広告などでよく目にすることが多くなった銀行や消費者金融などの無担保ローン。
言葉自体や大まかな知識はあるけども、その詳しい内容までは把握できてない方もいらっしゃるのではないでしょうか?
無担保ローンは、文字通り不動産などの担保を必要としないローンのことで、個人がキャッシングを行う際に大変に便利なものです。
しかし、この無担保ローンにはメリットばかりではなく、デメリットも存在ます。
この記事では、無担保ローンの概要とメリット・デメリットのそれぞれ5つを紹介していきます。
担保とは
担保とは、債務者がお金を返済できない場合に備えて、あらかじめ債権者に提供される債務者の所有財産のことです。
担保には、2種類あります。次の項で紹介していきます。
物的担保
物的担保の種類は以下の表を参照にしてください。
・物的担保の種類
質権 | 借り入れをした時点で債権者に担保を預ける(所有権は自分) |
抵当権 | 借金が返済できないと判明してから担保を処分される |
譲渡担保 | 所有権を債権者に渡しておき、弁済が終わった時点で返してもらう |
・抵当権や質権などは、当事者間で担保を設定するという合意をしておかなければならないことから約定担保物権とも呼ばれます。
・また質権では、担保の所有権は債務者側にありますが、あらかじめその所有権を債権者に渡しておき、債務の弁済が終わった時点で返してもらうタイプは「譲渡担保」です。
人的担保
人的担保とは、つまり「人による担保」のことで、債務者が返済できなくなったときに、契約によって決めた第三者が代わりに返済することです。
「保証人」や「連帯保証人」が人的担保にあたります。
この2つは責任の範囲が大きく違い、連帯保証人の方が、より重い責任を課されることになります。
無担保ローンとは
序文でも触れましたが、無担保ローンとは、文字通り担保がなくてもローンを組めるということです。
債務者は、万が一返済ができなくなってしまったとき、家や土地、自動車などを取られることはありません。
そのため、無担保ローンでは個人の信用情報が要となってきます。
無担保でお金を貸す側としては、個人の返済能力や年収、職業、または雇用形態などを十分チェックしてから融資をするかしないか決定します。
また、貸す側は無担保でも有担保でも、信用情報機関に照会が行われます。
信用情報機関は、「JICC」、「CIC」、「全国銀行個人信用情報センター」の3つです。
個人の信用情報などを管理している団体です。
カードローン会社や消費者金融は、必ずこれらの信用情報機関に加盟して、利用者の審査の際に信用情報をチェックします。
無担保ローンの種類
無担保ローンには大きく分けて4種類あり、借りたお金の用途は自由なのが特徴です。
以下の項で具体的に紹介します。
銀行系カードローン
無担保ローンの中で最も低金利で融資を受けられ、年利2.0%〜15.0%など、利息の負担が少ないのが特徴です。
限度額は1,000万円まで設定できる商品もあり、消費者金融系と比較すると300万円前後高く設定されています。
また、保証会社をつけることが条件とされており、審査はとても厳しくなっています。
高金利であれば毎回の返済で利息収入が入るため、貸し倒れによる資産の損失を回避することができますが、金利が低いため利息収入がそれほどありませんし、そもそも担保がありません。
そのため、保証会社の利用を義務付けています。
銀行フリーローン
低金利で、限度額も200~1000万円程と大きくなっていますが、一度融資を受けると、返済が終わるまで次回の融資は受けられず、追加で借入をしたい場合は再度申し込みが必要となります。
用途は自由ですが、使い道を申告する必要があります。
消費者金融・信販系カードローン
最大500万円までの借り入れが可能な商品が多くなっています。その分、金利は高く設定されており、限度額も低く設定されるのが特徴です。
しかし、即日融資が可能な場合が多く、限度額内であれば何度でも利用できるなど、便利な商品だと言えます。
クレジットカード・キャッシング枠
クレジットカードは、ショッピングの時の後払いのイメージがありますが、お金を借りるキャッシングサービスもあります。
キャッシング枠がない場合は、審査をクリアする必要がありますが、クレジットカードを所有していて、キャッシング枠がある場合は、審査の必要はありません。
クレジットカードの利用限度額の範囲内であれば、自由に借入をすることができますが、金利の設定は高いのが特徴です。
有担保ローンのメリット・デメリット
有担保ローンは、返済に困ったときに担保という保証があるため、メリットが多いと思われがちですが、デメリットもあります。
有担保ローンのメリット
・金利が低い
不動産の抵当権などを担保にするため、金利が低く設定されています。長期間安定して返済するときにはメリットとなります。
・高額のお金が借りられる
担保がある分、高額の融資も期待できます。担保の価値が高ければ高いほど多くお金が借りられます。
有担保ローンのデメリット
・融資を実行されるまでに時間がかかる
