創業を志していても、創業資金が集まらないために開業できないという方は多いのではないでしょうか?
長野県では、そのような方に向けて創業支援を行っています。
長野県の方はもちろんのこと、東京圏等などから移住した方にも手厚い支援となる助成金等となっておりますので、積極的にご活用ください。
こちらの記事では、長野県ソーシャル・ビジネス創業支援金を始めとして、UIJターン就業・創業移住支援事業、長野県地域企業再建支援事業費補助金、さらに併せて活用できる信州創生推進資金を紹介しています。
長野県で創業する方の資金調達につなげていける心強い制度です。
長野県の日本一創業しやすい県づくり
創業するためには、様々な課題をクリアしなければなりませんが、長野県では「日本一創業しやすい県づくり」を目標に支援を行っています。
創業支援策を始めとして、相談窓口での相談や助言、ホームページ、Facebook等による商業支援策などの情報提供、各種創業セミナーなど、地域の支援機構と連携した大きな枠組での支援です。
その中でも、資金調達として活用できる助成金などの支援金は誰もが気になるところではないでしょうか?
次に、資金調達の際に役立つ「長野県ソーシャル・ビジネス創業支援金」「UIJターン就業・創業移住支援事業」「長野県地域企業再建支援事業費補助金」を解説していきます。
長野県ソーシャル・ビジネス創業支援金
長野県ソーシャル・ビジネス創業支援金は、長野県の地域の課題をビジネスの手法で解決するソーシャル・イノベーションによる創業を支援するために設けられた事業です。
長野県内で個人事業や会社を設立する方に対して支援金を交付しています。
支援対象者
長野県ソーシャル・ビジネス創業支援金の支援対象となる方は、下記の要件のいずれにも該当する方となります。
◆令和2年5月18日から令和3年1月31日までに、個人事業の開業届を提出する者もしくは株式会社、合同会社、合名会社、合資会社、企業組合、協業組合、特定非営利活動法人等の設立を行い、その代表となる者であること
◆長野県内に居住していること、もしくは令和3年1月31日までに長野県内に居住することを予定している者であること
◆法人の登記又は個人事業の開業の届出を長野県内で行う者であること。
◆法令順守上の問題を抱えていないこと
◆申請を行う者又は設立される法人の役員が、暴力団等の反社会勢力又は反社会的勢力との関係を有する者ではないこと
支援対象事業
長野県ソーシャル・ビジネス創業支援金の支援対象となる事業は、社会的事業の要件として下記の要件を全て満たす必要があります。
◆下記の社会事業分野のいずれかに該当し、地域社会が抱える地域課題の解決に資する事業であること
①地域活性化関連、過疎地域活性化関連
②買物弱者支援
③地域交通支援
④社会教育関連
⑤子育て支援
⑥環境エネルギー関連
⑦社会福祉関連
⑧困難を有する若者への教育・就労支援
⑨その他本県の地域課題として、特筆できるもの
◆事業から得られる収益によって自律的な事業継続が見込まれること
◆地域の課題に対し、当該地域における課題解決に資する体制が十分でないこと
◆長野県内で実施する事業で、令和3年5月18日から令和3年1月31日までに新たに創業する事業を対象とします。
補助対象経費
長野県ソーシャル・ビジネス創業支援金の補助対象となる経費は下記の通りとなります。
◆人件費
・給与、賃金等の人件費
◆店舗賃借料
・県内での店舗、事務所、駐車業の賃借料、共益費、借入に伴う仲介手数料
◆設備費
・県内の店舗、事務所の開設に伴う外装工事、内装工事費用、県内で使用する機械装置、工具、器具、備品の調達費用
◆原材料費
・試作品等の製作に係る原材料費
◆知的財産権等関連経費
・特許権等知的財産権の取得に要する費用
◆専門家経費
・専門家等に支払う経費や旅費
◆旅費
・交通費(創業の準備及び事業実施に必要な出張費用で、公共交通機関利用料)及び宿泊料(経済的・合理的なもの)の実費
◆外注・委託費
・試験開発費、試供品等制作費、デザイン費、WEBコンテンツ制作費、市場動向調査費
◆広報費
・販路開拓に係る広告宣伝費、パンフレット印刷費、展示会出展費
◆その他
・公益財団法人 長野県中小企業振興センターの理事業が必要と認める経費
