マイホームなどの住宅を購入する時に「固定金利と変動金利どっちにするか?」「今の時期に購入して大丈夫なのか?」と悩む方は少なくありません。
また、コロナ過となり、生活や働き方が変わってくる中で不安を抱く方は多いのではないでしょうか?
しかし、今は歴史的な低水準の金利となっているために、住宅ローンを組むには大きなチャンスとも言える時期です。
こちらの記事では、住宅ローンを有効的に活用するために、住宅ローンの変動金利と固定金利、返済方法やコロナ過で有利になる3つの条件について、解説していきます。
コロナ過で大変な時期ではありますが、めったにない史上最低の金利となっている今の時期を見逃さないように、資金調達となる住宅ローンを賢く活用してください。
住宅ローン金利で選べる3つのタイプ
住宅ローンの金利には、全期間に渡って金利が変動しない全期間固定金利タイプ、一定期間だけを固定金利にする固定金利期間選択タイプ、金利が変動する変動金利タイプの3つのタイプに分けられます。
それぞれの金利を大まかに比較すると、変動金利タイプが一番低く、続いて固定金利期間選択タイプ、全期間固定金利タイプとなっています。
◆変動金利タイプ<固定金利期間選択タイプ<全期間固定金利タイプ
では、史上最低金利と言われている2021年には、どのタイプの住宅ローン金利を選ぶのが得策なのでしょうか?
次に、3つのタイプの住宅ローン金利の特徴を確認しておきましょう。
変動金利タイプ
変動金利タイプは、住宅ローンを利用している期間中に金利が変動するタイプの金利です。
金利が上がると返済する額は増え、金利が下がると返済する金額も減っていきます。
借入れ時の金利が低く抑えられるために、固定金利と比べると総返済額は低くなる傾向にありますが、適用金利は半年ごとの見直し、返済額の見直しは5年ごとです。
また、急激な金利の上昇による返済額の増加がおきないように、見直し後の返済額は以前よりも1.25倍までというルールが決められていますが、住宅ローンの残高が変わるわけではなく、上昇した金利で増えた借入金はローンの終盤に回されることもあります。
◆メリット
・金利を低く抑えられる
・金利が下がれば、返済額が下がる
・返済額の見直しは5年ごと
・1.25倍ルールが適用されている
◆デメリット
・金利の予測がつかない
・返済計画が立てにくい
・金利が上がってしまうと、返済額が増えてしまう
全期間固定金利タイプ
全期間固定金利タイプは、同じ金利で変わることなく返済していく方法です。
毎月同じ金額を返済し、もしも返済中に金利が大きく上がったとしても、全期間固定金利タイプであれば、影響を受けることなく支払い続けることができます。
ただし、このタイプを選択してしまうと、変動金利などに変更することができません。
大幅に金利が下がったとしても見直すことができないのが、全期間固定金利タイプのデメリットと言えるでしょう。
◆メリット
・金利の変動がなく安心できる
・返済計画が立てやすい
◆デメリット
・金利が高くなる
・金利が下がっても、得になることはない
固定金利期間選択タイプ
固定金利期間選択型は、10年や15年などの一定期間の金利を固定するタイプの金利です。
初めに決めた選択した期間が終わると自動的に変動金利に変更となりますが、もしも希望があるのなら新たに固定金利期間選択をすることも可能です。
デメリットな部分としては、固定金利を選択するときには手数料がかかることもあり、2回目以降の固定金利を選択したときに金利に大きな変化があれば、総返済額はそれに合わせて増減し、計画通りの返済とならないこともあります。
◆メリット
・全期間固定金利よりも金利が低く抑えられる
・固定期間中は金利が変わらなくて安心
・固定期間中は返済計画を立てやすい
◆デメリット
・変動金利よりも金利は高め
・固定期間中は金利が下がっても得にならない
・固定期間が終わったときの金利が適用されてしまう
・変動金利に移行する場合には手数料が必要な場合がある
・変動固定金利のような5年ごとの見直し、1.25倍ルールの適用外になる
住宅ローン2つの返済方法
住宅ローンの金利と同時に考えておきたいのが、住宅ローンの返済方法です。
返済方法には、元利均等返済と元金均等返済の2つの方法があり、それぞれの特徴が異なっているために、自身の状況に合った返済方法を選ぶことも大切です。
住宅ローンの金利に目を奪われがちですが、返済方法もしっかりとチェックしておきましょう。
安心に返済できる元利均等返済
元利均等返済で住宅ローンを返済すると、毎月の返済額が変わらず返済できるために、安心して返済することができます。
返済額は一定ですが、返済当初は毎月の利息額の枠が多く元金返済額が少なく、返済が進むにつれて元金返済が増えて利息額が減っていく返済方法です。
返済当初の返済額は元金均等返済よりも少なくて済みますが、総返済額は多くなることを覚えていきましょう。
◆メリット
・返済額が変わらない
・返済当初の返済額が元金均等返済方法よりも低い
・返済計画が立てやすい
◆デメリット
・総返済額が多くなる
・借入金額の減り方が遅い
お得にしたいのなら元金均等返済
元金均等返済方法は元金の返済額は一定ですが、プラス利息分を支払って行く仕組みになるために、返済当初は返済額が多いですが、返済が進んでいくほど利息額が減り返済額が少なくなっていく返済方法です。
最初のうちは返済が多くて大変かもしれませんが、返済するごとに返済額は少なくなり、総返済額は、元利均等返済よりも少ない金額で抑えられます。
◆メリット
・元金の減少が早くなる
・総返済額が少ない
・返済が進むと返済額が減る
◆デメリット
・返済当初の返済額が高い
・借入時には高い収入が必要となる
最新版:2021年の住宅ローン金利について
2020年より新型コロナウイルス感染症拡大を受けて、生活や経済は大きな影響を受けてきました。
住宅を購入しようと思っていた方は、「購入してもいいのか?」と悩ましい所ではないでしょうか?