担保にする不動産の鑑定などが必要となるため、融資を受けるまでに時間がかかります。
最短でも3~4日かかると考えたほうがいいです。
・諸費用がかかる
担保にする不動産の調査費用や登記における費用、事務手数料などが必要となります。
無担保ローンのメリット
無担保ローンにはどのようなメリットがあるのでしょうか。
審査の速さや手続きに関してなどありますが、次の項で詳しく説明していきます。
融資までの速さ
無担保ローンの場合は申込みから融資までに掛る期間が短めです。
特に大手の消費者金融系カードローンであれば、1時間から2時間程度で融資可能となるケースも珍しくありません。
中でも、大手消費者金融の場合、30分で審査が終わるというサービスを行っている会社もあります。
このスピード感が、大手消費者金融の無担保ローンの最大のメリットだと言えます。
手続きが簡単
少額の融資であれば、本人確認書類と申込書のみで手続きが終わるため、手続きがとてもシンプルです。
フリーローンの場合、お金の使い道が分かる書類や、所得証明書を提出するケースがあるため、その点は少々手間ではありますが、有担保ローンと比較すると手続きは断然簡単です。
また、登記費用や保証料、事務手数料などがないのもメリットとして挙げられます
保証人が不要
無担保ローンでは、物的担保の場合だけでなく、人的担保の場合も必要ないというのがメリットです。
人的担保、つまり保証人が必要ないということです。
そのため、親や親族に保証人になってほしいという旨を言わなくても済みます。
保証人になってほしいということは、心理的に抵抗がありますが、無担保ローンであれば、そのしがらみから解放されます。
次の物件購入時に共同担保にできる
不動産投資などに興味がある人に、特に知っておいてもらいたいメリットです。
無担保融資の場合、無担保になってる物件を、次の物件購入時に共同担保にできるのです。共同担保とは複数の土地や建物に対して担保を設定することを言います。
借り入れをしやすくするなどのメリットがあるこの方法を使えば、物件数を増やしやすくなります。
用途が決まっていない
住宅ローンなどの有担保ローンは、使い道が決まっています。
なので、借りたお金はほかの用途には使えません。
しかし、無担保ローンの場合は、生活費や家具や家電の購入、旅行費など自由に使うことができます。
無担保ローンのデメリット
無担保ローンは、前項でも挙げたメリットばかりではありません。当然デメリットもありますので注意が必要です。
ここでは、デメリットの内容を詳しく紹介します。
金利が高い
有担保ローンと比べると、無担保ローンの金利は高くなります。
有担保ローンの代表格である住宅ローンの場合、金利は1〜3% 程度と、非常に低い数字となっています。
これは、不動産という元々が高額な商品が担保になっているため、貸し倒れになってしまうリスクが少なく、このような低い金利を出すことができます。
一方で無担保ローンは、金利が18%前後ほどに設定されており、有担保ローンに比べて高くなっています。
自己破産の危険性
担保がないということは、返済できなくなったからといって、代わりに不動産などの財産を差し出して終わることができないということです。
返済不可能となってしまった場合は個人の融資情報を記録している信用情報機関に延滞や事故として登録されます。
最悪の場合、自己破産ということにもなりかねません。十分注意が必要でしょう。
借りられる上限が低い
有担保ローンの融資金額は高額になります。中には一億円規模の融資もあります。
しかし、無担保ローンの場合、利用金額は高くても1.000万円までとなっています。
個人としては1,000万円あれば十分だと思いますが、無担保ローンは初めから高額な利用限度額を設定出来る事はほとんど無いでしょう。
安定した収入があっても最初の利用限度額は50万円~100万円ほどになるのが通例だと言えます。
返済が長引くと利息額が増える
お金を借りると、金利に応じて利息も加えた金額を返済しなければならないことは当然ですが、利息は、返済期間が長引けば長引くほど増えていきます。
元本に基づいて計算されるため、元本が残っているうちは永遠に増え続けていくからです。
なので、少しでも出費や返済総額を減らしたい場合は、とにかく早く借金を返済するしかありません。
審査が厳しい
無担保ローンの場合、債権者は大きなリスクが伴いますので、貸付の際の審査が厳しくなっています。
また無担保ローンは、先程も触れましたが、申込者の返済能力や年収、職業、または雇用形態などの信用情報を基に審査が行われます。そのため、審査は厳しくなると考えておくとよいでしょう。
まとめ
今回は、無担保ローンの概要と、それに伴うメリット・デメリットのそれぞれ5つを紹介してきました。
無担保ローンは、お金を借りるときに担保を保持していない方にとっては便利ですが、審査が厳しくて金利も高くなってしまう、ということがお解り頂いたかと思います。
また、無担保ローンは手軽に借りれることから、借り過ぎなどで返済計画を逸脱してしまいがちです。
自分に合った融資制度を駆使して、もう一歩ゆとりある生活を実現しましょう。