助成額
長野県ソーシャル・ビジネス創業支援金の助成限度額と助成率は下記の通りとなります。
◆助成限度額 200万円
◆助成率 助成対象経費の1/2以内
なお、令和2年度の応募は締切となりました。
UIJターン就業・創業移住支援事業
UIJターン就業・創業移住支援事業は、長野県内の企業等の担い手不足の解消及び地域課題の解決並びに県内への移住の促進を図るために設けられた事業です。
東京圏(埼玉県、千葉県、東京都及び神奈川県)、愛知県又は大阪府から移住し、県内で就業又は創業をしようとする方に対して、移住支援金を交付しています。
移住等に関する要件
UIJターン就業・創業移住支援事業の対象となる方は、下記の「移住等に関する要件」を満たす方のうち、「就業に関する要件」もしくは「創業に関する要件」を満たす方が対象となります。
◆移住に関する要件
①移住元に関する要件
・平成31年4月1日から令和2年3月31日までに県内に転入された方
住民票を移す直前に、連続して5年以上東京圏、愛知県又は大阪府に在住し、かつ住民票を移す3か月前の時点において、連続して5年以上就労していたこと。
・令和2年4月1日以降に県内に転入された方
住民票を移す直前の10年間のうち、通算して5年以上、東京圏、愛知県又は大阪府に在住し、かつ就労をしていたこと。
被用者としての就労の場合にあっては、雇用保険の被保険者としての就労に限ります。
・ただし、住民票を移す直前に、連続して1年以上、東京圏、愛知県又は大阪府に在住し、かつ就労をしていた場合に限られます。
・この場合において、当該就労の機関の起算日は、住民票を移す3か月前まで遡ることができます。
②移住先に関する要件
下記にあげる事項のいずれにも該当することが要件となります。
・長野県内の移住支援事業を実施する市町村に転入したこと。
・平成31年4月1日以後であって、当該市町村が移住支援金の補助対象とする日以降に転入したこと。
・移住支援金の申請時において、当該市町村への転入後3か月以上1年以内であること。
・当該市町村内に、移住支援金の申請日から5年以上、継続して居住する意思を有していること。
③その他の要件
下記に掲げる事項のいずれにも該当することが要件となります。
・暴力団等の反社会的勢力又は反社会的勢力と関係を有する者でないこと。
・日本人、又は外国人であって永住者、日本人の配偶者等、永住者の配偶者等、定住者若しくは特別永住者のいずれかの在留資格を有すること。
・その他居住地の市町村が移住支援金の対象として不適当と認めた者でないこと。
④世帯に関する要件(世帯向けの金額を申請する場合のみ)
下記に掲げる事項のいずれにも該当することが要件となります。
・申請者を含む2人以上の世帯員が、移住元において同一世帯に属していたこと。
・申請者を含む2人以上の世帯員が、申請時において同一世帯に属していること。
・申請者を含む2人以上の世帯員のいずれもが、平成31年4月1日以降であって、居住地の市町村が移住支援金の補助対象とする日以降に転入したこと。
・申請者を含む2人以上の世帯員のいずれもが、支給申請時において転入後3か月以上1年以内であること。
・申請者を含む2人以上の世帯員のいずれもが、暴力団等の反社会的勢力又は反社会的勢力と関係を有する者でないこと。
就業に関する要件
UIJターン就業・創業移住支援事業の就業先に関する要件は下記の通りとなります。
①就業先に関する要件
下記に掲げる事項のいずれにも該当することが要件となります。
・勤務地が東京圏以外の地域に所在すること。
・就業先が、移住支援金の対象として県が開設・運営するマッチングサイトに掲載している求人に応募して採用されたものであること。
・就業先が、3親等以内の親族が代表者、取締役などの経営を担う職務を務める企業等でないこと。
②就業条件等に関する要件
下記に掲げる事項のいずれにも該当することが要件となります。
・週20時間以上の無期雇用契約に基づいて対象企業等に就業し、申請時において当該企業等に連続して3か月以上在職していること。
・上記の「①就業に関する要件」の求人への応募日が、マッチングサイトに当該求人が移住支援金の対象として掲載された日以降であること。
