風力 発電 補助 金

小型風力発電機器導入に向けて4つの発電容量の違いと助成制度を解説。

助成金

風力発電と聞いて、大きな風車を思い浮かべる人が多いかもしれません。

日本の風力発電は欧米に比べて遅れています。

年間を通して、台風などの被害が置きやすい地域であるため、風車のメンテナンスに多額の費用が掛かるからといわれています。

それでも、風のエネルギーを電気に変える風力発電は、クリーンな再生可能エネルギーとして、急速に数を増やしてきました。

大型の風車については、再生エネルギーの象徴として位置づけられていて、海上での大規模な発電計画も実施されています。

なぜ、洋上に風車を建設するのかというと、風車を設置する場所が、限定的になってしまう陸上よりも、洋上では陸上よりも設置場所を気にせずに風車を設置できるため、風を効率よく電力に変えることができるからです。

もちろん、陸上にも発電施設がつくられています。

また、風力発電事業は大規模なものが多かったのですが、2016年に電力の小売業への参入が自由化されて、近年では多くの会社が参入して、小型風力発電の分野に家庭や事業者が、参入する機会ができるようになりました。

小型風力発電は太陽光発電の採算が低下してきたためにこれに代わって、注目を集めています。

本記事では、小型風力発電がどのようなものか解説するとともに、その設置費用や、補助金についてもご紹介します。

風力発電に興味がある方、再生可能エネルギーを使った投資を考えられている人はぜひ、本記事を参考にされてみてください。

小型風力発電とは

風力 発電 補助 金

小型風力発電にはさまざまなものがあります。

出力も変わってくるため、それぞれの本体価格や導入にかかるコストも異なります。

本当に小型であるものもありますが、一見すると小型なのかどうか判断に困る大きさの小型風力発電機器も存在します。

そして、小型風力発電機とは、発電容量が20kwまでのものを指します。

20kwを超えた場合は大型風力発電機に分類され、国の売電事業における売電価格単価が著しく低下するため、投資をおこなうのであれば、20kwを超えないもので勧めていかなけれなりません。

現時点では、多くの投資家からも発電容量が20kWへの投資が最も収益性が高いと認識されていますが、その初期における導入費用それに含まれる本体価格などは、オープン価格として設定されていることも少なくありません。
ここでそれぞれの本体価格などの費用を見ていきましょう。

発電容量20kwの場合

20kwを発電できる風力発電機は本体販売価格が2,000万円以上となることが多く、少し安いものでも海外の安いものであったりすると、故障等が多発し、収益が上がらなくなる事態に陥ってしまう場合がありますので注意しておいたほうが良いでしょう。
20kwを発電できる風力発電機はまだまだ、手を出しにくいので、多くの業者が参入して、本体価格が低下することで、参入がしやすくなるでしょう。

更にこれとは別に風力発電機を設置する土地の整備や施工にかかる料金があります。

通常は500万円から1,000万円の費用を設置業者に支払うことになります。

そうなると3,000万円以上の出費が必要となるので、現実的にこれができる人は限られてくると思われます。

風力発電設置場所の土地も購入すると固定資産税もかかるので、限られた人以外にはデメリットのほうが多いでしょう。

1500wの発電容量をもつ機器の場合

20kwの発電容量をもつ小型風力発電機ではなかなか手を出しづらい。

そのような人でも電力投資に参入しやすのが1500wの発電容量をもつ機器の場合です。

この価格帯では、多数の国内外のメーカの取り扱いがあるので、参入しやすい価格帯といえます。

日本製で、本体を買うと50万程度の価格です。
海外製のものだと25万円程度の相場になっています。

1500wの発電容量をもつ機器の場合は施工を、業者に頼む必要がない場合もあるので、設置費用やランニングコストを抑えることができます。

自宅の屋根などに取り付けることもできます。(※取り付け費用などは発生します。)

デメリットとして、カザキリ音(プロペラなどが風を切る音)などの騒音があるケースがあります。

近隣住民の迷惑にならぬよう設置場所は慎重に検討をしたほうが良いでしょう。

1000w以下の発電容量を持つ機器の場合

1000w以下の発電容量を持つ機器を選択するメリットは、1500wに比べて更に導入費用を抑えることができるところでしょう。

代表的な発電容量を持つ小型風力発電機器には600wと400wのものがあります。

600wの場合は本体価格は20万円を切るくらいのものが多くなります。

サイズ自体は1500wよりも一回り小型になります。

導入費用が手軽なため、ユーザーが受け入れやすいのも魅力です。

ただし、本体が小さくなった分、台風や強風時に、風力発電機本体が破損してしまう恐れがあります。

このような結果にならないように防風対策には力を入れて取り組む必要があります。

防風対策には大体5万円程度掛かります。

初期費用に加えてメンテナンスの費用がいくらかかるのかを検討しておきましょう。

400wの発電容量を持つ機器の場合

400wの発電容量を持つ機器の場合は本体価格は10万円を切り、重量も10㎏までない機器が多くなります。

このタイプの機器のメリットはコンパクトであることでしょう。

デメリットは、騒音対策をほとんど考慮していない機器も存在していることです。

風力発電はほとんどの場合24時間発電を想定したものですから、カザキリ音やモーター音などの騒音について、自身が気にならなくても近隣住民のストレスになることも大いに考えられます。

