マイホームを購入する際には、資金調達として住宅ローンを利用することになりますが、初めに金融機関の仮審査をクリアしてから、本審査へと進んでいきます。
最初に受ける仮審査は、本審査へのステップとなる大事な審査ですが「どのような審査なのか?」「仮審査を通過するにはどうしたらいい?」と、疑問を持たれる方は多いのではないでしょうか?
こちらの記事では、住宅ローンの流れを紹介しながら、仮審査の内容やチェックされるポイント、仮審査前に検討しておきたい項目、落ちた場合の対策などを詳しく解説していきます。
希望に合った住宅ローンで資金調達ができるように、仮審査前にしっかりと対策を練っておきましょう。
INDEX
住宅ローンの審査の流れと期間
住宅ローンを利用するためには、事前申し込みしてから仮審査が行われ、審査に通ることができれば正式な申し込みができるようになります。
そして、正式な申し込みのあとに本審査が行われ、本審査が通過できればようやく住宅ローンの契約へと辿り着けるのです。
仮審査と聞くと簡単にできる審査だと思う方も多いかも知れませんが、仮審査と言っても書類を準備する必要があり、かかる日数は3~4日ほど、銀行によっては5日以上も費やすことがあります。
また、物件を仮押さえしておくには1週間が限度となっていますので、物件が他の人に渡らないように、仮審査にどのくらいの時間がかかるのか事前に確認しておくことも大切です。
◆一般的な審査の流れと期間
ステップ1:事前申し込み→仮審査(即日~3日程度)
ステップ2:正式申し込み→本審査(1週間~2週間程度)
ステップ3:住宅ローン契約→借入れ(2週間から1ヶ月程度)
住宅ローンの仮審査と本審査の違い
住宅ローンの審査には仮審査と本審査がありますが、審査の目的は違っています。
仮審査では「住宅ローンを組めるか」ということが審査されて、本審査では不動産売買契約を結ぶ方に「本当に融資をしていいのか」ということが審査されます。
次に仮審査と本審査のそれぞれの特徴についてみていきましょう。
仮審査の特徴
住宅ローンの申し込みの際に行う仮審査は、購入したい物件が決まり資金計画が立ててあれば、どなたでも無料で申込することができ、金融機関によっては物件が未定のままでも申込することが可能となっています。
仮審査の内容は、住宅ローンを利用する方の年収、勤続年数、会社規模と、返済計画が審査されて、即日から3日程度の短い日数で審査の結果がわかります。
本審査の特徴
仮審査が通り不動産の売買契約が締結された後に、提出した各種書類を元にして本審査は行われます。
本審査では、仮審査よりも多くの情報や資料を審査し、物件の担保評価、訳アリ物件等や反社会的勢力ではないか?など、仮審査の内容にプラスされて審査が行われていきます。
本審査の時間は仮審査よりも長く、1週間から2週間程度かかるのが一般的です。
知っておきたい仮審査の役割と内容
仮審査が通ることで、利用者は売買契約を結べるようになりますが、審査の時間が長くかかってしまうと物件が他の方に購入されてしまうために、素早い回答が求められることになります。
また、住宅ローンは物件が本人の所有物となった時点で契約と進んでいきますが、もしも住宅ローンの審査に通らないのなら、本人や不動産会社に損害が出てしまいます。
そのような事態が起こらないように、仮審査によって条件や基準を申込者が満たしているかを審査していくのです。
仮審査の必要となる書類は、本人確認書類や源泉徴収票などでの最低限の書類、オンライン申込の場合には、入力した情報で審査が行われていきます。
◆必要書類
・本人確認証(運転免許証や保険証)、源泉徴収票
仮審査の内容
仮審査で主にチェックされるのは、住宅ローンを利用する方の返済能力です。
希望の借入額に対して、無理なく返済できるだけの収入があるか?がわかる返済比率、住宅ローン以外の借入れの有無、個人信用情報が悪くないかなどが審査されます。
仮審査では物件評価はしませんが、個人信用情報の照会履歴が付いてしまうことを覚えておきましょう。
仮審査でチェックされるポイント
売買契約や本審査へと進むためには、仮審査を通過しする必要がありますが、仮審査ではどのような点がチェックされるのでしょうか?
次に、具体的な仮審査でチェックされるポイントについて解説しますので、仮審査前に確認しておいてください。
完済時の年齢
仮審査では、住宅ローンを利用する方の借入時と完済時の年齢がチェックされます。
完済するときの年齢が、65歳の定年を過ぎていると不利になりますが、だからといって若いのであれば良いわけではありません。
住宅ローンに適している年齢は30代と言われており、年齢が若い20代では収入が不安定であると判断されてしまいます。
健康状態は良いか?