・当該企業等に、移住支援金の申請日から5年以上、継続して勤務する意思を有していること。
・転勤、出向、出張、研修等による勤務地の変更ではなく、新規の雇用であること。
創業に関する要件
UIJターン就業・創業移住支援事業の創業に関する要件は、下記の通りとなります。
◆ソーシャル・ビジネス創業支援金(地域課題解決型創業支援事業にかかる創業支援金)の交付決定を受けていること。
支給金額
UIJターン就業・創業移住支援事業の支給金額は、下記にあげる金額の範囲内であって、市町村が定める額となります。
◆単身世帯の場合 最大60万円/人
◆2人以上世帯の場合:最大100万円/世帯
長野県地域企業再建支援事業費補助金
長野県地域企業再建支援事業費補助金は、被災した中小企業者の事業再建や再構築を支援している制度です。
復旧や販路開拓などの事業に必要となる費用の一部を補助しています。
補助対象者
長野県地域企業再建支援事業費補助金の補助対象となる方は、下記の通りとなります。
◆長野県内に事業所を有する中小企業で、令和元年東日本台風による災害で下記のいずれかの影響を受けている方。
・ 事業所の一部または全部に被害が生じ、事業活動の継続に影響が及んでいること(直接被害)
・原則として、令和元年10月または11月の売上高が前年の同期と比較して20%以上減少していること(またはセーフティネット保証4号認定を受けていること)
補助対象経費
長野県地域企業再建支援事業費補助金の補助対象となる経費は、下記の通りとなります。
◆広報費、展示会等出展費、旅費、開発費、資料購入費、雑役務費、借料、専門家謝金、専門家旅費、設備処分費、委託費、外注費
補助額
長野県地域企業再建支援事業費補助金の補助率と上限額・下限額は下記の通りとなります。
◆補助率 中小企業者 4分の3以内
◆下限額 1事業者あたり200万円超
◆上限額 1事業者あたり3,000万円
なお、下限額は、事業終了後、補助金交付額が確定した時点において上回るものとします。
信州創生推進資金(創業支援向け)
「日本一創業しやすい県づくり」を目指している長野県では、創業支援として信州創生推進資金が設けられています。
返済する必要がありますが、新規開業予定の方や新規開業者で資金を必要とする方は、運転資金や設備資金の融資としてご利用ください。
上記の助成金や補助金と一緒でも、資金調達として活用することができる信州創生推進資金です。
対象者
信州創生推進資金の対象となる方は下記の通りとなります。
新規開業予定者及び新規開業者(創業した日から5年未満である方)で事業の実施のために資金を必要とする方
なお、個人で新しい事業を開始する場合は、商工会等の経営指導員による経営指導を受ける必要があります。
貸付限度額
信州創生推進資金の貸付限度額は下記の通りとなり、新規開業予定者の場合は、設備・運転の合計で自己資金の範囲内で3,500万円となります。
また、創業関連保証を利用できる場合は2,000万円まで自己資金不要です。
◆設備資金 3,500万円
◆運転資金 2,000万円
貸付利率
信州創生推進資金の貸付利率は下記の通りとなります。
◆年1.1%
・対象となる県の創業支援施策を受ける方は、年1.0%
貸付期間
信州創生推進資金の設備資金と運転資金の貸付期間は、下記の通りとなります。
◆設備 10年以内(うち据置1年以内)
◆運転 7年以内(うち据置1年以内)
まとめ
「日本一創業しやすい県づくり」を目標に掲げている長野県の長野県ソーシャル・ビジネス創業支援金、UIJターン就業・創業移住支援事業、長野県地域企業再建支援事業費補助金、信州創生推進資金(創業支援向け)について、詳しく解説してきました。
長野県では、創業しやすい県づくりとして、創業の資金調達の支援となる制度があり、他県から移住して創業を検討している方、被災した方なども利用することが可能となっています。
また、併せて利用できる「信州創生推進資金」も創業時の融資として検討しておくと安心ではないでしょうか?
創業を目指している方は資金調達の手段として、長野県の創業支援をぜひ活用してみてください。
ただし、応募期間が限定されていますので見逃すことのないように、応募や申請を忘れないようにしておきましょう。