難病治療費の助けになる医療費助成制度の3つのメリットを徹底解説

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補助金 難病

いわゆる「難病」とは、その名の通り治療が困難で、長期間に渡る治療が必要な疾患です。
難病に罹かかってしまうと、患者本人の肉体的な苦痛だけでなく、看病をする家族の心身にも大きな負担を強いることになります。
そのため、難病患者やその家族においては、治療や日々の生活において、少しでも負担を減らし回復に向かう措置を講じ続けることが必要です。
患者や家族の負担を減らすべく、日本においては、難病に対する医療費助成制度がありますが、助成の給付を受けるためには、自ら各都道府県の役所に申請する必要があります。
申請には多くの書類をそろえるなど手間が掛かるものですが、医療費助成の給付には、3つのメリットがあります。

 (1)医療費の自己負担額の軽減
 (2)指定医療機関での治療
 (3)指定医師による診断

こうしたメリットを得ることができるため、多少の事務手間が掛かるにせよ、難病に罹ってしまった方やその家族は、助成制度に申請することが求められます。
当記事は、難病に罹ってしまった方やそのご家族、および知り合いに難病患者がいるなど、医療費助成制度の活用を検討している方々を対象としています。
当記事では、まず「難病」の定義と助成対象となる「指定難病」について説明します。続けて、指定難病に対する医療費助成制度を説明します。最後に、医療費助成制度の3つのメリットを説明します。

難病とは

補助金 難病

まず、助成制度の前提として、「難病」とはどのような病気なのか説明します。
正しい定義を把握することで、医療費の助成制度が行われている背景を把握することができます。また、助成制度へ申請する必要性も認識できるようになります。

難病の定義

日本では、2015年に「難病の患者に対する医療等に関する法律(難病法)」が施行されました。難病法では、以下の4つの要素を全て満たす疾患を難病と定義しています。

 (1)発病の機構が明らかでないこと。
 (2)治療方法が確立していないこと。
 (3)希少な疾患であること。
 (4)長期の療養を必要とすること。

ただし現在では、医療の進歩により、難病に罹っていても、重篤で日常生活に全面的な介助が必要な人は一部です。ほとんどの難病患者は、一定の配慮を受けることで、治療を継続しながら日常生活を送ることができ、仕事も続けることができます。

難病の種類

補助金 難病

ここで、難病とは具体的にどのような疾患なのか説明しておきます。
まず、比較的患者数が多い疾患として、下記の3種類があります。

 ・消化器系疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病等)
 ・自己免疫疾患(全身性エリテマトーデス、全身性強皮症、皮膚筋炎/多発性筋炎等)
 ・神経・筋疾患(パーキンソン病、もやもや病、多発性硬化症/視神経脊髄炎、重症筋無力症等)

それ以外にも、以下のように多くの種類の疾患があります。

 ・血液系疾患(原発性免疫不全症候群等)
 ・内分泌系疾患(下垂体前葉機能低下症等)
 ・視覚系疾患(網膜色素変性症等)
 ・循環器系、呼吸器系、皮膚・結合組織系疾患(神経線維腫症等)
 ・骨・関節系疾患(後縦靭帯骨化症等)
 ・腎・泌尿器系疾患(多発性嚢胞腎等)

難病の症状

次に、難病によって現れる具体的な症状を説明します。
多くの難病に共通する症状としては「全身的な体調の崩れやすさ」があります。
具体的には、全身の疲労や倦怠感、痛み、発熱、集中力の低下などの症状が表れます。
その他、疾患の種類によって特定の症状が発生します。
例えば、神経・筋疾患においては、筋力低下や麻痺、筋持久力低下、運動協調低下(ふるえ、 千鳥足、ろれつが回らない等)などの症状が出ます。
また消化器系疾患においては、下痢、下血、腹痛、栄養吸収不足による疲れやすさなどの症状が出ます。
加えて、同じ種類の疾患でも、病状の進行度合いによって症状が異なります。
そのため、症状が進んだ患者に対しては、日常生活に支障が出ないよう、より手厚い治療や周囲のサポートが必要になります。

指定難病とは

補助金 難病

これまで見てきたように、難病には多くの種類の疾患があります。その中には、症状が軽いものから重大なものまで様々です。
多くの難病の中で、国が定める一定の基準を満たす難病は「指定難病」として定められます。この「指定難病」が医療費助成制度の対象となります。次に「指定難病」について詳しく見ていきましょう。