住宅ローンを利用する場合には、団体信用生命保険に加入することが条件となっています。
団体信用生命保険は、住宅ローンを利用する際に死亡または所定の高度障害状態となったときに保険会社が住宅ローンの残高を返済してくれる保険です。
そのために、健康状態が良くない場合には、保険に加入できなくなり、同時に住宅ローンも利用できなくなる可能性があります。
年収と返済負担率
年収が多いから大丈夫と思われがちですが、審査でチェックされるのは、収入に対しての返済負担率によって判断されます。
また、住宅ローンの他に、車のローンや他のローンを利用している場合には、返済負担率が高くなりますので、ご注意ください。
安定した職業であるか?
仮審査では収入だけではなく、本人の職業においても審査されます。
現在の収入が多い場合でも、歩合制や自営業の職業ならば、収入が不安定と判断されることがあります。
住宅ローンの仮審査前に検討すべき5つの項目
仮審査では上記のポイントを審査されますが、仮審査をスムーズにクリアしていくためには、自身の状況を把握して改善できるところを見直すと良いでしょう。
次に、仮審査を受ける前に、もう一度見直して検討しておきたい項目を解説します。
検討1:頭金をより多く用意できないか?
住宅ローンを利用する際の頭金は、多ければ多いほど返済額を減らすことができ、利息も少なくすることができます。
貯蓄の他に、身内から支援ができるかどうかを、確認しておくとよいでしょう。
ただし、より多くの頭金を用意することに越したことはありませんが、生活するのに支障をきたさないように無理のない範囲におさめて、万が一の時のために、ある程度は手元に残しておくことも大切です。
検討2:無理のない返済金額か?
住宅ローンを利用する際に、具体的に影響を及ぼすのは、返済額と返済期間です。
短期間で返済しようとすると返済額は増え、返済額を少なくすると長い期間かけての返済となります。
住宅ローンは長期間かけて返済を行っていくローンですので、無理のない返済が行えるように、毎月の返済額と返済期間はしっかりとご検討ください。
検討3:他に組んでいるローンはないか?
住宅ローンを組ことで頭がいっぱいになり、他のローンを抱えていることが忘れがちになってしまいます。
車のローン、教育ローン、その他のローンを抱えていると、返済負担率が上がり審査を通ることが難しくなってしまう場合があります。
できるのであれば、住宅ローン以外のローンは完済しておいてください。
検討4:夫婦の収入を合算するペアローン
収入額が低く、住宅ローンの審査に不安があるのなら、夫婦の収入を合算するペアローンと言う方法が検討できます。
希望額での住宅ローンが組めない場合、購入する物件が高額な場合など、共働き夫婦であればペアローンも視野に入れてみてはいかがでしょうか?
検討5:特殊な物件は事前に確認
購入を希望している物件に特殊性があるのなら、事前に金融機関に確認を取っておくと良いでしょう。
特殊な物件には、借地権、地上権、コーポラティブハウス、旧耐震基準、市街化調整区域などがあります。
物件によっては住宅ローンの対象にならない場合もありますので、今までの準備が無駄にならないように、事前に相談してみることをおすすめします。
仮審査落ちの対策|複数の金融機関への申し込み
住宅ローンの仮審査の段階で審査に落ちてしまった場合には、他の金融機関へ再申し込みをすることができますので、あらかじめ仮審査を複数の金融機関に申し込んでおくと良いでしょう。
複数の申し込みを行った金融機関のうち、仮審査に承認された中から「よい条件の金融機関」「希望に合った住宅ローン」を選ぶことができます。
仮審査を一括で申し込めるサービス
仮審査に落ちた後に、また最初から申し込みを行っていくと大きな時間や労力がかかってしまいますので、手間を省きたいのなら、複数の金融機関に仮審査を一括で申し込み込めるサービスや、不動産会社に依頼することをご検討ください。
一括サービスを利用すれば、必要情報を一度だけ入力するだけで複数の金融機関の仮審査の申し込みが行えます。
利用料金は無料となっており、他の金融機関の金利や保証内容が比較することができますので、より良い条件の住宅ローンを見つけ出すことができます。
一般的に仮審査の申込件数は、3件ほどとなっていますので、一括サービスなら手間をかけることなく仮審査が行えます。
まとめ
住宅ローンを利用するときの審査の流れや期間に加えて、仮審査の役割と内容、仮審査でチェックされるポイント、仮審査前に検討すべき項目、さらには仮審査落ちの対策について、まとめて解説してきました。
住宅ローンを利用するためには、まずは仮審査を通過しなければなりませんが、約20%程の方が仮審査に落ちていると言われています。
「仮審査だから大丈夫」と過信せずに、しっかりと対策をとったうえで、住宅ローンの仮審査を行うようにしましょう。
住宅ローンは、物件購入する際の資金調達の要となっていますので、より良い条件で審査を通過できるように、しっかりと確認してください。