗難や災害の被害に遭った
④年末調整で控除の漏れがあった

以上が、年末調整をしている会社でも確定申告した方が良い人です。
確定申告をしておくことによって還付を受けることができたり、税金を支払わなくて良いなどのメリットがあります。
確定申告は計算したり書いたり大変な作業で、毎年憂鬱になる人も多いと思います。
ですが、税金はただ支払うだけでなく、払い過ぎたお金が帰ってくることも理解しておくと多少は作業をする気力が出るのではないでしょうか。
どちらにしても、確定申告は重要な作業なので必ず申告しましょう。

年末調整が行われない会社

全ての会社が年末調整をしているわけではなく、中には自分達で確定申告をする必要がある会社もあります。

年末調整をしない会社に勤めていて、確定申告をする必要がある人は以下です。
①給与が2,000万円以上の稼いでいる
②2ヶ所以上のところから給与を貰っている
③再就職して年末調整しなかった

以上の3つのいずれかに当てはまる人は確定申告をする必要があります。
2ヶ所以上、複数のところから給料を貰っている人は確定申告をしますが、「主たる給与以外の所得が20万円以下」になった時は不要です。
年度内の途中で転職した場合は、2つの会社から給料を貰っている人に当てはまります。
年末調整をする会社では、前の会社の源泉徴収票をすれば会社側が年末調整や納税を行ってくれますが、年末調整をしない会社なら自分で確定申告をしなければなりません。
結婚や出産などで再就職をしなかった時も年末調整はされておらず、この場合は確定申告することで税金が戻ってくるため申告するのがおすすめです。

まとめ

以上、助成金の年末調整について解説してきました。
圧縮記帳は一見、施設補助金を利用する際の年末調整に使えそうですが、本当は特別償却や税額控除を利用した方が良い場合もあります。
会計処理を完璧にこなすにはやはり経験と知識が必要になってきますので、初めての人や分からないことが多すぎて頭がパンクしそうな時は税理士へ相談しましょう。
やってはいけないことやおすすめの方法などを教えてくれるため是非検討してみてください。

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