指定難病の定義

上述で難病の4つの要素を紹介しましたが、指定難病とは、それに加えて下記の2つの要件を満たす疾患です。
(4)患者数が本邦(日本国内)において一定の人数(人口の約0.1%程度、およそ12万人強)に達しないこと。
(5)客観的な診断基準(またはそれに準ずるもの)が成立していること。

つまり、6つの要素を満たすことで、国が「患者の置かれている状況からみて良質かつ適切な医療の確保を図る必要性が高いもの」と判断しているのです。
指定難病の一覧は、厚生労働省のホームページに公開されており、2019年7月時点で333種類あります。指定難病となる疾患の選定は継続的に行われており、今後も更新されていく予定です。

難病による医療費助成制度について

補助金 難病

「難病」そして「指定難病」について理解できたところで、難病の医療費助成制度について説明していきます。

医療費助成の受給要件

医療費助成の受給要件としては、次の2つがあります。

(1)指定難病に罹っていること(上述の6つの要素を満たすこと)
(2)病状が下記の何れかであること
 ①病状が、厚生労働大臣の定める程度であること。
 ②病状が、厚生労働大臣の定める程度ではない者で、申請月以前の12ヶ月以内に治療に要した医療費総額が33,330円を超える月が3回以上あること。

つまり、指定難病に罹っており、かつ症状が「重症者」、もしくは「重症者以外で継続的な医療が必要な場合」に医療費助成制度の対象になります。「重症者」と認定されるためには、疾病ごとに定められた「重症度分類等」に照らして病状が一定程度以上であることが必要です。

加えて、指定難病以外の難病でも、都道府県ごとに独自に助成対象として認められている場合があります。

助成の内容

助成により、医療費の自己負担額が通常の疾病よりも減額されます。
通常の医療費負担は、6歳~70歳では3割負担です(現役並みの所得者の場合は70歳以上も適用)。一方で、難病患者の自己負担額は、下記(a)、(b)のうち少額の方が適用されます。

(a)医療費の2割負担
(b)所得階層区分別の月額自己負担上限額

所得階層区分別は、生活保護者から上位所得者(年収810万円以上)までの6つの階層に分かれています。月額自己負担上限額は、生活保護者の0円から上位所得者の3万円までのレンジとなっています。
月額自己負担額上限額は、病状によってさらに減額されます。その条件を次に説明しましょう。

高額な医療費負担が長期にわたる場合

第一のケースは、高額な治療を長期にわたり受ける必要がある場合です。
具体的には、月ごとの医療費総額が5万円を超える月が、年間6回以上ある場合に該当します。実際には医療保険の2割負担が適用されるため、「医療費の自己負担が1万円を超える月が年間6回以上発生する場合」と読み替えても同じです。
この「高額な医療費負担が長期にわたる場合」ケースでは、所得階層区分別の月額自己負担上限額が減額され、上位所得者で2万円となります。

人工呼吸器など生命維持に必要な装置を装着している場合

第二のケースは、難病患者が、人工呼吸器など生命の維持に必要な装置を装着している場合です。このケースにおいては、所得階層区分にかかわらず、月額自己負担額の上限は1,000円となります。

申請方法

次に、医療費助成の申請方法について流れを説明しましょう。医療費助成の給付を受けるためには、都道府県の市役所に申請を行い、支給認定を得る必要があります。具体的な流れは、以下の(1)~(4)になります。

(1)「難病指定医」による診断を受ける
 難病の指定医による診断を受け、診断書の交付を受けます。「指定難病医」については後述します。

(2)申請を行う
 難病指定医による診断書を含め申請に必要な書類を用意し、都道府県・指定都市に申請を行います。申請に必要な書類には、下記のようなものがあります。
  ・特定医療費の支給申請書
  ・認定医師による診断書
  ・住民票
  ・世帯の所得を確認できる書類(市町村民税日改勢証明書など)
  ・保険証の写し
  ・同意書(医療保険の所得区分確認の際に必要になります)
 その他、病状によっては下記の書類も必要になります。
  ・人工呼吸器装着者であることを証明する書類
  ・医療費について確認できる書類(領収書など。「高額かつ長期」に該当することを確認するために必要になります)
  ・世帯内に申請者以外に特定医療費または小児慢性特定医疾病療費の受給者がいることを証明する書類

