奈良時代に平城京が置かれていた奈良県には、平城京跡の朱雀門や東大寺を始めとする数多くの国宝建築物が残されています。
また、伝統産業や地場産業などの歴史が培われた産業とともに、最近では最新技術を有する電気機械などの産業が集積が進み出してきました。
歴史や新たな産業など、様々な魅力が育まれている奈良県ですが、奈良県で活用できる助成金や補助金の存在をご存知でしょうか?
返済の必要がない助成事業は、奈良県民や県内で事業を営んでいる方にとって力強いサポートとなります。
こちらの記事では、2020年の奈良県で活用できる助成金や補助金をわかりやすく一覧として解説していますので、ぜひご覧ください。
INDEX
移住・定住・交流推進支援事業
移住・定住・交流推進支援事業は、地方が都市住民等を受け入れる移住や交流人口の増加等につながる地域交流の推進により、地域を活性化することを目的として行われている助成事業です。
市町村等または地域団体等が自主的・主体的に実施する、移住・定住・交流を推進する事業に必要となる経費を補助しています。
補助対象事業
移住・定住・交流推進支援事業の補助対象となる事業は、都市住民等の移住・定住・交流の推進や住民同士の交流を推進することにより、地域を活性化する事業とし、下記の基準に適合するものとなります。
◆助成対象団体、もしくは地域団体等
「人生100年時代のスポーツによるいきいき健康づくり支援事業」にあっては、助成対象団体が自主的・主体的に実施するものであること。
なお、計画策定のみに係る事業については対象外となります。
◆助成終了後の事業展望が明確であり、持続性・発展性のある事業と認められるものであること。
◆他に国の補助金の交付を受けていないこと。
◆ 助成対象事業は、令和2年4月1日から令和3年2月末日までに実施する事業とする
補助対象者
移住・定住・交流推進支援事業の補助対象となる団体は下記の通りとなります。
・市町村(特別区を含み、指定都市(地方自治法第252条の19第1項)を除く。以下同じ。)
・広域連合、一部事務組合及び地方自治法の規定に基づき設置された協議会
補助対象経費
移住・定住・交流推進支援事業の補助対象となる経費は下記の通りとなります。
・助成対象団体が実施する事業費、または事業を実施する地域団体等に対して助成対象団体が行う補助に要する経費とする。
補助金の額
移住・定住・交流推進支援事業の補助金額は下記の通りとなります。
・助成金の額は、助成対象経費の100%以下
1.事業区分 | 2.助成金の上限 |
ア 一般事業 | 1件につき2,000千円 |
イ 人生100年時代のスポーツによるいきいい健康づくり支援事業 | 1件につき2,000千円 |
環境カウンセラー派遣
環境カウンセラー派遣は、「ゼロエミッションの推進事業」が行っている産業廃棄物を排出する事業場を対象に、発生抑制、減量化及び適正処理への取組みを支援している事業です。
環境省で登録された環境カウンセラーを派遣し、豊富な知識・経験に基づき企業などの環境保全活動に対する評価、助言や社員研修などを行っっています。
補助対象テーマ
環境カウンセラー派遣のテーマは、下記のような研修となります。
◆研修テーマ(参考)
・環境法規制と廃棄物処理の動向
・建設リサイクル法と建設業の対応
・廃棄物処理委託契約書とマニフェスト管理
・廃棄物削減の仕方と実施事例紹介
・リサイクル推進のポイント
・その他
補助対象者
環境カウンセラー派遣の補助対象となるものは下記の通りとなります。
・県内にある事業所のある事業者
補助金の額
環境カウンセラー派遣の補助金額は下記の通りとなります。
・カウンセラーの交通費等の費用を除き、派遣費用は県で負担
奈良県産業廃棄物排出抑制等事業費補助金
奈良県産業廃棄物排出抑制等事業費補助金は、リサイクル技術、リサイクル製品の研究開発等を行なう県内事業者等に対して支援を行っている助成事業です。
補助対象となる事業を行う際に必要となる経費の一部を補助しています。
なお、大学その他の試験研究機関との共同研究なども補助対象に含まれます。
補助対象事業
奈良県産業廃棄物排出抑制等事業費補助金の補助対象となる事業は下記の①または②のいずれかに該当する事業となります。