風力発電を導入するときに注意したほうが良いこと

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小型発電機については低価格帯の機器がおおいので、選択するのに苦労しますが、多少コスト高となったとしても日本製を選ぶのが妥当です。

安易に安い海外製品に手を出すと、騒音トラブルや故障の多発など、想定外のトラブルに発展してしまう場合があります。

また、発電効率の悪いものと知らずに海外機器を購入してしまうと、風力発電を導入した意味がなくなってしまいます。

また、小型風力発電の導入にて費用重視のユーザーはメンテナンスなどの定期的な品質管理をあまり重視しない傾向がありります。

メンテナンス費用は、その小型風力発電機器の形状や設置場所などによって変わってきます。

あまり、取り付けに手間がかかるところを設置場所として選んだ場合、高額なメンテナンス料金になってしまうことがあります。

導入時にはかならず、メンテナンスの費用についても考慮しておくことが肝要です。

小型風力発電機器設置に利用できる助成制度

ここでは小型風力発電機器設置に利用できる3助成制度を紹介します。

・新エネルギー事業者支援対策事業
・地域協議会代エネ・省エネ対策推進事業
・地産地消型再生可能エネルギー導入拡大事業

今回紹介する助成制度以外にも各自治体で出していたりするので、小型風力発電機の設置を検討している方は一度お住まいの自治体に確認してください。

新エネルギー事業者支援対策事業

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新エネルギー事業者支援対策事業は新エネルギー利用等の促進に関する特別措置法の認定を受けた計画において、新エネルギー導入事業を行う事業者へ事業費の一部を補助する制度です。

金融機関からの借り入れに対して債務保証も行ってくれます。

補助率 :補助対象経費の1/3以内

債務保証 :保証範囲は対象債務の90% 保証料率は保証残高の0.2%

管轄:経済産業省資源エネルギー庁

債務保証:独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)

地域協議会代エネ・省エネ対策推進事業

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地域協議会代エネ・省エネ対策推進事業は家庭、事務所、街灯などに電源用に導入する数百Wから数kWの発電容量の小型風力発電システムを地域にまとめて導入する場合に設置費用の一部を補助する制度です。

補助率:補助対象経費の1/3を限度とする。

*補助対象経費とは、事業を行うために必要な設備整備費、事務費等、本工事費、付帯工事費、機械器具費、調査費、初期調整費及び事務費並びにその他必要な経費で環境大臣が承認した経費。

管轄:環境省

地産地消型再生可能エネルギー導入拡大事業

風力 発電 補助 金

地産地消型再生可能エネルギー導入拡大事業自家消費型再生可能エネルギー発電等設備及び再生可能エネルギー熱利用設備を都内に設置する民間事業者が対象の助成金制度です。

補助対象設備:自家消費型再生可能エネルギー発電等設備(太陽光発電、風力発電、水力発電、地熱発電、バイオマス発電、複数の組み合わせによる再生可能エネルギー発電、蓄電池)、再生可能エネルギー熱利用設備(太陽熱利用、温度差熱利用、地中熱利用、バイオマス熱利用、バイオマス燃料製造)

補助率:3分の2、国等の補助金と併給する場合でも合計3分の2以内、上限は1億円
※詳細は東京都のホームページを参照してください。

助成制度を利用するにあたっての注意点ですが、助成制度の多くは申請期限が決まっていて、その期間を経過すると、申請自体ができなくなったりします。

また、機器の領収書などの添付資料が必要になる場合もあります。

申請前に自治体の窓口に事前相談をおこなうことが、申請条件となっている場合もあります。

申請後、現地調査などがおこなわれる場合もあります。

申請の通りに設置されているかどうか確認がおこなわれますので、申請どおりに準備をしておく必要がありますのでその点も注意してください。

まとめ

本記事では風力発電の設置に活用できる助成金制度について紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。

電力自由化にともない、一般事業者や個人で売電ができるようになりました。

しかし、小型風力発電機器の設置は発電容量によっては個人では、手が出しにくいものもありますし、逆に安易にコストの低い発電容量の機器を選択すると、破損や、騒音トラブルを起こしてしまうことがあるので、導入の際には、そのあたりも考慮しなければなりません。

また、メンテナンスについても、風力発電機器の構造が複雑なものや、設置場所がメンテナンスをしにくい場所にあると、費用がかさんでしまいます。

小型風力発電機器の導入にはよく計画を立てたうえで、検討するのが良いでしょう。

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