(3)都道府県役所による審査
 提出された申請書類をもとに、都道府県役所で審査を行います。
 先に説明した通り、審査に通るためには以下の①、②の何れかを満たす必要があります。
 ①病状が、厚生労働大臣の定める程度であること(疾患ごとの重要度分類で一定以上であること)。
 ②病状が、厚生労働大臣の定める程度ではない者で、申請月以前の12ヶ月以内に治療に要した医療費総額が33,330円を超える月が3回以上あること(軽症高額該当)。

(4)医療受給者証の交付
 審査に通ると、医療受給証が交付されます。交付には約3か月程度かかるため、審査中に発生した医療費の払戻し請求が可能です。不認定となった場合は、都道府県役所から不認定通知が送付されます。

助成制度の支給認定の有効期間は、原則1年以内と定められています。ただし、特別な事情があるときは、1年3か月を超えない範囲として定めることができます。
有効期間を超えて治療の継続が必要な場合、更新申請が必要となります。

医療費助成制度の3つのメリット

補助金 難病

これまでの説明の通り、申請においては多くの書類を揃えるなど手間が掛かるものです。しかし、少しでも治療の手間を減らし早期の回復を図るためには、助成の給付を受けることは必要です。最後に、助成制度の給付を受ける3つのメリットについて説明します。

医療費負担の軽減

第一のメリットは、医療費負担の軽減です。
通常の医療では、一律3割負担が適用されますが、難病の医療費助成制度では2割負担となります。
さらに、患者世帯の所得階層区分ごとに「自己負担の上限」が定められています。そして「2割負担」と「自己負担額の上限」の少ない方が適用されるため、患者の医療費負担はかなり軽減されます。
また、前述のような「高額かつ長期」「人工呼吸器等装着者」の条件が適用されると、さらに自己負担額の負担は減少します。

指定医療機関での診断

第二のメリットは、医療費助成の給付を受けるために「指定医療機関」での受診が定められていることです。
指定医療機関の要件としては、下記の(1)、(2)が定められています。

(1)以下のいずれかの医療機関等であること
 ・保険医療機関
 ・保険薬局
 ・健康保険法に規定する指定訪問看護事業者
 ・介護保険法に規定する指定居宅サービス事業者(訪問看護事業者に限る)
 ・介護保険法に規定する指定介護予防サービス事業者(介護予防訪問看護事業者に限る)
(2)申請者である医療機関が、禁固・罰金刑を受けていないこと。もしくは過去に受けた執行期間が終了していること。また、指定医療機関として取り消しを受けていないこと。
問題のある医院は指定医療機関として登録されないため、患者にとって一定以上の医療の品質が確保されることになります。

指定医師による診断

第三のメリットは、指定医師による診断です。医療機関だけでなく、そこで勤務する医師も一定の要件を満たす必要があります。
「指定医師」となる条件は、以下の(1)及び(2)を満たした上で、(3)または(4)のどちらかを満たすことが必要です。

(1) 診断又は治療に5年以上従事した経験を有すること。
(2) 診断書を作成するのに必要な知識と技能を有すること。
(3) 厚生労働大臣が定める認定機関が認定する専門医の資格を有すること。
(4)都道府県知事の行う研修を修了していること。

この条件は、医師に対して一定以上のスキルレベルを課していることになります。この条件も医療サービスの品質確保につながっており、難病患者にとってのメリットです。

まとめ

補助金 難病

「難病」はその名の通り、治療が難しく長期の療養が必要な疾患です。
そのため、「指定難病」のように一定の要件を満たす疾病に対しては、政府による医療費助成の給付を受けることができます。
一方で、医療費給付を受けるためには、直接都道府県役所に申請が必要です。申請には、医師の診断書を含め多くの書類を準備する必要があり、大変手間が掛かるものです。
しかし、医療費助成の給付を受けることで、3つのメリットを得ることができます。

 (1)医療費負担の自己負担の軽減
 (2)指定医療機関での治療
 (3)指定医師による診断
 
前述の通り、難病は長期療養が必要になり、通常の疾患よりも費用が掛かるものです。少しでも医療費の負担を減らし回復を図るためには、医療費助成の給付を受けることが必要になります。
都道府県役所の窓口では、申請のための説明も行っています。難病に罹ってしまった方や、そのご家族においては、手間を惜しまず医療費助成申請を行うようにしましょう。

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