資金調達が難しい個人事業主や中小企業にとって、積極的に融資をおこなっている「日本政策金融公庫」は頼りになる存在です。
国からの100%の出資という信頼に加えて、低金利で融資をおこなってくれる「日本政策金融公庫」の融資の審査は誰でも通過したいのではないでしょうか?
そこでこちらでは、「日本政策金融公庫」の融資審査の際に、おさえておきたい3つのポイントを解説していきます。
ご覧になれば審査の通過率は上がり、融資の成功率へと近づきます。
「日本政策金融公庫」の融資をお考えの方は、ぜひごお役立てください。
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3つのポイントで日本政策金融公庫の融資を可決
「日本政策金融公庫」の融資してもらうためには審査を通過しなければなりません。
比較的簡単だと言われる審査ですが、可決するためには内部の仕組みを知りポイントをおさえておくことが大切です。
そのポイントとなるのは、「300万円程度の小口融資で審査を受ける」「審査担当者のプレゼンテーションを成功させる」「保証人の能力に応じた申込金額」という3つがあげられます。
この3つのポイントについて詳しく解説していきたいと思います。
ポイント1:300万円程度の小口融資で審査を受ける
「日本政策金融公庫」で融資を受けるときに「いくら借り入れるのか?」は悩みどころです。
そこで、個人事業主や中小企業の経営者が、はじめて融資を受けるときには300万程度の小口融資での審査を受けてみてはいかがでしょうか?
「日本政策金融公庫」の初めての審査のときには、通常の審査よりも慎重におこなわれています。
こちらでは、そんなときにおすすめの「小口融資のメリット」について解説していきます。
借入れの実績が作れる
最初の「日本政策金融公庫」の審査は慎重ですが、小口融資からスタートすれば審査が通りやすくなります。
そして初回の実績を積むことによって2回、3回目の申込みの際には、信頼度がアップし希望する金額がスムーズに可決されやすくなっていくのです。
また、「日本政策金融公庫」との信頼関係を築いていくには審査を100%クリアしていくことが一番の近道となっています。
「大口融資を希望」されている会社はなおさら、小口融資で審査および借入の経験を積んで信頼を勝ち取ってください。
平均融資単価は?
「日本政策金融公庫」では、いくら程度の融資がおこなわれているのでしょうか?実際のところ、「日本政策金融公庫」の平均融資単価は700万円程度とされています。
ただし、大口融資が平均融資価格を引き上げていると考えられますので、多く扱っている融資価格は300万円~500万円ということになるでしょう。
いくら融資してもらうか?
300万円の小口融資と上記で述べましたが、全ての会社がこの金額に当てはまるわけではありません。
大切なのは「事業の規模と資金使途」がどの程度なのかと言うことになります。
事業の資金使途には、「運転資金」と「設備資金」にわけられ、運転資金は仕入れや諸経費、「設備資金」は車両や機械を購入する費用です。
事業の規模によって異なってきますが、仕入れを例にとると「数ヶ月分の仕入れ代金」が妥当な金額となります。
さらに、飲食業のような業種であれば毎日現金がはいってくるので、資金調達の必要性は低く、仕入れ単価が高いまたは在庫を多く確保しなければならない業種は資金調達の必要性が高くなります。
自身の会社がどの程度の融資が必要なのかをきちんと見極めておくことが大切です。
事業資金のみの融資
忘れてならないのが「日本政策金融公庫」は、「事業資金のみに融資」をおこなっている機関であるということです。
事前に「事業資金なのか」を確認しておくようにしましょう。
ポイント2:審査担当者のプレゼンテーションを成功させる
実際に「日本政策金融公庫」に融資を申し込むには、最寄りの「日本政策金融公庫」の支店に足を運んで審査担当者と面談することとなります。
その後は、この審査担当者が窓口となり、融資が確定するまでをサポートしてくれます。
ですから、融資を可決するためには、審査担当者とのやり取りが不可欠となります。
プレゼンテーションの成功へ導く審査担当者
「日本政策金融公庫」の審査担当者は、会社が審査を通過できるようにプレゼンテーションをおこなってくれる大事な存在です。
ですから、プレゼンテーションを成功へと導いてもらえるよう審査担当者に「資料を提供」「真摯に説明」し、より強い「セールスポイント」を伝えることで、審査を通過できる可能性が高まってきます。
基本的には味方となってくれる審査担当者は、融資の審査を通過するためには、欠かせない存在なのです。
弱点とセールスポイントをアピール
審査担当者に聞かれることは、「取引先の名前」「資金の使いみち」「決算書の不明点」など、かなり詳細なことまで問われることもあります。
しかし、スラスラと答えなければいけないということではなく、会社の「弱点とセールスポイント」を理解してもらうことが大切です。