①自ら排出する産業廃棄物の排出の抑制、再生利用(リサイクル)および減量等を目的とする技術の研究開発
②自ら排出する廃棄物等の循環資源を使用する製品の研究開発
補助対象者
奈良県産業廃棄物排出抑制等事業費補助金の補助対象となるものは下記の通りとなります。
・県内に事業所をおく事業者であること
・直接または間接の構成員の3分の2以上が県内事業者で構成される法人格のある団体
補助対象経費
奈良県産業廃棄物排出抑制等事業費補助金の補助対象となる経費は下記の通りとなります。
・試作開発費
・機械装置費、工具機器費、
・人件費
・その他研究開発費
・委託費
・事務費
補助金の額
奈良県産業廃棄物排出抑制等事業費補助金の補助金額は下記の通りとなります。
・補助率 3分の2以内
・補助限度額 700万円(県の予算の範囲内で交付)
奈良県産業廃棄物排出抑制等設備導入支援事業補助金
奈良県産業廃棄物排出抑制等設備導入支援事業補助金は、産業廃棄物の排出抑制、再生利用(リサイクル)、減量にかかわる設備機器に対して行っている助成事業です。
減量にかかわる設備機器に必要となる経費の一部を補助しています。
補助対象事業
奈良県産業廃棄物排出抑制等設備導入支援事業補助金の補助対象となる事業は下記の通りとなります。
・自ら排出する産業廃棄物の排出抑制、減量化又はリサイクルに係る設備機器の整備
ただし、新たな排出抑制、減量化又はリサイクルの効果が確実に見込める機器の整備に限られます。
補助対象者
奈良県産業廃棄物排出抑制等設備導入支援事業補助金の補助対象となるものは下記のとおりとなります。
・県内に事業所をおく事業者であること
・直接または間接の構成員の3分の2以上が県内事業者で構成される法人格のある団体
補助対象経費
奈良県産業廃棄物排出抑制等設備導入支援事業補助金の補助対象となる経費は下記の通りとなります。
・機械装置費
・施設整備費
・委託費
・その他経費のうち知事が必要かつ適当と認めるもの
補助金の額
奈良県産業廃棄物排出抑制等設備導入支援事業補助金の補助金額は下記の通りとなります。
・補助率 補助対象経費の4分の1
・補助上限額 1,000万円
奈良県起業家支援事業費補助金
奈良県起業家支援事業費補助金は、起業の機運醸成に加え、起業家を支援することにより本県経済を牽引するスタートアップ企業を創出し、もって、地域経済の活性化を促進するために設けられた助成事業です。
県内で新たに起業を行う者に対し、当該起業に必要となる経費を予算の範囲内で補助します。
補助対象事業
奈良県起業家支援事業費補助金の補助対象となる事業は、補助対象者が行う下記のすべてに該当するものとなります。
◆ 奈良県における地域の課題(※1)の解決に資する社会的事業(※2)であること。
(※1 地域の課題)
次に掲げる事項のいずれかに該当すること。
① 医療・福祉・子育て支援
② 県内経済好循環の促進
③ 農・畜産・水産業・林業・木材産業の振興
④ 環境・エネルギー
⑤ 生活の安全・安心
⑥ 住みよいまちづくり
⑦ 県南部・東部の振興
⑧ 観光の促進
(※2社会的事業の要件)
次に掲げる事項の全てに該当すること。
① 地域社会が抱える課題の解決に資すること(社会性)。
② 提供するサービスの対価として得られる収益によって自律的な事業の継続が可能であること(事業性)。
③ 地域の課題に対し、当該地域における課題解決に資するサービスの供給が十分でないこと(必要性)。
◆県内で実施する事業であること。
◆事業実施期間中に新たに起業する事業であること。
◆ 公序良俗に反する事業でないこと。
◆公的な資金の使途として社会通念上、不適切であると判断される事業(風俗営業等の規
制及び業務の適正化等に関する法律(昭和23年法律第121号)第2条において規定す
る風俗営業等)でないこと。
補助対象者
奈良県起業家支援事業費補助金の補助対象となるものは下記の通りとなります。
・県内で地域課題解決に資する社会的事業、県内経済好循環の促進、観光の促進などの起業を行うこと
・中小企業者であり、みなし大企業でないこと
・県内に居住していること、または居住予定であること
・訴訟や法令遵守上の問題を抱えていないこと