しかし、2021年の住宅ローン金利は、下記の表の通りとなっており、低い金利であるにもかかわらず、さらに下がっている金融機関も見受けられます。
金融機関 | 利用方法 | 全期間固定金利 | 変動金利 | 固定期間選択型(10年) |
みずほ銀行 | 店頭 | 1.13% | 0.625~0.875% | 0.75~1.00% |
ネット | 0.98~1.08% | 0.475~0.725% | 0.60~0.85% | |
三菱UFJ銀行 | 店頭 | 1.81% | 0.575~0.725% | 0.74% |
ネット | ― | 0.475% | 0.64% | |
三井住友銀行 | ネット | 1.28%~1.68% | 0.475~0.725% | 1.10~1.48% |
住信SBIネット銀行 | ― | 1.13~1.55%(フラット35) | 0.44% | 0.66~1.06%
|
ジャパンネット銀行 | ― | 0.38% | 0.499% |
今後の動向
固定金利は「新発10年物国債」が基準となり、変動金利の指標は日本銀行が定める政策金利が元にして決まっていきます。
コロナ禍から脱して日本の経済が順調に回復すれば、住宅ローン金利は上がっていくことになりますが、コロナ禍の影響で景気の低迷が続くのなら、今後も低金利が続くと予想されます。
また、日本銀行の金融緩和政策が実施されているために固定金利も上がりにくく、前年よりも物価が2%上昇しない限りは金融緩和政策が継続されると思われるため、しばらくは上がらないと考えられるのではないでしょうか?
ちなみに、2019年の物価上昇率は0.6%(生鮮食品を除く)でした。
2021年の住宅ローンが有利になる3つの条件
コロナウイルス感染症により経済が低迷していることもあり、住宅ローンの金利は低く抑えられています。
「金利がこのまま低い状態ならば、住宅の購入は焦らなくてもいいのでは?」と感じる方も多いと思いますが、2021年には史上最低金利、コロナ禍で下落した物件、コロナ支援策など、有利な条件が重なっています。
次に、2021年に住宅の購入の際に、住宅ローンが有利になる3つの条件をみてみましょう。
史上最低となる金利で住宅ローンを組む
金利が低い時に住宅の購入することができれば、総返済金額が少なくて済みます。
2021年においては、固定金利と変動金利の両方が過去最低の水準となり、変動金利は1%を下回り、住宅ローン控除の利用で得をする可能性もで始めています。
もちろん、変動金利は変わっていくので、コロナ禍後の景気が上昇したときには金利も上がりますが、低金利が長ければ長いほど元金残高を減らして行くことができます。
史上最低金利と言われる2021年に、変動金利で元金を効率的に減らし、その後は固定金利に移行すれば、有利でなおかつ安心に住宅ローンの返済ができるのではないでしょうか?
コロナ過で下落した物件が安く手に入る
新型コロナウイルス感染症の拡大によって、現在は不動産価格が一時的に落ち込んでいました。
しかし、徐々に不動産の需要に傾き不動産価格が高騰しつつあり、さらにコロナ禍によってハイパーインフレになるのではないかの心配もあげられています。
ハイパーインフレは戦後すぐの日本でも起きており、新型コロナウイルス対策の給付金や税制優遇、助成金などの財政出費が盛んになっていることから懸念されているようです。
これから万が一、ハイパーインフレになると不動産価格が上がってしまうために、コロナ過で一時的な下落した物件を手に入れるのは、今が絶好のチャンスであるとも言えるのです。
コロナ支援策などが活用できる
国では、新型コロナウイルス感染症の支援策として、様々な助成事業を行っています。
2021年には、住宅ローン控除の期間延長、すまい給付金の拡充、贈与税非課税枠の拡大など、住宅を購入するにあたって支援策を打ち出しています。
景気は落ち込んでいますが、史上最低金利、物件の下落、コロナ支援策と、物件購入に際して、このような条件が揃うことはめったにないのではないでしょうか?
まとめ
住宅ローンの全期間固定金利、固定金利期間選択、変動金利の3つのタイプに加えて、住宅ローンの2つの返済方法、コロナ過で有利になる条件などを、詳しく解説してきました。
新型コロナウイルス感染症拡大の影響によって、不動産を手放す方が増えてきており、この先は不動産価格も下落するのではと考えられています。
先行きに不安な方も少なくないでしょうが、住宅の購入をご検討しているのなら、史上最低金利、国からの支援策が重なった今を一つのチャンスとして生かしてみてください。
資金調達として欠かすことのできない住宅ローンを最大限に活用して、住宅の購入につなげていきましょう。