それを審査員担当者にわかりやすく、真摯に説明するようにしましょう。
ポイント3:保証人の能力に応じた申込金額
国が経営している「日本政策金融公庫」は新設されたり、廃止されたりと制度が変わってしまう可能性があります。
ただし、変わらないものとしてあげられるのは、「保証人が必要なこと」です。
この章ではその保証人となってくれる方に応じた申込金額の設定を考えていきたいと思います。
保証人にあった申込金額と返済金額
例えば、「土地を持っている年金暮らしの父」と「賃貸マンションに住んでいる一流企業の兄」の場合、保証人として「どちらがふさわしい存在か?」「どのくらいの申込金額が妥当か?」のかを見ていきたいと思います。
「賃貸マンションに住んでいる一流企業の兄」に保証人をお願いする場合には、200万円の融資を毎月4万円の50回払いで返済するケースが適していると考えられます。
また「土地を持っている年金暮らしの父」に保証人をお願いするには、1,000万円の融資を毎月20万円の50回払いという場合がふさわしいとなるかも知れません。
「賃貸マンションに住んでいる一流企業の兄」なら、毎月4万円の返済が滞っても肩代わりしてくれることができますが、毎月20万円返済となるとサラリーマンにはできません。
その反対に「土地を持っている年金暮らしの父」ならば、土地を処分して返済してくれる可能性も出てきます。
その他にも、2人が保証人になったり、父の土地を抵当権(担保)にという設定も考えることができます。
保証人によって、「申込金額」「返済金額」の設定は大切なポイントとなるので、しっかりと見極めておきましょう。
日本政策金融公庫融資に必要な書類
「日本政策金融公庫」で融資の申込みをするには、必要な書類を事前に揃えておかなければなりません。
以下に融資のときに必要な書類を一覧としてまとめておきます。
審査で必要な書類・共通
① 借入申込書
② 直近二期分の確定申告書
③ 決済後半年を経過している場合は、最新の試算表
④ 法人の登記簿謄本
⑤ 身分証明書(運転免許証やパスポート等)
日本政策金融公庫からの代表的な融資について
こちらでは「日本政策金融公庫」を代表する融資制度を紹介していきます。
普通貸付
最もスタンダードな融資制度、事業者のほとんどが利用可能
4,800万円まで(特別設備資金は7,200万円まで)
金融環境変化対応資金(セーフティーネット貸付)
取引している金融機関の破綻などで、資金繰りが困難な場合に受けられる融資制度
別枠で、最高4,000万円まで
取引企業倒産対応資金(セーフティーネット貸付)
取引先企業の破綻などで、資金繰りが困難な場合に受けられる融資制度
別枠で、最高3,000万円まで
経営環境変化対応資金(セーフティーネット貸付)
経営の悪化している際、受けられる融資
別枠で、最高4,800万円まで
新規開業資金
事業の新規立ち上げ、もしくは事業開始7年以内に利用できる融資制度
最高7,200万円(運転資金は4,800万円まで)
女性、若者、シニア起業家支援資金
女性、30歳未満の若者、55歳以上のシニア世代が利用できる融資制度
最高7,200万円(運転資金は4,800万円まで)
再挑戦支援資金(再チャレンジ支援融資)
廃業後に再度、事業開始にチャレンジするための融資制度
最高7,200万円(運転資金は4,800万円まで)
新事業活動促進資金
経営の拡大、事業転換、第二創業に利用できる融資制度
最高7,200万円(運転資金は4,800万円まで)
中小企業経営力強化資金
専門家を交えた、中小企業の経営拡大に利用できる融資制度
最高7,200万円(運転資金は4,800万円まで)
企業活力強化資金
小売業・卸業・サービス業者は店舗の新築やリフォーム設備投資に利用できる融資制度
最高7,200万円(運転資金は4,800万円まで)
IT活用促進資金
「情報化投資」に活用できる融資制度
最高7,200万円(運転資金は4,800万円まで)
地域活性化・雇用促進資金
地方での雇用創出、地域の事業活性化に利用できる融資制度
最高7,200万円(運転資金は4,800万円まで)
海外展開・事業再編資金
海外進出、海外でのビジネス展開に活用できる融資制度
最高7,200万円(運転資金は4,800万円まで)
事業承継・集約・活性化支援資金
事業の継承に対して利用できる融資制度
最高7,200万円(運転資金は4,800万円まで)
以上のように「日本政策金融公庫」では、たくさんの融資制度が設けられています。
個人事業主や中小企業にとって、「日本政策金融公庫」は検討しておきたい資金調達方法です。
まとめ
「日本政策金融公庫」の審査に通るための3つのポイントを中心に解説いたしました。
「日本政策金融公庫」は、借入金利が低く、融資を受けやすいという大きなメリットを持った資金調達方法です。
一般の金融機関で融資が受けられなかった個人事業主や中小企業の方は、記事にあるような3つのポイントをおさえて「日本政策金融公庫」の融資の審査にぜひ挑戦してみてください。