・申請者または設立される法人の役員が暴力団等の反社会的勢力との関係を有する者でないこと等
補助対象経費
奈良県起業家支援事業費補助金の補助対象となる経費は下記の通りとなります。
・ 人件費、店舗等賃料、設備費、原材料費、借料、知財関連経費、謝金、旅費、外注費、委託費、マーケティング費、広報費 など
補助金の額
奈良県起業家支援事業費補助金の補助金額は下記の通りとなります。
・補助額上限 200万円
・補助率 2分の1以内
事業所エネルギー効率的利用推進事業補助金
事業所エネルギー効率的利用推進事業補助金は、県内のエネルギー効率的利用の推進、及び緊急時のエネルギー対策を支援するため、県内事業者等に対し支援を行っている助成事業です。
効果的な省エネルギー設備の導入、太陽熱利用設備の導入及びコージェネレーションシステムの導入に必要となる経費の一部を補助しています。
補助対象事業
事業所エネルギー効率的利用推進事業補助金の補助対象となる事業は下記の通りとなります。
◆高効率エネルギー設備導入事業
省エネ診断において一定割合以上の省エネ効果があると認められた設備改修等であって、事業所全体で15%以上の使用エネルギー量の削減が見込める事業とする。ただし、照明機器の設備改修に係る経費が補助対象経費の全体に占める割合は、50%未満とする。
◆太陽熱利用システム導入事業
集熱器総面積10m2以上であること。
◆コージェネレーションシステム導入事業
停電時自立運転機能付きであること。
補助対象者
事業所エネルギー効率的利用推進事業補助金のそれぞれの補助対象となるものは下記の通りとなります。
◆高効率エネルギー設備導入事業は、下記にあげる要件を全て満たす者
・次の①~③に掲げる要件のうち、いずれか一つに該当する者であって、知事が適当と認める者。
①中小企業等経営強化法(平成11年法律第18号)第2条第1項に規定する中小企業者。
②医療法第39条(昭和23年法律第205号)に規定する医療法人。
③社会福祉法(昭和26年法律第45号)第22条に規定する社会福祉法人。
・ 奈良県内に事業所を有すること。
・交付申請日までに、一般財団法人省エネルギーセンターによる省エネルギー診断(以下「省エネ診断」という。)その他知事がこれに相当するものと認める省エネ診断を受けていること。
・県税を滞納していない者であること。
◆太陽熱利用システム導入事業とコージェネレーションシステム導入事業は、下記にあげる要件をすべて満たすものとなります。
・ 奈良県内に事業所を有する事業者であること。
・県税を滞納していない者であること。
補助対象経費
事業所エネルギー効率的利用推進事業補助金の補助対象となる経費は下記の通りとなります。
・設備費および工事費
なお、消費税および地方消費税の額は除かれます。
補助金の額
事業所エネルギー効率的利用推進事業補助金の補助金額は下記の通りとなります。
補助対象事業 | 補助金の額 |
(1)高効率エネルギー設備導入事業 | 補助対象経費の⅓(上限額200万円) |
(2)太陽熱利用システム導入事業 | 補助対象経費の⅓(上限額50万円) |
(3)コージェネレーションシステム導入事業 | 補助対象経費の⅓(上限額100万円) |
まとめ
2020年の奈良県で活用できる6つの助成金や補助金となる「移住・定住・交流推進支援事業」「環境カウンセラー派遣」「奈良県産業廃棄物排出抑制等事業費補助金」「奈良県産業廃棄物排出抑制等設備導入支援事業補助金」「奈良県起業家支援事業費補助金」「事業所エネルギー効率的利用推進事業補助金」について、一覧としてまとめてみました。
奈良県では、特に環境に関して力を入れており、環境カウンセラーや産業廃棄物排出抑制事業、産業廃棄物設備導入、エネルギー効率的利用などに対して助成事業を設けて補助を行っています。
また、奈良県への移住や定住、奈良県での起業する方においても支援を行っていますので、自身のニーズと合う助成金や補助金を積極的に活用して、事業の運営や発展につなげてください。
なお、助成事業は募集期間が定められており、予算額に達してしまうと終了となってしまいますので、こまめな確認と早めの申請をするように心がけておきましょう。